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  中華週報 1858号(1998.05.14) - 台北駐日経済文化代表処 Taipei Economic and Cultural Representative Office in Japan :::
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中華週報 1858号(1998.05.14)


中華週報 1858号(1998.05.14)


台湾の国際競争力が大幅上昇
昨年23位から今年16位へ


4月21日、プレイハ・ハイチ共和国大統領が訪華。25日、協力関係強化に関する共同コミュニケ調印後、両国首脳夫妻が乾杯

週間ニュース・フラッシュ

 ◆タロコの大理石、開発よりも環境保護優先
 太魯閣(タロコ)国立公園での大理石採掘権延長問題が、開発か環境保護かでもめていたが、蕭万長・行政院長は四月十六日、院会(閣議)において環境保護を重視し、今後採掘権の延長は認めないとの方針を明示した。これによって太魯閣渓谷の自然環境は保護されるが、採掘業者の補償問題が浮上することになる。 《台北『工商時報』4月17日》

  ◆ダライ・ラマ・チベット宗教基金会が成立
 チベットの精神的指導者ダライ・ラマ法王の台北連絡事務所となる「ダライ・ラマ・チベット宗教基金会」が四月十六日、正式に発足した。成立式典にはケサン・タクラ初代駐台代表のほか、インドから参列したスナンタチェ・チベット亡命政府主席大臣、中国仏教会の浄心理事長らが来賓として出席した李登輝総統を出迎えた。李総統は「この基金会の成立が双方の理解増進に役立つとともに、ダライ・ラマ法王の平和と慈悲の精神が、世界に広まる一助になることを望む」と述べ、スナンタチェ大臣は「チベットが困難な状況にあるとき、李総統指導下の中華民国のチベットへの好意に感謝する」と述べた。 《台北『中央日報』4月17日》

  ◆廖正豪・法務部長が辞意を撤回
 一時辞意を表明していた廖正豪・法務部長は四月十六日、蕭万長行政院長らの慰留を受け、正式に辞意を撤回した。廖部長は「今後も蕭院長とともに社会の浄化に尽力したい」と語った。 《台北『自由時報』4月17日》

  ◆台湾の投資安全度は世界第三位
 米国の「経済環境リスク評価会社」(BERI)が三月に発表した「各国投資環境リスク評価報告」によれば、台湾の投資安全度は調査対象五十カ国・地域のうちスイス、シンガポールに次ぎ第三位であった。台湾財界筋はこれを、台湾の経済体質が健全で外貨準備高が多く外債が少なく、東アジア金融危機の影響もさほど受けず企業経営に弾力性があることなどが評価されたものと見ている。 《台北『工商時報』4月18日》

  ◆景気の推進は内需拡大の強化で
 蕭万長・行政院長は四月十八日、記者会見に応じ「経済安定政策」に言及し「景気推進のため今後数カ月は内需拡大に努力する。高速鉄道(新幹線)、科学園区、地方住宅地改築計画などの推進により、今年の経済成長は必ず六%台に乗せる」と強調した。 《台北『経済日報』4月19日》

  ◆台湾と大陸が来年から世界半導体協会に加盟
 米国半導体協会、日本電子産業協会、欧州電子部品製造業協会、韓国半導体産業協会で構成される世界半導体協会は四月十七日、カナダで第二回年次総会を開き、台湾がすでに半導体部門の有力国となり同製品の関税も引き下げたことを評価し、同時に中国(共)にも関税引き下げを促す意味から、来年の台湾と大陸の同時加盟を歓迎するとの決議をおこなった。 《台北『中央日報』4月19日》

  ◆広東省の台湾住民へのパスポート発給は北京の政治目的
 北京当局は最近台湾住民が広東省で申請すれば「中華人民共和国」のパスポートを発行すると発表したが、海峡交流基金会と行政院大陸委員会は四月十八日、「これは中共が台湾企業を取り込もうとしているほか、政治目的もある。このため大陸側に相互の立場を尊重するよう呼びかけた」と表明した。また張京育・大陸委員会主任委員は、「台湾の住民が『中華人民共和国』のパスポートで台湾に『入国』しようとした場合、違法であり拘留の対象となる」と明言した。《台北『台湾新生報』4月19日》

  ◆台湾がOECDにオブザーバーとして参加見込み
 経済部は最近、経済開発協力機構(OECD)事務局と協議し、台湾が「中華・台北」ではなく「台湾・澎湖・金門・馬祖個別関税領域(TPKM)」の名称で、OECDの貿易委員会と政策委員会にオブザーバーとして参加することに合意したと明らかにした。これにより、台湾がOECDにオブザーバーとして年内に参加する可能性が高まった。 《台北『経済日報』4月20日》

  ◆台湾のGNPは三年連続世界第十九位
 世界銀行が最近発表した「一九九八年世界銀行地図」によれば、一九九六年の台湾のGNPは二千七百四十六億ドルで世界順位は三年連続第十九位、国民一人当たりGNPは一万二千八百三十八ドルで前年より三位上昇し第二十三位になった。中国大陸はGNPこそ九千六十一億ドルと第七位であったものの、国民一人当たりでは七百五十ドルで台湾の十七分の一にすぎず、世界の貧困五十三カ国の中に入っている。 《台北『自由時報』4月20日》

  ◆日本の十六兆円景気振興策は台湾にとっても商機
 日本政府は最近、総額十六兆円にのぼる景気振興策を発表したが、中華民国経済部はこのほど、駐日代表処の経済組などの駐日出先機関を通じて資料を取り寄せ、検討した結果、この政策は台湾にとっても対日貿易赤字を減少させる商機になるとの判断を示した。 《台北『工商時報』4月21日》

  ◆六月に台湾から大型ミッションが訪日
 中日経済貿易発展基金会(辜振甫理事長)など台湾の経済団体が組織した「第十一回中華民国大型貿易・投資・技術商談訪日団」の日程がこのほど確定した。大阪商談会はウェスティン・ホテルで六月九日、東京商談会はキャピトル東急ホテルで同十一日。台湾から電子産業関係八十六社、精密機械・金属加工関係三十二社、人員約百六十人が参加する。 《台北『経済日報』4月21日》

  ◆商品先物取引所が発足、取引は五月中旬から
 台北で台湾期貨交易所(商品先物取引所)がこのほど発足した。交易税条例と関連所得税がまだ未整備のため、取引は五月中旬以降になるが、財政部は同取引所の開設を「アジア太平洋金融センター」計画の一環と説明している。 《台北『経済日報』4月22日》

  ◆「日本との協力関係強化を望む」
 蕭万長・行政院長は四月二十二日、日本横浜華僑各界帰国表敬団の一行と会見し、「日本政府もすでにわが国との民間交流の必要性を重視するようになった。最近わが国のビザを承認するようになったのは、その一つの現れである。中華民国は国際社会から重視されるようになったが、日本との協力関係をさらに強化し、相互利益を増進して共同で地域経済の安定に努力したい」と表明した。 《台北『中央日報』4月23日》

