UNFCCC COP30第2週目、環境部「COP30戦情中心」に現場の専門家から数々の提言

　今月10日にブラジル・ベレンでスタートした国連気候変動枠組み条約第30回締約国会議（UNFCCC COP30）が2週目を迎えた。今年は京都議定書の発効から20年、パリ協定の採択から10年という節目に当たる。議長国ブラジルはCOP30を「交渉の段階から実施の段階への決定的な移行」を示す重要な段階ととらえている。台湾はUNFCCCの締約国ではないため締約国会議（COP）に参加することができないが、複数の組織がNGO（非政府組織）としてオブザーバー参加しており、環境部は「COP30戦情中心」（シチュエーションセンター、危機管理センター）を開設して現場の情報を随時収集している。

　「COP30戦情中心」が17日に開催したオンライン会議では、ブラジルで「COP30」に参加している安侯永続発展顧問公司（会計事務所KPMGのサステナビリティ・アドバイザリー部門）の黄正忠董事総経理と財団法人台湾総合研究院（シンクタンク）の蘇漢邦副院長らが現地の情報を共有した。

　黄総経理は、2023年の「COP28」で議論された化石燃料産の転換に続き、先進国及び途上国がカーボンクレジット市場のメカニズムを通じて協力することの重要性が増しており、しかも「自然に基づく解決策（Nature-based Solutions）」が重点になっていると指摘。台湾は方法論の策定で国際社会と足並みを合わせるとともに、専門能力の構築を加速すべきだと提言した。

　台湾総合研究院の蘇副院長は、「COP30」の１週目の会議で議論された金融・保険分野のイニシアチブや主要な議題の進展について共有した上で、特に市民とのコミュニケーションと参加の重要性を強調した。環境部緑色戦略弁公室（グリーン戦略オフィス）の呉奕霖副執行長は、気候変動への適応や生態系の保全などの議題について、今後の動向を注視する必要性があると述べた。

　環境部は、「COP30」の進展を中止しており、関連の情報を環境部気候変遷署公式サイト内に特設サイトを設けて公開している。「COP30戦情中心」のオンライン会議のアーカイブもすべて見ることができる。

Taiwan Today：２０２５年１１月１９日

写真提供：環境部
　ブラジル・ベレンでスタートした国連気候変動枠組み条約第30回締約国会議（UNFCCC COP30）が2週目を迎えた。台湾はUNFCCCの締約国ではないため締約国会議（COP）に参加することができないが、環境部が「COP30戦情中心」を開設して現場の情報を随時収集している。17日のオンライン会議では、現地での議論の内容が共有された。