【 蔡総統「堅い民主主義陣営の構築を」 ‐政治- 】
各国の国会議員や専門家らが民主主義の深化などについて話し合う「2021開かれた国会フォーラム」(開放国会論壇)が2日、台北市内で始まった。開会式に出席した蔡英文総統は、国際情勢が急速に変化し、権威主義が拡張し続ける中、「われわれの目標は堅い民主主義陣営を築き、民主主義のレジリエンス(強靭性)を強化することだ」と訴えた。蔡政権は2016年の発足以来、「開かれた政府」や「開かれた国会」を推進してきた。今回のフォーラムは立法院(国会)と外交部(外務省)、全米民主国際研究所(NDI)らが共同で開催した。国会が同様のフォーラムを開催するのは初めて。対面式とリモート形式の両方で開かれ、21カ国、37人の議員と専門家が参加した。このうちバルト3国のリトアニア、エストニア、ラトビアのほか、米国、メキシコ、中華民国(台湾)と外交関係を結ぶベリーズの6カ国からは15人が訪台した。日本からは安倍晋三元首相が書面で祝辞を寄せた。蔡総統はあいさつで、フォーラムに参加した国はいずれも世界の民主主義コミュニティーの重要なメンバーだと言及。立法院や行政院(内閣)が開かれた国会や開かれた政府を目指す取り組みを開始したことに触れ、台湾は政府の透明性向上などを図る多国間の取り組み「オープン・ガバメント・パートナーシップ」(OGP)に参加するための安定的な基礎を築いているとアピールした。また、民主主義の防衛線の最前線に位置する台湾は世界各国と経験を分かち合い、全ての民主主義のパートナーと共に民主主義や自由の価値観を守る用意があると述べた。
中央社フォーカス台湾:2021年12月2日
【 安倍元首相、台湾のTPP参加を支持 中国へは自制ある行動呼び掛け ‐台日 - 】
安倍晋三元首相は1日、台北市内で開催されたフォーラムにリモートで登壇し、「台湾のTPP(環太平洋経済連携協定)参加を支持します」と語った。中国との関係については「習近平主席と中国共産党のリーダーたちに、繰り返し、誤った道に踏み込むなと訴え続ける必要がある」との認識を示した。フォーラムは台湾の民間研究機関、国策研究院文教基金会が主催。安倍氏は「新時代の台日関係」と題した講演を行った。台北の会場には鄭文燦(ていぶんさん)桃園市長や林智堅(りんちけん)新竹市長などが出席した。安倍氏は「日本と台湾がこれから直面する環境は、緊張をはらんだものとなる」と指摘。「自由で開かれた、民主主義の枠組みに、自分たちをしっかりと結び付ける努力を続けることが肝心」との考えを示した。TPPの参加については、「台湾には参加資格が十二分に備わっている」と強調。「WHO(世界保健機関)のオブザーバー資格など、可能な分野からふさわしい発言権を手にしていくべき」とした上で、「実現に向け、支援を惜しまぬつもり」と述べた。一方で中国との関係については「自由と民主主義、人権、法の支配という普遍的価値の旗を高く掲げて世界中の人から見えるよう、その旗をはためかせる必要がある」と語った。また台湾の有事は日本の有事だとし、「日米同盟の有事でもある」と主張。中国に対して「自国の国益を第一に考えるなら、両岸(台湾と中国)関係には、平和しかないということを、繰り返し説いていかねばならない」とした。安倍氏は、「普遍的価値を重視する私たちにとって台湾こそはキーストーンである」と強調。「まずはWHOへの参加など、台湾の国際的地位を、一歩一歩、向上させるお手伝いをしたい」と述べ、「自由で、人々に人権を保障する台湾は、日本の利益」とし、「世界全体の利益でもある」と語気を強めた。
中央社フォーカス台湾:2021年12月2日
【 蔡総統、「最も影響力がある女性25人」に選出 ‐政治- 】
英経済紙フィナンシャル・タイムズが2日発表した2021年の「最も影響力がある女性25人」に蔡英文総統が選ばれた。総統府の張惇涵(ちょうじゅんかん)報道官は3日、「総統が代表しているのは個人ではなく国家であり、影響力があるのは総統個人ではなく台湾だ」とする蔡総統のコメントを伝えた。同紙は蔡総統について「北京が不快感を抱いているという気配を感じたらすぐに自己検閲する世界の多くの政界、経済界のリーダーとは異なり、蔡総統は脅しに直面しても屈しない」と言及。「その代わり、台湾の価値観が巨大な隣人といかに違うかを自身のリーダーシップのスタイルを通じてはっきりと示し続けている」と評価した。張報道官によれば、蔡総統は国民全体の団結や努力に感謝すると同時に、台湾に対する国際社会の民主主義のパートナーの支持にも感謝を示したという。
中央社フォーカス台湾:2021年12月3日
【 台湾、ワクチンの3回目接種を開始 医療従事者らを優先 ‐社会 - 】
中央感染症指揮センターは2日、新型コロナウイルスワクチンの3回目の接種を同日付で開始すると発表した。2回目の接種から5カ月以上たった人が対象で、医療従事者らに優先的に接種する。当初は来年元日より後に3回目接種を開始する予定だったが、新たな変異株「オミクロン株」の世界での感染拡大を踏まえ、時期を前倒しした。3回目の接種では米モデルナ製のワクチンを使用する。用量は1、2回目の半分となる50マイクログラム。2回目までに接種したワクチンの種類は問わない。2日現在、2回目の接種から5カ月が経過した人は約4.8万人。優先接種の対象は医療従事者のほか、行政の防疫関係者▽航空機乗組員や検疫用宿泊施設の従業員など接触リスクが高い業務の従事者▽外交のために海外に派遣される職員や台湾代表のスポーツ選手など公務で出国する必要がある人。優先接種の対象者以外で接種間隔の条件を満たしている人は、感染リスクや接種の意向に応じて、医師による判断の後で接種できるとしている。
中央社フォーカス台湾:2021年12月2日
【 バド戴資穎が年間最優秀選手、王・李ペアが「躍進したペア」を受賞 ‐芸能スポーツ- 】
世界バドミントン連盟(BWF)は3日、今季の表彰選手を発表し、東京五輪女子シングルス銀メダリストの戴資穎が女子の年間最優秀選手に選ばれた。同男子ペアで金メダルを獲得した王斉麟、李洋組は「最も躍進した選手・ペア」に選出された。授賞式はインドネシアで開かれた。戴は4年連続でノミネートされていたが受賞は初めて。現在台湾にいる戴はビデオメッセージで「この賞をもらえたのは意外で、うれしくもある」と喜びのコメントを寄せた。王、李組は授賞式に出席した。李は「これからも成長していきたい」と意欲をみせた。
中央社フォーカス台湾:2021年12月3日