WBCチャイニーズタイペイ対韓国戦観戦記録
チャイニーズタイペイは、韓国に0対8で点差を大きく離されていたところから、8対8まで巻き返したが、最後は8対11で敗れた敗因について個人的な見解で分析したいと思います。
- 総合的な戦力は、韓国に及ばないと考えます。:野球はチームで協力し、攻撃・守備、投手の実力や監督による調整によって、チーム力は応変します。また試合前に敵チームの情報を収集する等、総合性のある作戦、技術面のみならず勝利をつかむ為の智恵が要ります。この点から言うと;チャイニーズタイペイが、韓国チームに勝てなかった事は疑うまでもないと思います。韓国の金監督は、試合終盤で、前2試合出場させていなかった金泰均を使いました。彼には、病気や不調のうわさもありましたが、2点ホームランを打ち、チャイニーズタイペイに致命的な一撃を与えました。その様子に感心せざるを得ません。また、韓国チームの最後の砦である吳昇桓は、チャイニーズタイペイの陳鴻文よりはるかに実力があるという事が分かりました。
- 日本プロ野球で活躍する一級投手の陳冠宇と郭俊麟は、前半2回で6点を失点してしまい、言葉がみつかりません。監督の郭泰源がピッチャー選手交代のタイミングが正しかったのかはっきり言えませんが、3試合とも敗北したことについては、監督の郭さんの責任は大きいと考えます。日本や韓国などの監督と比べたら、彼が監督として試合前に収集する情報量や、臨機応変の判断力が足りなかったのです。
- 台湾プロ野球は、大革命を行なう必要があると思います。チャイニーズタイペイの攻撃が弱いわけではないのです。3試合で20点、平均で1試合で7点ほど取った事になります。しかし、今回、先発・試合中盤、後半で出場したどの投手も実力不足です。3試合で32点取られたのは、あまりにひどいです。さらには、プロチームらしからぬ、守備のミスが目立ちました。どのようにして投手を育成していくか、メンタル面の強化や、投球技術の向上は、至急とりかかる必要のある課題です。台湾プロ野球は以前より適当で、慎重さや繊細さ、集中力が足りないので、緻密な作戦や計画力がないのです。悔しさをバネに、計画を練って、もう一度一から立て直すべきです。そうではないと、2021年のWBCは参加さえ厳しく、ベスト16は遠くなります!
- 団結が最大の実力を発揮させます。チャイニーズタイペイ野球協会とチャイニーズプロ野球連盟がそれぞれこだわりを廃し、わだかまりなくせば、中国語の故事「犧牲小我完成大我(和訳:小の虫を殺して大の虫を助ける)」のように国家の栄誉や国の勝利に貢献するべきです。チーム編成の時、最強なチームを結成できず、一番実力がある選手を出場させずに負けて悔しいなど、今後しない為の良い教訓だと思います。 言葉が厳しいですが、胸いっぱいの重いです。愛する気持ちが深く、責める言葉も切なく感じます。それほど、残念な気持ちでいっぱいです。4年1度のWBC大会は、愛国心を助長する最も良い機会です。台湾よ!わが台湾、私達は国際試合の場を甘んじることなく、尊厳をもって参加しましょう。国際野球の一席を獲得したからといって、失うものはないのです。すべての野球ファンの皆さん、共に励まし合っていきましょう。
(台北駐福岡経済文化辦事處處長戎義俊 2017年3月10日)