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  中華週報1842号 (1998.01.15) - 台北駐日経済文化代表処 Taipei Economic and Cultural Representative Office in Japan :::
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中華週報1842号 (1998.01.15)


中華週報 1842号 (1998.01.15)

前提条件を設けない両岸対話を李登輝総統が政府の見解示す


週間ニュース・フラッシュ

◆軍は憲法に基づき中華民国政府に忠誠を尽くす 蒋仲苓国防部長は十二月十七日、立法院国防委員会において、民進党の立法委員が「もし民進党の候補者が総統選挙に当選した場合、軍はそれを支持し総統に忠誠が尽くせるか。また総統が台湾の主権独立を宣言した場合はどうか」と質問したのに対し、「中華民国憲法の規定によって選出された総統に対し軍は絶対的忠誠を尽くす。軍が政府とその指導者に従うのは自明の理だが、もし総統が『台独』を宣言した場合は支持できない」と応えた。《台北『中央日報』97・12・18》

◆金大中氏の大統領当選で韓国との関係を強化 韓国大統領選挙で野党の金大中氏が当選したことについて、外交部スポークスマンの烏元彦氏は十二月十九日、「中華民国政府は金大中氏に祝意を表明するとともに、今後平等互恵の原則における各種交流をとおし、韓国新政権との関係が強化されることを望む」と表明した。《台北『中央日報』97・12・20》

◆一九九八年の台湾経済の成長率は六・三七%に 中華経済研究院は十二月十九日、「以前九八年の台湾経済成長率を六・六一%と予測したが、アジア金融危機のため予測が困難であり、六・三七%に下方修正する」と発表した。同時に「金融危機が収束すれば七・〇一%が見込めるが、この危機が長引けば五・九二%になろう」と表明した。《台北『中国時報』97・12・20》

◆「急がず、忍耐強く」の政策は維持する 行政院大陸委員会の許柯生副主任委員は企業の大陸投資問題について十二月二十一日、「政府は大陸への大型投資やハイテク部門の投資について制限を加えているが、企業が大陸への複雑な投資問題を考えるとき、企業利益を計算すると同時に、国家の総合的な利益も考慮しなければならない。政府は今後とも『急がず、忍耐強く』の政策は維持する」と表明した。《台北『中央日報』97・12・22》

◆汪道涵氏と唐樹備氏の台湾訪問要請も排除しない 海峡交流基金会の辜振甫理事長は十二月二十三日、「わが方はいつでも大陸側と会談する用意はできている」と前向き姿勢を示すとともに、「新年初頭に大陸側の回答がなかったとしても、われわれは大陸側海峡両岸関係協会の汪道涵会長と唐樹備副会長の台湾訪問要請を排除しない」と表明した。《台北『中央社』97・12・22》

◆国営中国石油も民営化に向け第一歩 国営企業の最大手のひとつである中国石油公司も、九八年から民営化に向け第一歩を踏み出すことになった。経済部は十二月二十二日「中国石油の膨大な株式を一般上場した場合、株式市場に大きな影響を与えるため、九八年初頭にまず株式の一五%程度を一般上場し、ようすを見ながら徐々に残りを放出していく予定である」と明らかにした。《台北『中国時報』97・12・23》

◆李登輝総統が両岸分治の事実を認めよと北京に呼びかけ 李登輝総統は十二月二十二日、中華民国国家統一建設促進会第三回大会に出席し、「硬直した両岸関係を打開するため北京は『両岸分治』の事実を認め、前提条件を設けず交渉を再開しなければならない」と述べ、北京に現実を直視するよう呼びかけた。《台北『中央日報』97・12・23》

◆九七年十一月末現在の外貨準備高は八百三十一億三千五百万ドル 中央銀行は十二月二十四日、台湾の外貨準備高は十月末より二億一千五百万ドル増加し、八百三十一億三千五百万ドルになったと発表した。この額は世界第四位であり、また台湾にとっては五カ月ぶりに外貨準備高が上昇傾向を示したことになる。《台北『中央社』97・12・24》

◆南アフリカとは相互に代表所を設置 中華民国と南アフリカ共和国との外交関係が一九九七年十二月三十一日をもって中断することに関し、両国は断交後も経済、貿易、教育、文化、科学技術などの交流を維持し拡大していくことで合意し、南アは台北に南アフリカ連絡代表所を設置し、中華民国はプレトリアに台北連絡代表処を開設し、ヨハネスバーグとケープタウンにも台北連絡弁事処を設置することになった。《台北『中央日報』97・12・24》

◆新たな発想で党勢挽回をと李主席が新任幹部を激励 国民党はこのほど党執行部の顔触れを一部刷新したが、李登輝主席は十二月二十四日、これら新任幹部と会見し「今年の失敗がなければ来年の成功はない。新たな発想で党勢を挽回するように」と激励した。新任の幹部は陳瓊讃・中央組織工作会主任、黄麗卿・文化工作会主任、許恵祐・秘書処主任、蔡璧煌・革命実践研究院主任の四人である。《台北『中央日報』97・12・25》

◆二重課税廃止による減税措置で景気刺激策 台湾の所得税は総合所得税と営利事業所得税の二重課税構造になっていたが、邱正雄財政部長は十二月二十四日、九八年一月より「両税合一」(二重課税廃止)を実施する方針を明らかにし、「この実施は最近日本がおこなった減税措置に相当し、国内の消費と投資意欲を促進し、東アジア金融危機の今日、この意義は大きい」と語った。日本の二兆円減税は日本GDPの〇・三四二%にあたり、台湾の両税合一による減税総額は三百五十億元(約一千五百億円)となり、台湾GDPの〇・三五五%にあたる。《台北『中国時報』97・12・25》

◆首都圏高速運輸システム淡水線が全線開通 木柵線につづき首都圏高速運輸システムの淡水線が全線開通し、十二月二十五日に蕭万長行政院長、陳水扁台北市長、蘇貞昌台北県長らがテープカットをした。このほか同システムの新店線、中和線、南港線は目下工事中であり、二〇〇〇年までに逐次開通する予定である。《台北『中国時報』97・12・26》

◆南アとの断交はスワジランドとの外交関係に影響なし 中華民国と国交があるスワジランドは、国土の大部分が南アフリカに囲まれる形になっているが、駐スワジランドの劉恩第大使は十二月二十五日、「スワジランドとの外交関係は強固であり、南アとの断交によって影響を受けることはない」と語った。なお、一九九八年は中華民国とスワジランドの国交樹立三十周年にあたる。《台北『中央日報』97・12・26》

◆兵役終了前の男子出国制限は憲法違反 司法院大法官会議(憲法解釈法廷)は十二月二十六日、兵役終了前の男子の出国を制限している「兵役前男子出国処理法」は、居住と旅行の自由を保障している憲法に違反するとの判断を下した。大法官会議で憲法違反とされた法律は、六カ月後に自動的に効力を失う。国防部は今後これの調整に入ることになる。《台北『中央日報』97・12・27》

◆民進党の許信良主席が次期主席選挙への不出馬を表明 民進党の許信良主席は十二月二十七日、次期党主席選挙には立候補しないと表明した。同時に「これは引退ではない。第二段階の歴史的任務に向かって努力する。次期主席に陳水扁氏が立候補することを歓迎する」と語った。一方、次期主席の最有力候補と目されている陳水扁台北市長は当日、「九八年末の台北市長選挙に再出馬する意志に変化はない」としながらも「党主席選挙に出るか出ないかは党内の問題であり、党の長老や各派の指導者と相談しなければならない」と含みのある発言をした。《台北『中国時報』97・12・28》

◆業績を上げない閣僚は即更迭すると蕭万長行政院長が言明 蕭万長行政院長は十二月二十八日、「県市長選挙の結果は大きな圧力となっている」と表明し、「行動内閣と責任内閣という公約を実現するため、今後業績を上げない閣僚は即更迭する」と語った。《台北『中国時報』97・12・29》  

