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  中華週報1881号(1998.11.5) - 台北駐日経済文化代表処 Taipei Economic and Cultural Representative Office in Japan :::
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中華週報1881号(1998.11.5)


中華週報1881号(1998.11.5)



中華週報1881号(1998.11.5)

今週の写真:10月17日、辜振甫・海基会理事長(中央、左は夫人)一行は北京大学を訪問(左1が唐樹備・海協会副会長、左4が陳佳(水+耳)北京大学長)

週間ニュース・フラッシュ

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◆交通部所属の中華電信公司の民営化案まとまる
 林豊正・交通部長は十月十五日、次年度より国営の中華電信公司の株式、総額約三千億元(約一兆二千億円)の六〇%以上を三段階に分けて放出し、民営化を完遂すると発表した。株式公開は、第一段階は国内法人、第二段階は海外投資家、第三段階は内外一般投資家が対象となる。 《台北『経済日報』10月16日》

◆会計年度の起算日七月一日を一月一日に変更
 「予算法修正案」が十月十五日、立法院を通過した。これにより政府会計年度が現行の七月制(7月1日~翌年6月30日)から、民間経済活動の慣例に合わせて行政効率を高めるため、暦年制(1月1日~12月31日)に改められる。実施は二年以内。  《台北『聯合報』10月16日》

◆年末選挙に大陸資本介入の疑い
 城仲模・法務部長は十月十五日、年末選挙に大陸資本が介入している疑いがあり、目下調査中だと明らかにした。法務部は、立件できれば会社法と金融関連法で厳正に処置するとしているが、現行法令では外国資金が特定の候補に流れるのを有効に阻止することができず、法の改正も目下検討中である。 《台北『中央日報』10月16日》

◆米国防総省が台湾のTMD参加を歓迎
 キャンベル米国防次官補代理は十月十五日、国防総省は議会が東アジアの広域ミサイル防衛網(TMD)に台湾も入れるべきだとする授権法案を通過したことを歓迎すると表明した。 《台北『中国時報』10月17日》

◆F16型戦闘機百機以上がすでに台湾に引き渡し
 一九九二年にブッシュ米大統領(当時)がF16型戦闘機百五十機の台湾への売却を認可したが、米ロッキード社は十月十九日、すでに台湾に百三機を引き渡し、目下月産十機で来年十月までに全機引き渡しを完了すると発表した。《ワシントン『中央社』10月19日》

◆ジリノフスキー・ロシア自民党党首が台湾訪問
 ジリノフスキー・ロシア自民党党首は、今春ロシアを訪問した章孝厳・国民党秘書長の招きで十月十八日に五日間の予定で台湾を訪問したが、同十九日、林義夫・経済部次長と会見し、両国の経済貿易交流の拡大と強化について話し合った。 《台北『中央日報』10月20日》

◆ミラージュ2000型戦闘機六十機全機が就役
 国防部は十月二十日、フランスから購入したミラージュ2000型戦闘機六十機が予定より早くすべて完成し、十一月二十六日に新竹基地で全機実戦配備完了の式典をおこなうと発表した。  《台北『中央社』10月20日》

◆世論の86%が汪道涵会長の訪台を支持
 全国意向調査センターが十月十七~十九日に実施した世論調査(有効サンプル二千四百一本、誤差±二%)によれば、辜振甫・海基会理事長の大陸訪問を七二%が成果があったと評価し、八六%が汪道涵・海協会会長の台湾訪問に「賛成」と答えた。 《台北『中央日報』10月21日》

◆今年の経済成長率は五・二五%
 中華経済研究院は十月二十日、第四・四半期の経済動向は上向きになったとし、今年全年の経済成長率は五・二五%に達し、来年は公共投資拡大が奏功し五・三五%に達するとの予測を示した。  《台北『工商時報』10月21日》

◆両岸農業協力は台湾農業への脅威とはならない
 蕭万長・行政院長は立法院で十月二十日、両岸の資源有効利用のため農業協力をしても、それが台湾農業への脅威にはならないとして、両岸農業協力に積極姿勢を示した。 《台北『中央日報』10月21日》


今週の焦点

将来的な意義が見られる
「民主の原則」の提示

 国際的にも注目されていた辜振甫・海峡交流基金会理事長と大陸側の汪道涵、江沢民、銭其シンらとの一連の会見が、10月14日から18日までにすべて終了した。それぞれの会見での談話などは本誌でも紹介している通りだが、いま人々の関心は、これら会見が今後の両岸関係にどう影響し、どう進展するかに移っている。そこでまず、今後の予測の初期的な資料として、これら一連の会見の「成果」を以下の3点にまとめてみたい。

1.双方が直接各自の見解をぶつけ合った。辜氏はすべての場で両岸が分裂・分治にある現実の重視を強調し、さらに歴史的特殊性としてポツダム宣言を例にとり、台湾は第二次世界大戦後に「中華人民共和国」に帰属したのではない点を主張し、台湾は「中華人民共和国」の一部分とする見解に反論した。一方銭其シンは「一つの中国」の原則を前面に出し、台湾が外交的に圧迫されるのは、国際情勢の必然の結果と結論づけた。唐樹備も江沢民も同様に北京の立場を強調した。無論彼らの言う「中国」とは「中華人民共和国」のことである。

2.台湾側は一貫して、当面の交流に必要な実務交渉に入ろうとしたが、大陸側は一気に「統一」問題に言及する政治交渉に持ち込もうとした。これに対し辜氏は、国際的にも評価されている民主改革の成果を前面に出し、汪道涵の年末選挙参観を要請するなど、大陸側の言う「一つの中国」に対抗するとともに国際社会の支持を得る作戦をとった。

3.今回の大陸訪問団の目的は、まず第一に両岸定期交渉再開の糸口をつかむところにあり、もう一つは会見の内容をすべて公開、透明化し、台湾住民に情緒的ではない現実の両岸関係の実情を知らせることであった。これによって台湾住民の多くは、大陸側の傲慢さを知り、先方に台湾併呑という覇権主義の観念が強いことを悟った。

 古来より戦争でも外交交渉でも、相手の弱点を衝くのが最良の方法とされている。大陸側は国力や国際的地位の優勢を利用して「一つの中国」を押し出し、台湾を併呑しようとしているわけだが、これに台湾側も「一つの中国」で応じたのでは、やがて小が大に飲み込まれる図式が現実のものとなりかねない。大陸側の最大の弱点は、その政治体制が一党独裁で国際的趨勢にも反しているという点だ。そこで台湾側が「民主の原則」を前面に押し出したのは、台湾の自己の体制への自信を示すとともに、両岸交渉において守勢から攻勢に転じ、かつ国際間での支持を得るにも最良の方法であり、ここに今回の両岸会談の成果を見ることができる。

 1989年6月4日に発生した天安門事件は、世界を震撼させたばかりか、中国大陸の住民は独裁体制の恐ろしさを実感し、識者のみならず一般住民の多くも民主体制の必要性をますます強く悟ったことであろう。

