馬英九総統が米国「戦略国際問題研究所」（ＣＳＩＳ）訪問団一行と会見

　馬英九総統は６月２７日、総統府で米国の戦略国際問題研究所（ＣＳＩＳ）訪問団一行と会見し、台米関係、両岸交流、東シナ海および南シナ海問題等のテーマについて意見交換した。

　このなかで馬総統は、台米関係について「昨年７月に法改正して米国産牛肉の輸入問題が解決し、９月に米国と「台米貿易・投資枠組み協定」（ＴＩＦＡ）の協議再開に合意し、今年３月に第一回予備協議が行われた」と述べ、「積み上げ」方式によって台米間の経済・貿易関係がより一層緊密になるよう期待を示した。

　両岸関係に関して、馬総統は、先日調印した「両岸サービス貿易協議」について、「台湾が中国大陸に６４項目のサービス業を開放し、中国大陸は台湾に８０項目のサービス業を開放することが決められた。この取決めは３年前に両岸が調印した『両岸経済協力枠組み協議』（ＥＣＦＡ）の延長上にあり、そのカバーする範囲はさらに広くなり、台湾のサービス業が中国大陸できわめて強い競争力を持つようになるものである」との認識を示した。

　また、東シナ海問題に関して、馬総統は「昨年、日本が釣魚台列島（日本名：尖閣諸島）の国有化を宣言したことは、中国大陸および台湾の強い懸念を招くこととなった」と指摘し、そのうえで「私は昨年８月に『東シナ海平和イニシアチブ』を提起し、関係各方面に主権争議の棚上げと資源の共同開発を呼びかけた。わが政府は、昨年１１月から日本と漁業交渉を行い、今年４月の『台日漁業協議』調印に至り、これまで４０年にわたり双方を悩ませてきた問題が解決した」と強調した。さらに「これは『国連海洋法条約』に合致するのみならず、共同保護・管理の方式を採用することで、双方の漁船が台湾本島の２倍もの面積に相当する水域を相手国の法律に縛られずに共同使用し、わが漁民が百年来の伝統的漁場において干渉を受けることなく操業できるようになった」との認識を示した。

　そのほか、今年５月９日に台湾漁船の「広大興２８号」がフィリピン公船の銃撃に遭い、台湾の漁民１人が死亡した事件について、馬総統は「台湾の政府は一貫して確固とした立場をとっており、フィリピン政府に対し『正式な謝罪、損害賠償、迅速な真相究明と犯人の厳格な処罰、速やかな漁業協議交渉着手』を要求した。現在、台湾はフィリピン政府の対応を待っている状態であり、具体的な成果を得て、双方の関係を正常に戻せるよう望んでいる」と説明した。そのうえで馬総統は「中華民国は平和を愛する国であり、今後も引き続き平和的な方法で問題を解決していく」と強調した。

【総統府　２０１３年６月２７日】

馬英九総統が米国「戦略国際問題研究所」（ＣＳＩＳ）訪問団一行と会見

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