李逸洋・駐日代表が日華議員懇談会一行と意見交換 台日協力の深化と地域の平和を共に守ることを強調
李逸洋・駐日代表は12月11日、「日華議員懇談会」(以下、日華懇)の古屋圭司・会長/衆議院議員ら19名の国会議員との会合を開いた。李代表は挨拶のなかで、日華懇の古屋会長が今年10月に大規模な議員祝賀団を伴い訪台し、中華民国国慶祝賀式典に出席し、頼清徳総統(大統領)、蕭美琴副総統(副大統領)、韓国瑜・立法院長(国会議長)と面会し、ファクトチェックセンターなどを訪問し、台湾の最新の政治、社会、民主主義の発展などへの理解を深めた。李代表は、頼総統が古屋会長の長年にわたる台日関係への尽力に深く感謝していることを伝達した。
李代表は、高市早苗首相が最近、多くの国際会合で台湾海峡の平和と安定の重要性を強調し、高市首相がAPEC(アジア太平洋経済協力)首脳会議に台湾から出席した林信義・APEC首脳代表と会談した際に、台湾への支持と、台日経済貿易関係強化への意欲を伝えたことに対して、心からの感謝の意を表した。李代表は、高市首相が今後も引き続き台湾海峡とインド太平洋地域の平和と安定のために重要な影響力を発揮することを確信していると述べ、台日双方が地域の平和、国家戦略、経済安全保障、ハイテク産業、社会強靭性、並びに中国による認知戦などの分野についてより協力を深めていくことを期待した。
李代表は、台湾の2026年度国防予算が4兆7500億円で過去最高となり、GDP(国内総生産)の3.32%を占めることに関して、台湾が自己防衛能力を強化し、自由と民主主義を守る強い決意を世界に示したとの認識を示し、台湾が2030年までにNATO(北大西洋条約機構)の基準にならい、国防費をGDPの5%まで引き上げる方針を説明した。また、最近米国が公表した2025年版「国家安全保障戦略(NSS)」では、日本をはじめとする同盟国に防衛費増額と、台湾への支持強化を求めているほか、米国が台米間の安全保障と経済協力を深め、国連・世界保健機関(WHO)総会・国際民間航空機関(ICAO)などの国際機関への台湾の「有意義な参加」を積極的に支持する関連立法、政策を推進していることに言及した。そのうえで李代表は、出席した日本の国会議員らに対して、引き続き台日間の安全保障、経済連携などの分野で協力を深め、台湾の国際社会参加への空間拡大を支持するよう呼びかけた。
日華懇の古屋会長は、台日関係において国会議員外交が不可欠かつ重要な役割を果たしており、毎年10月に日華懇の祝賀団が訪台して国慶節関連行事に出席し、日台各レベルの交流を促進していると述べ、日華懇には台湾のCPTPP(環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定)参加推進、日台防災協力などの重要テーマについての6つのプロジェクトチームがあり、日華懇メンバーらの尽力により今年5月より日本の戸籍の「国籍・地域」欄に「台湾」と記載できるようになったことを説明した。古屋会長は、法の支配、自由、民主主義、基本的人権などの普遍的価値観が台湾海峡の平和と安定に密接な関わりがあり、今後も引き続き日台の経済、文化、並びに国会レベルのさまざまな交流を推進していくことを強調した。
このほか、李代表は、最近中国が日本の水産物の輸入禁止を発表し、頼総統が11月20日に日本の水産物を味わう動画と写真をSNSに投稿し、当代表処のXでも転載し、日本で大きな話題を呼んだことに言及し、「台日双方は長年にわたり自然災害や困難に遭ったときに互いに支え合ってきた。2021年に日本各界が台湾のパイナップル産業を支えてくれたことは今も台湾の国民の心に深く刻まれている。日本の水産業がかつてない問題に直面するなか、台湾は実際の行動で温かい支持を伝え、台日が『困ったときの友こそ真の友』であることを示したい」と述べ、会場の国会議員らから大きな拍手が湧き起こった。

李逸洋・駐日代表(前列左4)、「日華懇」の古屋圭司・会長/衆議院議員(前列右4)、小宮山泰子・幹事長代理/衆議院議員(前列右3)、東徹・副会長/衆議院議員(前列左2)