  ◆プレイハ・ハイチ大統領が訪台
 プレイハ・ハイチ大統領が四月二十一日に台湾を訪問し、李登輝総統、胡志強・外交部長らの案内で北部と中部の土地改革状況を視察した。プレイハ大統領は二十四日には帰国の予定であったが、一日延期して二十五日に帰国することになり、両国政府の土地改革、農漁業発展への協力関係強化に関する取り決めをおこなった。 《台北『中央日報』4月24日》

  ◆アジア開発銀行が台湾を高く評価
 アジア開発銀行(ADB)は最近の報告書のなかで、一九九八年の台湾の経済成長は五・八%になると、台北当局の予測(六・一八%)より低い予測を立てたものの、「台湾は九七年に金融危機を克服したばかりか六・八%の安定成長を示し、九九年にはさらに発展することになろう」と、台湾経済への高い評価を示した。 《台北『中央日報』4月24日》

  ◆中華民国陸軍が「神箭三十八号演習」を実施
 中華民国陸軍は四月十六日から二十三日まで、定期演習の一環である「神箭三十八号演習」を実施した。同演習では台中大度山、台東知本、屏東九鵬の各基地から改良型ホーク・ミサイル四基が発射された。同ミサイルは中共軍の装備している戦闘機スホイSU27型機を想定したものである。 《台北『中央日報』4月24日》


 両岸交渉再開へ「辜汪会談」に向け発進

     海基会と海協会の副秘書長が北京で会見

 三年近くにわたって中断していた台湾の海峡交流基金会(以下、海基会)と大陸の海峡両岸関係協会(以下、海協会)との交渉が、副秘書長(事務局次長)レベルの会談を起点に再開される運びとなった。

 セン志宏・海基会副秘書長を団長とする大陸訪問団の一行は四月二十二日午後、北京に到着し、つめかけた記者団に対し、セン副秘書長は「今回の訪問の目的は明確であり、海基会と海協会の交流と相互訪問について相互に意見を交換し、具体的な計画を案出するところにある」と表明した。この主旨に沿って、セン志宏・海基会副秘書長と李亜飛・海協会副秘書長の会談が翌二十三日、北京・釣魚台ホテルにおいて午前と午後にわけておこなわれた。

 この会談においてセン志宏副秘書長は「まず許恵祐・海基会副理事長兼秘書長と唐樹備・海協会常務兼副会長による秘書長レベルの許唐会談をおこない、そして今年中に両会トップによる辜汪会談をおこなう」ことを提議した。これに対し、李亜飛・海協会副秘書長は直接的な回答を避けたものの、「許恵祐秘書長が大陸を訪問することを排除しない」と語り、同時に「辜振甫・海基会理事長が大陸でのシンポジウムに参加することを要請する」と表明した。

 これについてセン志宏副秘書長は記者会見において、「海基会と海協会の交流と相互訪問の方法は多元的であり、辜振甫理事長の訪問のみに焦点を当てることはない。両岸関係を総合的にみれば、辜汪会談は交流と相互訪問を拡大する重要な節目であるが、全体の一つにすぎない」と、総合面の発展を強調した。

 大陸側が提議した、海基会と海協会の共同主催によるシンポジウムに辜振甫理事長の参加を要請するとする案については、セン志宏副秘書長は「両会が共同でシンポジウムを開催することには重要な意義があるが、レベルの逐次向上と拡大が必要だ」と前向きな姿勢を示した。同時に、「われわれは、まず両会の責任者すなわち許恵祐副理事長と唐樹備副会長が会談し、そして辜振甫理事長と汪道涵・海協会会長の会談の準備をし、遅くとも今年中にこの辜汪会談を実現すべきだ」と提議した。

 これについて、李亜飛副秘書長は「辜振甫理事長の大陸訪問は両岸関係の拡大に効果的であり、時間は問題にはならない」と、具体的な時間に言及することを避け、同時に「辜振甫理事長の来訪は、両会の交流活動のためであり、交渉の再開というものではない」と語った。また李亜飛副秘書長は、セン志宏副秘書長の提議した「許唐会談」については、拒絶もしなかったが、具体的な承諾も示さなかった。

 このように、辜振甫理事長の大陸訪問については、双方とも共通の目標と認識しながらも、その目的と過程についてはそれぞれに微妙な食い違いを見せた。 また午前、午後にわたった副秘書長レベルによる会談のあと、セン志宏副秘書長は大陸側の唐樹備・海協会常務兼副会長とも会見した。

 この会見内容についてセン志宏副秘書長は、「海基会が昨年十一月七日に書簡をもって海協会に提議した、辜振甫理事長が訪問団を率いて大陸を訪れることについて、唐樹備副会長は同意し、さらに辜振甫理事長が今年中に大陸を訪問するという建議についても了承した」と表明した。同時にセン志宏副秘書長は、「唐樹備副会長の台湾訪問を要請したことと、また許恵祐副理事長の大陸訪問の可能性について、唐樹備副会長は『排除しない』と表明し、同意の意思を示した」と明らかにした。これによって今後の両岸関係は大きく動くことが確実になった。      
《台北『中央日報』4月24日》


台湾の国際競争力、世界第十六位へ
   さらに向上する余地を求め一層の努力


  スイスの「ローザンヌ管理研究所」(IMD)が最近発表した世界四十六カ国の国際競争力指標によれば、台湾は昨年の二十三位から十六位に上昇し、はじめて日本(十八位)を追い越した。

 これに対して連戦副総統は四月二十一日、「IMDの調査報告を詳しく見れば、わが国のハイテク産業の発展を高く評価しており、今後のわが国の発展のカギがここにあることは疑いのないところである。だが、経済の国際化については厳しい評価をしている。この点にわれわれは耳を傾け、IMDの厳しい見方を重視しなければならない」と表明した。 また、蕭万長・行政院長は同日、「わが国の国際競争力が向上したのは、政府と全国民の長い努力のたまものであり、このことは、わが国のアジア金融危機への対処が優れており、ハイテク化への政府の政策が正確であり、それらが国際的に評価されたことを改めて示すものである。しかし、これに慢心していてはならない。とくに各項目のうち国際化の順位が下がったことについては、十分に資料を検討し、対策を練らねばならない」と語った。

 江丙坤・経済建設委員会主任委員は、「わが国の国際競争力が向上したことは、非常に喜ばしいことだ。しかし、アジア金融危機は目下小康状態を保っているとはいえ、この後遺症が今後続々と出てきて、わが国もその影響を受けることになろう。注意が必要だ」と語り、つぎのように指摘した。

「IMDの評価が大幅に向上したことは、過去一年間の努力の結果を具体的に示すものだ。ただし、改善しなければならない点も多い。国際化の推進とインフラ建設の強化が今後の重要な課題だ。さらに世界貿易機関(WTO)加盟への環境を整備し、APECにおける各項目の自由化を促進するとともに、政府はこれらに関する適切な法体系を整備しなければならない」

 さらに江丙坤主委は日本の経済不況問題にも言及し、今後の日本経済の動向に懸念を示してつぎのように語った。

「日本の競争力は国内の不景気により、昨年の九位から今年は十八位へと大きく下落した。日本経済の動向はわが国の将来の発展に大きく影響するものである。日本はアジア最大の経済体であり、わが国とは投資、貿易などの面において緊密な関係があり、日本経済が復調するかどうかは、わが国の将来の発展にきわめて大きく関係している。日本はバブル崩壊後、数々の経済振興策を講じたが、いずれも効果を発揮することはなかった。今回の大型減税措置も遅すぎた感があり、必ずしも正確なものとは言えないのではないか」

