「ランタンフェスティバル」間もなく各地で相次ぎ開催
旧暦の1月15日は元宵節と呼ばれ、台湾では毎年各地でランタン祭りと、それにちなんださまざまなイベントが行なわれる。元宵節はその昔、新年はじめての満月を迎えるこの日、天の精霊を見ようと松明を燃やしたのが始まりとされ、今ではそれがランタン(提灯)にとって代わり、人びとがランタンをぶら下げて町をねり歩く祭りとなった。今年は2月12日が元宵節。各地で開催されるランタン祭りのうち、交通部観光局主催の「2006年台湾ランタンフェスティバル」は、国際観光イベントとして定着しており、毎年国内外から大勢の観光客が訪れ賑わう。2月11日から同26日まで、昨年に引き続き台南市で盛大に開催される予定だ。
干支の戌年にあわせ、今年のフェスティバルは、古代神話の犬神伝説に登場する「槃瓠(はんこ)」がメインテーマ。「槃瓠」の発音が中国の神話に出てくる天地開闢の祖「盤古(ばんこ)」の発音と近いことから、「盤古」がもつ「天地創造」の意味に今年の吉運と繁栄を託そうというねらいがある。ランタンフェスティバルでは毎年、その年の干支をモチーフにレーザー光線などのハイテクを駆使したメインランタンがデザインされ、伝統文化のなかに現代的要素をミックスした斬新で迫力ある作品で人びとを魅了している。今年のメインランタンは、峰に立ち未来を切り開く逞しい雄犬と、やさしさに満ちた雌犬が寄り添い、周囲に子犬を配したファミリー像のランタン。家内安全、多民族の融合、繁栄と平和の祈りが込められており、高さ21.5メートル、重さ20トンの本体には45,000個の白色灯と色とりどりのレーザー光線が内蔵、冬の夜空にまばゆいばかりの光が放たれ、古都の夜を華麗にロマンチックに染めあげる。
安平の「港濱歴史公園」に設置されるこのメインランタンをはじめ、市内には今年もテーマごとのランタンエリアが設けられる。「伝統ランタン」エリア、「歓楽ランタン」エリア、「幸福を祈るランタン」エリアなど、それぞれ彩り豊かなランタンを楽しめるようになっている。また祭りに合わせたイベントも多数あり、「民俗美食街」では台南の屋台料理を味わえるほか、ランタン船による運河めぐりなども企画されている。このほか、パレードや芸能パフォーマンスも予定されており、日本のよさこいソーラン祭りチームもこれに参加することになっている。フェスティバル期間中、市内はきらびやかなランタンの灯りと花火で彩られ、その素晴らしさを一目見ようと、今年も国内外からおよそ600万以上の観光客が訪れる見込みだ。
● 「2006年台湾ランタンフェスティバル」
日 時 2月11日(土)~同26日(日)
会 場 台南市 安平「港濱歴史公園」ほか
内 容 ①街角パフォーマンス2月12日(土)午後4時30分~6時30分
②点灯セレモニー 2月12日(土)午後7時
③メインランタン展示 2月12日(土)~26日(日)
午後6時~11時 (30分ごとにパフォーマンスあり)
④閉幕セレモニー 2月26日(日)午後10時
主 催 交通部観光局、台南市政府
問合せ:台南市政府 (06)299-1111
HP http://lantern.justaiwan.com/web04.htm
なお、台南以外の各地で行われるランタンフェスティバルは下記の通り。(資料提供:観光協会)
●「台北ランタンフェスティバル」
日時: 2月11日(土)~19日(日)
会場: 台北中正紀念堂とその周辺
内容 :犬をモチーフにしたメインランタンをはじめ、26のテーマランタン群が会場を飾る。創意あるストーリー性、特殊な照明効果、音楽効果を採用、活力に満ちたショーが楽しめる。また、正門前には大型ランタンが並び、台北の特色ある建築や観光地などをデコレーション。中正紀念堂の周囲も祭りを盛り上げる企業協賛のランタンが飾られ、ストリート全体が光の海となる。
①民芸街開市イベント:2月10日 午前10時~
②灯飾花車のパレード:2月10日 午後5時~
③メインランタン点灯セレモニー:2月11日 午後7:30~