 経済が発展し貧困を脱出したなら、人々の要求は衣食から社会的自由に移行するのは必然の流れである。まして中国大陸の場合、天安門事件の生々しい素地がある以上、今後とも経済発展をつづけていった場合、学生のみならず一般民衆のあいだにも草の根的に政治改革を求める声の高まるのは必至と見てよい。ここに大陸側が、両岸の交流をいっそう至便ならしめる実務交渉よりも、一気に統一交渉に持ち込もうとする理由が見えてくる。

 この点からも、辜氏が今回の一連の会見を通し、国際間に「民主の原則」を示したことに、将来的な意義が見い出せるのである。

北京で辜振甫・江沢民会見:
元首級会談は条件造りから

 海峡交流基金会の辜振甫・理事長一行は大陸訪問最終日(帰国は十九日)の十月十八日、午前九時から釣魚台賓館で中共「国務院副総理」銭其シンらと会見し、昼は北京市内のシャングリラ・ホテルでの北京台商協会との昼食会に出席し、午後三時からふたたび釣魚台賓館で「国務院総理」江沢民らと会見した。これにより十四日から始まった大陸側要人との一連の会見予定をすべて終えた。 辜江会見のなかで、辜理事長は両岸の元首による「李登輝・江沢民会談」を実現することの意義を説明し、具体論として「両岸の指導者がアジア太平洋経済協力会議(APEC)非公式首脳会談において最初の会見をしてはどうか」と提議した。これに対し江沢民は、「わが方の海峡両岸関係協会の汪道涵会長がすでに台湾訪問を承諾しており、両岸はまず良好な雰囲気を作ることが必要だ」と答えた。

 これについて辜理事長は、会談後のシャングリラ・ホテルでの記者会見で、「『李江会談』は双方が望んでいるが、まず条件作りが必要であり、両岸双方はその方面の努力をしなければならない。双方が共に受け入れられる方式を見い出したなら、必ず両岸人民の支持も得られよう」と表明した。

 また、辜理事長は会見において台湾の政治における民主化の経験を説明し、「この民主化の経験を大陸の同胞と分かち合い、共に切磋琢磨したいと願っている」と表明した。これに対し江沢民は、「われわれも民主を追求しており、ただしそれぞれの地区の状況は異なっており、このため民主にも異なったものがある」と強調した。

 同時に江沢民は「辜汪会見」で四項目の共通認識の得られたことを評価し、「これらの共通認識は両岸両会(海峡交流基金会と海峡両岸関係協会)の交流と交渉の発展に直接的な意義がある。双方にはまだ相違点が存在するが、両岸が対話を継続し、ゆっくりと意思の疎通を図り、相互理解を増進していくことを望む」と表明した。
《台北『中央日報』10月19日》

辜銭会見における辜振甫理事長談話全文

 辜振甫・理事長を団長とする海基会大陸訪問団一行は十月十六日、上海での日程を終え、北京に入った。翌十七日には北京人民大会堂でおこなわれた「国務院台湾事務弁公室」陳雲林主任主催の歓迎レセプションに出席した。この挨拶のなかで辜理事長は大陸側に、「双方が両岸分治の政治的事実を尊重し、共同で将来の両岸関係進展に向け、基礎となる条件を構築しよう」と呼びかけた。 また、十八日には北京市内の釣魚台賓館で「国務院副総理」銭其シンと会見した。銭其シンは「中央政治局委員」の身分で出席し、従来の「一つの中国」論を強調するなど、内容において中華民国が存在する客観的事実を否定するものであった。これに対し辜理事長は「両岸分治」の事実を歴史面と現実面から強く主張した。以下は辜銭会見における辜理事長の談話の全文である。

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 この訪問の過程において、さまざまな心くばりをいただき、五十年間も疎遠であったなかに思い出の地を見ることができ、また両岸関係の将来における発展を希求する機会を得たことに、衷心より感謝の念を表明する。昨日われわれは北京大学と故宮博物院を参観し、非常に深い感銘を受けた。両岸は血縁とともに共通の文化を保持しており、全中国人の福祉を希求するのもまた、共同で求めるべき方向であると思う。

 交流が始まってより十年、両岸関係は民間の接触においてきわめて顕著な進展を示しているが、若干の問題が依然として存在している。これはなぜか? 大陸当局が根本において中華民国が存在する客観的事実を否定しているからである。日清戦争に敗れ、清朝が台湾を割譲し、中華民国は一九一二年に成立し、台湾は第二次世界大戦のポツダム宣言によって復帰し、一九四九年に両岸分治が始まり、いかなる一方の管轄権も他の一方に及んだことはなく、「一つの分治された中国」は否定できない客観的事実となっている。

 われわれはすでに一九九一年にこの現実に対応して両岸関係に新たな位置づけをし、一連の善意を示してきた。動員戡乱(反乱平定)時期の終結を宣言して武力による両岸問題の処理を放棄し、さらに政治・経済・軍事・法律における実務的な調整などによって両岸の新情勢に対応し、また交流を拡大し交渉に積極性を示し、両岸の平和促進に具体的な貢献をしてきた。しかしわが方のこうした努力に対し、大陸側はまだ直接的な対応を示さず、逆に両岸「分治」の歴史的事実を受け入れず、世界の重要な構成員の一つである中華民国の存在を否定し、国際間でわが方を圧殺しようと意図しているばかりか、台湾を訪問した人たちですら、わが方の今日ある体制を尊重しようとしない。これらはわが方人民の反感を募らせるのみで、双方の関係の発展に障害となるばかりである。

 ポスト冷戦において、国際潮流は交流をもって理解を促進し、交渉をもって対立を解くものとなっている。大陸は外界との接触を拡大しているが、広く胸襟を開き、前向きな視野をもって両岸の国際間における相互連動に対応すべきである。台湾民衆はこの四十数年来、汗水を流して働き、政治に精励し、自由と民主のある裕福な社会を創造し、国際活動にも積極的に参加し貢献している。われわれの力量は、こうした成果により自然に世界の人々の尊重と好感を得るところとなっている。このことからわれわれは、双方が民主統一される前において、各自が国際活動の場を持ち、相互に協力してゆくべきだと強く認識している。

 もし、大陸側が一方的にまた故意に中華民国は存在しないと仮定するのなら、政治性の対話が進められなくなるのは明白であり、台湾民衆の反感を激化させるばかりで、双方が相互信頼の基礎を構築するのを揺るがせ、両岸関係の発展に不利益となり、実際において両岸分治から接近しつつある状態に、障壁を作るものとなろう。われわれは、両岸の中国人は国際間において多くの相互協力の機会を持ち、双方が共に補完しあい、共に研究するのは、国家の将来の民主統一に害を与えるものとはならず、逆に両岸中国人の国際社会における力を拡大するものになると認識している。われわれは、両岸が世界平和のため共同で国際活動に参与し、ゼロサム・ゲーム的な対立を終結させ、両岸の敵対状態解消の第一歩を踏み出すことを希望している。中国人は平和を愛する民族であり、両岸は相互に尊重し、理解しあわねばならず、交流と協力と交渉を通じて逐次関係を改善し、将来の民主統一のために有利な条件を創造すべきである。         (完)   
《北京『中央社』10月18日》