新年のご挨拶

     台北駐日経済文化代表処         代表 荘 銘耀

   新たな一年を迎えるに際し、日本の友人の方々ならびに華僑同胞諸氏に、新春のご挨拶を申し上げますとともに、皆様の新たなご計画がつつがなく進展いたしますことを、心より祈念いたします。

 ●新たな日華関係への期待
 近年、日華関係はますます緊密さを増し、とくに経済、文化、観光の面において、両国を結ぶ絆はいよいよ強いものとなっております。たとえば、昨年十一月二十七日には新たな日華航空協定が合意に達しました。これにより、来る三月から大阪に中華民国の航空機が二十三年ぶりに乗り入れることになり、同時に名古屋や福岡などの在来便もそれぞれ増便されることになりました。これらの措置によって、双方の各種交流はますます盛んになるものと思います。

 経済関係におきましては、両国間の貿易不均衡が改善すべき長年の懸案となっておりますが、昨年は日本経済が伸び悩み、円安などの問題で台湾から日本への輸出は前年比約一三%減少し、台湾側の対日赤字は百六十億ドルを越すことが見込まれております。しかし、昨年十二月四日と五日には東京で「第二十二回・日華貿易経済会議」が開かれ、さらに同月八日から三日間にわたって台北で「東亜経済人会議」が開催され、貿易の拡大および不均衡是正、投資誘致、観光促進、金融協力などについて話し合われました。今後、良好な日華関係を背景に、双方の経済貿易関係が互恵互助のもとに、ますます強化され、不均衡問題も徐々に是正されていくものと期待しております。

 また、日華両国間には、まだ解決しなければならない問題がいろいろと残っておりますが、これまで多年来積み重ねてきた努力と、今後の積極的な対応によって、解決への道を切り開いていきたいと思っております。

 ●在日華僑同胞への期待
 日本在住の多くの華僑同胞が、日本の社会に順応して、日華関係の懸け橋になるとともに、わが中華民国政府を支持し、支援されていることに大きな感動を覚えております。今日、華僑団体の指導部も世代交替の時期に入っているようで、これからの時代を担う若い人たちが先人の跡を継ぎ、お互いに尊重しあい、一致団結して華僑社会の一層の発展を遂げられるよう期待しております。

 わが国政府は華僑の皆様にできる限りの支援をしたいと考えており、近年来、華僑の経済活動の活性化を図るため、華僑信用借款保証基金を設立し、華僑同胞が有効に利用できるようにしております。また、華僑の皆様への各種情報ネットワーク・サービス計画も進めております。

 ●これからの中華民国の目標
 台湾における中華民国は、近年、「主権在民」の理念を一歩一歩と具体化してまいりましたが、とくにこの過程における安定した民主化は、国際社会から「静かなる革命」として高い評価を受けるところとなりました。

 その評価を裏付けるかのごとく、昨年七月には第四次憲政改革、すなわち四回目の憲法修正を与野党協調のもとに完了し、行政構造の大幅な簡素化、地方自治の健全化に向けて確たる基礎を構築しました。さらに十一月二十九日には金門、馬祖を含む二十三県市の地方首長統一選挙を公正、公開、公平のもとに実施しました。この選挙によって、野党が与党より多くの地方首長のポストを獲得しましたが、これは健全な政党政治が台湾に根付いたことを証明するものであり、同時に台湾における中華民国の民主政治がすでに成熟段階に入っていることを示すものであります。また、この民主政治の進展により、与党にあっても時代の潮流に沿い、ますます民意を行政の中心に据えるようになりました。

 こうした基礎を背景に、わが国政府はなお一層の発展を目指し、次なる四大目標を掲げております。

 第一は、政治の民主化をさらに徹底することです。そのなかには地方分権の強化をはじめ、民主憲政の広範な具体化策としての司法改革、行政改革、教育改革などが含まれ、さらに文化建設と心の改造を進め、確たる法治社会と効率的な行政体系を樹立し、国際規範に沿った近代国家を打ち立てようとしています。

 第二は、経済発展の持続です。昨年後半、東アジアは金融不安と通貨危機に見舞われましたが、このなかにおいてわが国の外貨準備高は世界第三位の八百三十億ドルを維持し、経済成長率は六・七%を示し、健全な発展への道を歩みました。この健全な基礎の上に、政府は「アジア太平洋オペレーション・センター」計画により、台湾経済の国際化と自由化を進めております。たとえば各種規制緩和のための法令改正をはじめ、高速道路や新幹線建設における国際的民間参加によるBOT(一定期間経営後の引き渡し)方式の導入、さらに国営企業の五年以内の完全民営化計画も着々と進んでおります。また、ハイテク技術を強化することで台湾を一つのハイテク・アイランドに成長させる計画も進められております。

 第三は、台湾海峡両岸関係の改善です。台湾における中華民国は、一つの主権独立国家であり、わが国は「一つの中国」を主張しておりますが、それはあくまで自由・民主・均富の制度のもとに将来統一された中国であり、現在は一つの「分治された中国」となっているのが現実であります。この現実を踏まえた上で、双方が敵対状態を解消して、ともに国際機関に加盟し、互恵互助と好ましい相互連動による平和的な競争を行い、両岸の差を縮小し、双方がともに納得し相互利益を得る関係を樹立することで、長年にわたった両岸関係に歴史的な新局面を切り拓くことを願っております。

 第四は、国際活動の場の拡大です。わが国は生存と発展のため、また二千百五十万同胞の福祉と生活を向上させるため、国際活動の場をいっそう拡大していかねばなりません。そのために今後とも友好諸国との協力関係を増進し、さらに実務外交における相互訪問などによって無国交国との実質関係を強化するとともに、各種の国際組織および国際活動への参加を積極的に進めようとしております。

 目下、世界貿易機関(WTO)への加盟を申請しておりますが、わが国がすでに正式な一員となっているアジア開発銀行(ADB)とAPECにおきましては、地域的な国際組織での活動や協力計画を通じ、わが国と域内諸国との二国間関係ならびに多国間関係の強化を鋭意推進するよう努めております。昨年十一月のAPECバンクーバー会議で、わが国が金融危機に苦しむ東アジア諸国を支援するため「アジア発展基金」の設立を提言したのも、わが国の地域社会に貢献したいという願望のあらわれであります。将来は国連およびその関連機関への加盟を果たし、確たる国際的地位と尊厳を勝ち取るとともに、相応の国際責任を果たしたいと願っております。

 国内の民主化、経済の発展、そして国際社会への参加によって、世界の平和と繁栄に貢献することが、わが国政府および国民の一致した願望であります。

 最後に、改めて新年を寿ぎ、皆様のますますのご発展とご健康をお祈り申し上げます。 

両岸対話に前提条件は設けない

李登輝総統が日本のマスコミに言明


 李登輝総統は十二月十九日に産経新聞の単独インタビューにおいて、中華民国政府の大陸政策について従来の「接触しない、交渉しない、妥協しない」といった「三不政策」にこだわらず、前提条件を設けずに北京との対話を回復し、常に話し合うといった関係を維持するとの見解を明らかにした。これは政府が今後大陸政策を発展させていくとの意志と、中華民国の国家利益を擁護する基本的立場を表明したものである。

 大陸政策において、政府はこれまで一貫して実務的かつ弾力的な政策を原則としてきた。政府は一九八七年十一月に国民の大陸親族訪問を解禁し、その後国家統一委員会、大陸委員会、海峡交流基金会などを開設し、さらに「動員戡乱(反乱平定)時期」の終結を宣言し、また「国家統一綱領」の基本方針を定め、そして北京との交渉を開始した。これらは政策の具体化を示すものだが、現在は交渉を発展させながら、どのよようなレベルの交渉が可能かを考慮すべき段階にきている。