 さらに王志剛・経済部長は「わが国経済の国際競争力が昨年の二十三位から今年十六位に躍進したことは、政府の施策が正確であったことを示すものである。ただし将来のためには、IMDの評価がインフラの建設、国際化の程度、金融の自由化、人的資源のレベルが理想的なものでなかったことに十分留意し、これらの解決に努力しなければならない。そうすれば、台湾の国際競争力はさらに大きく発展することになろう。今年は十六位に躍進したが、将来はさらに十位にまで飛躍するよう努力したい」と述べた。同時に王志剛部長は「台湾経済は昨年六・八%の成長を達成し国内の需給が拡大され消費が伸びたほか、民間投資も大きく伸びた。昨年の民間投資は前年比一五・六二%増となり、一九九二年以来最高の成長率を示した」と語った。さらに「今年一~三月の大型民間投資は六十四件あり、金額は一千四十億元(約四千億円)に達し、企業の国内投資への意欲を十分に示している」と明るい見通しを表明した。

 辜濂松・工商協進会理事長は「世界の競争はますます熾烈化しており、各国が競って経済体質を改善しようとしているとき、わが国が経済実力を保持し続けるため、政府は政治経済と社会の制度を完璧なものとし、民間企業がさらに生産を高める環境を整えなければならない」と、政府に注文をつけた。     
 《台北『工商時報』4月22日》

 アジア金融危機に台湾が揺るがない理由

  中華民国行政院新聞局長・程建人


 東アジアの金融危機は今日なお関係国に深刻な影響を及ぼしているが、このなかで台湾における中華民国のみが軽微な影響しか受けず、安定した経済成長を示し、台湾型経済が目下世界の注目を受けている。その理由について、程建人・新聞局長は四月下旬、世界に向かって以下のように説明した。

 

一九九七年後半から東アジアの多くの国に金融危機が発生し、タイ、マレーシア、インドネシア、フィリピン、韓国などの通貨が大幅に下落し、株価も急降下した。インドネシアや韓国の通貨と株価の下落幅は、この半年間にそれぞれおよそ五〇%にも達し、この間、台湾の通貨の下落幅は一五%、株価の下降は九%にとどまり、その影響は比較的軽微であった。

 東アジアの多くの国は、金融面に深刻な痛手を負った以外にも、国内の生産や消費、それに投資にも大きな影響を受け、経済成長は大幅に下降し、なかにはマイナス成長に陥った国さえある。ひるがえって台湾を見れば、今回の金融危機に一定の影響は受けたものの、実質面においては良好を保ち、一九九七年の経済成長率は六・八%に達した。また、消費者物価の上昇率は〇・九%、卸売物価の下降幅は〇・五%にとどまり、金融危機に揺るぎない体質を備えていることを証明した。 それではここで、台湾経済がなぜ金融危機の吹き荒れるなかに安定した経済成長を保ち得たかを述べてみたい。

 台湾経済の基礎は堅実であり、かつ強固である点が、強度な金融危機にも動じなかった主要な理由となっている。それらの要点を大別すれば次のようになる。一、台湾における国民貯蓄総額は、多年にわたって国内投資総額を上回り、一九九七年の貯蓄総額は国民総生産額(GNP)の二・五六%を占めた。したがって、台湾における国内投資は、もちろん公共投資も民間投資も含め、資金は国内の国民貯蓄を来源としており、外債に頼るものではなかった。

二、台湾の経済収支は毎年黒字を積み重ね、たとえば一九九七年は七十七億ドルの黒字であった。金融危機の影響をまともに受けた国々は、すべて多額の赤字を計上していた。

三、台湾の外貨準備高は豊富であって、たとえば一九九七年末の準備高は八百三十五億ドルで、それは八カ月間の輸入総額をまかなえるものであった。また、台湾の公的外債は、わずか一億ドルにすぎない。一九九七年末、台湾金融機関(OBUを含む)の海外資産は二百九十七億ドルで、負債は二百九十三億ドルであり、かりにすべてを清算したとしても四億ドルの海外資産が残ることになる。四、台湾は堅実な段階を踏み、漸進的に金融自由化の過程を歩んだ。台湾はまず物価の安定策、貿易の自由化、利率の自由化、交換レートの自由化を先行させ、これらの確定を前提として資本進出(金融)の自由化を進めた。金融危機発生のとき、台湾はすでに為替レートの市場変動制を採用しており、金融危機の影響をまともに受けた国々が、対米ドル・リンク制を採っていたのと異なる。

五、台湾の銀行の体質が堅実であって、不動産や株式に対する融資に は一貫して慎重な姿勢を保ち、企業財務の構造が健全であった。とくに一九九七年に株式市場が沸騰したとき、国内の各企業は株式上場および現金融資を募集し、その額は百五十三億ドルに達し、負債よりも自己資金比率を大幅に高めた。

六、台湾の産業構造は中小企業を中心に組まれており、全国の企業数の九八%近くが中小企業であり、海外からの衝撃には弾力性を持っていた。

以上であるが、台湾経済はこれまでの約十年において、迅速なレベルアップを果たし、現在では輸出総額のうち四〇%以上が資本および技術集中産品となっている。相対的に労働集中産品の総輸出額に占める割合は二〇%にも満たなくなり、台湾の輸出構造はますます先進国型に近づくものとなっている。この点が、東南アジア諸国と大きく異なるところとなっている。

 東南アジアの国々に金融危機が発生した主な要因は、加工輸出市場の供給過剰が健全な流通を妨げたところにある。近隣の安価な労働力の供給国も、この波をまともにかぶっている。台湾は十数年前から従来の加工輸出構造を改め、今日では高度な原材料、部品、設備などの主要輸出国の一つとなっている。したがって東南アジアの国々と競合するところが少なかったのである。

 以上に述べた諸条件は、将来の大きな経済危機をも回避する要件となるものではない。しかし、今日の経済政策が穏健で確実なものであったことを、十分に示すものとなっている。台湾は現在の金融危機を無事に乗り切っていることに満足しているわけではなく、前述の経済力と協調の精神によって、東南アジアの経済構造立て直しに協力したいと願っている。すべての人が理解しているように、地域経済の安定した発展というものが、すべての国々に利益をもたらすのである。

 今回のアジア金融危機は、多くの国々に深刻な影響をもたらし、国際通貨基金(IMF)の支援を必要としているが、資金には限度があり、関係各国は財源の確保に苦慮している。ここにおいて台湾はこれら諸国を支援したいと望んでおり、周知のとおり台湾はIMFの加盟国ではないものの、迂回的な方法をとってでも、効果的に逼迫している国々がこの危機を脱出するのに協力したいと思っている。 台湾にとっても、金融危機を受けた国々の経済が立ち直り、国際市場が安定したなら、これほど好ましいことはないのである。もとより、アジア太平洋地域の経済発展と安定を促進するには、各国が国際貿易機関(WTO)やIMFなど、経済的な国際組織に台湾が早急に加盟することを支援するのが、効果的な道となるのである。

