馬英九総統が大橋光夫・交流協会会長と会見
馬英九総統は4月11日、総統府で日本交流協会の大橋光夫・会長一行と会見し、4月10日に大橋会長が日本側代表として調印した「台日漁業協定」が台日関係の大きな前進になったと高く評価し、歓迎と感謝の意を表した。
このなかで馬総統は、「わが国と日本は1996年より漁業交渉を開始し、17年の間、過去16回会談が開かれたが、実質的な進展が見られなかった。しかしながら、4月10日に第17回会談でついに具体的、実質的な成果が得られた。日本政府およびわが国民が、いずれもこの成果を前向きにとらえているものと確信している」と述べ、台湾の関係機関の長期にわたる努力および日本側から示された誠意と善意に謝意を示した。
今回の「台日漁業協定」調印に関して、馬総統は「釣魚台列島(日本名:尖閣諸島)は、わが国の固有の領土、付属島嶼であり、当該列島付近の水域はわが国漁民の百年来の伝統的な漁場である。今回の協定は、わが国の新北市、基隆市、宜蘭県およびその他各県市の漁民がいずれも実質的な恩恵を受けるものであり、わが漁民の操業範囲が従来より約1,400平方カイリ(約4,530平方キロメートル)拡大されることになる。その他の今回の協定対象に含まれなかった水域である例えば北緯27度以北の部分および釣魚台列島周辺の水域などについては、双方が今後設置する『台日漁業委員会』の中で引き続き議論し、コンセンサスを求めることになった」との認識を示した。
さらに馬総統は、「双方は、今回の交渉では、(釣魚台列島に対する)領有権のテーマについてはコンセンサスを得ることができなかったが、わが国の漁業権については大幅な進展がみられた。これは、わが国が主権を堅持しながらも、双方が争議を棚上げする前提の下、平和的な方式で争いを解決できることを示したものであり、このやり方は国際法および国連憲章にも合致するものである」と指摘し、そのうえで「昨年8月に東シナ海情勢が緊張したことを受けて提起した『東シナ海平和イニシアチブ』は、東シナ海が『平和と協力』の海として東アジアの平和と安定の基礎となるよう願うものであり、決して空論などではなく、日本政府からも重要視された」と強調した。
また、馬総統は、日本の国会で2年前に「海外美術品等公開促進法」が通過したことにより、来年日本で「国立故宮博物院」特別展が開かれるほか、今月「宝塚歌劇団」の台湾初公演が実現し、好評を博し、さらに公演の最後に東日
本大震災への台湾からの支援に感謝の言葉を述べたことが台湾の国民を感動させたとして、「このような文化交流活動が双方の国民の友情の深まりに寄与している」と述べた。
今年が(台湾の対日窓口である)「亜東関係協会」設立40周年にあたることに関して、馬総統は、同会と(日本の対台窓口である)「交流協会」が長期にわたり台日関係を促進する重要な役割を担ってきたことに対して感謝の意を表し、台湾と日本の「特別パートナー関係」が引き続き前進していくことに期待を示した。
このほか、大橋会長一行は同日、呉敦義副総統とも会見した。このなかで呉副総統は、「台日漁業協定」が調印されたことは、台日両国の絆と緊密な関係が示されたものであり、双方の交流と協力関係が引き続き深まることに期待を示した。
【総統府 2013年4月11日】