 だが北京との交渉において、国家利益と国民の福祉については、わずかでも譲歩してはならない。一九八七年に政府は大陸政策について「三不政策」を採択したが、それは大陸との民間交流を進めるという方針を示すものであった。だが、今日「三不政策」の歴史的意義はすでに終了し、政府は大陸との関係を実務的に拡大するという方針に変更したわけだが、国家利益と国民の福祉を擁護するという立場は絶対に変えてはならないものである。

 この原則から、李総統は「中華民国は前提条件を設けず、北京と対話を再開する用意がある。北京がこうした交渉に応じるよう希望する」と述べたのである。このなかには、国家利益と国民福祉堅持の意志が含まれている。さらに李総統はこのインタビューのなかで、①両岸は対立関係ではない、②北京は一方的に議題を押しつけてはならない、③交渉への国際間の支持を得る、という三つの見解を示した。

 李総統は応答のなかで、両岸が対立関係であってはならないことを明確に強調しており、大陸に対抗しようという意志はまったく見られなかった。北京は「一つの中国の前提下に、いかなる問題も話し合える」との条件を提示しているが、李総統の開放的な方針は、北京の度量の狭さとはまさに対照的であろう。

 北京はこれまで両岸交渉において、一方的に議題を持ち出そうとしてきた。海峡交流基金会と海峡両岸関係協会との交渉にしても、かれらは実務的な議題では満足せず、経済問題あるいは両岸三通(直接通商、通航、通信)といった政策上の問題を持ち出そうとしてきた。さらに「一つの中国」といった政治的な解釈を中華民国に押しつけようとしてきた。一九九五年に交渉が中断してからも、「一つの中国」を交渉再開の前提条件にしている。

 ここで明らかなのは、北京の政策は両岸交渉を利用してみずからの提示する「一つの中国」のなかに台湾を取り込み、中華民国の主権独立国家としての地位を徹底的に崩そうとするものだという点である。こうした状況下に、もし台湾が北京のいう前提条件を受け入れたなら、それは台湾がみずから北京のいう「一つの中国」の下に「一つの地方政府」になるのを認めることになる。李総統が「前提条件を設けず北京との対話を回復する」と主張したのは、北京の一方的な態度を批判するものでもあるのだ。

 国際的に見れば、台湾海峡の行方は東アジアの全体的な安定にかかわってくるものであり、米国と東アジア諸国はこの問題に大きな関心を持って注目しており、各国とも台湾と大陸が交渉を再開するよう望んでいる。同時に海峡の平和を破壊しようとする行為には、厳しい目を向けている。李総統が対話によって両岸関係を処理しようと明言したのは、北京のいう条件付き交渉再開よりも現実的で理にかなったものである。したがって李総統が明示した内容は、国際的にも注目され、支持を受けるものとなろう。


《台北『中央日報』97年12月22日》

'97 中華週報主要記事索引 

     自一七九五号(一九九七年一月十六日)
至一八四一号(一九九七年十二月二十五日)

●索引項目は、「国内政治」「両岸関係」「外交・対外一般」「対日関係」「対米関係」「経済関係」「軍事関係」「社説」「社会・科学・文化」「大陸関係」「付録」の十一項目に分類。
●数字については、上から、号数(千のケタは省略)・発行年・月・日の順とした。なお、発行年は西暦年の上二ケタを省略してある。


国内政治                     通巻

新年のごあいさつー荘銘耀駐日代表       795 97116
「国家発展会議」で多数の合意を得る       795 97116
精神を改革し新時代の環境に対応しよう     796 97123
宋楚瑜台湾省長が辞任表明             796 97123
省市長の大陸訪問暫時凍結             797 97130
中華民国政府機関紹介⑨行政院新聞局      798 9726
九七年の国家建設計画通過             799 97213
十年後には国民所得を倍増             799 97213
中華民国政府機関紹介⑩行政院大陸委員会    800 97220
憲法修正は七月一日までに完遂          801 97227
修憲小委員会第一回会議            801 97227
環境保護署施政構想①             801 97227
環境保護署施政構想②             803 97313
行政院九八年度予算案を通過         804 97320
政治には理想と現実のバランス必要      805 97327
環境保護署施政構想③              805 97327
政府機関紹介⑪行政院経済建設委員会      807 97410
ここ半年の政党への世論調査を見る       809 97424
国家発展会議の成果をどう実現するか      810 975 1
李登輝総統が内閣部分改造を指示        812 97522
民主主義への期待と自信①           812 97522
李登輝第九代総統就任一周年記者会見      813 97529
連院長、七月に辞任の意向           813 97529
内閣の改造人事、正式決定           813 97529
台湾における中華民国は必ず再起する      814 9765
次期行政院長は誰が適任か           814 9765
民主主義への期待と自信②           814 9765
民主主義への期待と自信③           815 97612
「クリスチャン・サイエンス・モニター」李総統書面インタビュー 816 97619
李大維新聞局長略歴              817 97626
民主主義への期待と自信④            817 97626
李登輝総統の国民大会国情報告全文㊤       818 9773
李登輝総統の国民大会国情報告全文㊦      819 97710
内外記者会見合同茶話会開催          821 97724
連戦副総統戒厳令解除十周年談話         822 97731
中華民国憲法追加修正条文            823 9787
与野党が国民大会を評価             824 97814
今後は内政と精神改革重視            824 97814
新内閣は9月一日から発足            824 97814
精神改革で調和のとれた社会を創造する①     824 97814
憲法修正完成で新たな前進            825 97828
新内閣の責任は重大               825 97828
新行政院長に蕭万長氏、九月一日に就任      826 9794
連戦内閣が総辞職表明              826 9794
憲法修正新旧比較                826 9794
中華民国憲法第四回修正を論評する        826 9794
憲政改革の歴史的要因と現実的理由       826 9794
新内閣の四大責任と新名簿           827 97911
国民党、李主席の続投決定           827 97911
二百三十人の党中央委員選出           827 97911
精神改革で調和のとれた社会を創造する②    827 97911
蕭万長行政院長が初の記者会見㊤        828 97918
蕭万長行政院長が初の記者会見㊦         829 97925
精神改革で調和のとれた社会を創造する③    829 97925
蕭万長行政院長が立法院で施政方針演説     830 97102
慶祝献辞荘銘耀駐日代表            831 971010
中華民国憲法修正六つの質問に答える      831 971010
一九九七年国慶双十節記念論文         831 971010
李登輝総統中華民国八六年国慶祝辞       832 971023
「台湾精神」で第二の「台湾経験」を       835 971113
蕭万長行政院長が示す中華民国の主要方針    835 971113
精神改革で調和のとれた社会を創造する④    836 971120
中華民国は国家独立自主の地位を堅持      837 971127
中華民国の主権独立の立場とは何か        837 971127
政府はあくまで中華民国の存在を確保      838 97124
中華民国の主権独立は事実           838 97124
地方首長選挙(23県市)与野党逆転       839  971211
県市長選挙各候補者得票数、得票率一覧表    840 971218

