雪山トンネル資料館がオープン

　台北─宜蘭間の北宜高速道路全長５５ｋｍのうち、１２．９ｋｍを占める雪山隧道（トンネル）は２００６年６月に開通し、道路トンネルとしてはアジアで最長、世界で四番目の大トンネルだ。このトンネル工事は台湾第二の高峰・雪山を貫通する工事であったため難航を極めた。（関連記事はこちらへ）このほど、このトンネル工事に関する資料館が宜蘭頭城で「雪山隧道（トンネル）資料館」としてオープンした。交通部では、台湾のこの偉大な建築物の施行過程を一般の多くの人に見てもらいたいとして無料で開放するが、見学には予約が必要となる。

　雪山トンネル開通後、台北坪林郷のウイークデーの観光客はきわめて減少し、以前の３割程度までになった。交通部は坪林郷の公所（役所）と協力し、「坪林＋雪山隧道（雪山トンネル）」半日無料参観の活動をおこなうことにし、大型バスと説明ガイドも準備して、訪れた人たちに坪林行控（道路管制）センター内部の作業環境、坪林茶園観光、雪山トンネル資料館を参観してもらうことにした。このイベントは月曜日から金曜日までのウイークデーに行なわれ、４月１１日から始まる。

　雪山トンネル資料館は同トンネル坑道南口の通路（宜蘭頭城の端）に位置しており、敷地面積は約４０坪、館内は多くの図式によって来館者に同トンネルの施工工法やさまざまな地質を紹介する以外にも、トンネル掘削機（ＴＢＭ）の模型、雪山トンネル断面の模型、当初施工した頃のさまざまな貴重な品物や測量器具なども展示している。

　また、同トンネルの施工の重責を背負ってきた台湾区国道新建工程局（以下、国工局）第三区工程処頭城工務所が先ほどその看板を下ろしたが、それも館内のガラスケースの中に入れられ展示されている。同トンネルの施工当初、鋼鉄よりさらに硬い岩盤にぶつかり、掘削機の刃が何度も磨り減ったり、折れたりしたが、それらの品物も陳列されている。

　国工局は当初同トンネルの掘削には、機械掘削法と発破掘削法をそれぞれ使っていたが、資料館の中の壁に実際の方法で、この２つの異なった工法の箇所を展示し、同時に、同トンネルの上半部をコンクリートで固めた様子など壁の各種構造を再現したものも展示されている。

《２００７年４月１１日》