(程建人・新聞局長は三月二十四日、米ロサンゼルスでの講演〈本誌十頁参照〉においても、アジア金融危機と台湾経済との関係に若干触れたが、この表明はその内容をさらに詳しく説明するものである)     
《行政院新聞局・4月27日》


WHO加盟が一歩前進

 胡志強・外交部長が表明

 胡志強・外交部長とセン啓賢・行政院衛生署長は四月二十二日に記者会見をおこない、本年における世界保健機関(WHO)へのオブザーバーとして加盟活動に関する説明をした。このなかで胡志強・外交部長は「今年は国内、国外ともに加盟への雰囲気は昨年よりも高まり、もし無記名投票をおこなったなら、わが国の加盟を支持する国は昨年よりも増えるはずだ」と語った。

 三年近くにわたって中断していた両岸交渉が再開されようとしているこの機会において、胡部長は「われわれは両岸の関係改善を希望しているが、それがわが方の基本的権益を損なうものになってはならない。同時に両岸関係が改善される前に、わが方がみずからの足を縛るようなことは決してできない」と強調した。

 ガンビア、グレナダ、ニカラグア、セネガルの友好四カ国が、四月にそれぞれWHO事務局に、台湾における中華民国にオブザーバーとしてWHO総会に参加するよう要請することを求めた。これについて胡部長は「わが国が国際組織への復帰を希望するのは、その効果を求めてのことであり、政治的な動機によるものではない。中共はこれらを政治問題化しているが、われわれはそれによってみずからの足を縛ることはできない。今回、海峡交流基金会が大陸側と接触するのに際し、WHO加盟についてわれわれはなんら具体的な議題は用意していないが、今後は開放的な姿勢によって意思の疎通を図りたい」と表明した。同時にオブザーバーとしての加盟が、昨年よりも具体化していることを強調した。
  《台北『自由時報』4月23日》



両岸の金融協力の枠組について
   『中央日報』4月15日


 蕭万長行政院長が立法院において「両岸が共同で、東南アジア諸国に地域金融安定などについて協議することを呼びかける」と提議したことを受け、江丙坤・行政院経済建設委員会主任委員は、「海峡交流基金会と大陸側の海峡両岸関係協会の協議を通して、東南アジア諸国に経済金融会議開催を呼びかけ、さらにAPEC企業諮問委員会金融危機任務委員会の決議にしたがい、共同で東南アジア諸国の公債発行を支援する」との具体的提案をおこなった。

 昨年下半期に東南アジア諸国が金融不安に陥って以来、アジア全体の金融秩序はその波及を受け、韓国などは大統領選を前に未曾有の金融危機に直面したが、台湾と大陸は、ともにこの金融危機の嵐の外側にいて、それぞれ異なる対応を採った。この間、アジアを含めた世界各国および組織は、被害の広がりを抑えるためにさまざまな対策を講じた。この結果、現在のところ金融不安自体はなんとか収まっているものの、その根本的原因は今でも存在している。

 金融危機の影響が比較的少なかった国でも、続々と今年の経済成長率を下方修正していることからもわかるように、金融危機はなおも「爆弾」であり、油断すればいつ爆発するかわからないのだ。アジアの一員として、台湾と大陸にとってもひとごとではなく、いかに根本的に金融危機を解決するかは、両岸が個別にまた共同で対応すべき課題なのである。

 李総統は三年前、「両岸の中国人は、政治の違いの影響を受けることなく、共同で国際社会に貢献し、中華民族の意気昂然たる新時代を創造すべきだ」と強調した。台湾と大陸は目下、金融危機の脅威を受けているだけでなく、ともに東南アジア諸国を支援する意思もある。もし先入観を捨て、共同で東南アジア諸国に協議を呼びかけることができればこれほどすばらしいことはない。

 両岸交渉において東南アジアの経済危機を取り上げるのは「脇道にそれる」という見方もあるかもしれない。しかし、両岸が協力をもって対抗に代えることは、両岸の相互連動にプラスとなり、これ以外の議題のために一歩進んだ対話の基礎を固めることにつながるのだ。また政府は、この提案を両岸共同でおこなう必要性を十分考慮しており、このため、双方のコンセンサスの基礎の上に実現できるよう、現有の交渉のパイプを活用して大陸側と協議を進めることを強調している。今回の提案は、新規巻き返しを図るためのものではなく、国際的枠組やAPECの方針に基づいておこなわれる、実現可能かつ理にかなったものなのだ。こうした協力の唯一の目的は、東南アジア諸国を支援する国際的義務を果たし、さらに両岸の平和的発展にプラスとなるような議題を探ることにあり、的外れの推測はすべきではない。

 過去数年来、両岸は、ともに協力範囲拡大や両岸関係の実務的推進につながる議題を求めてきた。今回の提案は、まさに現段階における国際情勢や両岸の相互連動の客観的条件に合致し、また双方にとってプラスとなるような主観的期待に沿う議題である。もちろん、こうした思い切った構想には、従来の古い思考からの反発がつきものであるが、われわれは、大陸の識者に対しても、大局的な視点から事実を直視してこの提案の積極的意義を熟考し、両岸関係をさらに前進させる力となるよう期待するものである。


国際化こそ競争力強化のカギ
   『自由時報』4月22日


 スイスのローザンヌ国際管理研究所がこのたび発表した世界四十六カ国の国際競争力指標によると、台湾の国際競争力は昨年の第二十三位から第十六位に上昇し、ハイテク分野において三位上昇の第七位となったほか、全八項目の評価基準のうち「国際化レベル」を除く国内経済、政府機能、財政、インフラなどすべての項目で昨年より順位が上がった。これについて、江丙坤・行政院経済建設委員会主任委員は「政府は、国際化レベルなど順位の低い項目に関して今後、検討と改善をおこなう」と表明した。

 同研究所の調査結果は、世界的に重視されている権威ある指標である。台湾の国際競争力が世界第十六位と評価されたことは、台湾経済が東南アジア金融危機の影響をほとんど受けなかったことに対する国際的評価の現れでもあろう。しかしながら「国際化レベル」において、昨年より二位下の第三十二位に甘んじたことを、われわれは警鐘となすべきだ。連続四年国際競争力トップ3に輝く米国、シンガポール、香港の特色は、総じて国際化レベルが高いということだ。とくにシンガポールと香港は「猫の額」ほどの国土にもかかわらず、対外的に全面的な開放政策を取っており、このことこそ英国、日本などを押さえて上位にランクされる理由なのだ。

 台湾の国際競争力を高めるために最も重要なことは、言うまでもなく国内の投資環境の改善である。これには、インフラの強化、金融自由化、規制緩和などが重要なカギとなる。米国、シンガポール、香港を例に取ると、米国は言うまでもなく、シンガポール、香港でも、その発展のカギは、専門的人材の大量養成によって産業のレベルアップとハイテク化を図り、さらに政府が全力で計画、指導をおこなってきたことにある。豊富で優秀な人材と整備された財政、経済、法律がうまくかみ合わなければ、この両地域は、現在のような高い競争力を持つようにはならなかっただろう。近年、わが国では「本土化」を求める声が起こっているが、ここで改めて言いたいことは、国際化と本土化は実際には相互補完的なものであるということだ。本土化は、主体的思想の確立にプラスとなるが、国際化は、そうした本土化の豊かな内容を吸収することができるのだ。