両岸関係

中華民国の対香港・マカオ政策①   795 97116
中華民国の対香港・マカオ政策② 796 97123
北京の国連安保理拒否権行使に関する中華民国外交部声明 797 97130
「一つの中国」は「一つの原則」   797 97130
中華民国の対香港・マカオ政策③ 797 97130
「憲政改革は台独ではない」 800 97220
両岸交流に関する開放措置と妨害事例① 800 97220
中華民国の対香港・マカオ政策④ 800 97220
陸委会、香港に関する報告提出 801 97227
両岸交流に関する開放措置と妨害事例② 801 97227
海峡両岸の良好な相互連動関係を望む 802 9736
両岸交流に関する開放措置と妨害事例③ 802 9736
「一つの中国」は「一つの分治状態の中国」 803 97313
両岸交流に関する開放措置と妨害事例④ 803 97313
「一つの中国」問題を論じる 804 97320
北京の「一つの中国」に反駁 806 9743
大陸投資には合理的規定が必要 806 9743
両岸人民関係条例部分修正 807 97410
香港返還問題から見る「一国二制度」㊤ 807 97410
両岸交流に関する開放措置と妨害事例⑤ 807 97410
両岸の直接航路、実現へ 808 97417
香港返還問題から見る「一国二制度」㊥ 808 97417
二十一世紀に向かう両岸関係㊤ 808 97417
両岸交流に関する開放措置と妨害事例⑥ 809 97424
香港返還問題から見る「一国二制度」㊦ 809 97424
二十一世紀に向かう両岸関係下    809 97424
両岸交流に関する開放措置と妨害事例⑦ 810 9751
両岸交流に関する開放措置と妨害事例⑧ 811 97515
両岸海運に関するQ&A 811 97515
両岸交流に関する開放措置と妨害事例⑨ 812 97522
「一つの中国」論の曲解を糾す 813 97529
台湾と香港の海運協議に関する説明 813 97529
李大維新聞局長が語る香港 814 9765
両岸交流に関する開放措置と妨害事例⑩ 814 9765
両岸交流に関する開放措置と妨害事例⑪ 815 97612
高孔廉大陸委員会副主任委員定例記者会見 816 97619
これからの香港と台湾の経済関係 818 9773
香港返還に関する政府声明 819 97710
香港問題に関する記者会見 819 97710
台湾企業の大陸投資に関する世論調査 819 97710
台湾は香港と異なり「一国二制度は不可」 820 97717
高孔廉大陸委員会副主任委員定例記者会見 820 97717
両岸三地域の政策と連動関係① 820 97717
これからの香港、両岸関係、台湾の将来 821 97724
台湾は「一国良制」を支持  821 97724
台湾は前例に倣うのではなく先例を作る 821 97724
両岸三地域の政策と連動関係② 821 97724
両岸三地域の政策と連動関係③ 822 97731
台湾住民の将来の両岸関係に対する世論調査 822 97731
香港マカオ関係条例施行細則 823 9787
「一国二制度」を再度論駁 824 97814
両岸三地域の政策と連動関係④ 824 97814
台湾海峡制空権の行方 825 97828
来春が両岸交渉再開の好機 825 97828
両岸三地域の政策と連動関係⑤ 825 97828
両岸三地域の政策と連動関係⑥ 826 9794
香港主権移行後の両岸関係 827 97911
香港入境ビザに関する問題点 828 97918
両岸関係改善をいかに進めるか㊤ 829 97925
両岸関係改善をいかに進めるか㊦ 830 97102
来春に両岸交渉再開か 832 971023
両岸三通開放は時期尚早 834 97116
総統大陸訪問には尊厳が必要 835 971113
まだ両岸三通の時期は熟さず 835 971113
「三通」不能の原因は中共に 835 971113
両岸交渉、常に大門を開いている 838 97124
覇権主義が見え隠れする北京の主張 838 97124
「一国二制度」は実現不可能 839 971211
なぜ台湾に「一国二制度」が不適切か 840 971218
「三通」は「三思」(再三思考)を要する 840 971218
李登輝総統が語る大陸政策の基本理念 841 971225
蕭院長、両岸問題の基本政策を説明 841 971225

外交・対外一般

97年は新たな外交関係樹立   795 97116
今年はさらに積極外交推進 796 97123
台湾の全住民が実務外交支持 796 97123
連戦副総統がバチカン市国を訪問 797 97130
国交の有無にかかわらず中華民国を歓迎 798 9726
章孝厳外交部長施政報告㊤ 798 9726
低レベル放射性廃棄物の北朝鮮移送は不変 799 97213
北朝鮮との低レベル放射性廃棄物処理の契約に関する説明    799 97213
不可思議な韓国の抗議   799 97213
章孝厳外交部長施政報告㊦ 799 97213
ダライ・ラマ法王の訪華決定 800 97220
リベリアとの友好関係に変化なし 804 97320
ダライ・ラマ法王の訪台 804 97320
「パナマとの断交はない」 805 97327
ダライ・ラマ法王が台湾初訪問 807 97410
台湾海峡をめぐる米中(共)日の戦略①  810 9751
台湾海峡をめぐる米中(共)日の戦略②     811 97515
台湾海峡をめぐる米中(共)日の戦略③   812 97522
外交関係国、三十一カ国に 812 97522
台湾海峡をめぐる米中(共)日の戦略④   814 9765
章孝厳外交部長臨時記者会見全文 815 97612
台湾海峡をめぐる米中(共)日の戦略⑤   815 97612
台湾海峡をめぐる米中(共)日の戦略⑥   816 97619
中華民国外交部声明 819 97710
中米諸国が北京の圧力跳ね返す 824 97814
友好九カ国が台湾の国連加盟支持   824 97814
元首外交推進の国際的視点 824 97814
チャドと外交関係回復 825 97828
友好九カ国の中華民国国連参加支援 825 97828
カンボジアに対する外交部声明 825 97828
李登輝総統がパナマ国会で講演 829 97925
李登輝総統がホンジュラス国会で講演 830 97102
中米六カ国と「中米経済発展基金」設立 830 97102
理想的な国際新秩序を創造するために 830 97102
李登輝総統、中米四カ国歴訪終える 831 971010
国連総会で台湾支持の弁論 831 971010
中米統合機構加盟は有益 831 971010
第52回国連総会、22カ国が台湾支持    833 971030
北朝鮮と相互に事務所開設 833 971030
連副総統欧州訪問から帰国 833 971030
胡志強新外交部長これからの課題 834 97116
これからの台湾│香港返還、国民党大会 837 971127
APEC主催国に向け努力 840 971218
中華民国の国際社会での役割と政策 841 971225

対日関係

台湾の対日貿易赤字が減少   796 97123
台北に眠る日本人の遺骨 805 97327
新しい日本と台湾の関係 806 9743
釣魚台問題に関する中華民国外交部の見解 815 97612
沖縄は両岸直航に乗り遅れる 817 97626
台北日本人学校の紹介 818 9773
釣魚台列島問題に対する外交部声明 821 97724
日米新指針を積極的評価 831 971010
台北│大阪間の航空路線再開 833 971030
李総統が語る今後の台湾と日本への期待 834 97116

対米関係

まず米国との関係改善を 802 9736
全米協調会議、米国で開催 802 9736
米中関係は東アジアの安全にどのような影響を与えるか 802 9736
「台湾に潜水艇供与を」 804 97320
パウエル前米統合参謀長が台湾訪問 806 9743
ギングリッチ米下院議長が台湾を初訪問 808 97417
「華米関係と実務関係への質問応答集」㊤ 815 97612
「華米関係と実務関係への質問応答集」㊥ 816 97619
「華米関係と実務関係への質問応答集」㊦   817 97626
アジア太平洋地域の安全は米国の利益 832 971023
米国の対台湾政策は変わらない 836 971120
海峡の安全に貢献する米国の姿勢 838 97124

経済関係

中華民国の国際競争力向上を論じる 809 97424
台湾のGNP世界第十九位に   809 97424
半導体産業、三割成長の予測 809 97424
「経済発展の成果、還元を」 809 97424
ASEANとの貿易拡大 810 9751
中華民国のWHO加盟問題を論じる 811 97515
台湾の資本市場の自由化および国際化のための重要措置 815 97612
ソフト輸出国への脱皮をはかる台湾 819 97710
二十一世紀に向けての台湾経済戦略① 825 97828
海運・航空・電信センターの推進状況㊤ 827 97911
海運・航空・電信センターの推進状況㊥ 828 97918
二十一世紀に向けての台湾経済戦略② 828 97918
海運・航空・電信センターの推進状況㊦ 829 97925
二十一世紀に向けての台湾経済戦略③ 830 97102
二十一世紀に向けての台湾経済戦略④ 833 971030
二十一世紀に向けての台湾経済戦略⑤ 834 97116
二十一世紀に向けての台湾経済戦略⑥ 835 971113
二十一世紀に向けての台湾経済戦略⑦ 836 971120
二十一世紀に向けての台湾経済戦略⑧ 837 971127
二十一世紀に向けての台湾経済戦略⑨ 838 97124
二十一世紀に向けての台湾経済戦略⑩ 839 971211
台湾情報機器産業 発展へのシナリオ① 840 971218
台湾情報機器産業 発展へのシナリオ② 841 971225

