頼清徳総統が今後8年間で防衛費等に1.25兆元投入と発表、外交部は米国各界の理解に感謝
頼清徳総統は25日付けの米国の日刊紙『ワシントンポスト』への投書で、「台湾の民主主義を守るための決意を示す」として、台湾が今後8年間で防衛費などに総額400億米ドル(約1兆2,500億台湾元)を投入する方針を明らかにした。米国からの新型武器購入や、台湾の非対称戦力の大幅な強化、抑止力向上などに充てる。これに続いて頼総統は26日午前9時30分、「民主主義の台湾を守るための国家安全保障アクションプラン」の策定に関する「国安高層会議」(安全保障に関わる閣僚等を集めたハイレベル会議)を開いた。また、午前11時30分より総統府大ホールにて記者会見を開き、その内容について説明した。記者会見ではまず頼総統が談話を発表し、続いて国防部の顧立雄部長(国防相)のブリーフィング、メディアによる質疑応答が行われた。記者会見には頼総統及び国防部の顧立雄部長のほか、蕭美琴副総統、行政院の卓栄泰院長(首相)、国家安全会議の呉釗燮秘書長、総統府の潘孟安秘書長が出席した。
頼総統は、今後の戦争形態に対応するための鍵となる戦力を整備するべく、国防部が「強化防衛韌性及不対称戦力計画採購特別條例」(防衛のレジリエンスおよび非対称戦力強化計画のための調達に関する特別条例」とその関連予算の策定を完了したと発表した。具体的には今後8年間、つまり2026年から2033年までの期間に1兆2,500億台湾元(つまり『ワシントンポスト』への投書で明らかにした400億米ドルに相当)を投じ、(1)多層防御、高度な感知能力、効果的な迎撃能力を備えた先進的な防空システム「台湾の盾」(Tドーム)を構築。(2)ハイテクおよび人工知能(AI)の導入により、効率の高い意思決定と精密な打撃を可能にする強靱な防衛作戦体系を整備。(3)国防の自主性を高め、国防産業を強化して経済と安全保障の両方でウィン・ウィンを実現する―これら3つの特徴を兼ね備えた先進的な防衛作戦体系の構築を目指すと述べた。
これを受けて米国在台協会台北事務所(AIT/T)のレイモンド・グリーン所長(米国大使に相当)は米国政府を代表して直ちに歓迎の意を示すとともに、「この措置は抑止力を強化し、台湾海峡の平和と安定を維持する上で重要な進展だ。世界の平和と繁栄にとって、必要不可欠かつ重要な投資である」と強調した。米国はまた、台湾支持は米国の各政党にとって長期的優先事項であることを改めて表明。台湾が非対称戦力を迅速に獲得して抑止能力を強化できるよう支援する方針を示した。これは米国の国内法である「台湾関係法」と、米国の歴代政権の数十年来にわたる一貫したコミットメントに合致する。米国はさらに、「台湾海峡における対立は、威圧のない状況下で平和的に解決されるべきであり、これは国際社会全体の利益に関わる問題だ」とも指摘した。
米国政府(行政部門)に加え、米国議会(立法部門)からも強い関心と支持が寄せられている。米国連邦上院軍事委員会のロジャー・ウィッカー委員長、リック・スコット上院議員、さらに連邦下院外交委員会をはじめとする上下院の主要な委員会や議員らが、頼総統が示した防衛費のビジョンを評価する姿勢を示している。
こうした動きを受けて中華民国(台湾)外交部の林佳龍部長(外相)は、台湾の自衛能力強化に対する米国の行政・立法両部門および各界からの支持に心から感謝するとともに、台湾と米国は「台湾関係法」および「六つの保証」という盤石な基盤のもと、これからも引き続き緊密に連携し、台湾海峡およびインド太平洋地域の平和・安定・繁栄を共に守っていきたいとコメントしている。
Taiwan Today:2025年11月28日
写真提供:総統府
頼清徳総統は25日付けの米国の日刊紙『ワシントンポスト』への投書で、「台湾の民主主義を守るための決意を示す」として、台湾が今後8年間で防衛費などに総額400億米ドル(約1兆2,500億台湾元)を投入する方針を明らかにした。翌日には「民主主義の台湾を守るための国家安全保障アクションプラン」策定に関する「国安高層会議」を招集。その後、記者会見を開いてその内容を説明した。
