国立故宮博物院のリニューアルオープン式典が盛大に開催

　国立故宮博物院は三年近くの改修工事を経て、リニューアルオープンし、これを記念したシリーズ別による特別展や戸外芸術節をすでに開催中だが、２月８日夕刻、陳水扁総統により国立故宮博物院本館リニューアルオープン式典が蘇貞昌・行政院長、国内外の博物館関係者、駐台外国政府機関関係者ら多くの招待者臨席の下、盛大に開催された。

　陳水扁総統はこの式典挨拶で「故宮の文物を土台にリニューアルされたこの現代的な博物館は、台湾が多元的文化を受け入れているというシンボルだ。過去の故宮は中国色を中心としており、古く堅苦しいといった距離感があり、多くの人が敬遠していたが、リニューアル後の故宮は新しい方法で過去の歴史を解き明かしている。収蔵品は故宮の宝というだけでなく、全世界の財産である。故宮は今後も、より多元的で、台湾が世界と共に台湾文化の力を感じ、確かめていく方向に向かっていくよう期待している」と述べた。

　また、国立故宮博物院の林曼麗・院長は、「故宮の院長として故宮が収蔵する文物のすばらしさ、種類の多さ、歴史的価値に誇りを持っている。台湾人として台湾国民の多元的文化を受け入れる度量にも誇りを持っている。さらには一博物館員として故宮の文物遺産を保存する能力と情熱、そして、一台湾人として台湾社会がこれらの宝をさらに高い価値にしていく知恵に大いに自信がある。故宮のリニューアルは故宮が第三段階への重要な４０年に入ろうとする予告でもある。それらが伝える重要な情報は単なる偉大な過去の情報というだけでなく、未来に対する無限の可能性への情報だ」と挨拶した。

　開幕式は、台湾で有名な太鼓の演奏集団、「優人神鼓」による演奏で幕が開いた。開幕式の冒頭、故宮の外壁に象牙球や周代の銅器「毛公鼎」など故宮を代表する収蔵品の数点が大きく映し出され、列席者の絶賛を浴びた。開幕式終了後は３月２５日まで開催される「大観 ―　北宋書画、汝窯、宋版図書特別展」を列席者が参観し、熱気のこもった中で当日の行事を終えた。

【総統府　２００７年２月９日】