出入国制限を知りながら海外渡航して新型コロナ感染、氏名公開などの罰則も

出入国制限を知りながら海外渡航して新型コロナ感染、氏名公開などの罰則も

img20200317135349754

 台湾で今月11日以降、新型コロナウイルスの新規感染者の多くが直近の海外渡航歴持つ帰国者か、あるいは海外から台湾を訪れた人との接触で感染したケースとなっている。これを受けて中央感染症指揮センター(新型肺炎対策本部に相当。中国語の正式名称は中央流行疫情指揮中心)は、「旅遊疫情建議等級(=海外旅行感染症アドバイス)」の「第3級(警告、Warning)」に指定された国・地域だと知りながら、「やむを得ない理由」もなくこれらの国・地域を訪れ、検疫通知書に事実と異なる記載をしたり、「居家隔離」または「居家検疫」の義務に従わなかったりした場合、国から支払われる「防疫補償金」の対象から外し、必要な費用を追徴することを決めた。これに加えて新型コロナウイルス感染が確定した場合、その氏名を公表するなどの罰則も科す。

 ヨーロッパなどで新型コロナウイルスの感染が急速に拡大していることを鑑み、衛生福利部は16日までに世界76か国・地域を、3段階ある「旅遊疫情建議等級(=海外旅行感染症アドバイス)」のうち、最も深刻な「第3級(警告、Warning)」に指定した。「第3級」に指定された国・地域からの入国者には、14日間の「居家検疫(=在宅検疫、Home Quarantine)」を義務付けている。「居家検疫」は事実上の隔離措置で、自宅もしくは指定された場所に滞在し、外出や公共交通機関の利用が禁じられる。またその間、自主的な検温が求められる。

 台湾ではまた、海外からの入国者に検疫通知書の記入を求めている。検疫通知書に事実と異なる記載をした場合(連絡先を正しく記入しない、あるいは書き漏らしを含む)、「居家検疫」期間に国から支払われる「防疫補償金」を受け取ることが出来ない。また、「伝染病防治法」第58条及び第69条第1項に基づき、最高15万台湾元(約52万日本円)の罰金を科すことができる。さらに、「居家検疫」の規定に違反した場合は、10万台湾元から100万台湾元(約35万日本円~350万日本円)の罰金を科す上、その氏名を公開することができる、となっている。

 中央感染症指揮センターはこれに加え、きょう(17日)から「旅遊疫情建議等級(=海外旅行感染症アドバイス)」の「第3級(警告、Warning)」に指定された国や地域について、「やむを得ない理由」もなく訪問し、帰国後に2週間の「居家隔離」または「居家検疫」を行うことになった場合、国から支払われる「防疫補償金」の対象から外し、必要な費用を追徴する(詳細は別途公開)ことを決めた。これに加え、帰国後に新型コロナウイルス感染が明らかになったり、検疫に関する規定に従わずに新型コロナウイルス感染が明らかになったりした場合、その氏名を公表する。

 中央感染症指揮センターの指揮官を兼務する衛生福利部の陳時中部長(=大臣)は、「こうした規定は非常に厳しいものだが、新型コロナウイルスの感染拡大も厳しい局面を迎えており、こうせざるを得ない。規定を厳しくしなければ、違反者がさらに増えるだろう。それは台湾の感染症対策に負担をもたらすことになる」として国民に理解を求めた。新型コロナウイルス対策などを盛り込んだ特別条例「厳重特殊伝染性肺炎防治及紓困振興特別条例」第8条では、新型コロナウイルスの関する規定に違反した場合、その個人情報を公開するか、あるいはその他の感染症拡大予防措置を実施することができるとしており、今回の措置はこれを法的根拠としたものだ。

 一部のメディアから、海外で新型コロナウイルスに感染した帰国者の氏名を公表することについて疑問視する声も出た。これについて陳時中指揮官は、「これまでは感染者を特定するのは控えて欲しいと呼びかけていたが、現在は状況が違う。『第3級』に指定された国・地域だと知り、政府が不要不急の渡航は控えるようにと何度も警告しているにもかかわらず、それを振り切って渡航し、さらには新型コロナウイルスに感染した場合、帰国後にその負担を社会に分担させようとすることは『明知故犯(=悪いことだと知りながら、それをすること)』だ。国民にはぜひ警戒心を高めて欲しい」と説明した。

 いわゆる「やむを得ない理由」の基準や、帰国後に追徴する費用の範囲などについては別途詳細を発表するとしている。唯一明確なのは、「海外旅行」は「やむを得ない理由」には当てはまらないということだ。

 なお、これとは別に行政院(=内閣)は16日、台湾の高校生以下、及びその教員につき、今学期が終わる7月14日までの出国を一律禁止することを決めた。

Taiwan Today:2020年3月17日

写真提供:衛生福利部フェイスブックページより
 中央感染症指揮センター(新型肺炎対策本部に相当)は17日より、「旅遊疫情建議等級(=海外旅行感染症アドバイス)」の「第3級(警告、Warning)」に指定された国・地域だと知りながら、「やむを得ない理由」もなくこれらの国・地域を訪れた場合、帰国後14日間の「居家検疫」の期間に受け取れる「防疫補償金」の対象から外すことを決めた。さらに新型コロナウイルス感染が確定した場合はその氏名を公表する。