④花灯、美食、テーマイベント:2月11日~19日 午後3時~翌0時
⑤閉幕セレモニー:2月19日 午後10時
主催: 台北市政府
問合せ: (02)2725-8396
HP : http://www.taipei-festival2006.com/
●「高雄ランタンフェスティバル」
日時:2月11日(土)~28日(火)
会場: 高雄市愛河周辺、高雄港第13号埠頭
内容: 世界各地の民族が集まり、それぞれの地域に根ざした音楽や舞踏などのパフォーマンスを企画。2009年高雄で開催予定の世界運動会(ワールドゲームズ)にちなみ「世運エリア」が設けられる。メインランタンや花火の演出、水と火のショーなどのライトアップショー、美食、民俗芸能、農産物展など、ローカル色も出したイベントを予定。
主催: 高雄市政府
問合せ: (07)336-8333内線2174
HP http://lantern.justaiwan.com/web02.htm
●「台北平渓天灯祭り」
日時: 1月29日(日)~2月12日(日)
会場: 台北県平渓郷各観光地、平渓中学校、十分天灯文化広場
内容: 「天灯」は「孔明灯」とも呼ばれ、三国時代、諸葛亮が発明したといわれている。平渓は山間の辺境にあるため、村人たちは強盗などに襲われやすく、当時は通信も不便だったため、この天灯を利用して互いの無事や平安を伝えあった。それがこの地特有の元宵節の祭りとなった。天灯は竹製の骨組みに油紙などを張った非常にシンプルなランタン。これを下から火で熱し、その浮力で空に浮き上がらせる。膨らんだ天灯にそれぞれの願いを書き込み、夜空に一斉に放つ。
主催: 台北県政府
問合せ: (02)2960-3456内線5301
HP: http://tour.tpc.gov.tw/tpc950116/index.html
〔ランタン祭りに関するイベント〕
●「台南鹽水蜂炮」
日時:2月11日(土)12日(日)
会場:台南県塩水鎮武廟
内容 :「蜂炮」の由来は百年以上遡り、当時疫病が蔓延したため、住民の安全を祈願し、当地の信仰の中心を担う「武廟」で、旧暦の正月13日から元宵の15日夜まで、線香の火を絶やさず爆竹が打ち鳴らされたことに始まる。これにより人びとの願いがかない、疫病が治まったことから、この地に習慣として根付き、100年以上経た現在も行われている。 祭りでは、蜂炮と呼ばれる蜂の巣のように細かく仕切られた木製の箱の中にロケット爆竹が詰め込まれ、一度にどれだけたくさんの爆竹を鳴らせるかを競いあう。箱の中には1万本以上爆竹が入っていることもあり、その飛距離は100メートルに達する。爆竹の激しい音と花火と煙が充満するなか、人々は歓声をあげてこの祭りを楽しむ。
主催: 台南県塩水鎮武廟
問合せ: (06) 652-3388
HP : http://lantern.justaiwan.com/web05.htm
●「台東炸寒単」
日時: 2月1日(水)~14日(火)
会場:台東市内と海浜公園
内容 :「寒単」とは財産を管理する神を言い、「寒単さま」が町を巡行することで人びとに福をもたらすと言い伝えられている。この風習では「寒単さま」を爆竹で攻擊するのがひとつの特徴だ。これには2つの言い伝えがあり、ひとつは「寒単さまは寒がりなため、人びとが火を用いて寒さを和らげた」というもの。もうひとつは「この神が「流氓神(さまよえる神)」であることから、爆竹の音でその神の存在をはっきりと浮き立たせる」という意味がある。台東市は台湾で唯一「炸寒単」祭りが残る地域である。「寒単さま」が町を巡行するとき、各家庭では線香や供え物の食物、爆竹をたっぷりと用意する。「寒単さま」に扮する人は頭を頭巾で覆い、短ズボンをはき、上半身裸姿で人びとが打ち鳴らす爆竹の攻擊を受けてたつ。
主催: 台東県政府
問合せ: (089)357-131
HP: http://lantern.justaiwan.com/web06.htm
《2006年2月3日》