 国際化の基本ともなる外国語教育については、小学校から「二カ国語教育」をおこない、国語以外に、英語、フランス語、スペイン語、日本語などの外国語を選択科目とするよう主張したい。外国語学習は、早ければ早いほど子供たちの興味を養うことができ、これが国際化された人材の養成につながるのだ。また大学の商学系の教育については、国際貿易、国際金融、ハイテク管理などを主軸とすべきだ。国際レベルの経済、財政に通じた人材は、台湾の国際化における精鋭部隊の主力となるだろう。また、金融の国際化、自由化のためには、電信やコンピュータ設備の近代化が、絶対に不可欠な作業である。さらに、特許制度や経済法廷などの関連法令の確立も、差し迫った課題である。

 台湾が世界の経済システムにおいて優位な位置を保つためには、民主政治、市場経済、社会の開放、多元化を通して、国際的な資源を吸収して本土文化と融合させ、新たな進歩を生む原動力とすべきだ。今回の調査の結果は、われわれの努力を高く評価するものではあるが、競争力とは、一種の「永遠に完璧を求める」プロセスであり、また自律的で終わりのない「自己要求」でもある。全面的に国際化を進め、思想の大改造をおこない、国際レベルの先進文明を有するようになってこそ、台湾は、米国、シンガポール、香港のような国際競争力を獲得できるのだ。


台湾における中華民国・二十一世紀に向けて㊤


 程建人・行政院新聞局長は、三月二十四日にロサンゼルス・ワールド・アフェアーズ・コンシルにおいて講演をおこない、中華民国・台湾の「過去五十年」、「現在直面している課題」、そして「将来の展望」などさまざまな視点から意見を述べた。以下はその全文である。


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ロサンゼルス世界問題評議会に招かれて講演することを非常に嬉しく思う。これまでに数多くの政界の著名な指導者がこの席で話をしたことを知って、とりわけ光栄に感じている。ここで講演した人びとは、国籍も経歴も違っていたはずだが、一つの点に関してだけは全員が共通していたと思う。それはだれもが皆さんに印象づけようとしたことである。この点に関しては私も例外ではない。 私はなにを印象づけることができるのだろうか。私は自分が代表する国、すなわち台湾における中華民国について語る以外のことは思いつかない。これは興味深く、感動的で、魅力的で、しかも独特の物語である。それはいまもなお進行し、展開している物語である。


●過去の五十年
世界の百九十三カ国のなかで中華民国を特異な存在にしているのはなんだろうか。それは半世紀の間に経済的、政治的にどれだけのことが達成できるかを示す注目すべき見本だという点である。五十年前の台湾は、非常に遅れた非民主的な社会であり、貿易量は三億三百万ドル、国民総生産(GNP)は十億ドル、一人当たり国民所得は百ドル強にすぎなかった。

 ところが五十年後の現在、管轄区域は三万六千平方キロ、人口はカリフォルニア州を一〇%ほど上回るだけという中華民国政府が統治しているのは、世界で十四番目に大きな経済を擁し、二千三百億ドルに上る対外貿易をおこない、二千八百九十億ドル以上のGNPと一人当たり一万三千ドル以上の国民所得を誇る国なのである。台湾はノートブック型コンピュータやスキャナー、モデム、マウスアクセサリーなどのコンピュータ周辺機器の生産では世界一になっている。

 しかし、中華民国は経済的な成功例に止まらない。中華民国は完全に成長した民主国家であり、総統と議会に当たる立法院は直接選挙で選ばれている。台湾の社会はますます多元化し、開放的になった。こうしたことが達成された理由はいくつも挙げることができる。平和と安定、優れた教育制度、勤勉を尊ぶ国民の労働観、優れた指導と健全な開発戦略、そして当然ながら、初期における米国の対外援助などである。

 すでに言及した成果は、北京の敵対的な政権からの絶えざる脅威の下で達成されたものであることを考えるとなおさら注目に値する。最近の数年間においては、北京の敵意は世界中の国に圧力をかけ、中国が分裂しており、二つの政治実体、二つの管轄区域、二つの政府が存在するという現実を集団で否定することを要求する、という形をとるにいたった。 その結果、中華民国は、世界の主要な貿易国、経済大国の一つであり、世界中と実質的な結びつきをもちながら、大部分の国際機関に参加しておらず、自ら遵守すべき地球規模の条約に調印することさえ妨げられているという特異な位置に置かれているのである。なによりも悲しむべきは、台湾の国民が選挙で選んだ政府を通じて国際社会に代表される道を閉ざされていることである。

 わが国に関して私が最も敬服しているのは、かれらが自国の直面するこうした特異な事態に現実主義と「成せばなる」の態度をもって対処してきたことである。このように大きな圧力を前にしながら、かれらは五十年前には専門家から「不可能」だと宣言されたことを成し遂げた。かれらは台湾に、アジアで最強の部類に属する経済と最も活気のある民主主義を築き上げたのである。これと同じ精神が今日の中華民国の現実主義外交を突き動かしている。われわれは貿易相手や友人たちとの結びつきを大切にし、それを基礎に、公式の外交関係の有無にかかわらず、潜在的な可能性の限度まで関係を発展させようとしている、その最もよい例はわが国と皆さんの国との関係である。


 ●現在=共同作業を基礎に
台湾と米国の関係について若干述べてみたい。 中華民国と米国の間の公式の外交関係は十九年前に終わった。しかしながら、両国の貿易および投資関係は後退するどころか、むしろ活発になっている。両国の貿易は一九九七年には往復で五百二十八億ドルに達した。このうち二百三十二億ドルは中華民国の米国からの輸入で、前年比一六・四%増だった。米国政府はまだ年末時点の貿易統計を発表していないが、一九九七年一~十月の実績からみると、台湾は米国にとって七番目の貿易相手国になったようである。

 米国人の多くは、台湾が海外における米国製品の重要な購入者であることを知らない。台湾は米国の医療製品の三番目に大きな市場であり、米国製自動車の海外市場としては五番目、米国の農業輸出市場としても五番目に位置する。過去十年間における台湾の米国製品輸入が中華人民共和国の米国製品輸入の一・六倍に達していることは、認識されていないかもしれない。中華民国は原子炉や発電用の核燃料の輸入を米国に頼っている。ゼネラル・エレクトリック(GE)は一九九六年に台湾第四の原子力発電所の建設を受注し、合計十七億九千万ドルに上るエンジニアリング契約を結んだ。


 ●将来=成功を基礎に
 ここで最近のアジアの金融危機について若干付け加えておきたい。 アジアの近隣諸国がアジア地域で吹き荒れている金融危機から立ち直ろうとしている時、台湾にとって不可欠なのは明確な競争力である。ほとんどの専門家が一致しているのは、アジアの現在の金融危機がもたらす後退はしばらくは苦痛かもしれないが、結局は成長と繁栄に向かうアジア地域の前進を止めることはできないという点である。むしろ一部の国においては、この危機は経済改革を促し、将来はもっと持続的で健全な経済発展がみられるようになるかもしれない。

