台日海事分野における青年共学の新たな一歩
文部科学省実習船「御風輪」は、2026年5月11日から13日にかけて、初めて日本・四国地方の愛媛県松山港へ寄港しました。これに伴い、教育部技術職業教育司・楊玉惠司長が現地で出迎え、国立高雄科技大学・俞克維副学長および駐大阪弁事処・李冠穎秘書も同行しました。また、愛媛県庁観光スポーツ部および愛媛県教育委員会代表者らも岸壁で一行を出迎えました。
今回の寄港は、台湾の実習船として初めて四国へ入港したものであり、さらに台日双方による海事学生の大規模な船上交流としても初の試みとなるなど、象徴的かつ画期的な意義を有しています。
楊司長は船上での挨拶において、「御風輪」は台湾における海事専門人材育成の中核的教育プラットフォームであり、航海・機関分野の実践教育を担うだけでなく、国際海事教育協力を推進する重要なキャリアでもあると述べました。また、山口県の大島商船高等専門学校および愛媛県の国立弓削商船高等専門学校から訪船した教職員・学生を歓迎し、台日双方の航海・機関分野の学生が「御風輪」で共同学習や共同生活を通じて交流を行なうことにより、専門知識の共有のみならず、異文化理解や台日間の親睦を深めることにもつながるとの期待を示しました。
さらに楊司長は、「海に国境はなく、海事教育には国際的視野が不可欠である」と強調したうえで、今回の四国への航海と交流・共学プログラムの実施は、台湾の海事教育が国際協働と人材共育の新たな段階へ進んだことを象徴するものであり、実務能力と異文化理解力を兼ね備えた海事人材の育成に大きな意義を持つと述べました。
愛媛県教育委員会の中井賢哉課長は挨拶の中で、「御風輪」の愛媛県来訪を歓迎するとともに、今回の交流が日台海事教育協力の重要なマイルストーンになるとの認識を示しました。また、船内の先進的かつ充実した教育・実習設備に深い感銘を受け、「御風輪」は教育と実務訓練機能を兼ね備えた“海上移動教室”であると評価し、台湾の海事教育における人材育成力の高さを称賛しました。そして、愛媛県は造船業や水産業で知られ、多くの海事・水産系教育機関を擁していることから、今回の交流を契機に、今後さらに台湾との職業教育および海事人材育成分野での連携を深めたいと期待を寄せました。
交流プログラムでは、5月12日に山口県・大島商船高等専門学校の教職員・学生約40名が乗船交流を行い、一部学生は船内に宿泊しながら交流を深めました。続く13日には、愛媛県・国立弓削商船高等専門学校の教職員・学生約30名が訪船し、設備見学や意見交換を実施しました。
日本側の学生は、ブリッジ(操舵室)、各種シミュレーター設備、機関室などを見学し、最新鋭の教育環境に驚きの声を上げるなど、台湾の海事教育の水準の高さに感銘を受けた様子です。交流では設備案内や実習経験の共有に加え、自己紹介やクイズ大会などの交流イベントも行われ、終始和やかな雰囲気の中で台日学生間の友情が育まれました。若者同士の活発な交流が、今後のさらなる協力関係構築に向けた大きな一歩となる見込みです。
今回の交流には、国立高雄科技大学の航海・機関関連学科の教職員・学生118名(航海系50名、機関系68名)が参加し、日本側は両校合わせて約75名が参加しました。船員および関係行政担当者を含めると、総勢200名を超える大規模な海事教育交流プラットフォームとなり、台日双方の交流の深さと広がりを示すものとなりました。
「御風輪」は国立高雄科技大学が主管校として建造を進め、約5年の歳月と総額16.5億台湾ドルを投じて完成した国家級実習船です。2023年10月17日には楊司長により命名式および進水式が執り行われました。
総重量約9,680トン、全長114メートルを誇る同船は、「STCW条約(航海当直基準国際条約)」に準拠して設計・建造されており、実習用操船室のほか、航海・機関・高圧電気の3種類のフル機能シミュレーターを備え、理論と実践を融合した高度な海上教育環境を構築しています。さらに、船内には視聴覚教室や機関室専用の教育動線も整備されており、現代的な教育ニーズにも対応しています。
「御風輪」は、台湾全国の海事関連学生に対する海上実習および国際交流の役割を担っており、従来の東京・鹿児島への航海交流に加え、新たな国際協力拠点の開拓も進めています。今後も同船を国際海事教育交流のプラットフォームとして活用し、各国海事教育機関との連携を強化することで、台湾海事人材の国際競争力向上が期待されています。
出迎えのようす
愛媛県教育委員会・中井賢哉課長(左)、教育部技術職業教育司・楊玉惠司長(右)
楊玉惠司長登壇のようす
楊玉惠司長と山口県・大島商船高等専門学校のみなさん
見学のようす
楊玉惠司長と愛媛県・国立弓削商船高等専門学校のみなさん
愛媛県・国立弓削商船高等専門学校のみなさんが「御風輪」を見送る