辜銭座談会の内容:
許恵祐副理事長の談話

 辜銭会見で双方が談話を発表しあったあと、座談会に入ったが、同席した許恵祐・海基会副理事長は会見終了後の記者会見で、そのときの模様を以下のように語った。

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 意見交換のなかで当然銭其シン氏も自己の考えを述べ、辜振甫理事長も談話以外にも意見を表明した。それらについて皆様に報告したい。つまり、われわれは一貫して、アジア太平洋地域の国々がこの地域における安全と平和の維持に共同責任を負っていることと、北朝鮮の核兵器保有疑惑は同地域における潜在的脅威であることを主張した。

 辜理事長は米国、日本、韓国ならびに北朝鮮が一九九五年から推進している「朝鮮半島エネルギー開発機構」(KEDO)について言及し、銭其シン氏に「あなたもよく了解されているように、この計画が成功したなら、北朝鮮に核エネルギーの来源を提供するとともに、北朝鮮に核実験を放棄させることになる。しかしアジア金融危機の影響で日本と韓国は資金を出し渋っており、そこで国際間に、台湾がこの理事会に参加して資金も提供し、この計画を完成させたなら、北東アジアが直面している核の危機を回避することができると提議する声がある。われわれはこの件を積極的に考慮しており、アジア太平洋地域の一構成員としての責任を果たしたいと願っている。大陸当局はこれを妨害しないで欲しい」と表明した。

 また、私がここで補足説明しておきたいのは、銭氏が会見のなかで提示した三点についてだ。まず第一点は、銭氏が言ったいわゆる「一つの中国」には内外で別の言い方があるという点についてだが、彼は「内外の別はなく、解釈上の問題であって根本精神は同じようなものだ」と説明した。銭氏は今年初頭にもこの件を提示しており、そこで私は辜理事長の同意を得て、銭氏に「いわゆる『一つの中国』の問題だが、双方はもともとそれぞれの立場を持っており、かつての協議(シンガポールでの辜汪会談)で『各自がそれぞれに表明する』という共通認識を得ている。それを今になって一方がこの問題で排他性を打ち出し、場合によっては侵略的な主張までするのは、当然ながら容認できないものである。われわれの『一つの中国』の原則は明確で、それはすなわち中華民国である」と主張した。

 第二点は国際活動の問題である。銭氏は、「人々は台湾が国際社会で大陸の圧迫を受けるのは、歴史の趨勢であると認識している」と表明した。これについても私は銭氏に「中華民国は一九四九年以降、七〇年代に国連を脱退したが、それによって中華民国が存在しなくなったことにはならない。中華民国は依然として存在しており、東西ドイツや南北朝鮮と同様に、いずれも国際社会において存在し、かれらは同時に国連にも参加した。このことから、いわゆる存在しないから圧迫するという観念は、事実に反するものである。台湾地区の民衆は、大陸がわが方を国際社会において排撃しようとしていることに敏感であり、このためあらゆる世論調査で、現状維持を主張する声が八〇%に達しており、さらに過激な主張もある。これは大陸側の国際間における活動が、台湾地区の民衆の共鳴を得ることができないことを明確に示すものである」と指摘しておいた。

 第三点は民主化の問題だが、彼の言う民主化とは「台湾は民主化で自己の道を進んでかまわないし、大陸もまた自己の道を進むだろう」という意味のものであった。私はとくに台湾の民主化に関しては、「われわれはなにも台湾の民主化がことさらよいと言っているのではない。しかし、ともかくわれわれは全国民参加によって総統を選出している。両岸交流の意義は、交流によって経験を交換しあうところにあるが、われわれは決して台湾式の民主を大陸に押し広げようとしているのではなく、交流によって民主の経験を交換しあい、民主化に向かい、近代化に向かうことを望んでいるのである」と強調し、そして「もし民主化にも近代化にも進まないのなら、わが方の多数の住民がどうして安心して大陸と接近していくことができようか」と指摘した。

 これが本日の会見の主な内容であり、重要なのは辜理事長がわが方の立場を明示し、同時にKEDOにも言及したことである。銭氏も双方の相違の非常に大きなことを認識するとともに、今後とも接触を保ち、話し合いをつづけることに同意した。これが全容である。    (完)   
《北京『中央社』10月18日》

興味深い台湾映画 フラワーズ・オブ・シャンハイ

             田村志津枝

 一九世紀末の上海。欧米列強が租界を置いて覇をきそい、太平天国の乱などあいつぐ争乱で難民が多数流入し、繁栄を謳歌する一方で無法者が跋扈した国際都市。魔都と呼ばれた頽廃的なこの時期の上海を背景に、いままでも数多くの物語が語られてきた。

 侯孝賢監督の新作「フラワーズ・オブ・シャンハイ(海上花)」は、この上海に咲いたあだ花とでも言おうか、贅をつくした高級遊郭の遊女たちの物語だ。

 原作の「海上花」は、実際に遊郭で暮らしていた粋人・韓子雲が、身辺の出来事を蘇州語で書きつづって一八九四年に出版したもので、のちに、数々の恋愛小説で名を馳せた女性作家・張愛玲によって北京語訳されるや、評判を呼んだ。数え切れないほどの遊女が登場する長大な原作を、侯監督は三人の遊女にまつわる物語に作りかえている。

 映画のはじまりは、華麗にしつらえられた宴席だ。豪奢な遊郭を再現するために、セットをはじめ、衣装および家具調度などの小道具類には莫大な費用がつぎ込まれたと聞くが、出演者の顔ぶれも負けずに豪華だ。なじみ客の王にトニー・レオン(梁朝偉)、遊女にはミッシェル・リー(李嘉欣)、カリーナ・ラウ(劉嘉玲)らの香港のスターたち。さらに日本から羽田美智子が遊女・小紅役で加わっている。カメラがゆっくりと移動するなか、宴席の男たちは遊女のうわさ話や世間話に興じ、背後にいるきらびやかな装いの女たちは、目配せや耳打ちをしながら、ひそやかに部屋を出入りする。

 冒頭の長い宴席のシーンがフェイド・アウトすると、こんどは遊女の部屋だ。遊女や侍女や客のさりげない会話や食事、あるいは阿片を吸い水煙草をもてあそぶ日々が描かれる。それぞれの遊女の部屋の似たようなありさまが、フェイド・アウトとフェイド・インで延々とつながれていく。客と遊女のやりとりも、女将と遊女のいざこざも、なにもかもがけだるい日常に飲み込まれていくようだ。

 うわさ話の断片から浮かびあがるのは、王の行状の一端だ。彼は長いなじみの小紅を捨て、べつの遊女・恵貞を妾に迎えたが、彼女にも裏切られて別れてしまったという。

 いつの世も変わらぬ男と女の繰り言。命がけの恋すらも、やがて戯れ言にされてしまう。けれど風に消えてしまうような些事にも、一瞬のきらめきが秘められていないともかぎらない。 そんな悠久の時の流れを感じさせる語りのリズムは、まぎれもなく侯孝賢監督のものだ。男女の波立つ心のなかまでは踏み込まず、それもまた人の世の流れのひとこま、と達観した姿勢も侯監督のものだ。

