台湾週報2148号(2004.6.24)
呂秀蓮副総統が中米三カ国歴訪
往復に米国通過「人権と科学技術の旅」
呂秀蓮副総統は5月28日から6月10日まで、中米のエルサルバドル、コスタリカ、グアテマラの三カ国を歴訪し、往路に米国のラスベガス、復路にサンフランシスコに立ち寄った。今回の外遊は「人権と科学技術の旅」と名付けられ、エルサルバドルではサカ大統領の就任式に列席したほか、コスタリカでは「最高人権闘士賞」を、またニューヨークでは米議会人権連盟による「人権賞」を授与されるなど、多大の成果を収めた。
●「人権と科学技術の旅」へ
五月二十八日午後、呂秀蓮副総統は「人権と科学技術の旅」と銘打ったエルサルバドル、コスタリカ、グアテマラ中米三カ国訪問の外遊に出発した。桃園国際空港での記者会見で呂副総統は、往復ともに米国に立ち寄ることを明らかにし「総統選挙以来、国内外の情勢は流動的だが、米国務省は台湾の米州国際機構へのオブザーバー参加を支持すると表明するなど、中国の強硬な発表とは大きく違っている」と、台米関係が強固であることを強調した。
一行には黄志芳・総統府副秘書長、黄瀧元・外交部次長、李雪津・新聞局副局長、総統府科学技術諮問委員会委員四名、同人権諮問委員会委員四名が随行した。
一行は二十八日、ロサンゼルスでウイリアム・ボーウェン米国在台協会委員長の出迎えを受けたあと、最初の宿泊地であるラスベガスに向かった。この旅程は総統選挙後、台湾首脳部の最初の米国通過となる。
最初の正式訪問国エルサルバドルには五月三十日に入り、翌三十一日にサカ・エルサルバドル新大統領の就任式に、他の国家元首とともに列席した。式典会場で呂副総統の席はラゴス・チリ大統領の隣となり、呂副総統はラゴス大統領に台湾海峡の状況、ならびに台湾が各種国際会議に積極的に参加することを国策としている点を説明すると、ラゴス大統領は「今年のAPECはチリがホスト国になるが、台湾の参加を希望する」と表明した。また、サカ大統領に今年八月に台湾で開催される第二回「民主太平洋大会」への参加を要請すると、サカ大統領から「台湾を訪問したい」との表明があった。
第二の正式訪問国のコスタリカには六月二日に入り、同国政府首脳および議会関係者との一連の会見のあと、コスタリカ大学で科学技術による経済発展と自然保護、人権に関する講演を行い、同大学から「最高人権闘士賞」を授与された。
最後の正式訪問国グアテマラには六月四日に入り、同国政府から元首クラスに授与される「大十字国鳥勲章」を授与された。呂副総統はこれら三カ国首脳部と自由貿易協定の締結交渉について話し合い、いずれも一定の進展を見た。
復路の通過地となるサンフランシスコには六月七日に到着し、米議会人権連盟から「人権賞」を授与された。帰国は六月十日であった。
《台北『自由時報』6月1~11日》
●帰国記者会見で新たな提唱
帰国翌日の六月十一日、呂秀蓮副総統は今回の「人権と科学技術の旅」について記者会見し、要旨つぎのように述べた。
○ ○ ○
今回の外交活動は、オーケストラの精緻な演奏であったと言える。政府各セクションが連携し協力し合った結果によるものであり、私はただ指揮者のタクトを振っただけだ。この外遊が滞りなく進み成果を収められたことを、まず各関係セクションの方々に感謝したい。
この外遊は、私が各国を訪問した以外にも、総統府人権諮問小組と科学技術諮問委員会の委員もそれぞれ各国を訪問し、豊富な成果を上げることができた。米国を通過した際には、充分に行き届いた待遇を受け、ラスベガスでは大掛かりな警備陣のようすが観光客の注目を集め、サンフランシスコでは三十七台の先導白バイが市民の目を引いた。サンフランシスコで投宿したホテルはフェアモントホテルだった。かつてそこで国連憲章が調印された歴史的由緒のあるホテルで、ホールには調印四十七カ国の国旗が飾られ、中華民国の国旗もそこにあった。これ以外にも、私の滞在中、大広間に米国国旗と中華民国国旗が掲げられていた。まさに「春の水の温み、鴨が先に知る」のたとえ通りで、これら一連の光景は、わが国と米国の関係が友好であることを示すものであった。
わが国と国交がある友好国は中米に集中しており、われわれは太平洋を通し、グローバル化と地域化の観点から新両岸関係の運営を考えなければならない。地域的国際機関の面では、欧州連合に二十五カ国が集まり、すでにグローバルな基盤を持つ地域連合組織になっている。南北アメリカ大陸においても地域連合が趨勢となり、すでに中米共同市場と米国、カナダ、中南米諸国が加盟する米州機構があり、特に後者の規模は欧州連合に匹敵するほどとなっている。わが国は現在中米共同市場のオブザーバー加盟国となっており、将来的にはこの組織内で積極的に各種役割を担い、南北アメリカの国際組織において十分な影響力を発揮するようにならなければならない。
