近年、国際社会が関心を寄せている南シナ海の問題について、中華民国外交部はその主張を以下の通り、改めて表明する:
1. 歴史的、地理的、国際法的いずれの面から述べても、南沙諸島、西沙諸島、中沙諸島、東沙諸島およびその周辺海域は中華民国固有の領土および海域である。中 華民国はこの4諸島およびその海域に対し、国際法上の権利を有しており、いかなる国家がいかなる理由または方法で、領有権を主張あるいは占拠することも中 華民国政府は一切認めない。
2.南シナ海の各諸島は、我が国が最も早く発見、命名、使用すると共に、領土の版図に組み入れたものである。日 本は1938年~1939年に東沙諸島、西沙諸島、南沙諸島を不法に占拠し、1939年3月30日に台湾総督府第122号で、「新南群島」(南沙諸島の一 部の島嶼)を台湾総督府の管轄に入れ、高雄州高雄市に編入すると告示した。第2次世界大戦終了後、中華民国政府は1946年に東沙諸島、西沙諸島、南沙諸 島の主権を回復し、主な島嶼に石碑の設立および駐留軍の派遣を行い、1947年12月に、新しく定めた南シナ海各諸島の名称および「南シナ海諸島の位置 図」を発表し、中華民国の領土および海域の範囲を明示した。このほか、1952年4月28日に発効した『サンフランシスコ平和条約』および同日調印した 『中日和約(日本名:日華平和条約)』ならびに、その他の国際法に関する文書では、日本が占領していた南シナ海の各島嶼は、いずれも中華民国に返還される べきであることが確認されている。その後、数十年間にわたり中華民国が南シナ海各諸島の主権を有し、効果的に管理している事実は、外国政府および国際組織 により承認されている。
3.1956年、中華民国は南沙諸島の中で面積最大(約0.5平方キロメートル)であり、自然に形成された島嶼の大 平島に軍隊を派遣し、同年当該島嶼に南沙守備区を設けた。1990年2月、中華民国行政院は、高雄市政府が大平島を代理管理し、行政管轄は高雄市旗津区に 属することを認可した。過去60年間、中華民国の軍民は当該島嶼に駐留し、各自の任務を果たすことに資するため、大平島の自然資源を十分に活用および開発 してきた。この島には、地下水が沸く井戸および自然の植物のほか、リン鉱石および漁業資源もあり、この島に駐留する人員は、生活上の必要から、同島で野菜 や果物を栽培および家禽家畜類を育ててきた。さらには、その信仰を求める需要から、同島に駐留する人員が1959年に観音堂を建設し、観世音菩薩を祀っ た。そのため、法律上、経済上、地理上のいずれの面から述べても、大平島は『国連海洋法条約』第121条の島嶼に関する要件に当てはまるのみならず、人類 が居住し、基本的な経済生活を維持できるものであり、断じて岩礁ではない。中華民国は大平島が一つの島嶼であることの事実を断固として守るものであり、こ れに対して否定しようと企てるいかなる国家の主張も、大平島の島嶼の地位および『国連海洋法条約』に基づき享受できる海洋の権利を損なうことはできない。
4.2008年から現在まで、中華民国政府は南シナ海諸島の平和的用途を積極的に推進し、大きな成果を上げてきた。地域の平和と安定のために、重要な貢献を行ってきたその要点については以下の通りである:
・2010年7月、内政部は「東沙環礁国家公園」管理ステーションを正式に始動し、「東沙国際海洋研究ステーション計画」を実施して、東沙が国際海洋研究の重要な場所となることを推進した。
・経済部は2011年に東沙諸島周辺と南沙の太平島鉱区を次々と線引きして設け、第一段階の地質調査測量および海域科学調査作業を終えた。
・2011年より、国防部と行政院海岸巡防署(以下、海巡署)はそれぞれ「南沙研修キャンプ」および「東沙体験キャンプ」を実施し、若者の南沙諸島の重要性に対する認識を強化した。
・2013年11月より、交通部、国防部、海巡署が共同で南沙大平島の交通インフラ整備建設を行った。
・2013年12月、交通部は南沙大平島の通信網設置を完成させ、国際的な人道援助の連絡や緊急通信サービスを簡便化した。
・ 2014年12月、南沙大平島の第2期太陽光発電設備の使用がスタートし、2011年に建設を終えた第1期の太陽光発電システムと合わせて稼動することに より、年間に使用電力の16%を供給できるようになり、二酸化炭素排出量を約128トン削減し、太平島を低炭素アイランドへと構築した。
5. 中華民国は、国際連合(以下、国連)の創始国である。1971年に代表権を失ったが、正式国名はRepublic of Chinaであり、これは『国連憲章』第23条および第110条に残されており、尚且つ、毎年『国連憲章』および国際法が規定している争議の平和的解決お よび海上航行と飛行の自由の原則を遵守している。我が国は長年にわたり太平島などの島嶼を堅守し、これにより他国と軍事衝突を起こしたことはなく、当該海 域および空域における各国の海上航行および飛行の自由を妨げたこともない。
6.中華民国政府は、南シナ海周辺各国が『国連憲章』および『国連海洋法条約』の原則と精神を尊重して自制し、南シナ海地域の平和で安定した現状を維持し、緊張情勢をエスカレートさせるいかなる一方的措置をとることも回避するよう呼びかけるものである。
7.中華民国政府は、「主権は我が国にあり、争議を棚上げ、平和互恵、共同開発」の基本的原則を堅持し、平等な話し合いの基礎の上に、関係国が南シナ海地域の平和と安定を共に促進すると共に、南シナ海の資源を共同で保護および開発することを願っている。
8.太平島およびその他の南シナ海の島嶼と環礁および海域に関するいかなる計画あるいは協議は、中華民国政府による話し合いへの参加と同意がなければ、中華民国に対していかなる効力もないのであり、中華民国政府もこれを一切認めない。
【外交部 2015年7月7日】