軍事関係

武力統一に屈せぬ姿勢誇示 828 97918
台湾にTMDシステムを 832 971023
中華民国が示す国防政策のガイドライン 833 971030
「安全なければすべてなし」 836 971120

社説

新たな観念で国家を導く李総統(『中央日報』1月8日) 796 97123
国家発展会議の成果を見る①(『中国時報』96年12月18日) 797 97130
現状では「外交上の休戦」はない(『青年日報』1月10日) 797 97130
国家発展会議の成果を見る②(『自由時報』96年12月19日) 798 9726
この外交チャンスを生かせ(『民衆日報』1月16日) 798 9726
国家発展会議の成果を見る③(『自由時報』96年12月20日) 799 97213
国家発展会議の成果を見る④(『自由時報』96年12月21日) 800 97220
国家発展会議の成果を見る⑤(『自由時報』96年12月22日) 801 97227
国家発展会議の成果を見る⑥(『自由時報』96年12月23日) 803 97313
国家発展会議の成果を見る⑦(『自由時報』96年12月24日) 804 97320
国家発展会議の成果を見る⑧(『自由時報』96年12月25日) 805 97327
国家発展会議の成果を見る⑨(『自由時報』96年12月26日) 806 9743
国家発展会議の成果を見る⑩(『自由時報』96年12月27日) 807 97410
国家発展会議の成果を見る⑪(『自由時報』96年12月28日) 808 97417
国家発展会議の成果を見る⑫(『自由時報』96年12月29日) 809 97424
中華民国の存在は中国統一の希望(『青年日報』4月4日) 810 9751
李登輝総統の国際的声望の意義(『中央日報』4月7日) 810 9751
守られるべき香港の民主・自由(『自由時報』4月21日) 811 97515
科学技術への投資は新たな針路(『中央日報』4月22日) 811 97515
北京とロシアの軍縮協定に注目(『青年日報』4月26日) 812 97522
橋本首相の外遊とアジア安保(『中央日報』5月2日) 812 97522
台湾が望む自由・民主・均富(『青年日報』5月6日) 813 97529
敢然と社会改革に立ち向かえ(『中央日報』5月8日) 813 97529
国民の憲法修正に対する期待(『自由時報』5月16日) 814 9765
地域の安全を促進する中華民国(『中央日報』5月17日) 814 9765
李総統の背負う十字架の意味(『中央日報』5月20日) 816 97619
台湾には「精神改革」が必要(『中央日報』5月19日) 816 97619
軍事衝突はいかに防止すべきか(『中央日報』6月2日) 817 97626
大陸投資には注意が必要(『自由時報』6月3日) 817 97626
国家三十年の安定のために(『中央日報』6月10日) 818 9773
大陸の政治改革は成功するのか(『青年日報』6月11日) 818 9773
大陸投資より「台湾投資」を(『青年日報』6月19日) 819 97710
台湾は独立自主の立場を貫徹(『自立早報』6月25日) 820 97717
主権国家台湾を国際社会に強調(『中央日報』7月4日) 821 97724
永続的生存への条件は外交と国防(『自由時報』7月9日) 822 97731
台南科学園区への大きな期待(『中央日報』7月10日) 822 97731
過去の十年とこれからの十年(『中国時報』7月15日) 823 9787
戒厳令解除の十年を振り返る(『中央日報』7月15日) 823 9787
北京の軍拡に備え国防を強化(『青年日報』7月19日) 824 97814
李総統が指導する改憲の本質(『中央日報』7月14日) 824 97814
政党には自己改造が必要(『中央日報』8月25日) 827 97911
新内閣の政府改造への取り組み(『中央日報』9月1日) 828 97918
李登輝総統中米訪問の意義(『中国時報』9月19日) 832 971023
総統外遊批判論を論駁する(『中央日報』9月19日) 832 971023
実務外交広げた連副総統の訪欧(『青年日報』10月18日) 833 971030
困難を恐れずに外交に新たな道を(『自由時報』10月12日) 834 97116
両岸問題の解決に幻想は禁物(『中央日報』10月16日) 834 9711 6
  東南アジア経済危機が示す警告(『中央日報』10月25日) 836 971120
両岸三通の時期はまだ熟さず(『中央日報』10月29日) 836 971120
我々は歴史の正しい側にいる(『中央日報』11月3日) 837 971127
過渡期に必要な「高齢者手当」(『中央日報』11月6日) 837 971127
台湾の漁業の権益を守れ(『自由時報』11月14日) 838 97124
北京はまず誠意を示せ(『中央日報』11月15日) 838 97124
民主と人権という価値の勝利(『中央日報』11月17日)   839 971211
実務的でマクロな国家発展方策(『中央日報』11月18日) 839 971211
アジア金融危機の教訓(『中央日報』11月27日) 840 971218
APECの人権への関心を評価(『自由時報』11月27日) 840 971218
「分水嶺」となる県市長選挙(『中国時報』11月30日) 841 971225

