台北駐日経済文化代表処が中華民国(台湾)110年双十国慶節祝賀式典を開催
挨拶する謝長廷代表
一、駐日代表処は、感染対策を十分にとり、中華民国(台湾)110年双十国慶節祝賀式典を開催
台北駐日経済文化代表処(駐日代表処)は10月7日午後3時、謝長廷代表が主催し、「中華民国(台湾)110年双十国慶節祝賀式典」を都内のホテルで開催した。今年の開催については、現在日本国内の新型コロナ感染状況が改善傾向にあり、対日関係発展の重要性、昨年の双十国慶節祝賀レセプションの中止などを考慮した。また同時に、日本政府からわが国へ提供された新型コロナワクチンについて、日本各界に直接、感謝の意を伝えるとと共に、台日100年の絆を顕彰するため、これまでは夕刻より開催していた祝賀レセプションを午後に祝賀式典へと形式を改め、規模も縮小し、感染対策を十分にとり開催した。
二、式典は簡素ながらも厳粛、各界から多くの要人が出席
安倍洋子女史
今年は簡素ながらも厳粛な式典となった。安倍晋三・元首相のご母堂 安倍洋子女史、「日本台湾交流協会」の大橋光夫会長、「日華議員懇談会」(日華懇)会長の古屋圭司・衆議院議員、および衆参両院の国会議員60名以上が出席した。さらには、グアテマラ、ハイチ、ホンジュラス、ニカラグア、パラオ、パラグアイなどわが国の友好国ならびにわが国と理念の近い国々の駐日大使および大使館関係者、日本の主要メディア、社会各界の要人、日本在住の僑胞ら約450名が出席した。
三、謝代表が「中華民国(台湾)」を説明
謝代表はあいさつの冒頭で、「本日は中華民国110年の国慶節を祝うものである」と述べた上で、会場のステージ上の看板が例年と異なり、「中華民国」の文字の横に(台湾)と書いてあると紹介した。これについては、「日本と中華民国が断交し50年近くとなり、日本の若い世代の多くは、『中華民国』を知らない。台湾の憲法に基づく名称は、『中華民国』であるが、『中華民国憲法』は現在、台湾においてのみ施行され、民主化も台湾で実現している。それゆえ私たちは今、国際社会に向けて『台湾』を強調する必要がある」と説明した。
四、謝代表はこの1年間、日本による台湾海峡の平和と安定の重視、東京五輪・パラリンピックの開催、台湾へのワクチン提供、台湾の国際機関等への参加支持に感謝
謝代表は今年4つのできごとについて、日本政府に感謝の意を表した。1つ目は、日本政府が日米首脳会談などの場において台湾海峡の平和と安定の重要性を繰り返し強調し、台湾への関心を表明したことである。最近では中国軍機が多数、わが国の防空識別圏に侵入しており、その目的は台湾が中国の核心的利益であることを証明しようとするものであり、台湾の人々の心も屈服させようとしているが、蔡英文総統は、「軍事圧力に決して屈しない」と繰り返し強調していると説明した。謝代表はさらに、「自由と民主主義は中華民国(台湾)の基本的価値で、妥協の余地はありえない。台湾の人々にとり、台湾は利益ではなく、生存であり、生命そのものだ」と強調した。
2つ目は、日本政府は新型コロナウイルスの感染状況にある中、さまざまな困難を乗り越えて、東京オリンピック・パラリンピックを開催したことに敬意と感謝の意を表した。
3つ目として今年5月、台湾で新型コロナウイルスの感染が急速に拡大し、ワクチンが不足していた時に、日本政府から一早く124万回分のワクチンが提供されたことは「まさしく恵の雨のようになった」と述べた。日本政府からこれまでに5回、合計約390万回分のワクチン提供は、台日の深い絆を象徴するものとなった。これに対し謝代表は台湾を代表し、改めて感謝の意を表した。
最後の1つは、日本政府と日華懇が多数回にわたり台湾の「世界保健機関」(WHO)への参加支持を表明し、日本の47都道府県の内、35の議会が台湾のWHO参加を支持する決議を可決、さらには今年6月に日本の参議院本会議においても台湾のWHO参加を支持する決議が全会一致で可決された。これらに対し謝代表は改めて感謝の意を表した。また、台湾が先ごろ「環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定」(CPTPP)への加入を申請し、日本の多くの国会議員がただちに支持を表明したことに対しても感謝の意を表すと共に、台湾のCPTPP加入のための作業部会が今年末までに設置されることを期待した。
