第76回世界保健総会がスタート、各国各方面から台湾の参加を支持する声集まる
中華民国(台湾)は「専門、実務、貢献」を原則に、世界保健機関(WHO)及びその最高意思決定機関である世界保健総会(WHA。またはWHO総会とも)への参加の必要性を訴えてきた。スイス・ジュネーブで5月21日から30日まで開催される第76回WHO総会を前に、今年は世界5大陸、70か国以上の行政府、立法府、医療専門団体、シンクタンク、市民団体など延べ6,000人以上がさまざまな方法で、台湾のWHO及びWHA参加を支持している。
【国交樹立国や近い理念を持つ国々】
中華民国(台湾)が外交関係を持つ13か国のうち、WHO加盟国である12か国がすでに、WHO事務局に対して「台湾をオーブザーバーとしてWHO総会に招く」提案を行い、同時に「補充項目(supplementary item)」として同案をWHO総会全体会議の議事日程に加えるよう要求している。また、グアテマラのアレハンドロ・ジャマテイ大統領、セントビンセント・グレナディーンのラルフ・ゴンサルヴェス首相、セントクリストファー・ネービスのジェフリー・ハンリー副首相、マーシャル諸島のキトラン・カブア外務・貿易大臣などが台湾支持の声を上げている。国交樹立国の在ジュネーブ代表団は「台湾の友」と銘打ったグループを結成し、WHO事務局長に書簡を送り、台湾のWHO総会参加を支持する立場を改めて示している。近い理念を持つ国々による台湾支持の声も年々拡大している。ここ数週間で多数の国の外務大臣や保健大臣などが公開の言論、二国間あるいは多国間の共同声明、共同プレスリリースなどによって台湾にエールを送っている。
【各国の国会】
各国の国会を見ても、国境を越えて、あるいは党派を超えて台湾支持の立場を示している。これは、台湾のWHO総会参加を支持することが各国の世論であることを反映している。例えば米国の下院外交委員会ではこのほど、台湾の国際参与を支持する法案を可決。ドイツの国会では2年連続で、台湾がオブザーバーの身分でWHA及びWHOに参加することを支持する決議が可決された。チェコ上院でも初めて、WHOを含む国際組織に台湾が参加することを支持する決議が可決された。その他の国の立法府、欧州議会、各地の「フォルモサクラブ(=親台湾派議員連盟のこと)」などもさまざまな方法で、台湾支持の姿勢を示している。
【民間のパワー】
民間のパワーも、台湾の参与を支持する重要な力となっている。世界各地の台湾出身者、国際医療組織、それに台湾の医療団体などが、例えばウォーキングイベントの開催、台湾をアピールする展示会、グローバルな討論会などさまざまな方法を通して台湾のWHO総会参加の必要性を訴えている。このほか、今年もSNSでは「#TaiwanCanHelp」、「#LetTaiwanHelp」、「#LetTaiwanIn」、「#WHONeedsTaiwan」などのハッシュタグを使ったキャンペーンが行われ、世界各地で大きな反響を呼んだ。わずか1週間で世界50か国以上、3,000人以上がさまざまなプラットフォームを使って台湾にエールを送った。米国上院外交委員会のロバート・メネンデス委員長、上院外交委員会の共和党筆頭議員のマルコ・ルビオ氏、下院外交委員会インド太平洋小委員会の民主党筆頭議員であるアミ・ベラ氏など与野党の上院・下院議員、それに友好国や国交樹立国の政府高官、国会議員、欧州議会のメンバーのほか、主流のメディア、台湾出身者団体、医療・公衆衛生分野の専門家らが、台湾がオブザーバーの身分でWHO総会に参加することを支持すると表明している。ロシアのウクライナ侵攻を受けて、台湾の政府や市民たちはウクライナ避難民のために寄付金や支援物資を募った。これに反応するかのように、ウクライナなどからもインターネットで台湾支持を表明する自発的な動きがみられた。これは、台湾が国際社会における「善良なパワー」であり、それが台湾支援の力となって戻ってくるというサイクルが生まれていることを示している。
【WHOは台湾のWHO総会参加を支持する各国の声に耳を傾けるべし】
台湾のWHO総会参加を支持する国際社会の声はますます大きなものとなっている。これは、台湾のWHO加盟の重要性と切迫性を各国がより認識するようになったことを示す現象だ。特に、台湾の国際組織への参加については、これまで何度となく中国から極めて悪意のある圧力を受けてきた。中国は、台湾の人々の健康は中国政府が守る、などの虚言を吐くほどであり、それによって各国はますます台湾のWHO総会参加を受け入れるべきだと認識するようになっている。外交部は、WHOが「Health For All(すべての人に健康を)」という世界保健機関憲章の精神を実践し、台湾のWHO総会参加を支持する各国の声に耳を傾け、速やかにWHO総会及びすべてのWHO会議、活動、メカニズムへの台湾の平等で尊厳ある参加を受け入れるよう呼びかける。
Taiwan Today:2023年5月22日
写真提供:外交部
スイスのジュネーブで5月21日から30日まで第76回WHO総会が開催されている。台湾は今年もWHO総会に参加することができなかったが、台湾支持の声はますます高まっている。写真は21日にWHO主催で行われたウォーキングイベント「Walk the Talk」。台湾の代表団も参加し、台湾のWHO総会参加の必要性を訴えた。