 私が将来について楽観している理由の一つは、台湾の経済がこれまでのところ、アジア太平洋の近隣諸国と比べると、ほとんどつまずきをみせていないことである。一九九七年に台湾は六%の経済成長率、〇・九%のインフレ率、二・七%の失業率を記録した。私からみれば、これは中華民国政府が過去数十年間に採用してきた経済および政治体制の健全さを十二分に立証するものである。私がいっているのは、八百四十億ドルの外貨準備を保有していることや、対外債務が一億ドルと比較的低い水準にあることだけではない。

 わが国の経済発展の注目すべき特質の一つは、われわれの民間部門の実務的かつ現実的な運営方式である。台湾の企業は一般的に、負債/自己資本比率を高くすることに慎重であり、それぞれ中核事業に努力を集中している。 台湾の登記会社の九五%以上は小規模ないし中規模の会社である。これらの企業は、韓国の財閥や中国大陸の巨大な国有企業のような大規模な複合企業よりも、市場の変化に迅速に対応することができる。

 非経済的要因も中華民国に有利に働いた。台湾の民主主義は急速に成熟しており、いまでは政府のすべての水準で公職者が直接選挙で選ばれている。 有権者は自分たちの国の将来に関わりをもとうとする新たな意識を抱き、指導者は政府における自己の行動に責任をもつようになった。これによって透明性が増し、法による支配に対する認識が高まっている。これらのことはいずれも貴重な作用を果たし、われわれの経済がアジア危機を乗り切るのを助けた。こうしてわれわれは台湾にいて、米国でずっと前から知られていたこと、すなわち民主主義と自由市場経済が相互に支え合い、国家の繁栄を育む機構であるということを再確認したのである。


 ●国内の課題
 にもかかわらず、新しい世紀を迎えるに当たって、中華民国は三つの分野でいくつもの課題に直面している、国内においては、台湾の設備基盤と産業は一段の高度化を必要としている。過去数十年間の目も眩むようなペースの発展の結果、われわれは設備基盤に関して是正すべき欠陥をいくつも抱え込むことになった。(以下次号)   
《行政院新聞局・4月1日》


台湾の新しい林業形態㊤
     台湾省林務局局長 何 偉真

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台湾は森林資源が豊富であるが、森林は山間部に集中しており、都市部の平地で生活する人々はコンクリートに囲まれた中で生活しているため、森と触れ合う機会が少なくなってきている。したがって森林がいかにわれわれの生活環境に溶け込み、森林がもたらす良さを人々に体験させ、森林の文化を保存するとともに、森林と地域社会との繋がりを深め、人々が林業に親しむことを進めていかなくてはならない。

●地球の温暖化防止と植林
昨年来、世界各地は異常気象が続き、またエルニーニョ現象や大気中の二酸化炭素濃度が高くなった影響で地表の温度がしだいに上昇し、その結果、空気が乾燥し各地で森林火災が頻発している。

 インドネシアの大火災では、五十万ヘクタールの森林を焼きつくし、煙霧被害もあり、人々の生活に多大な影響をもたらした。この大規模火災により、今後二、三十年は元の姿に戻るみこみがないといわれている。 また、ブラジルのアマゾン川熱帯雨林地区で発生した歴史上例を見ない大火災では、八十万平方マイルの空に煙霧が充満し、航空機の離着陸を不可能にしたばかりか、船舶の航行をも不可能にし、湖上にさえも大火災を発生させた。さらに、オーストラリアのサバンナでの森林火災では、山林の火が郊外や都市にまで及んだ。

 こういった数多くの森林火災の影響で、木の本体はもちろんのこと、残った枝葉も腐敗し、そのため大気中の二酸化炭素の量が増加し、森林の面積は縮小されて、酸素の排出量が減少した。こうした地球の温暖化現象による悪循環が、もし今後も拡大していった場合、氷河は融け、海面の水位が上昇し、低地が埋没し、陸地を失い、人類にとっての悪夢が始まってしまうだろう。

 台湾は昨年、幸いにも森林火災が発生しなかったが、暖冬だったために花や果物、多くの農作物の成長が異常に早まったほか、養殖魚の産卵も例年より早くなり、その結果、品質が低下したほか、産量も減少し、業界は少なからず損失を受けた。したがって温室効果が地球全体の温暖化と災難をもたらしており、これへの対策を真剣に考えねばならなくなっている。

 地球の温室効果ガス削減を目標としたコンセンサスは、昨九七年十二月十一日に「気候変動に関する国際連合枠組条約(気候変動枠組条約)」の第三回締約国会議が開かれ、そこで「京都議定書」が採択された。

 これによると、一九九〇年の各国の「温室効果ガス」の排出量を基準とし、二〇〇八年から二〇一二年の間に各国が平均して排出量を五・二%削減しなくてはならない。

 森林は平均一ヘクタールごと、毎年三十七トンの二酸化炭素を吸収しなくてはならず、同時に二十八トンの酸素を排出しなければならない。このようにして空気が浄化され温室効果ガスが削減されれば、国民生活のレベルアップにもかなりの貢献ができる。

 また、台湾の「国民造林運動綱領および実地計画」によると、二〇〇〇年には、台湾の森林面積は現在の二百十万ヘクタールから二百十六万ヘクタールに増加するとみられている。台湾の森林の占める割合も現在の五八・五三%から六〇・二四%になり、森林が、毎年八千万トン近い二酸化炭素を吸収し、それは台湾における二酸化炭素総排出量の三五・八六%に相当する。さらに政府は同計画によって「国民植林」運動を展開し、一ヘクタールごとに六年で二十五万元(約百万円)、二十年で五十三万元(約二百十二万円)という世界的に見ても最高の奨励金を出している。植林を拡充しようとする必要性と、農林業関係者の共通の願望により、こうした活動は今後とも順調に進められていくだろう。予定では十年以内に二十万ヘクタール造林し、二酸化炭素の吸収量が八千五百万トンとなり、九〇年の吸収レベルにほぼ安定することができる。このように今後国際的な取り決めの下、国内産業へのマイナス影響は押さえられ、国民にとっても経済建設の成果と森林の有益さという二重の収穫を分かち合うことができる。

 ●「農業と林業の混合」と政府が進める公私有林の植林
 台湾では山林の利用限度面積をすでに五万八千ヘクタールもオーバーしており、生態環境上、さまざまな問題を引き起こしている。考えられる原因は、お茶や檳榔、高原野菜、温室果物など経済価値のある作物の生産が増え、その結果、表面の土が露出し、それが流失しているという点にある。目下、問題は政府がどのように山間に住んでいる住民の生活と山の安全利用を考え、バランスをとっていくかということである。法律ばかりにたよっていると、かえって抗争が増え、社会的にきわめて大きな損失を招くことになる。かといって森林の自由使用を放任したなら、下流地域の住民の生命財産に危険が及ぶことが懸念されるようになるだろう。