 けれどもなにかが物足りない。そう思って振り返ると、いままでの侯孝賢作品では、一本の樹木が、あるいは灼熱の太陽を照りかえす街道が、登場人物の心情や来歴を、そして物語の背景を、いかに雄弁に語っていたかに思いあたる。

 「フラワーズ・オブ・シャンハイ」は、終始遊郭の室内で話が進行していく。ならば部屋にも衣装にも茶碗や簪にも、なにかを語らせなければならない。いわんや俳優には、目の動きひとつ、身のこなしひとつで、心の内を表現させなければならない。さらにつけくわえれば、セリフは磨きぬかれた言葉で物語の骨格をささえなくてはならないだろう。

 絢爛豪華な画面に酔いながら、そんなことを考えた。

['98年 121分 第51回カンヌ国際映画祭正式出品作品]

台湾の歩んだ道・政治編 ③
「静かなる革命」はどのように達成したか

三、民主の飛躍期(続)
四、人権の保障

 人権は民主政治の重要な根幹であり、福祉国家を実現して以来、政府の機能は人権を保障するだけでなく、さらにそれを拡大するところまで進み、人権の意義が政治を超越し、経済、社会、教育の面にまで拡大していった。台湾の人権の進展は、政治面での自由と権利の消極的保障から始まり、経済、社会、教育面の福祉にまで積極的に拡大されていったのである。

 政治面における人権では、国民の参政権が大幅に拡大されたほか、司法と行政の分離、国家賠償法の実施、刑事被告人の捜査段階における弁護士選任の権利、監獄制度の革新などにより、人身にかかわる自由権の保障がさらに拡大された。言論、出版、集会結社の自由においては、国民の権利は憲法によって保障され、試験による公務員任用の面では、近年来公務員の任用はすべて厳格な試験によるとの原則が貫徹され、考試院においても「行政中立法」、「公務員定数法」、「公務員基準法」などの関連法規を検討中であり、中立的な文官制度を確立し、公務員は法によって職務を進め、公正に法を執行し、政治の関与を避ける構造を樹立しようとしている。このほか、市民の請願権や訴訟権も広く重視されるようになり、立法院や行政院、ときには総統府前においても、請願に訪れた市民の姿がよく見かけられるようになった。

 刑法第百条の修正後、反乱罪の適用範囲は直接政府を転覆しようとした行動のみに限定され、その場合のみ反乱の罪名が着せられるようになった。刑法百条修正の精神に基づき、台湾独立の主張が保障されるようになった。このほか「二二八事件」に関する政府の概要公開と謝罪によって被害者家族の人権が拡大された。これらはすべて、正義が通り公平で調和のとれた社会を樹立するのに大きな効果を発揮した。さらにまた、大法官会議(違憲審査法廷)が不審者拘束条例の部分条文および刑事訴訟法による検察官拘留権行使の部分条文を違憲としたのも、人権を保障するための措置となった。

 経済関係の面では、国民は生存権を保障されるところとなった。近年では消費者の権利もいっそう重視されるようになり、政府は「公平交易(公正取引)委員会」と「消費者保護委員会」を組織し、消費者の権利を保護するようになった。労働権においては、わが国の失業率は若干上昇しているとはいえ、世界に比較し低い失業率を維持している。財産権については、民生主義による均富の原則の下に、所得の平均化が十分に進んでおり、一九九六年の所得配分統計によれば、わが国では上位二〇%の所得層の収入は、下位二〇%の所得層の収入の五・三八倍で、所得配分の平均化が進んでいる国の一つであることを示している。

 環境権では、政府は近年来環境保護を重視するようになり、とくに環境保護署を設置し、環境保護対策を専門的に推進するようになった。

 社会的人権の面では、住居移転の自由、信書の秘密を守る自由、宗教信仰の自由などがすべて保障されているほか、女性、児童、老人、身障者の権利も十分に保障され、また国民皆保険の制度が一九九四年七月に立法院を通過し、社会保険の範囲が拡大された。このほか、政府は長期にわたって社会安全制度の確立に毎年相当額の予算を計上し、社会福祉業務の推進には十分な経費を充当してきた。こうした各種の措置から、政府が社会的人権を十分に重視していることが見て取れよう。

 最後に、教育面における人権だが、教育の機会均等ならびに授業内容と著作の自由が十分に保障されているほか、近年では学校運営の民主化も大幅に進展している。「教授会が大学を運営する」という理念はすでに各大学において具体化されており、各大学とも学長や学部長はそれぞれ教授の選挙によって選出され、学校運営の主要な決定も教授会の推薦する各代表が運営会議を開いて推進しており、政府は大学に教授の昇格や授業課程などの自主決定権を付与し、各レベルにおける学生、生徒らの管理にも人権尊重と民主化が進んでいる。同時に政府は目下さらに一歩進んだ教育改革を推進しており、教育のいっそうの開放と教育を受ける者の「自己実現の権利」をさらに拡充しようとしている。

 人権保障の内容と範囲について言えば、総じて台湾住民が享受している人権は決して欧米先進諸国に劣るものではなく、事実上台湾の住民は中国史上、経済が最も繁栄し、政治の民主化が最も進み、人権が最も進展した社会生活を享受していることになる。

五、両岸関係の推進

 民主の飛躍期において、古い状況が打破され最も大きな進展を見たものの一つに、台湾と大陸の関係雪解けと急速な発展がある。中華民国政府が一九八七年十一月二日に正式に台湾住民の大陸への親族訪問を開放してから今日まで、両岸関係は迅速に発展し、現在では台湾から毎年延べ百万人が親族訪問、観光および学術、文化、スポーツなどの交流活動のため大陸を訪問し、その数は歴年総計で延べ一千万人を越えるに至っている。

 経済貿易関係では、台湾企業の大陸投資は累計五十億ドルに達しており、中共側の統計によれば、台湾企業の大陸投資は契約ベースですでに累積二百億ドルを超えている。台湾の対大陸投資は、大陸における外部からの投資全体の八%を占め、香港の六〇%に次いで第二位であり、米国、日本をしのいでいる。このほか、両岸間の電話通話数は一億八千万回を越え、文化活動のため台湾を訪れた大陸の住民は延べ一万三千人余にのぼっている。

 さらに内外から強い関心を集めているのは、緊密化した両岸交流と頻繁におこなわれるようになった両岸交渉である。交渉推進のため、わが方は一九九一年二月に半官半民の海峡交流基金会を設立し、これが政府の委託を受けて、公権力にかかわるが政府が表立って処理できない両岸問題を処理するようになり、その十カ月後に大陸側も海峡両岸関係協会を設立した。この二つの機関は九三年四月にシンガポールにおいて歴史的な第一回「辜汪会談」をおこない、四つの項目に署名し、その後も双方は八回にわたる実務的な交渉を推進し、両岸交流において派生する諸問題の協議をおこなった。

