屏東内埔で客家年貨市を開催

　台湾南部の屏東県内埔郷には六堆地区の客家（ハッカ）文化が色濃く感じられる古い街並みが残る。内埔老街では昨年、街並みのリニューアル事業が完成し、今年の春節（旧正月）には客家年貨市が開催された。

　天后宮は、屏東県の客家地区で最も歴史のある媽祖廟で、清朝の康煕時代に創建された。１７２１（康煕６０）年の「朱一貫の乱」のとき、客家の住民たちがここに集まり、部隊を編成して外敵から村を守ったことが、「六堆」（＝六隊）の名の由来となっており、客家の歴史を語る上で意義深い場所である。

　天后宮の隣にある昌黎祠は、儒教の復興を目指した唐の文人・韓愈を祭る廟で、かつては児童たちに儒学を教える学堂として使われていた。今では韓愈は学問の神様として、試験のシーズンになると、受験票を持参して学問成就を祈る参拝客が押しかける。

　天后宮と昌黎祠の周りに広がる内埔老街は、文才居、順源酒舗、東望楼、鍾家老屋、老劇場、精米工場などの歴史的建築が並ぶ。一時はさびれていたが、屏東県客家事務局の計画によって、芸術と客家文化の要素を結合させ、華やかな懐かしい街並みを再現した。

　今年からは、春節（旧正月）期間中に客家年貨市が開かれ、伝統的な客家の年越し風景が見られるようになった。通りでは、豬膽肝（ブタの干し肝）、臘肉（干しベーコン）、客家酒醸（甘酒）、紅亀[米反]（餡入りの赤い餅）、[米反]條（パンティアウ＝客家風きしめん）などの伝統客家料理を売る店が並び、販売員は客家の民族衣装・藍衫（ラムサム）を着て、まるで懐かしい映画を彷彿とさせる風景が広がる。

　旧暦の大晦日（２月１７日）から初二（２月１９日）にかけて内埔老街では、客家布袋戯（人形劇）、客家獅子舞、客家の歌と踊りのショー、客家劇、跌三黒（客家婦女の伝統的なコイン遊び）大会などのイベントが行なわれた。

《２００７年２月２０日》