政府と民間が調和を図り、この困難な問題を解決するために「農業と林業の混合」が、今後の林業経営の新しい方向である。

政府は九一年から「私有林経営改善実験計画」を実施し始めた。これはまだ試行段階であるが、農民に規定違反である林地の茶畑や檳榔園内に、高級品種であるヒノキやコクタンなどを植えるよう指導している。こうすることが、山地の水質保全につながり、また農民の収益増加にもなるのである。

 この計画を実施してから六年がたった現在、すでに少なからず効果が現れてきている。檳榔園内に植えられた木はすでに檳榔よりも高くなり、茶畑の木もすでに大きく育った。樹木の陰ができたことで茶葉の品質は改善され、また売値も高くなり、農民の収入も一斤(約五百グラム)当たり多いときには一、二百元(約四百円~八百円)も増加した。

 これらはすべて山林地帯の過剰利用をしているというマイナス面を軽減する主旨でおこなわれたことなのである。 こうしたことから農林業に従事している人たちは、政府のこの苦労を理解できるであろう。

 ●街路樹の植樹と道路の美化
 台湾では、交通網の発達により道路も四方八方に通じるようになり、道路状態も改善されてきているが、国道、省道、県道の街路樹は、一部は良いとしてほとんどに問題がある。その問題とは、木々が生長不良なのではなく、大きさが大小さまざまで形も凹凸が多くそろっていないということであり、ほめるべきところがすくないのである。

宋楚瑜・台湾省長が街路樹の植樹を積極的におこなうよう呼びかけて以来、台湾全土にこの植樹活動が広がった。

 このように経済価値の高い苗木を植えたり一般の植樹をしたりするソフト面と、道路工事のハード面はともに順調に進行している。

 林務局がおこなった、九五年九月から現在までの成果は次のとおりである。
 ▼省道-①四十一区間・二百七十一キロメートル(九六年度完成)、②六区間・七十一キロメートル(九七年度完成)、③十二区間・四十七キロメートル(九八年度完成)。 このほか一億一千万元(約四億四千万円)の経費をつぎ込んで現在も工事は施行中である。

 ▼県道-①二十一区間・四十五キロメートル(九六年度完成)、②五十一区間・百二十七キロメートル(九八年度完成)。

 ▼林道-①九区間・二十三キロメートル(九七年度第一期完成)、②六区間・十一キロメートル(九八年度第二期完成)。

 上述の省道、県道、林道以外にも、林務局は高速道路沿いの両側にも樹木を植える美化推進に尽力している。そして、人々が道路と密接な関係を持ち、快適で心地よい感覚を抱いてくれるよう望んでいる。(以下次号) 
《台北『台湾新生報』3月12日》

台湾文学の二十年  ㊥

戦後世代の作家を総括的に紹介


   三、詩 (白霊:評)

 ●戦後世代の詩人の運命
 どの時代の詩人にも、その時代ならではの「幸運と不運」がある。台湾で過去数十年ものあいだ輝きを放ってきた一世代前の詩人(多くが一九二〇、三〇年代生まれ)は、戦火から逃れてきた一群であった。彼らは長い間、戦争の悪夢と郷愁の中を漂い、伝統と近代主義がせめぎあう渦の中からはい上がり、パイオニアとして、若い頃から「近代化」の旗印のもと独立独歩で大胆な実験的創作をおこなって、海峡両岸の詩の歴史に輝かしい一ページを築き上げてきたのだ。

 彼らは、仲間のためには苦労を厭わず互いに固い友情で結ばれていたが、理念が異なればはっきりと袂を分かつという潔さや後進を育てるのに全力を尽くす度量、老いてなお衰えを知らない創作意欲など、さまざまな面で次の世代の詩人に「詩人としての手本」を示した。彼らの生きざまは、農業社会が終焉する前の最後の「読書人」の典型でもあったのだ。

 そして、彼らに続く四〇│五〇年代に生まれ六〇│七〇年代に成長した戦後世代の詩人は、いわばふらふらと泥沼の中からはい上がってきた一群である。彼らが幼い頃には、周囲には牧歌的なのどかさがまだ残されていたが、戦後の混乱の中で成長し、成人してからは時代の近代化の波にもまれて、科学技術と情報が複雑に絡み合う「クモの巣」にからみとられ身動きできなくなってしまった。 彼ら相互の交流は、多くが「あっても無きが如し」で、学歴が高く知識も豊富であるが、感情面ではさまざまなものが複雑に入り交じっている。彼らはまた、世紀の変わり目に立っており、右手に古い価値観、左手には新しい時代の現実を抱えて、どちらに行くべきか困惑しているようでもある。

 彼ら戦後世代の詩人は、前の世代の詩人のように、台湾の詩壇で長いあいだ輝きを放ち続けるような幸運には恵まれなかった。この世代の詩人たちがまず直面したのは、キラ星の如く居並ぶ先輩たちであり、自らもこの「星の系譜」に名を連ねようと、多くの忍耐と歳月を捧げ、たえまない努力を払ってきた。ここ数年になって、彼らはようやく前の世代の詩人の影から抜け出し、自ら光を放つことができるようになったのだ。

●新しい価値観と矛盾の中で
 しかし、彼らは九〇年代に入ると、「民主」と「科学」の急速な普及により、この世紀末において、人類の精神と視野が過去にないほどの解放と広がりを得て、実験的なさまざまな試みや可能性が、驚くべき早さで千数百年来続いてきた道徳観や倫理観などを打破していることに気がついた。このことが、詩人が関心を寄せる「人、自然、社会」の古い秩序や関係を大きくゆさぶり、彼らは、これまで信じてきたものに相対し、こう自覚するに至った。「この時代は、すでに巨匠や英雄を必要としない時代なのだ」と。昨日まで崇められていた「決まりごと」が、明日にはもう物笑いの種になってしまう、そんな時代なのだ。

 このため、彼らは前の世代の詩人よりも冷静、冷淡に、また諧謔的、遊戯的にならざるを得ず、蚕が糸を吐き出すように、自らの情熱を静かに吐き出しては、暗い夜にはそこにもぐり込んで暖を取ることができるようにせっせと繭を作った。彼らは、言い知れぬ「孤独」や、一種のやるせない「美」を合わせ持っており、上半身が工業、下半身が農業、左手に政治、右手に文学というように、つねに自己の中に矛盾を抱えている。前の世代の詩人のような情熱や確固たる意志もなければ、「新新人類」世代の詩人のような冷酷さや自我もない。彼ら自身の中に、火と水のように相容れないものが存在している。彼らは、この時代の影響を色濃く受けた矛盾の複合体なのだ。

●戦後世代の詩人の特性
 これらのことから、戦後世代の詩人が、内面に忍び難い激情や憤激をひそかに持っていることがわかるだろう。このことが、彼らの作品を以下に挙げるように、テーマにおいても表現においても前の世代の詩人とは異なるものにしているのだ。