 目下のところ中共は「李登輝総統の訪米は一つの中国の原則に反する」として交渉を暫時中断し、わが政府は台湾企業の対大陸投資に慎重な姿勢をとっているが、ここで予見されるのは、両岸の民間交流が継続され相互に影響しあうことは、もはや避けられないという点である。

六、憲政改革の推進

 憲法は国家の長期にわたる基本的大典であり、中華民国憲法は一九四七年元旦に公布されてより、四八年に臨時条款制定の方式で暫定的な変更が加えられた以外は、正式な改憲はされなかった。だが政府が台湾に移ってより四十数年が経過し、内外の情勢変化と民意の求める必要性から、九一年以来、憲法の内容を台湾の社会的現実に合わせ、台湾を人治から法治に脱皮させ、憲政による民主政治をいっそう安定させるため、積極的に憲法修正を進めるようになった。

 第一段階における憲法修正は一九九一年四月八日の第一期国民大会臨時会議の開幕から開始され、四月二十二日に中華民国憲法十カ条追加および動員戡乱時期臨時条款廃止を可決し、五月一日に総統がその実施を宣言した。

 第一段階の憲法修正には四大成果を見ることができる。その一は動員戡乱時期臨時条款を廃止し、国会全面改選に法的根拠を与えたことである。その二は中央政府組織に調整を加え、政府に国家安全会議、国家安全局および人事行政局を開設するための法的根拠を与えたことである。その三は政府が海峡両岸分治の事実を認め、両岸人民関係条例を制定したことである。その四は総統に緊急命令権を付与するとともに、国家安全会議、国家安全局および人事行政局などの組織法制定を促進したことである。      (以下次号)

年末トリプル選挙立候補締め切り
立法委員国民党過半数と台北市が焦点

 十二月五日に投開票される第四期立法委員、台北・高雄市長、台北・高雄市議の年末トリプル選挙の立候補届けが十月二十一日に締め切られた。最大の焦点は立法委員選挙で国民党が過半数を維持するか、また台北市長の椅子を民進党が守り切れるかである。高雄市では国民党の絶対優位が揺らいでいる。各選挙の立候補者数と市長選候補者は次の通り。

●第四期立法委員選挙

 議席定数は二百二十五議席で、従来の百六十四議席より一気に六十一議席も増えたのは、十二月二十日に省議員(七十九人)が任期満了となって省議会が廃止されるため立法委員定数を追加したことによる。議席定数の内訳は次の通りである。

 選挙区      一六八議席
 原住民選挙区     八議席
 比例代表区     四一議席
 海外華僑比例代表区  八議席
 (合計)      二二五議席

 選挙区議席定数は百七十六議席だが、各党の立候補者数は次の通り。

 国民党      一一五人
 民進党       七九人
 新 党       三六人
 建国党       一八人
 諸 派       三三人
 無所属      一二二人
 (合計)      四〇三人

 国民党は過半数は可能との自信を示しており。民進党は過半数に迫る勢いを示し、新党は三十人の当選を目指している。

●台北・高雄市長選挙
 各党公認候補は以下の通り。

 台北市 民進党  陳 水扁(現)
      国民党  馬 英九
      新 党  王 建セン(火+宣)
 高雄市 国民党  呉 敦義(現)
      民進党  謝 長廷
      新 党  呉 建国

 台北市では馬英九氏が立候補宣言をして以来、俄然選挙の焦点となった。陳水扁氏は現職の強みがあるものの、馬氏と人気が拮抗している。新党の王建セン(火+宣)氏も知名度が高く、馬氏と陳氏の当落に大きく影響しそうだ。高雄市では現職の呉敦義氏が優勢を保っているが、呉建国氏が出馬したことで、謝氏が漁夫の利を占める可能性も否定できなくなった。

 ●台北・高雄市会議員選挙
 各党立候補者数は次の通り。

      台北市  高雄市
(定 数  五二人  四四人)
 国民党  三二人  三四人
 民進党  二七人  二〇人
 新 党  一六人   六人
 建国党   四人   五人
 その他  三一人  一四人
  
《台北『中国時報』10月22日》

大陸当局の外交圧迫に対する見解
中華民国外交部(10月17日)

 大陸当局は言行不一致が多く、常にわが方を圧迫しており、十月十五日の上海における唐樹備・海協会副会長の発言もその一環と見られ、これについて外交部は十月十七日、以下のとおり見解を発表した。

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 大陸側の唐樹備・海峡両岸関係協会副理事長が十月十五日に上海で、大陸当局は西暦二〇〇〇年までにわが方と国交のある国をゼロにするつもりはなく、いわゆる「三光」政策の意思もないと表明したことに関して、もし大陸当局が両岸双方の国際活動においてゼロサム・ゲーム的な思考を放棄したなら、当然わが方はそれを評価すべきであろうが、現実の進展から、われわれは次の三点の疑問を提示せざるを得ず、大陸当局の外交主管部門が明確に回答することを希望するものである。

一、大陸当局の銭其シン・副総理は本 年八月二十四日から二十九日に開催された「第九回外国駐在使節会議」のなかで「対台湾外交闘争」に関し、中共外交要員に対し「台湾当局との衝突のなかで、われわれは直接的な闘争をしなければならず、決してこれを曖昧に終わらせてはならず、迅速に台湾と外交関係のある国々を落とし、各種の外交手段を講じ、かならずわれわれの目標を実現しなければならない」と要求しなかったかどうか?

二、大陸当局外交部門は、辜振甫海峡交流基金会理事長一行が大陸を訪問する前に、わが方のある友好国を各種の手段を用いて取り込み、辜振甫理事長の訪問終了後二週間以内に国交を結ぼうとし、またそれを表明していたが、この行為は両岸両会の活動に影響が生じるとは思わないのか?

三、大陸当局は十月十六日「アジア太平洋経済協力会議」(APEC)女性事務局長会議に参加した代表に、同会議の主催機関に対し、わが方の代表である文化建設委員会の林主任委員の肩書を削除すること、ならびに地域中の「台湾」の字句を改めよと要求するように指示しなかったか?

 林主委はわが行政院婦女権益促進会業務の責任者であり、わが方を代表して同会議に参加する最適の人選である。また名簿での地域の部に地理的名称である「台湾」を使用したのは先例のあることである。

 われわれは大陸当局が善意と誠意をもって、われわれの善意ならびに誠意に応えるよう希望するものである。われわれは、大陸当局のいかなる言行不一致も、また台湾住民が国際活動の場を追求する必要性も顧みず、台湾同胞の感情を逆なでする行為や発想を見ることを好むものではない。大陸当局がもし誠意をもって接触できないのであれば、両岸の相互連動にいかなる良好な効果が生まれると言えようか?

