馬英九総統が「東シナ海防空識別圏」についての政府方針を再度表明

　１２月１４日、馬英九総統は台北市内で開催された「現代国際法と超国家法」学術シンポジウムおよび「中華民国国際法学会」２０１３年総会に出席し、あいさつの中で、中華民国政府の国際法を実践する上での具体的な方法を説明した。

　馬総統は、中国大陸が先ごろ設置を発表した「東シナ海防空識別圏」についても言及し、「『防空識別圏』（ＡＤＩＺ）設置の目的は、『事前警戒』と『識別』の機能を達成させるためであり、現在この概念は、国際法において規範が明文化された法的制度となっておらず、『領空』『領海』『領土』などの概念とは異なるものである」と指摘した。

　さらに、「これについて、中華民国政府は４項目の声明を発表した。それは、１．中華民国は釣魚台列島（日本名：尖閣諸島）の主権に、影響を受けるものではない。２．関係各国は、我が国が提起した『東シナ海平和イニシアチブ』を参考にし、平和的方法により争議解決を図り、とりわけ、当該区域の防空識別圏が重なる部分について、双方間による話し合いを早急に行い、不測の事件が発生しないよう希望している。３．我が国空軍の軍事演習は通常通り実施し、影響を受けるものではない。中国大陸当局は事前に中華民国側と話し合いを行わなかったことから、我が国は厳正なる立場、とりわけ当該行為が両岸関係のプラス面での発展に寄与しないことを引き続き表明するものである。４．中華民国は長期にわたり、『防空識別圏』を設置した国の民間航空機の飛行に関する取扱い機関に、飛行計画を提出していることから、航空会社からの飛行計画を転送するサービスを行う意向でもある」と説明した。

　馬総統は最後に、「我が国は引き続き、国際社会において、『ピースメーカー』としての役割を担い、平和的な方法により争議解決を図っていく所存である。また同時に、双方間の対話および国際法を通して、問題を解決していくものであり、古い観念にとらわれることなく、国際実務を正確に処理していく姿勢である」と強調した。

【総統府　２０１３年１２月１４日】

馬英九総統が「東シナ海防空識別圏」についての政府方針を再度表明

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