故宮博物院本館内の茶芸館「三希堂」もリニューアルオープン

　三年近くの改修工事を終えて、先ごろリニューアルオープンした国立故宮博物院は現在記念展覧会を次々に開催中だが、本館４階にある茶芸館「三希堂」も１月２０日に正式リニューアルオープンした。

　「三希堂」は本来、清の乾隆帝の書斎名であり、この「三希」というのは乾隆帝が所蔵していた４世紀東晋時代の書の３至宝である「王羲之の快雪時晴帖」、その息子である「王獻之の中秋帖」、もう一つが「王珣の伯遠帖」を指している。その中の「王羲之の快雪時晴帖」はこの国立故宮博物院に所蔵されており、故宮内にある茶芸館の名前はこの「三希」から取っている。

　このリニューアルの設計を担当した陳瑞憲氏によると「十年前に北京紫禁城の三希堂を訪れた時、三希堂には寝台がたった一つあるだけで、乾隆帝がこの空間の中で様々なはかりごとを巡らしていたのかと思うと非常に驚いた。台北の故宮には三希堂本来の雰囲気を残すため、以前使用していた天井板や床板はそのまま使った」と述べた。

　リニューアル後の三希堂は東洋と西洋の図書館の概念を組み合わせ、ダークブラウンを主な色調とし、球形の明かりとスポット式ライトを配し、中庭空間的な書棚の設計が大きな特色となっている。

　林曼麗・国立故宮博物院長は「これからは故宮に古い文物を鑑賞しに来るというだけでなく、三希堂で生活の中での美学をも味わってもらいたい」と語った。

《２００７年１月２２日》