 われわれは大陸当局が一貫して硬軟二方面の策略を駆使する「両面作戦」をとり、わが方の外交の場を圧殺しようとしていることを熟知している。しかしわれわれは、強固な自信をもって、官民力を合わせ、全力を挙げ、継続して国家の安全と全国民の福祉を勝ち取るため奮闘していくであろう。        
(完)

上海辜汪会見:今後の協議を待つ四項目

 上海で十月十五日、「辜汪会見」が開かれ、両岸双方の基本的認識にはまだ大きな隔たりがあるものの、以下の四項目について一応のコンセンサスが得られ、今後の協議が待たれるところとなった。

一、両岸間にまだ意見の相違は存在するが、将来の対話強化を求め、定期協議の回復に向けて許恵祐・海基会副理事長と唐樹備・海協会副会長が責任を持って具体的に取り扱う。

二、両岸両会(台湾・海峡交流基金会と大陸・海峡両岸関係協会)の顧問、理事、副秘書長など、各種レベルの交流を促進する。

三、両岸交流において発生した両岸同胞の身体および財産の安全問題について、解決案が提示されるまで、両岸は問題の処理に積極的に協力しあうが、海基会が人員を派遣して協議する件については双方の意見が異なり、今後さらに一歩進んだ協議をする。

四、辜振甫理事長は、汪道涵会長の「適当な時期」における台湾訪問を正式に招請する。辜理事長は汪会長に、十二月上旬の選挙を見学することを要請する。

 このうち、第四の選挙見学については、台湾側に台湾の民主化と近代化をアピールする目的があるが、唐樹備・海協会副会長は同日の記者会見で、「汪道涵会長は『適当な時期』の台湾訪問を希望しているが、もし年末に訪問するとすれば慌ただしすぎる。辜振甫理事長も大陸訪問に数カ月を要している。基本的には汪会長は台湾訪問を了承している」と語った。これについて許恵祐・海基会副理事長は十六日、「汪道涵会長の今年十二月の訪台が困難なら、来春が『適当な時期』になると思う」との観測を示した。

 また、辜理事長は第一回目の座談会において、「双方が海峡を隔て分治の状態になってから五十年近くが経過し『一つの分治された中国』は歴史的事実であるとともに政治的現実であり、同時にポツダム宣言に照らしても、当時まだ中華人民共和国は成立しておらず、台湾は中華民国に返還されたのであり、これも今日の両岸が分治の状態にあることを証明するものである」と強調した。
《台北『中央日報』10月16・17日》

両岸外交戦は休止せず
外交部の上層部が言明

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 中共「副総理」銭其シンは十月十八日、海峡交流基金会大陸訪問団と会見したが、わが方の外交活動への圧迫を緩和することへの発言は一切なく、また唐樹備・海協会副会長は、わが方の提示したポツダム宣言における台湾と中華民国の位置について反駁した。

 大陸側のこの姿勢に対し外交部の上層部は同日、「中共のわが方に対する基本的姿勢が変わらない限り、両岸の外交戦を一日たりとも休止することはできない。われわれが国際生存の場を求め、国際社会に参画する目標は決して変更できない」と言明し、さらに「中共がわが方の国際生存の場を圧殺しようとする活動になんら変化はなく、予見できる将来、両岸の外交における闘争はまだ続くだろう」と指摘した。   
《台北『中央社』10月18日》

民主の火花によって氷を融かす
『中央日報』10月19日

 辜振甫・海峡交流基金会理事長は今回の大陸訪問において、両岸両会(海峡交流基金会と海峡両岸関係協会)の対話の強化、汪道涵・海峡両岸関係協会会長の台湾訪問などの四項目の合意を達成しただけでなく、あらゆる機会を利用して、中共指導者に台湾側の誠意と立場を表明した。

 今回の訪問は、三年前に大陸側が両岸の定期交渉を一方的に中止して以来、初めての「融氷の旅」であった。この間、わが方はつねに交渉の門を開いていたが、こうした善意のもと、両岸両会のトップがついに交渉の席についたことには、大きな意義がある。また、中共の最高指導者は、今回初めて台湾側の原則に直接触れたことによって、台湾の基本的立場をよりはっきり理解することができたはずだ。

 さらに、中共側が今回、辜理事長の前で示した強硬な態度は、これまでの間接的であいまいな表現をはっきりさせるものとなった。たとえば、汪道涵会長の「一つの中国」に対する見解は、実際にはこれまでの中共の強硬姿勢と何ら変わりはなく、銭其シンは、台湾の国際活動に対する圧迫を「客観的状況よる必然の結果」だと言い放った。これらの言動は本来予想できたことだが、両岸のトップ対話において示されたことにより、台湾住民に中共の強硬政策に対する認識をはっきりさせる効果があったと言えるだろう。

 辜理事長は今回、中共指導者の前で、両岸間のあらゆる問題を平和的に解決するという台湾側の決意を示すとともに、両岸が対等に分治されている現実を強調し、中共側に武力行使を放棄し、民主化によって国家統一を推進するよう求めた。残念なことに、中共側はなおも現在の国際情勢を正視しようとはせず、「民主的統一は非現実的」と主張している。しかし、こうした激しい対立こそが、まさに両岸問題の本質、つまり双方の民主制度の違いをはっきり示すものなのである。

 現段階で、辜理事長の今回の訪問を評価すると、その意義は非常に大きいと言えよう。双方のトップ同士の対話を通して、各自が相手の立場と主張を一歩進んで理解するとともに、両岸の政治的な隔たりに対してもさらに深く洞察することとなった。こうした相互理解の進展は、李登輝総統が今年の国慶献辞で示した「建設的な対話」に合致するものだ。中共側が今回の「辜汪会見」における四項目の合意を守り、定期交渉の再開を促す対話を強化できれば、両岸は相互理解を基礎として、政治的な隔たりをより適切に処理できるようになるだろう。

 辜理事長は、両岸の政治的対立を解消する最良の方法は、大陸の民主化の実現だと指摘している。中国の再統一のカギは大陸の民主化であり、また大陸が民主化されてこそ両岸統一について話し合うことができ、地域諸国も中国の統一を脅威と見なさなくなるのだ。 今から七年半前、政府は「動員戡乱(反乱平定)時期」を終結し、平和的に両岸問題を解決することを宣言した。李総統はまた、大陸に平和の旅に赴く準備のあることを繰り返し表明しており、辜理事長も今回、江沢民の前でこの提案をふたたび示した。われわれは、中共側が台湾側の誠意を理解し、両岸問題を平和的、民主的に解決するよう期待している。


「融氷」には対話の継続が必要
『中国時報』10月19日

  辜振甫・海峡交流基金会理事長一行は、五日間にわたる大陸訪問の中で、儀礼的な会見以外に、汪道涵・海峡両岸関係協会会長らと二回の重要な会見をおこなうとともに、中共中央のトップとも非公式な対話をおこなうことに成功した。今回の大陸訪問の成否については改めて判断が下されることになろうが、両岸関係の歴史に重要な一頁を残したことは間違いない。