社会・科学・文化

台湾の新しい十二名勝地   795 97116
日華資料センター蔵書紹介⑭ 795 97116
ハイテクアイランドへ 台湾十大産業③ 796 97123
台湾への留学ガイド⑤私立淡江大学 796 97123
交流団体紹介⑪「日台鉄路愛好会」 796 97123
日華資料センター蔵書紹介⑮ 796 97123
日華資料センター蔵書紹介⑯ 797 97130
ハイテクアイランドへ 台湾十大産業④ 797 97130
多くの歌がなぜ禁止されたのか? 797 97130
交流団体紹介⑫「台湾史勉強会」 797 97130
牛にまつわる数々のタブー 798 9726
台湾への留学ガイド⑥私立輔仁大学 798 9726
交流団体紹介⑬「梅花会」 798 9726
李天禄の布袋戯学校 799 97213
数字でみる台湾│老人性痴呆症患者の急増 799 97213
ハイテクアイランドへ 台湾十大産業⑤ 799 97213
中華民国インターネット紹介① 799 97213
台湾への留学ガイド⑦国語日報語文中心 800 97220
数字でみる台湾│米国人の中国語学習者が急増 800 97220
中華民国インターネット紹介②   800 97220
中華民国インターネット紹介③ 801 97227
今、西門町が変わろうとしている 801 97227
台湾鉄路一周の旅① 801 97227
ハイテクアイランドへ 台湾十大産業⑥ 801 97227
ハイテクアイランドへ 台湾十大産業⑦ 802 9736
台湾への留学ガイド⑧中華語文研修所 802 9736
交流団体紹介⑭「日台文化人倶楽部」 802 9736
中華民国インターネット紹介④ 803 97313
台湾で大人気 日本のテレビ番組① 803 97313
台湾鉄路一周の旅② 803 97313
数字でみる台湾-三大メディアの広告量が増加 804 97320
興味深い台湾映画『熱帯魚』 804 97320
『熱帯魚』陳玉勲監督へのインタビュー 804 97320
台湾で大人気 日本のテレビ番組② 804 97320
中華民国インターネット紹介⑤ 804 97320
台湾への留学ガイド⑨東海大学華語中心 805 97327
数字でみる台湾-台湾の勤め人の実態 805 97327
台湾進出、日本のニューミュージック 805 97327
台湾で大人気 日本のテレビ番組③ 805 97327
中華民国インターネット紹介⑥ 805 97327
興味深い台湾映画『憂鬱な楽園』 806 9743
台湾鉄路一周の旅③ 806 9743
台湾で大人気 日本のテレビ番組④ 806 9743
中華民国インターネット紹介⑦ 806 9743
台湾への留学ガイド(特)拓殖大学と東呉大学の国際交流   807 97410
台湾鉄路一周の旅④ 808 97417
台湾のプロ野球と山根さん 809 97424
中華民国インターネット紹介⑧ 809 97424
台湾鉄路一周の旅⑤ 810 9751
台北駐日経済文化代表処ホームページ開設 810 9751
中華民国インターネット紹介⑨ 811 97515
台湾への留学ガイド⑩逢甲大学国語文中心 811 97515
台湾鉄路一周の旅⑥ 812 97522
数字でみる台湾-遠くなった「台湾ドリーム」 813 97529
中華民国インターネット紹介⑪ 813 97529
台湾鉄路一周の旅⑦ 814 9765
中華民国インターネット紹介⑫ 814 9765
中華民国インターネット紹介⑬ 815 97612
交流団体紹介⑮「台湾史研究会」 816 97619
数字でみる台湾-外食が家庭生活に与える影響 816 97619
台湾への留学ガイド⑪国立成功大学文学院語言中心中文組 817 97626
中華民国インターネット紹介⑭ 818 9773
数字でみる台湾-ドラマ改革が必要 819 97710
新たな時代を迎えた台湾映画 820 97717
数字でみる台湾-女性にとって宝石は必需品 821 97724
数字で見る台湾-破竹の勢いで増加する”信用カード” 822 97731
古きよき台北の面影を尋ねて 822 97731
交流団体紹介⑯「アイセック東京大学委員会」  822 97731
中華民国インターネット紹介⑮ 822 97731
日系百貨店台湾で出店相次ぐ 823 9787
小室音楽はスタンダードになれるか 823 9787
ますます進む日台メディアの協力体制 824 97814
台湾の食品市場に日本製品が続々登場 827 97911
宝島あれこれ-一味違う今年の月餅 829 97925
台湾文学の展望 830 97102
台湾の高等教育と国際教育交流の現状 832 971023
台湾を震動させた「歌舞伎公演」 833 971030
交流に大きな役割果たす文化と映像 833 971030
交流団体紹介⑰「日華交流教育会」 833 971030
国際的に注目を集めた台湾映画 834 9711 6
新たに花開く台湾酒文化の伝統 834 97116
宝島あれこれ│台湾の雑誌市場は雨後の筍 835 971113
子供たちに伝える郷土の歴史文化 835 971113
中華民国インターネット紹介⑯ 835 971113
「分身」を得た省博物館 836 971120
台北市内でおこなわれた新旧の結婚式 837 971127
貴重な鳥類の宝庫、台湾 838 97124
宝島あれこれ│台湾の人は薬好き 838 97124
中華民国インターネット紹介⑰ 838 97124
「台湾映画祭」東京を皮切りに開催 839 971211
台湾映画における半世紀の歩み㊤ 840 971218
台湾映画における半世紀の歩み㊦ 841 971225
林正盛監督、期待の新作初公開 841 971225

付録

中華民国の大陸政策概要 796 97123
「国家発展会議」総合記録㊤   806 9743
「国家発展会議」総合記録㊦   807 97410
香港問題に対する台湾の世論 824 97814


米国は台湾海峡の安全に強い関心

     大統領も国防総省も台湾関係法重視

●台湾海峡の平和に最も重大な関心

 クリントン米大統領は一九九七年十二月十七日、ワシントンで年末記者会見をおこなったが、このなかで台湾記者の質問に対し、台湾海峡の問題について「台湾の安全に対する米国の立場にいかなる変化もない。米国と中国(共)の関係はワシントンと北京で調印された三つの共同コミュニケに則っている。米国は、中国は一つであり、北京は平和的な方法で大陸と台湾の問題を解決することに同意していると認識している」と語った。さらにクリントン大統領は安全問題に絞った質問に対し、「米国は一貫して、台湾海峡両岸問題について平和的解決から離れた場合、いかなる方法に対しても最も重大な関心を示す、と表明している」と述べた。

 このなかで注目に値するのは、米国は台湾関係法において、台湾海峡の安全問題に対し「重大な関心(grave concern)を示す」と明記しているが、今回クリントン大統領はそれをさらに強め、「最も重大な関心(the gravest possible concern)を示す」と表明した点である。

●台湾海峡の安全は米国の利益

 また、米国防総省のキャンベル次官補は十二月十五日、台湾の有力紙『中国時報』のインタビューに応じ、台湾海峡の安全問題について以下のように答えた。

問:あなたは最近の国防関連の会議において、台湾海峡の平和と安全にきわめて大きな関心を示されたが、それはなぜか。
答:まず私が最も強く言いたいのは、米国が台湾海峡の平和と安定を維持し、台湾の安全を公約するのは、そこに米国の戦略的利益があるからであり、この公約に変化はないという点だ。またわれわれは、米中(共)間が戦略的および多面的な対話を進めることは、米中(共)およびその他のアジア太平洋諸国にとって利益があるばかりか、台湾にとっても利益があると認識している。同時にわれわれは、台湾と広範な対話のパイプを維持しておくことも重要だと認識している。このことは当該地域のその他の国々も、このことが台湾海峡の平和と安定のために必要だと認めており、それが台湾の友人に対するわれわれの一つの保証にもなろう。
問:あなたは台湾と北京が政治面と経済面の対話を進めるべきだと主張しておられるが、それはなぜか。
答:私がそれを主張するのは、米国の立場に立ってのものであり、米国は大陸と台湾が交渉を再開するのを希望している。だが、台湾にそのための圧力をかけるようなことはない。それは台湾海峡両岸が共に適切と認めた時に開始されるべきものだからだ。米国は、できるだけ適切な時期に、できるだけ早期に交渉が再開されることを望んでいる。だがそれは、台北と北京が決定すべきことだ。交渉の議題としては、政治問題も経済問題も共に重要だ。また、安全問題が日増しに重視されはじめている今日、私は安全問題もその交渉の範囲に入れるのが適切ではないかと思っている。
問:台湾関係法で米国は台湾の安全に対し、ある種の義務を負っている。台湾の多くの人々もそう認識している。もし台湾海峡に動乱が発生したなら、米国はどのような措置をとるだろうか。
答:台湾関係法に米国は次の三点を明記している。その一は、安全問題について米国は台湾に情報を提供することになっているが、米国はこれを遵守している。その二は、台湾に防衛性の武器を提供することだが、これも米国は目下順調に履行している。ただしそれは、台湾が独立に向かって走るためのものではなく、台湾海峡に平和的で安定した環境を創造し、台湾の指導者が安心して諸外国との対話がすすめられるようにするためのものだ。その三は、これが最も重要かもしれないが、西太平洋における米国の軍事力は、台湾海峡の安全に対するいかなる挑戦にも対応するということだ。
《台北『中国時報』97年12月18日》

「台湾映画祭」ついに開幕
 来日した王童監督へのインタビュー


 昨九七年十二月二十六日より、東京の三百人劇場で「台湾映画祭」が開催されている。オープニング前日の同二十五日には記者会見がおこなわれ、多くの報道陣がつめかける中、台湾からは陳志寛行政院新聞局電影事業処処長のほか、来日ゲストとして、李行、王童、陳玉勲の各世代を代表する三監督および若手俳優の張震さん、王渝文さんが出席した。

 席上、まず李行監督より台湾映画の発展とともに歩んできた四十年あまりの経験が語られた。王童監督は、現在の台湾映画界の問題点にもふれ、市場の小ささと製作サイドに長期的展望が欠けている点を指摘した。また陳処長からは、今回の日本側の取り組みへの感謝が述べられるとともに、近い将来、台湾で「日本映画祭」が開催される可能性も示唆された。 記者会見に続くパーティーには、陳水扁台北市長らもかけつけ、なごやかな雰囲気の中、双方の関係者が映画祭の成功を祈った。

 ●王童監督インタビュー●
 [本誌では、今回の映画祭で新旧五本の作品が上映される王童監督に対して、本誌の映画紹介欄でもおなじみのフィルム・コーディネーター、田村志津枝さんによるインタビューをおこないました]

