外交部、「越境弾圧」をテーマにした国際シンポジウムを初めて開催
外交部は8日、外交部直属の研修機関である外交及国際事務学院(台北市大安区)において、国境を越えた抑圧・弾圧(トランスナショナル・リプレッション。以下、「越境弾圧」とする)への対応をテーマにした国際シンポジウムを初めて開催した。米国、英国、ドイツ、アイルランド、ニュージーランドなど、近い理念を持つ国々の議員、専門家、研究者のほか、台湾の大陸委員会など関係省庁の代表や学識者を招き、「越境弾圧」の現状と国際協力による対応について議論した。開幕式には行政院の林明昕政務委員(無任所大臣)と外交部の甄国清主任秘書が出席した。
林明昕政務委員は、権威主義の拡張に直面する中、もはやいかなる国も「越境弾圧」という課題に単独で対応することはできないと指摘。行政院(内閣)では現在、省庁横断型の連携を積極的に進め、法制度や行政手続きを整備することで、権威主義的な圧力を加える者や、それに現地で協力する者などを見逃さない体制の構築を進めていると説明した。また、外国人を含め、台湾に住むすべての人々が憲法が保障する権利を享受し、恐怖から解放されることを約束すると強調した。そして、台湾としては友好国と実務経験を共有し、国際協力を通じて民主主義を守りながら、権威主義の脅威に一致して対処していきたいと伝えた。
外交部の林佳龍部長(外相)の代理で出席した甄国清主任秘書は、権威主義国家は民主主義体制に対して組織的脅威を与えているが、それは人工知能(AI)などの新興技術や偽情報を組み合わせ、監視や威嚇の手を国境外やネット空間にまで広げることで、他国の主権や市民の自由を侵食していると訴えた。こうした脅威に対して外交部は「2P1R」戦略、すなわち「予防」(prevention)、「保護」(protection)、「対抗」(response)を提唱していると説明。国民の識別能力や警戒意識を高めるとともに、在外公館を動員して被害者に対して支援の手を差し伸べ、同時に近い理念を持つ国々と集団的安全保障ネットワークを構築したり、台湾が持つ技術力と民主主義の強みを活かし、国際パートナーと防御ネットワークを構築することで、「越境弾圧」に一丸となって対抗し、国民の安全と人権を守っていると説明した。
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このシンポジウムは3つのセッションで議論が行われ、近い理念を持つ国々との対話や経験の共有を通じて、台湾および国際社会の「越境弾圧」問題への関心を高めた。参加した専門家からは、この課題に対するさまざまな協力の提案や方向性が示された。
外交部の葛葆萱常務次長は同日夜、海外からの来賓を招いた晩餐会を開催した。葛葆萱常務次長はこの席で、権威主義による威圧は国境を問わないと訴え、外交部は今後も「総合外交」を通じて産官学及び研究機関など各界の資源を結集して国際協力を推進していく方針を示した。そして、民主主義や自由といった価値を守るため、民主主義陣営のパートナーと連携していく考えを強調。今回のシンポジウムは情報や知識の交流にとどまらず、民主主義の防衛ネットワークを実践するための具体的行動でもあると述べた。
Taiwan Today:2026年5月11日
写真提供:外交部
外交部は8日、外交部直属の研修機関である外交及国際事務学院(台北市大安区)において、国境を越えた抑圧・弾圧(トランスナショナル・リプレッション。以下、「越境弾圧」とする)への対応をテーマにした国際シンポジウムを初めて開催した。写真は開幕式で挨拶をする外交部の甄国清主任秘書。
