呉外交部長、米CNN駐ソウル特派員によるインタビューで中国の脅威語る

　外交部（日本の外務省に相当）の呉釗燮部長（大臣）が12日、米ニュースチャンネルCNNの駐ソウル特派員、Paula Hancocks女史によるインタビューに応じ、米厚生長官が代表団を率いて台湾を訪問した意義、中国による軍事的脅威、香港問題、米大統領選の台米関係への影響などについて語った。

　このほど米国のアザー厚生長官が訪台したことについて呉釗燮外交部長は、米国側が非常にはっきりしたメッセージを伝えたものであり、米国政府の台湾に対する固い支持が示されたとの見方を示した。呉外交部長は、台湾と米国は緊密に結ばれた協力パートナーであり、米国は台湾が軍事的及び外交的脅威にさらされていることを理解していると述べた。その上で呉部長は、米国が台湾を支持する理由は、台湾が新型コロナウイルスの封じ込めで優れた成果を挙げていることのみならず、公衆衛生や経済貿易分野、さらには安全保障や文化など様々な分野で全面的に友好関係が深まっているからだと指摘した。

　台湾と中国はいずれも最近軍事演習を行っており、地域としての緊張が高まっているとするHancocks特派員の指摘に対し、呉外交部長は、中国側の侵略的な行動こそがこの地域に注目が集まっている原因との見方を示した。呉部長はその事例として、中国側が頻繁に軍艦を台湾周辺に派遣していること、日本も領有権をめぐって争いのある水域に中国が頻繁に艦艇を派遣することは東シナ海の緊張を高めると懸念していること、そして香港における「逃亡犯条例改正案」と「国家安全法」への反発に国際社会が注目し、香港の人々を支援していることを挙げた。呉外交部長はまた、南シナ海における中国の軍事化の動きが同海域での緊張を高めているほか、中国はインドとの国境で軍隊による小競り合いも起こしていると指摘し、そうした動きは区域間の対立を引き起こすと憂慮した。

　台湾は「次の香港」になるかとの質問に対して呉外交部長は、中国は国内が危機に直面すると国外にスケープゴートを見つけようとするとして、「一国二制度」で台湾を「次の香港」にしようとすることで中国の人々の不満の感情を海外での問題に向けさせるのだと分析した。そして呉外交部長は、中国の台湾に対する侵略、あるいはあらゆる方式での攻撃を防ぐため、台湾は今後も両岸関係を非常に慎重に取り扱っていかなければならないと強調した。

Taiwan Today：２０２０年８月１４日

写真：CNNウェブサイトより
　呉釗燮外交部長（写真）が12日、米CNNの駐ソウル特派員によるインタビューに応じ、米厚生長官訪台の意義、中国による軍事的脅威、香港問題、米大統領選の台米関係への影響などを語った。