映画制作業者の国産映画制作に投資する営利事業者に対する所得税低減規則
二〇〇四年七月十五日公布
第一条:本規則は映画法(以下、本法)第三十九条の一、第四項の規定による。
第二条:本規則で使用される用語の定義は以下の通りである。
①納めるべき営利事業所得税の低減:税務機関が確定した営利事業課税所得額は、規定の税率によって算出された納税額、および確定前年度の未配分利益の一〇%で計算した額を加えたものを差し引く。
②出資株:会社の設立・発起の際、発起人が出資した株、あるいは増資にあたり株主が購入した株。
③公募株:会社の設立、または増資のために公募した株、および証券会社を通して公募した株。
④創立:二〇〇四年一月九日~二〇〇九年一月八日において、法に基づき会社の設立登記を完了したもの。
⑤増資:二〇〇四年一月九日~二〇〇九年一月八日において、法に基づき増資の変更登記を完了したもの。
⑥出資株または公募の記名株は三年以上所有する:営利事業の株主が株価を支払った日から数えて三年以上経過したものについてである。
⑦当年度:出資株または公募の記名株を所有して四年目を指す。
第三条:営利事業者で、出資株または本規則が規定している映画制作業者の設立または増資のために発行した記名株を三年以上保有しているものは、本法第三十九条の一、第一項の規定により、取得した株価の二〇%を、当年度より五年間、支払うべき営利事業所得税から毎年免除する。
毎年低減される事業所得税総額は、営利事業者が当年度に支払うべき事業所得税の五〇%を超えてはならない。ただし、最終年度はこの限りではない。
第四条:映画制作業者の国産映画制作に投資する営利事業者に対する税の優遇措置は、投資を受けた映画制作業者が申請しなければならない。
申請人が新規設立者の場合は、会社の設立登記の翌日から六カ月以内、または本規則公布施行日から六カ月以内に行うものとする。また、申請人が増資を行う場合は、みずから増資の手続きを行うとともに、会社の登記変更の翌日から六カ月以内、または本規則公布施行日から六カ月以内に、下記の書類を揃え、営利事業者の国産映画制作への投資に伴う税の低減許可書(以下、許可書)を行政院新聞局に申請しなければならない。
①映画制作ライセンスのコピー、会社登記証明書。増資の場合は、増資前後の各映画制作ライセンスのコピー、会社登記証明書。
②国産映画への投資と制作計画書
前項第二款の国産映画投資制作計画のフォーマットは、行政院新聞局が定めたものとする。
第二項の増資で数回に分けてこれを行う場合、提出する申請期限は第一回目の増資から行い、また会社の登記変更完了翌日から計算する。
行政院新聞局が第二項の許可書を発行する際、財政部賦税署および申請人の居住する税務機関にも合わせて通知しなければならない。
第五条:本法第三十九条の一、第一項で示した一定規模とは、映画制作業者の実質資本金または増資額が国産映画制作費として支出される額が三千万元(約九千万円)以上であることを指す。
前項で示した国産映画は、本法第二条第二項で示した認定基準に合致したものでなければならない。
第一項の実質資本金または増資額は、国産映画への投資と制作計画の執行期間中、増資を繰り返すことにより、その額に達するようにしなければならない。
第一項の増資が、もし減資のあとに行われる場合、減資が赤字補填によるものを除き、増資額から減資額を差し引いた額を限度とする。
第六条:許可書を取得した映画制作業者は、許可書発行日から三年以内に、計画書に盛り込まれているすべての映画を完成させなければならない。また、完成した翌日から一年以内に下記の書類を揃え、営利事業者が投資した国産映画の完成証明書(以下、完成証明書)を行政院新聞局に申請する。
【必要書類】
①許可書のコピー。
②映画制作ライセンスのコピーと会社登記書証明書。増資の場合は、増資前後の各映画製作ライセンスのコピー、および会社登記証明書。
③申請人が決定した映画投資制作計画における、増資ごとの各株主総会、または理事会の会議録コピー。申請人が新規設立者の場合は、発起人大会の会議録コピー。
④国産映画への投資と制作計画における前期、後期の制作に伴う各種の支出明細書、会計士が審査した証明書。労務に関するものは、各種所得税の低減や免税証明書のコピーを添えること。
⑤国産映画上映ライセンスのコピー。
⑥国産映画の制作、編集、出演者のリスト。リストは、映画の最後に字幕で紹介される制作スタッフの内容と合致しなければならない。
⑦現金資本の募集に関する証明書(国産映画に投資した営利事業の登記に関する証明書のコピー、出資額の証明書を含む)。
⑧その他、行政院新聞局が指定した書類。
行政院新聞局は前項の完成証明書を発行した際、財政部賦税署および申請人の居住する税務機関に通知しなければならない。
第七条:許可書を取得した映画制作業者は、国産映画投資制作計画の内容、または期限に変更がある場合、計画が終了する前に行政院新聞局に変更の届けを行うこと。ただし、映画投資制作計画の期限は最長四年間とし、計画が完成した翌日から一年以内に前条規定に基づき完成証明の申請を行うこと。
前項規定期限内に国産映画の制作が完成せず、映画上映ライセンスを取得していない場合、映画の完成証明書は発行されない。
行政院新聞局は、許可した第一項の映画への投資と制作計画の内容もしくは期限に変更があった場合、財政部賦税署および申請人の居住する税務機関に通知しなければならない。
第八条:映画制作業者が申請する許可書や完成証明の審査は、行政院新聞局と同局が招聘した専門家(五~九人)からなる審査チームが行う。
前項の許可書および完成証明の決裁と発行は、全審査員の三分の二以上の出席を必要とし、かつ出席委員の三分の二以上の同意がなければならない。同意を得られない場合、申請人に対し、内容の修正と再申請を通知する。
審査委員は利益回避の原則のもとに、公正に職務を執行しなければならない。
審査委員は無給職とする。
第九条:許可書を取得した映画制作業者は、営利事業者が株価を支払った日から数えて三年後五年以内に税務機関に対し、営利事業株主に対する税金の低減証明書の発行を申請しなければならない。
映画制作業者は前項の営利事業株主の税金の低減証明書を取得した後、第三条第一項の株主に対し、同証明書を発行しなければならない。
前項の株主が営利事業所得税の低減の申請を行う際、前項証明書を添付し、管轄の税務機関に税金の低減手続きを行うこととする。
税金の低減証明書のフォーマットは、財政部が定めたものとする。
第十条:許可書を取得した映画制作業者は、国産映画への投資と制作計画において集めた資金を、同映画の投資および制作に充当すること。
第十一条:行政院新聞局と同局が委託した映画監修の専門家は、許可書を取得した映画制作業者の国産映画への投資と制作計画の進捗率を随時調査できる。
前項の調査について、映画制作業者はこれを回避、または妨害、拒絶してはならない。
第十二条:本規則は公布日から施行される。