日本の安倍元首相死去、蔡総統「世界は重要なリーダー失い、台湾も重要な親友失う」

　日本の安倍晋三元首相が8日、銃撃を受けて死去したことについて、総統府の張張惇涵報道官は、「安倍元首相は国際社会における重要なリーダーであり、さらに台湾にとって最も揺るぎのない友人だった。蔡英文総統は訃報に触れて大変心を痛め、残念に思っている。そして我が国政府と人民を代表して最も深い哀悼の意を表した」と述べた。張報道官によれば、蔡総統は国際社会が1人の重要なリーダーを失ったばかりでなく、台湾も1人の重要な親友を失ったと感じており、「台湾と日本は共に民主的な法治国家だ。我が国政府は暴力と不法行為を厳しく非難する」と述べたという。

　張報道官は安倍元首相について、「台日関係の進展を推し進める上で長年力を惜しまなかった。特にここ2年あまり世界が新型コロナウイルスの影響に向き合う中、安倍元首相は大いに奔走して日本政府による台湾への『友情のワクチン』無償提供を実現させた」と評価した。張報道官はまた、世界と地域の政治と経済が近年変化する中、安倍元首相は自由で開かれたインド太平洋地域の拡大を堅持、さらには国際社会に対して「台湾有事は日本有事、すなわち日米同盟の有事である」と主張したと指摘。「安倍元首相は台湾の安全保障に関心を寄せたばかりでなく、台湾と共に立ち、共同で台湾海峡ならびに地域の平和と安定を守り、インド太平洋地域が様々な戦略の挑戦に直面する中で、新たな戦略枠組みと希望を生み出した」と説明した。

　張報道官によると、蔡総統は呉釗燮外交部長（外務大臣）と謝長廷駐日代表に対し、日本政府ならびに安倍元首相の親族に心からの哀悼の意を伝えるよう命じている。蔡総統は、安倍元首相は他界したが、台湾の社会と人々は台湾を愛した安倍元首相の熱意とその台日関係への生涯の貢献を永遠に偲ぶことだろうとしているほか、台湾と日本はこれからも手を取り合って支え合い、「善のサイクル」は暴力を恐れず、その循環が止まることも無いことを国際社会に証明していくと述べた。

Taiwan Today：２０２２年７月１１日

写真提供：総統府
　日本の安倍元首相が死去したことについて、蔡英文総統は「国際社会が1人の重要なリーダーを失ったばかりでなく、台湾も1人の重要な親友を失った」とその死を惜しんだ。