問:まず、今回の映画祭に出品されている五つの作品についてお聞きしたいと思います。舞台あいさつの時に、この十年ほど、台湾の歴史を描くことに興味を持っているとおっしゃっていましたが。
答:はい。この十年間で私は何本かの作品を撮りましたが、これらは、台湾が歩んできた歴史をテ-マとしたものです。日本統治時代の初期を取り上げたのが『無言の丘』です。その後、植民地統治が長くなるにつれ、台湾人は日本による教育の影響を受けてしだいに同化されていきましたが、この頃を舞台にしたのが『村と爆弾』です。それから『バナナ・パラダイス』で、戦後外省人が大陸から台湾に渡ってきて、外省人と本省人双方に生じた問題を描きました。そして最新作『赤い柿』は、私自身の家族を描いたものです。私の両親は、大陸から私たちを連れて台湾に渡ってきて、やはりとても苦労しました。
問:では、時代背景の古い順から伺いますが、『無言の丘』の中では、日本人以外に、映画の中では「琉球」となっていますが沖縄の少女が登場しますね。日本人ではなく、あえて「琉球人」を出したのには何か理由があるのですか。
答:はい。私は、当時の沖縄は台湾と同じ運命にあったと思っています。ですから、私は沖縄に同情を感じ、彼らに代わって何かを訴えたいと思ったのです。
問:この作品の中で、父親が日本人という設定の少年がいますが、彼の人物像をどう考えていらっしゃいますか。
答:あの少年の境遇は悲惨です。母親は娼婦で、日本人の客との間に彼をもうけました。しかし父親は帰国してしまい、母親も少年を一人残して亡くなりました。ですから、彼は日本人でもなければ台湾人でもないということで苦しみ、最後には日本人の鉱山長を殺してしまいます。彼はまた沖縄の少女に同情し、彼女を深く愛します。つまり、これは非常に複雑な民族やヒューマニティーの問題なのです。それから、殺される日本人の鉱山長は、明治維新以降の新しく強い日本の象徴でもあります。
問:『村と爆弾』の中には、非常に善人の巡査が登場しますが、彼も日本人という設定なのですか。
答:当時、台湾にいた日本人巡査には、必ず台湾人の「助手」がいたそうです。あの巡査は、そうした台湾人の助手で、日本人ではありません。ですから、彼の内面も複雑で、日本人に従いながらも、台湾の民衆を愛しているのです。
問:こうした日本統治時代を描いた作品には、日本人が出てきますが、日本人を描く難しさというものはお感じになりますか。
答:以前、台湾の映画に日本人が登場する時は、いつも悪人に描かれていましたが、これは間違いだと思います。すべての日本人が悪いなどと言うことはできません。人間はとても複雑なもので、それほど単純に割り切れるものではなく、ステレオタイプにはめた描き方はすべきではないと思います。
問:それでは、日本人を描くときに、「良い悪い」で単純化しないということ以外に、細かい点で工夫されることはありますか。
答:日本人独特の習慣や動作ですね。これは衣服など見た目だけではなく、動作や考え方、内面を含めてのことです。このため『無言の丘』では、東京から役者を招いて鉱山長を演じてもらいました。
問:『無言の丘』の中で、主人公の兄弟が間借りをする家の女性を楊貴媚が演じ、非常に強い印象を残しますが。
答:彼女は、悲しい運命にありながら、その一方で生命力が強く、したたかでたくましいという、まさに「台湾の女性」であり、また台湾そのものの象徴でもあります。
問:時代的にはその後になる『バナナ・パラダイス』は、戦後、大陸から台湾に来た二人の兵士の苦労の物語ですが、その前の『村と爆弾』に比べますと、非常に感情移入が深いように感じます。監督ご自身はどう考えられますか。
答:戦後、外省人は戦争のために、新たな「移民」として台湾に渡りました。また四百年前には、台湾人の祖先が同じように苦労して大陸から渡ってきました。時代は異なりますが、この両者の運命に変わりはないと思います。つまり、台湾には「本省人」、「外省人」の区別はなく、運命はみな同じなのです。私がこの作品で言いたかったのはそういうことです。
問:そうすると、本省人を描く時より、『バナナ・パラダイス』のように戦後になって渡ってきた人を描く時の方が、ご自身の感情にぴったり来るということはないのですか。
答:特にそうは思いません。なぜなら、困難な状況にある時は、人間の運命というものは、みな悲惨だと思うからです。一般の人々にとっては、兵士でも娼婦でも農民でも、人間の運命はどの国でも大差はないはずです。しかし、そうした運命の中で、与えられた人生をいかによく生きるかが問題であり、私が映画を撮る目的もそこにあります。
問:それで、監督の作品は、心あたたまるような結末のものが多いのですね。
答:ですから、私は日本や中国共産党あるいは米国を強く批判するような 映画を撮るつもりはありません。なにごとも客観的に見るべきなのです。
問:つぎに、時代的には同時代になる『赤い柿』のことですが、あれは監督ご自身の自伝的な作品ですね。映画の中の子だくさんも本当のことですか。
答:はい。だいたい六〇%が実話で、私は十二人兄弟の六番目です。
問:自伝的なものを作ろうとされたきっかけは何ですか。
答:私は映画を撮る時には、自分が最もよく知っていることを描くべきだと考えているからです。それに、私の家族そのものが映画のように興味深いものでした。父は軍では非常に高い地位にありましたが、その人生はやはり悲しいものでした。人間の価値は、地位の高さなどには関係ありません。例えば、『海を見つめる日』のヒロインは娼婦ですが、娼婦にも子供を持つ権利というものはあるはずです。生命の貴さは皆同じです。ですから、娼婦でも兵士でも農民でも将軍でも、すべての人には尊厳 が必要なのです。私は、勧善懲悪のアクション映画などは、商業的で内容のない映画だと考えていますし、また映画を撮る側が内容を十分に理解していなければ、観客を感動させることはできないでしょう。
問:さきほど、自分が一番よく知っていることが説得力のある作品になるとおっしゃいましたが、最新作の『赤い柿』が自伝的作品だということは、今までの作品は『赤い柿』を撮るための過程だったといえるのでしょうか。
答:実は、『赤い柿』は、台湾の歴史をテ-マとした私の作品の総決算的な位置付けのもので、今後は現代を舞台にした映画を撮りたいと考えています。
問:では『赤い柿』の中のおばあさんについて伺いたいのですが、彼女は監督の本当のおばあ様をモデルにしたのですか。
答:そうです。見た目は似ていませんが、性格はあの役柄のままでした。
問:おばあ様には特別な思い入れがあるように感じられましたが。
答:ええ。私は祖母と同じように絵を書くのが好きで、祖母に特にかわいがられていましたから。
問:あの作品の中には、時代背景というか社会状況に関する描写がほとんど出てきませんね。
答:わたしは『赤い柿』では、日記やエッセイを書くように生活を淡々と描きたいと思いました。ですから、これまでの私の作品とは雰囲気が異なっていると思います。
問:それでは、ずっと前の作品に戻って、『海を見つめる日』について伺いますが、あの作品を撮ったいきさつを聞かせてください。
答:あの作品を作ったのは、黄春明(同作品の原作者、脚本)を大変尊敬しているからです。私は彼と若いときから親しくしていますが、われわれは、台湾をあれほどまでに愛する彼から学ぶべきことがたくさんあると思います。
問:当時は、映画の製作状況が今よりずいぶんよかったでしょう。
答:はい。資金面でも今よりよかったですね。
問:作品からちょっと離れてお聞きしたいんですが、監督は現在、中央電影公司(中影)ではどういう立場なのですか。
答:今は簡単に言うと、映画製作部門のトップです。現在、私は他の人が映画を撮るのを助けるという立場にあり、なかなか自分で自由には動けません。ですから、来年か再来年には中影を離れてふたたび自分で映画を撮るつもりです。
問:監督は陳玉勲監督のプローデュ-スなど、若手の育成にも関わっていらっしゃいますが、先輩として、最近の若手監督の作品をどう思われますか。
答:芸術性が非常に高いと思います。ただ、観客に受け入れられるかどうかは難しいと感じますが。
問:今回の映画祭にも出ている張作驥監督の『チュンと家族』や、蔡明亮監督の『青春神話』など、最近の台湾映画には台湾の民間信仰がよく取り上げられているように思いますが、監督はこれについてどう思われますか。
答:現在の台湾は、経済が低迷し、社会的にもさまざまな問題が生じています。このため、民衆は神様に頼ってしまうのでしょう。映画は、社会を映し出したものですから、とくに若手監督の映画の中には、こうした宗教や、現在の大都会のストレスを反映したテーマが多く現れるのだと思います。
問:では最後に、監督が現在準備中の現代を舞台にした作品は、どのようなものになりそうですか。
答:台湾が経済繁栄の過程で忘れたりなくしたりしてしまったものを描いた、コメディー・タッチのものになる予定です。現在シナリオを執筆中ですが、私は一つの作品に時間をかけますし、資金集めの問題もありますから、完成は二年後ぐらいになると思います。
問:楽しみにしております。本日はどうもありがとうございました。

