行政院の陳建仁院長、日本の新駐台代表と台日関係のさらなる向上で一致

　行政院の陳建仁院長（=首相）は11月30日、日本台湾交流協会台北事務所の片山和之代表と行政院で会談した。同事務所は日本大使館に相当する。駐台大使に相当する片山氏は11月に着任したばかり。

　陳院長は、片山代表の着任を歓迎するとともに、片山代表が外交官として豊富な経験を持つこと、かつて米ハーバード大学で学んでいた頃には東アジア研究者として知られるエズラ・ヴォーゲル教授（故人）の下で台湾の民主化をテーマとした研究を行っており、今回の台湾赴任は、片山代表と台湾の深い縁を示すものだと語った。陳院長はまた、日本台湾交流協会の公式サイトに掲載されている「着任挨拶」で、片山代表が赴任中の使命として「台湾の日本ファンを増やすこと」や、自身が「台湾の社会や文化、人々のことを学び、台湾を更に深く広く理解すること」などを挙げていることに言及し、「台日の友好関係は奥が深い。台湾の各方面の人々が全面的に片山代表に協力してくれるだろう。片山代表がわが国と一緒になって努力してくれれば、台湾と日本の交流をさらに促進することになり、台日関係が一層レベルアップすることになるだろう」と期待を寄せた。

　これに対して片山代表は、自身が外務省に入省して40数年間、米国、中国、ベルギー、マレーシア、ペルーなどに赴任した経験があること、今回の台湾赴任を大変喜んでおり、これから台湾をさらに深く広く理解していきたいなどと抱負を語った。

　片山代表は、1986年から1987年までの期間、米国の大学院（修士課程）で学んでいた頃、エズラ・ヴォーゲル教授の指導を受け、民進党の成立と台湾の民主化をテーマにした修士論文を書いたことに触れ、それから30年以上が経過し、来年1月13日には第16代正副総統選挙と第11期立法委員（=国会議員）選挙が行われるが、台湾の民主化の進展をこの目で見ることができるのは大変光栄なことだと述べた。

　片山代表はまた、「台湾と日本は非常に重要なパートナーであり、自由、民主主義、人権、法の支配といった基本的価値を共有している。台湾海峡の平和と安定は、台湾や日本の安全保障を左右する問題であるばかりか、全世界の平和と安定した発展に影響を与えるものだ。このほど東京で開かれたG7外相会合の外相声明でもこの点が繰り返された」と述べた。

　片山代表はまた、台湾と日本は数々の自然災害や新型コロナウイルスのパンデミックなどに直面する中で、互いに助け合いながら「善の循環」を形成してきたとして、台湾の行政部門の長年にわたる努力に「心から感謝する」と述べた。また、陳院長が今年8月に台北市内で開かれた「台日水果夏祭/日台フルーツ夏祭」の開会式でこれから台日の農産品貿易や交流を促進していきたいと抱負を述べたと知り、来年も機会があれば同様のイベントを共催し、双方の貿易、経済、文化、人的往来などの交流を促進し、台日関係をさらにレベルアップさせたいと述べた。

Taiwan Today：２０２３年１２月１日

写真提供：行政院
　行政院の陳建仁院長（=首相、右）は11月30日、日本台湾交流協会台北事務所の片山和之代表（左）と行政院で会談した。双方は台日関係をさらにレベルアップさせることで一致した。