阿里山鉄道開通95周年、中興号が復活運転

　阿里山森林鉄道が１２月２５日に開通から９５周年を迎えることを記念して、林務局嘉義林管処は１２月２４日、嘉義車庫園区で阿里山森林鉄道９５周年記念イベントを行なった。また、嘉義車庫園区内の木造事務所がヒノキを使った昔ながらの工法で修復され、同日に「林産工芸品展示館」としてオープンした。黄敏恵・嘉義市長は除幕式の挨拶で、林業文化と歴史史跡の重要性に触れ、嘉義は古くから阿里山林業開発の重要拠点だったことから、阿里山鉄道と林業文化を都市計画の軸とする考えを示し、台湾林業発展史を伝える「林業博物館」の建設構想を明らかにした。

　イベントでは、過去に活躍した車両を動態保存するため、１６年前に廃止された「中興号」のディーゼルカー２両を修復し、復活運転が行なわれた。「中興号」のディーゼルカーは、阿里山鉄道をディーゼル化するため日本車輌製造から購入したもので、１９６３年に導入された。以来、２７年間にわたり阿里山鉄道の主力車種として活躍した。「中興号」は客車本体に運転席があり、機関車による牽引がなくても単独走行できる。重心が低く、車体の安定がよく、嘉義から阿里山まで２時間５５分で結んだ。その後クーラー付の「阿里山号」に取って代わられ、「中興号」は１９９０年にその役目を終えた。

　阿里山鉄道は１９１２（大正元）年１２月２５日に北門―二万坪間６６キロが開通。２年後に沼平（阿里山旧駅）まで全長７２キロが開通した。

《２００６年１２月２６日》