SLの雄姿、ふたたび
ローカル線で復活の試み  


 白い煙を吐きながら轟音を立てて疾走する蒸気機関車。かつて、台湾でも陸上輸送の主力だったその雄姿を、今年六月九日の「鉄路節(鉄道の日)」を目標に復活させる計画が進められている。

 台湾では、一九八〇年に鉄道全線の電化が完成するまで、蒸気機関車が現役で走っていた。その後、経済発展にともない鉄道の近代化もどんどん進み、一九九一年の南廻線の開通で、鉄道による全島一周が実現した。列車のスピードもアップし、二〇〇三年には台湾版「新幹線」も開通する予定である。

 こうしたなか、台湾鉄路管理局は、百年の歴史を持つ蒸気機関車を、ローカル線の集集線または内湾線で再び走らせる計画を発表し、昨九七年十一月二十七日には、鉄路管理局のOBやたくさんの熱烈な鉄道ファンを集めて、「蒸気機関車復活計画記念式典」がおこなわれた。

 この計画に関し、陳徳沛鉄路管理局局長は、「われわれは、現状の改革と未来に向けた創造に努力すると同時に、先人の功績を振り返り、若い世代にも蒸気機関車を通じて台湾の発展の軌跡を感じてほしいと願っている」と語った。陳局長によると、蒸気機関車は、百年近く台湾の陸上輸送において重要な役割を演じてきたが、現在では一部の車両が博物館などで展示保存されている以外は、ほとんどが解体処分されてしまったという。

 しかし、鉄路管理局の現職員やOBの中には、蒸気機関車に対して深い愛着を持つ人が少なくない。また多くの鉄道ファンからも、蒸気機関車を観光ブームとなっているローカル線で走らせれば、貴重な文化の保存につながるだけでなく、観光資源として大きな価値を持つという意見が寄せられていた。台湾鉄路局は、こうした声に応えるとともに、社会的責任を果たすため、すでに退職しているかつての職員を招いて、蒸気機関車復活のための技術指導をしてもらうことを決めた。かつて台湾鉄路局台北車両工場長だった陳兆東さんは、今回、蒸気機関車修復のために古巣から請われたことについて、「とても感動し、また誇りに思う」と語り、使命感に燃えている。

 今回修復が計画されているのは、CK101型とCK124型と呼ばれる二つの車両で、それぞれ一九一六年と一九三六年製造の客運、貨物両用型のもの。鉄道協会の記録によると、これらの蒸気機関車は日本製で、当時、主に台湾北部のカーブや坂の多い山間部で用いられたという。 また、鉄路管理局では、蒸気機関車修復のほか、鉄道博物館設立の可能性についても検討を始めている。建設地については、史跡にも指定されている台北市延平北路の「旧鉄路局」が有力視されており、実現すれば、現在台湾省立博物館に保存されている百十年前に造られた台湾の蒸気機関車第一号、「騰雲号」もここに展示されることになる。 日本でも、期間限定で蒸気機関車を運行する試みは、観光の目玉として大きな人気を呼んでいる。年配の人には郷愁を呼び、子供たちには夢を与えるSLの旅は、台湾でも新たなブームとなるに違いない。

《台北『中央日報』97年11月28日》


春夏秋冬

 昨一九九七年を台湾から見れば、北京のゴリ押しがことさら目立った年だった。とくにそれは年末に際立っていた。APECの件だが、それはもともと環太平洋諸国の経済交流の活発化を促進することはもちろんのこと、台湾という有力な経済実体を無視できなくなり、これを国際的な機構に参加させたいという発想のもとに結成されたものである。論より証拠で、APECは政治問題が介入するのを防ぐため、経済実体をその構成メンバーの主体とし、国旗を掲げずに国際性を持った世界唯一の機構となっている。

 ところが政治的に台湾の孤立化を図ることに貪欲な北京は、ここでも無理やり各国に圧力をかけ、台湾の最高首脳をAPECの会議に参加させなくしている。この弊害は大きい。いま東アジアで金融不安が渦巻き、韓国経済は破綻し、ASEAN諸国は青息吐息になり、日本もこれから金融不安がどこまで広がるか分からないといった状況にある。このなかでひとり台湾経済のみは揺るがず、外貨準備高は公称八百五十億ドルだが、実質は一千億ドルを越えている。さらに台湾の対外債務は二十億ドルのみで、年間六%以上の経済成長率を持続している。これらの数値は、台湾がアジアのみならず世界的な経済優等生であることを物語っていよう。この台湾に支援を求めなければならないという時期においても、台湾のトップをAPECから締め出しているというのは、各国の思惑を押さえ付けているばかりか、地域経済に対する反逆行為と言っても差し支えない。

 昨年末、台湾にさして友好的でもないシンガポールのゴー・チョクトン首相と、歯に衣を着せないことで有名なマレーシアのマハティール首相までが、APECバンクーバー会議の帰途に専用機で台湾に乗り入れ、台湾の最高当局者と会談を持った。この事実は、台湾の存在がもはや国際的に無視できないものになっているということを如実に示している。各国は、このように現実無視の立場から重視へと移行しはじめているのだ。このことはアジアばかりでなく、世界を一つの単位とした国際政治の場においても、一つの朗報と言うべきであろう。

 つまりこうした状況は、台湾を孤立化に追い込もうとしている北京の政治的な野望が、現実の前には崩れざるを得ないというモデルであり、また北京当局の無理押し崩壊の第一歩が始まったことを示していよう。この意味から一九九七年、とくに年末は、台湾の中華民国にとって好ましいものであったと言える。この好ましい状況が、本年も継続し、世界の良識が北京の横暴に打ち勝つことを願ってやまない。


  交流の広場 

「新日台交流の会」第十五回研究・懇親会のお知らせ

  今回は、門間貴志(もんま・たかし)氏(山形国際ドキュメンタリー映画祭コーディネーター、映画評論家、明治学院大学非常勤講師)をメインゲストにお招きし、左記の通り開催いたします。著書:「アジア映画にみる日本(一)中国・香港・台湾編」(社会評論社)

日 時 1月24日(土)午後3~6時

場 所 日華資料センター会議室

テーマ 「日本と台湾映画交流史」

  本会は、台湾に関心ある人々の知識向上と親睦を目的に、ふた月に一度(奇数月)土曜日に開かれております。多くの方々のご参加を心よりお待ちしております。

〒108-0073   東京都港区三田5-18-12 TEL03(3444)8724
                         FAX03(3444)8717

交通 JR山手線/京浜東北線 田町駅西口または都営浅草線三田駅A3出口から、都営バス渋谷駅ゆき(田87系統)に乗り魚籃坂下にて下車徒歩1分(詳細地図FAXにて送付可)