馬英九総統が「２０１５年世界国際法学会・米国国際法学会アジア太平洋研究フォーラム」で東シナ海情勢について語る

　馬英九総統は５月２６日、「２０１５年世界国際法学会・米国国際法学会アジア太平洋研究フォーラム」の開会式に出席し、挨拶のなかで東シナ海情勢について以下のように語った。

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　東シナ海の争議の核心は釣魚台列島、日本では尖閣諸島と呼ばれる８つの無人島からなる陸地総面積６平方キロメートルの島嶼をめぐるものである。中華民国は、釣魚台列島が中華民国固有の領土であると一貫して主張しており、１６８３年以来、台湾の附属島嶼である。これは地理的、地質的、歴史的、国際法などの面からも強固な根拠が得られるものである。

　東シナ海問題が表面化したのは長い歴史があり、１９６０年代末期まで遡ることができるが、最近この地域の緊張情勢が激化した主な要因は、現在実際に釣魚台列島を実効支配している日本政府が２０１２年９月に釣魚台列島を「国有化」したことによるもので、これによって中国大陸の２０都市で大規模な反日デモが引き起こされた。日本政府が釣魚台列島の国有化を実行する前、私は同年８月５日の「中日和約」（日華平和条約）発効６０周年の日に「東シナ海平和イニシアチブ」を提起し、釣魚台列島の主権は中華民国に属することを前提として、「主権は分割できないが、資源は共有できる」の概念の下、関係各方面に対して、平和的に争議を解決するために、争議を棚上げし、国際法を尊重し、資源の共有と開発の協力を話し合うことを呼びかけた。

　「東シナ海平和イニシアチブ」を提起した後、各方面の反応はいずれも前向きなものだった。このイニシアチブの精神に基づき、台湾と日本の間の漁業会談は５カ月もたたないうちに進展があり、２０１３年４月に双方は１９９６年以来の第１７回漁業会談において「台日漁業協議」に調印した。これによって４０年にわたる漁業争議が解決し、協議の適用範囲は７万４，０００平方キロメートルに達し、台湾の漁民はこの海域で操業する際に日本の海上保安庁の巡視船による干渉を受けなくなった。主権争議については暫時棚上げされたが、協議第４条の「維権条款」（without prejudice clause）により、双方の領土主権の主張は漁業協議の影響を受けないと規定されている。「台日漁業協議」の発効後、漁民の漁獲量は大幅に増加し、同時に漁業トラブルの件数はほぼゼロとなった。東シナ海の緊張情勢はこのようにして大幅に緩和された。したがって、「東シナ海平和イニシアチブ」は、「争議を棚上げし、ウィンウィンを創出する」の目的を達成し、南シナ海の平和的発展に対してもよい模範を示すものとなった。これについて、米国、欧州連合（ＥＵ）、オーストラリアなどの政府幹部らも、いずれも地域の平和の増進に効果的な方法であると高く評価している。

【総統府　２０１５年５月２６日】

馬英九総統が「２０１５年世界国際法学会・米国国際法学会アジア太平洋研究フォーラム」で東シナ海情勢について語る

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