 早くから予想されていたように、今回の辜理事長の大陸訪問は、両岸間に一種のムードを創る旅となった。具体的な協議については予め何ら設定されていなかったが、あらゆる重要な議題が話し合われ、四項目の合意に達し、多方面にわたる対話が展開された。こうした対話が、われわれの言う「建設的」なものだったのか、大陸側の主張する「政治的な」ものだったかは別にして、今ここで重要なことは、双方が向き合って各自の見解を表明する機会を持ったことで、意見の相違が鮮明になり、さらにこうした意見の相違は一朝一夕に解決できるものではないと認識するに至ったことだ。意見の隔たりの大きさを認め、対話の強化をともに呼びかけることは、かつての海を隔てて挑発し合う状態よりも、大きく一歩前進したと言えるだろう。

 わが方が進展を最も希望している事務的協議については、実質的な協議はなされなかったものの、今回の「辜汪会見」で合意に達した、両岸両会(海峡交流基金会と海峡両岸関係協会)が対話や交流を強化し、両岸住民の安全に関する問題を積極的に処理するといったいくつかのコンセンサスは、事実上、いわゆる事務的協議の再開の前提となるものである。このほか、経済・貿易面での協力については、辜理事長はかつて、両岸が共同でアジア金融危機を解決するよう呼びかけたことがあるが、これは建設的な善意に基づく提案であり、もし両岸が経済や貿易、金融における協力を通して、地域の安定を促進することができたなら、双方の基本的立場に反しないばかりか、これにより相互信頼を積み重ね、両岸の相互連動の新たな局面を切り開くことにつながるだろう。

 双方の意見の隔たりが最も大きい政治的対話については、今回の会談によって、双方の立場の基本ラインが鮮明になった。最も敏感な「一つの中国」を例にとると、大陸側の「一つの中国」に対する見解には、実際には従来の主張と異なる点はまったくなく、一方、台湾側は辜理事長がポツダム宣言を引用して、中華民国の主権を主張し、一歩も引かぬ姿勢を示した。こうした見解の相違は、まさに両岸に横たわる巨大な氷山のようなもので、汪会長の示した「一つの中国とは、両岸同胞が共同で成し遂げた将来の統一された中国」という理想が実現するには、双方が歴史的経緯と現実をともに考慮し、双方の主権と統治権を保障する妥協案を探らねば、氷山を打ち砕くことはできないだろう。

 辜理事長は出発前に、今回の訪問を「破氷の旅」と表現していたが、現地で「融氷の旅」と改めた。これは辜理事長が、上海と北京における大陸側との接触を通して得た認識であろう。確かに、両岸関係は長い間氷に閉ざされており、敵意がなおも存在している。辜理事長が示した誠意によって、両岸には雪解けのムードが生まれてはいるものの、双方の基本的な意見の相違は明白であり、本当の雪解けには、まだかなりの時間と、多くの忍耐や誠意が必要である。両岸が善意の対話を続け、交流により相互信頼を積み重ねていかないかぎり、雪解けは訪れないのだ。

 われわれは、辜理事長一行の今回の大陸訪問における苦労と成果を高く評価すると同時に、この成果が両岸の前途にとって、重要なきっかけとなるよう願っている。


経済・貿易で両岸の未来を開け
『工商時報』10月19日

 辜振甫理事長率いる海峡交流基金会の大陸訪問は十月十八日に全日程を終えた。わが方はあらゆる機会をとらえて、わが国の政治的立場を中共指導者の前ではっきりと表明し、このことだけから見ても、今回の訪問は、大きな任務を果たしたと言えよう。しかしその一方で、両岸の政治的隔たりの深さやイデオロギーの違いが明白となり、わが国が期待する「雪解け」の実現には、まだかなりの時間が必要であることが明らかになった。よって、政府は今後、より実務的で長期的視野に立った大陸政策を再構築する必要があろう。

 今回の大陸訪問における各会見において、わが方は中華民国の主権と地位を厳正に表明し、わが国の外交活動に対する中共の圧力に強い不満を示すとともに、わが国の政治民主化の経験と大陸の民主化に対する期待を述べた。これらの発言の目的は、言うまでもなく、世界中のメディアが注目するこの機会を利用して、わが国の被っている不公平な待遇を国際社会に正視させるためである。こうした戦略は、確かに両岸の立場の違いを際立たせ、双方の争いを激化させかねない。しかし、国家主権といった重要な問題においては、表面的な友好ムードによって問題の本質をあいまいにすることはできず、今回、わが国の立場をはっきり表明したことは正しい方法であり、国民はこれを支持すべきだろう。

 基本的に、われわれは、両岸の関係者が今回「辜汪会見」を実現させたことは、双方の誠意の結果だと考えている。両岸の緊張関係は、双方にとってマイナスであり、さらに米国からの無言の圧力もあったため、対話の回復によって緊張状態を打破する機会を探ることは、両岸双方にとっての政策となっていたのだ。しかし、両岸の立場の違いは実際のところ大きく、わずかばかりの誠意でその溝を埋めることは不可能なようだ。

 つまり、今回の大陸訪問によってはっきりしたことは、両岸問題の解決には、たとえば一世代といった長い時間が必要だということだ。両岸が真に平和的統一の交渉を始めるには、大陸の政治民主化の実現と、中共当局が中華民国の主権を認めることが前提となるが、この二つは決して短期内に達成されるものではなく、とくに主権問題は、民族主義のイデオロギーに関わるだけに、民主化の実現以上に難しい。このため、ほぼ一世代にわたる時間を経て、大陸住民の考え方が柔軟にならないかぎり、大陸当局が主権問題で譲歩することはないだろう。

 このように考えると、大陸側の強硬な対台湾政策にも、台湾住民の現状維持を求める姿勢にも、今後しばらくは変化があるとは考えられない。こうした状況に対応するためには、わが国の大陸政策は、これまで以上に広い視野を持つべきであり、多元的かつ高いレベルでの交流によって、大陸住民のわが国に対する理解と支持を獲得するとともに、両岸の優劣の比較を通して、大陸の政治体制の民主化を促し、さらに中華民国の主権問題に対する承認と尊重を引き出すべきなのだ。そうしてこそ、将来の国家統一の過程において、わが国が主導者および受益者となる大きなチャンスを得ることができるのである。よって、われわれは、政府に対して、両岸交流の制限を緩和するよう求めたい。

 また、両岸の経済交流とくに大陸への投資が政治問題になっているが、われわれは、経済貿易立国である中華民国が、開放的な自由経済貿易の枠組みの中で力を発揮するために、政府が大陸投資の制限を緩和し、両岸の直接通航を実現させるよう望んでいる。台湾の安全については、台湾が独立を求めず、米国と緊密な関係を維持し、一定の国防力を保持するかぎり、確保できるはずだ。 

お 知 ら せ
     
中正堂会館映画鑑賞会

●十一月の上映予定  中正堂会館では、毎月一回第三土曜日午後一時半より映画鑑賞会を開いています(入場無料)。

日時 11月21日(土)午後一時半~

☆記録映画「台湾婦女」
☆劇映画「校樹青青」

監督:蔡揚名 出演:任達華、蕭紅梅、楊貴媚(英語・中国語字幕)