  一、視野の範囲が遠いものから身近なものになった。
 前の世代の詩人は、政治的タブーの非常に多い時代にあり、また近代化の追求という目的もあって、彼らの詩の中には「はるか遠い場所」や「西洋」のイメージが充満しており、「夢の中の城、草原、砂漠、十字架、水の都ベニス…」などの単語がしばしば登場する。当時、詩人のロマンチックな理想の目標は、中国にはなく西洋にあり、叙情的ムードや難解な表現による内面分析が流行となっていた。戦後世代の詩人の時代になると、写実が超現実を超え、現実に根差そうという論調が巻き起こり、詩人の視野は自分の属する場所や生活に戻った。政治や社会への不満や批判、生活そのものやそこから引き起こされた思考および現代都市における憂いや疑問、さらには弱い立場の人々や絶滅の危機にある動植物への関心などが、すべて詩人の関心事となっているのだ。

 二、テーマの選び方が保守的なものから開放的になった。
 戦後世代の詩人は近年、まさに台湾および世界の政治経済などの全体的環境が全面的に開放に向かう時期に立ち会い、彼らの作品のテーマ選びには、タブーというものがなくなった。政府や国家指導者に対する批判から敏感な歴史的事件、情欲、同性愛、女性の自覚、ハイテク、ファンタジー、漫画やアニメにいたるまで、さまざまなテーマが、社会の明るい面と暗い面、道徳と不道徳、事の是非や政治的イデオロギー如何にかかわらず、詩人の筆の及ぶ範囲となったのだ。

 三、作風が、不変のものから変化に富んだものになった。
 過去には、その詩を読めば誰の作品かすぐにわかるほど、作風にはそれぞれはっきりした特徴があった。しかし、戦後世代の詩人の作品は、テーマの範囲が大きく広がっただけでなく、詩人によっては、文語から白話文、方言まで、つねに手を変え品を変え作風に変化を持たせ、実験的なイメージにあふれた作品とあたかも報道記事のような作品が、一人の詩人の同じ詩集の中に収録されている場合すらある。彼らは、あたかもカメレオンのように周囲の環境に合わせて身体の色を自由自在に変化させ、自分が楽しむとともに読者を楽しませているのだ。

 四、作品の形式が単純なものから複雑なものになった。
 戦後世代の詩人は、かつて各流行詩体の提唱者または追求者であった。彼らの作品の形式は変化が激しく、さまざまな試みがなされている。三行のものもあれば数十行、数百行のものまであるが、その形式も、自由詩、散文詩、回文詩、古詩と新体詩の混合、組詩、方言詩など、まさに「百花繚乱」である。そうしたさまざまな形式を試みる勇気は、賛美に値するものだろう。

 かつて、戦後世代の詩人は、前の世代の詩人の輝きの前に、長い間本来の輝きを表すことができなかった。本選集の誕生は、彼ら戦後世代の詩人の長年の黙々とした努力に対して評価と敬意を示すとともに、彼らの長い忍耐の日々が終わり、ついに日の目を見る日が訪れたことを宣言するものでもあるのだ。(以下次号)    
《台北『聯合報』3月25日》  


お 知 ら せ


「新日台交流の会」第十七回研究・懇親会のお知らせ
 今回は、趣向を変えて「台湾からの留学生との交流会」をおこないます(参加費無料)。なお、次回は7月4日(土)に開催の予定です。

日時 5月23日(土)午後3時~6時
会場 日華資料センター三階会議室〒108-0073 東京都港区三田5-18-12TEL 03(3444)8724 FAX 03(3444)8717
交通 JR山手線/京浜東北線田町駅西口または都営浅草線三田駅A3出口から、都営バス渋谷行き(田87系統)で「魚籃坂下」下車徒歩一分


天理大学公開講座(無料)
日 時 5月16日(土)午後1時~
会 場 奈良県天理市文化センター 4F(JR・近鉄天理駅徒歩5分 ℡0743-63-5779)
テーマ 中日文化交流の歴史と現代 における台湾・日本の文化交流
ゲスト 徐興慶氏(天理大学国際文化学部教授)
問合せ 0743-63-1515 内線6344

春夏秋冬

 中国問題に関し、いま日本では「中国脅威論」が大いに論じられ、その肯定論者も否定論者も、中国大陸の問題点に人口、食糧、エネルギー、一人っ子政策などの問題点を挙げている。ところがいずれの意見も、最も肝心な点にはまったく触れていないのである。前記の事柄は、もちろん重視すべき問題点であり、そこに中国大陸が直面していることは、統計学上からも分かることである。これに類似した問題はどこの国でも抱えており、中国大陸に限ったことではないのだ。問題を抱えていない国など世界に存在しない。たとえば日本は、老齢化社会や各種規制撤廃などの問題を抱えている。

 中国大陸が抱えている最も大きく、かつ最も深刻な問題とは、実はその国の政治体制なのだ。中国大陸の改革を論じるとき、多くの論者が「鄧小平は偉大だった」と評する。だが東欧でつぎつぎと社会主義体制が崩壊したのは、その体制では適切な経済運営をおこない得なかったところにある。しかし鄧小平の改革は、その体制にあくまで固執するものであった。だから彼の改革は、社会主義体制堅持下での市場経済の運営という一時しのぎの改革にすぎない。これで十二億を越える大陸人民が豊かになれるとは考えられない。つまり彼の改革は限定的なもので、問題を先送りしたにすぎないのである。すでに人類には不適切と証明された社会主義に拘泥している限り、中国大陸は中国語でいう「行不通」から脱却できないのだ。つまり袋小路から抜けられないのである。したがって中国大陸にとっての本当の改革とは、この「行不通」から出口を見つけ出すことである。だが日本のマスコミも中国問題の専門家たちも、この点にまったく触れていないのである。

 これについて英国の週刊誌『エコノミスト』(2月14日号)は、中国大陸は誰がリーダーになろうと「結局は人民に住居移転の自由、職業選択の自由をまず開放し、さらに情報伝達の自由を認めない限り、この改革は成功しない」と述べている。さらに「政府が永遠に正しいということはあり得ず、したがって人民に政府を批判できる自由があり、それに対し政府が責任を取る政治体制に移行しない限り、改革は不可能であり、それができないなら、中国大陸にはもう一度革命が必要である」と切り込んでいる。まさに正論だ。

 ところが日本のどの論調にも、これほどの切り込みは見られないのである。以前にくらべ日本の研究者もメディアも中国(共)の桎梏からかなり脱したとはいえ、やはりまだ勇気を持って英国の『エコノミスト』に見習うべき点が多々ありそうだ。
(CY)



お 知 ら せ


僑務委員会中華函授学校受講生募集
 僑務委員会が海外向けにおこなっている中国語による無料通信教育が今年度の受講生を募集しています。

受講期間 1998年9月1日から1年間
募集期間 1998年5月1日~7月31日

開設科目
 Ⅰ華文教育組:①華文教師科②中華文史科③中国語文及応用文科
 Ⅱ職業技術組:①農牧科②工業科③商業科④伝播科⑤家事科
 Ⅲ青年就業組:①高中進修科②初中進修科③小学進修科

住 所 台北市徐州路五號十七樓(URL:http://www.ocac.gov.tw)

 募集要項および願書は、台北駐日経済文化代表処僑務組までご請求ください(03-3280-7820)。

問合せ 03-3797-1418 中華函授学校日本同学会・李(午後8時~10時)