台北市立動物園と京都市立動物園が協定、生物多様性の保全で協力

　台北市立動物園（台北市文山区）と日本の京都市立動物園（京都市左京区）は8日、生物多様性の保全に関する連携及び協力を目指す覚書（MOU）に調印した。台北市立動物園の劉世芬園長と京都市動物園の坂本英房園長がそれぞれの動物園を代表し、リモートで調印を行った。調印式には台北市教育局の陳素慧副局長、台北市市長室渉外事務総監の周台竹氏、京都市文化芸術政策監の北村信幸氏、台北駐大阪経済文化弁事処（=日本における中華民国総領事館に相当）の李世丙処長が立ち会った。

　台北市立動物園の劉世芬園長は調印式で、「覚書締結後、両園は持続可能な開発目標（SDGs）の17項目のグローバル目標の実現寄与に向けて共に努力していくことになる。京都市立動物園は霊長類の保全で豊富かつ専門的な経験と成果を持つ。台北市立動物園としても学ぶべきことは多い」と述べた。

　劉世芬園長によると、両園は今後、園や国の枠組みを越えて複数の地域に希少種の個体群を確立し、相互交流や協力を深化させる。台北市立動物園は双方の連携及び協力の第一歩として、今年下期にも京都市立動物園からグレビーシマウマ（Grevy's zebra）のオス1頭を受け入れたいと希望している。

　京都市立動物園の坂本英房園長によると、同園が海外の動物園と包括的な連携・協力に関する覚書を締結するのは初めてのこと。京都市立動物園ではグレビーシマウマのほか、台湾固有種「石虎（タイワンヤマネコ）」と同じベンガルヤマネコ属であるツシマヤマネコの保全にも取り組んでいる。京都市立動物園は、台北市立動物園と生物多様性の保全寄与で協力したいと考えており、その一環として若いオスのグレビーシマウマ1頭を台北市立動物園に貸し出すことを検討している。

　台北市立動物園の公式サイトによると、グレビーシマウマは「絶滅危惧種」に指定されている。野生の馬の仲間では最大で、乾燥した半砂漠や温帯の草原などに生息している。その個体数は現在、世界で約6,000頭と言われている。

　調印式に出席した日本台湾交流協会台北事務所（=台湾における日本大使館に相当）新聞文化部の嶋村郁代部長は、「台北市立動物園と友好協定を結ぶ日本の動物園はこれで9園目となった。この協定が台日交流をより深化させることを期待している」と述べた。

Taiwan Today：２０２１年２月９日

写真提供：台北駐大阪経済文化弁事処フェイスブックより
　台北市立動物園（台北市文山区）と日本の京都市立動物園（京都市左京区）は8日、生物多様性の保全に関する連携及び協力を目指す覚書（MOU）に調印した。写真は京都市立動物園での調印式の様子。左側のスクリーンに台北市立動物園の様子が映し出されている。