[一九五五年、貧しい農村「水尾」に赴任してきた献身的な女性教師、ホンメイ。最初は満足に机もない状態にとまどうが、村人と力を合わせてついに小さな学校を作り上げる。完成の日、子供たちは教室の前に一列の木を植え、ともに成長していくことを心に誓うのだった]

会場 中正堂会館地下一階(港区南 麻布5-10-25 ℡03-3473-2333) 日比谷線広尾駅三番出口徒歩一分


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中華民国(台湾)電影会・大阪

●11月上映会

 『恋恋風塵』'87年 110分

  監督:侯孝賢 脚本:呉念真、朱天文 主演:王晶文、辛樹芬(英語・中国語字幕)

[鉱山の町・九(人+分)で育った幼なじみの少年と少女。やがて台北に働きに出た二人は、励まし合ううちに淡い恋心を抱くようになるが、少年が兵役で金門島に配属され離ればなれになったことから、悲しい別れが訪れる。青春の甘くせつない思いを繊細に描いた侯孝賢監督の代表作。先頃亡くなった布袋戯の「大師」李天禄氏が祖父役で映画初出演したことも話題になった一作]

日 時 11月14日(土)午後6時半~

会 場 大阪市立北市民教養ルーム 大阪市北区茶屋町1-4 梅田・阪急イングス裏 ℡06-371-1833

会 費 五百円(ウーロン茶つき)

問合せ 亜細亜電影迷倶楽部 ℡0798-67-2300(前田) asiafilm@mxi.meshnet.or.jp

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柴原雪作品展

 台湾の風景を描き続ける女流画家の新作展。今回は、ヤミ族の住む離島、蘭嶼島の風景を描いた作品が出展されます。

日時 11月16日(月)~11月22日(日)   午前11時~午後7時[最終日は午後5時まで]

会場 東京ロイヤル美術館(中央区銀座5-5-1ニュウ千疋屋ビル8F ℡03-3572-1588)

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中国語スピーチコンテスト 第13回日本アジア航空杯

[東京大会]11月25日(水)

会 場 有楽町電気ビル北館19F(JR有楽町駅)
問合せ 日本アジア航空広報室 ℡03-3284-2672

[沖縄大会]11月28日(土) 

会 場 国場ビル10F 
問合せ 日本アジア航空沖縄支店 ℡098-861-1261

[大阪大会]12月5日(土) 

会 場 三井ガーデンホテル大阪
問合せ 日本アジア航空大阪支店 ℡06-223-2121

 ※出場資格は、ともに中国語に興味を持つ日本国籍の大学・短大・専門学校生。但し中国語圏に半年以上滞在したことのある者は不可。 

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第1回日台シンポジウムとツアー 「近代日本と台湾」

 日本社会文学会では、近代日本文学を地球的視野から考察する事業の一環として、12月25日・26日の両日、台北の台湾大学法学院(法学部)において、台湾の学者や作家と共同で日台シンポジウム「近代日本と台湾」を開催します。シンポジウムに続いて、27日から「日本植民地時代の台湾」を訪ねるツアーも同時におこなわれ、ただいま参加者を募集中です。

 [シンポジウム]

12月25日(金) 9時~17時「近代の日本と台湾」
12月26日(土) 9時~12時「《皇民化》と日台文学」
       14時~17時 研究発表

会場 台湾大学法学院国際会議場

[日程と費用]

①シンポジウム参加のみ

十二月二十四日(木)~同二十七日(水)〈現時点費用概算11万円〉

②「日本植民地時代の台湾」を訪ねるツアー1

十二月二十四日(木)~同三十日(水)

 シンポジウム参加後、台中、霧社、台南、高雄、恒春、澎湖島を訪ねる。 〈現時点費用概算17万円〉

案内人(特別講師):又吉盛清氏(沖縄近代史研究家、浦添市民会館館長)

③「日本植民地時代の台湾」を訪ねるツアー2

十二月二十四日(木)~同三十日(水)

 シンポジウム参加後、台中、霧社、台南、台東、花蓮、宜蘭を訪ねる。(台南以後のコースに多少変更の可能性あり)〈現時点費用概算17万円〉

※①~③とも、出発地は羽田・名古屋・関西・福岡・沖縄。費用には、食事、宿泊(二人一部屋)、台湾国内の交通費を含む。

申し込み締切 十一月末日 

問い合わせと申し込み

 日本社会文学会地球交流局(浦安市高洲14-2-4-401 西田勝・平和研究室気付) ℡/Fax 047-381-4595    (月・木・金/10時~17時)

春夏秋冬

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 国のために戦うとき、兵士は生命を危険にさらして戦う。それを人々は称賛し、尊敬もする。かつて日本でも、殊勲の手柄を立てた人は金鵄勲章をもらい、特攻隊は軍神となった。もちろん今の時点で言えば、戦争そのものに問題ありとして、それらへの評価も大きく変わったが、自己の身の危険を顧みず敢然と戦った人々を尊ぶという本質的な観念は、今も昔も変わりはない。それへの見方が時とともに変化するのは、解釈が時代によって異なる政治や戦争の場合だけだろう。

 これが新聞記者の場合ならどうだろう。かれらにとって取材現場は戦場である。そこで真実を追求し、それのソースを見極め、それを報道しようとして戦死(追放あるいは逮捕)を遂げたとき、新聞社としてはその記者に金鵄勲章を授け、二階級特進させるべきである。この価値については、戦前も戦後も、そして将来も変化はないはずだ。またそうしてこそ、新聞社としての権威は上がり、読者の信頼感も高まることになる。このことを、新聞社の経営トップには確と見極めていただきたい。

 十月上旬のことだが、読売新聞の北京特派員が北京当局に「違法な手段……云々」によって国外退去処分を受けた。もし経営トップが信賞必罰を誤り、この記者を北京当局と不要な摩擦を起こしたとして左遷したり、第一線から退かせたりしたなら、新聞社としての権威を損ない、他の記者の士気にも影響を及ぼすことになろう。

 また、この処分は北京が国際人権B規約(市民的、政治的権利)に調印した直後のことであり、このことからも北京の人権や報道への姿勢がうかがわれる。

 もし、外国の政府と取材や報道内容によって問題を起こすことを恐れる新聞社があったなら、それはその国のみならず、世界の平和にとってもマイナス要素にしかならないだろう。その意味からも、本コラムは取材の制限された共産主義社会にあって身を挺して職務に励み、そして当局より処分を受けた読売新聞の中津幸久記者を高く評価するものである。

 中津記者の追放処分が発表された十月七日、報道の自由を守るための活動をつづけている国際組織「国境なきリポーターたち」(国際部門事務局、パリ)は間髪を入れず江沢民に対し、「報道の自由に対する極めて深刻な侵害である」と抗議し、中津記者の処分取り消しを求めた。さらに米ニューヨークの民間団体「ジャーナリスト保護委員会」も翌日には、同処分を「国際人権B規約に反する」との抗議文を江沢民の手元に届けた。当の日本でこうした動きの見られないのは残念であり、不思議でもある。        
(JC)