五、台日の現在の友好は台日100年の絆によるもの
謝代表は、「台湾と日本の民間友好は100年前まで遡ることができる」と述べた。当時、多くの日本人技師や専門家らが台湾の近代化建設のために多大なる貢献をしてきた。その後、日本時代の学校の日本人教師、台湾の日本語世代、台湾で生まれ成長した「湾生」と呼ばれる日本人らも台日の友好交流促進に尽力してきた。近年、台日間では災害が発生した際に互いに支援しあう「善の循環」も形成されており、世界的にも類を見ない友好関係が築かれていると紹介した。
さらに謝代表は、「今日の台湾と日本の友好関係は、100年にわたる民間の友情と交流が蓄積された成果であり、我々は次の100年に向けて、この友好を次の世代に伝えていかなければならない。台湾と日本はまさに運命共同体であり、自由、民主などの普遍的価値を共有する信頼できるパートナーであり、本音で語りあえる親友である。今後も手を携えて協力していけば、どんな困難も共に乗り越えていけると確信している」と強調した。
六、来賓あいさつ
大橋光夫・日本台湾交流協会 会長
古屋圭司・日華懇 会長/衆議院議員
飯島彰己・東亜経済人会議 日本委員会 委員長
趙中正・全日本台湾連合会 会長
朱恭亮・日本中華聯合総会 会長
「日本台湾交流協会」の大橋光夫会長は、「現在の台湾と日本は、世界的に誇れる友好関係を築いている」と述べ、その源泉は相手への思いやりによって育まれてきた友好の絆による良好な関係からであると説明した。先ごろ台湾が加入を申請したCPTPPについても「日本は大歓迎である」と述べた。
日華懇会長の古屋圭司・衆議院議員は、昨年台湾から日本へマスクが寄贈され、今年日華懇はそのお返しとして、台湾のパイナップル販売促進やワクチン提供などをサポートしたと紹介し、「お互いに困った時に助け合うのが真の友である」と強調した。さらに、台日米の国会議員により今年7月にリモート形式で安全保障会議を行ったことにも言及し、「今後も共通の価値観を持つ国々でこのような戦略対話を行っていきたい」との考えを示した。
「東亜経済人会議 日本委員会」の飯島彰己・委員長は、台湾がCPTPPへの加入を申請したことについて、「CPTPPの条件をクリアし、メンバーを迎えることによりCPTPPのネットワークが拡大していくことは大変喜ばしいことだ」と述べた。
「全日本台湾連合会」の趙中正会長は、「蔡総統が世界で台湾のプレゼンスをより一層高めることを期待する」と述べると共に、世界各地の台湾人が一致団結するよう呼びかけた。
「日本中華聯合総会」の朱恭亮会長は、「中華民国(台湾)は1972年に日本と断交したが、日本各界の協力の下、台日関係は引き続き拡大している」と述べた。
七、台日民間100年交流記念の表彰式
写真左より、川口昭彥氏(感謝状)、八田修一氏(外交之友貢献奨)、謝代表、松任谷秀樹氏(感謝状)。
台日100年の絆を顕彰するため、式典の中で、これまでに台湾のインフラ建設に多大なる貢献をした日本人の子孫を表彰することとなり、謝代表から「外交の友貢献奨」と記念章が「嘉南大圳の父」八田與一氏のご令孫にあたる八田修一氏に授与された。また、「白冷圳の父」磯田謙雄の外孫にあたる松任谷秀樹氏、「蓬莱米の父」磯永吉氏の外孫に当たる川口昭彦氏にそれぞれ感謝状が贈られ、これら貢献をした故人を懐かしむと共に、その子孫らの台日友好促進への貢献に感謝した。
代表処は式典の招待客に、台湾の特色ある記念のお土産を贈った。この中には台南関廟のドライパイナップル、台南玉井のドライマンゴーとフリーズドライマンゴー、「台日友好・善の循環」記念コースター、代表処が制作した双十国慶節の記念DVDなどが用意された。招待客は次々と謝代表にあいさつし、祝賀の雰囲気あふれる中、午後5時に終了した。
駐日代表処 110年国慶節記念動画
https://www.youtube.com/watch?v=nonaBDF7Zus
【台北駐日経済文化代表処 2021年10月8日】







