鉄道節に蒸気機関車ＣＴ２７３が彰化で運行

　６月９日、台湾の在来線を運行する「交通部台湾鉄路管理局」（以下、台鉄）は鉄道節（鉄道記念日）を祝い、「貴婦人」の愛称がある蒸気機関車「ＣＴ２７３」の機関車に客車４両を連結し、彰化駅から同じ彰化県内にある二水駅までを運行し、かつての優雅な姿を披露した。

　１９４３年製のＣＴ２７３の蒸気機関車は、かつて台鉄西武幹線の主力機関車だったが、１９８４年に運行が正式に停止となり、彰化にある台湾民俗村に展示された。その後、２０１０年になり同民俗村から、台鉄彰化扇形庫に戻された。

　台鉄台北機廠（鉄道車両工場）の洪進興・主任は、「ＣＴ２７３は、民俗村から台鉄扇形庫に運び戻された時には、状態が良くなく、多くの部品は錆びついており、分解して修復を行う必要があった。しかし、一部の部品は、修理できなくなっており、改めて造らなければならないものさえあった。台鉄では合計で２年あまりの歳月をかけ、ようやくＣＴ２７３が運行できる状態にまで修復したのだった」と説明した。

　この日、ＣＴ２７３はお決まりの汽笛を鳴らし、蒸気を吹き出し、列車は駆けつけた鉄道ファンたちの祝福と共にゆっくりとプラットフォームを後にし、二水駅へと走り出した。彰化駅の邵宏松・駅長は、「台鉄に身を置く者にとって、蒸気機関車の復活を見ることができ、嬉しい限りだ」と感想を述べた。

«２０１４年６月１０日»