わが国と中米諸国の関係は歴史的にも深いものがある。現在、中華民国と中米諸国は二年ごとに定期的にサミットを開催しており、それは中米とわが国で交互に開き、昨年はわが国で開かれた。このほか、中米各国から組織される副大統領フォーラムも昨年、中華民国副総統を永久オブザーバーとして参加招請する決議をした。これらのことから、わが国の今後の外交方針として、次の五点を強調したい。
一、外交活動には地域統合の観念が必要であって、各自がそれぞれ勝手に振舞うべきではない。今後、現地の言語と文化に成熟した無任所大使を任命し、当地駐在機関と協調し、広範な外交活動を展開する。
二、企業の米州進出とその地での起業を奨励する。国内の人口密度は高く、地価と労働コストが年々上昇している。このため多くの産業が海外に移転しており、とくに現在は中国に多くの企業が進出している。だが中国と台湾の関係が正常化していない今日、台湾企業の中国での保障はない。タマゴを一つのカゴにばかり入れるものではない。したがって各企業が米州に進出し、グローバルな布陣をするように奨励する。
三、「相互利益の外交政策」を推進する。わが国と国交のある国々は国情も発展の度合いも異なり、これら友好国への相互協力、支援政策もそれぞれ異なっていなければならない。たとえばエルサルバドルは土地が肥沃であり、だから当国の農村青年の教育を進め、わが国が各種技術を提供し、国際農場方式をもって開発のモデルを示すのが得策である。コスタリカはわが国の科学技術の発展に強い関心を示しており、われわれは台湾経験をもって同国のネット化推進に協力すべきだ。グアテマラは唯一無二のマヤ文化を持っており、世界文化遺産にも登録されている。われわれは国内の各機関、専門家に呼びかけ、この世界的遺産の保存に協力すべきである。わが国はすでに民主主義の具現、平和と人権擁護のほか、科学技術と文化の発展についても国際的な評価を得ており、台湾を今世紀における世界の模範国としなければならない。
四、「ラテンの心情、台湾の愛」の活動を継続推進する。中米諸国の台湾に対する理解は深く、わが国の中米諸国に対する理解度はまだ浅い。したがって双方大学生のメール交換、中米の著名劇団・音楽グループの台湾での公演、中米農産品の台湾での定期的展示会、わが国国民の中米観光奨励などの交流強化を具体的な方法で推進、拡大する。
五、「愛をラテンアメリカに送る」活動を展開し、中米の子供を台湾で養育することを奨励する。
【総統府 6月11日】
台湾企業は世界を視野に投資すべき
中国に対する過度の投資リスクの分散を呼びかける
●制裁は中国みずから墓穴を掘る
中国当局はさきごろ「人民日報」に、台湾の奇美実業グループ・許文龍総裁に対し「緑(政府民進党を支持)の企業を歓迎しない」と名指しで表明するなど、このところ大陸に進出している台湾企業に対する圧力を強めている。こうしたなか六月三日、中国政府が管理する主要ウェブサイト「中国網」に、「緑の台湾企業の金儲けと台湾独立を止めさせる! 」と題する、およそ二千字に及ぶ署名記事が掲載された。記事は「台湾の昨年の経済成長率は、もし中国への輸出分を差し引いたら二%下がっていただろう」と指摘し、さらに「台湾製品の輸入を禁止する措置を講じる可能性がある」と述べ、今後台湾に経済制裁を行うことを示唆する内容となっている。
これに対し葉明峰・行政院経済建設委員会副主任委員は「問題の文章の作者は全体経済、国際貿易の原理をまるで理解していないようだ。グローバル化、地球村という概念は、各国の相互連動が活発になればなるほど双方に利益をもたらすというものだ。もし強制的にある国に対し貿易を封鎖したら、相手国のみならず自身も害を被ることになる。中国はこの十五年間、台湾企業による大量の資金投入と技術移転があってはじめて貿易を拡大し、産業を振興できた。それはひとえに両岸の相互連動があったからこそであり、もし台湾に経済制裁を行ったら、中国経済は二十年前に後退し、改革開放以前の孤立と封鎖的状況に立ち戻るだろう」と批判した。
また葉副主委は「この文章は政治的、情緒的な内容で、綿密な政策に基づいたものではなく、まして経済専門家のものとは思われない」と指摘したうえで、「両岸はともに世界貿易機関(WTO)に加盟しており、もし中国が台湾製品にボイコットなどを行えば、ただちにWTOを通じて告訴できる」と述べた。
さらに顔慶章・WTO駐在代表は「そもそも特定の国やメーカーに対しボイコットするのはWTOのルールに反する。それは中国の産業にも打撃となることは明らかであり、その意味で中国は台湾に制裁を加えないだろう」との考えを示した。しかし「中国が台湾企業に圧力をかけるのは容易であり、たとえば税務調査や行政面での干渉、心理的な圧迫などはWTOのルール違反とはならない」と述べ、「企業は合理的なリスク概念を持ち、ビジネスだけでなく政治的リスクについても考慮すべきだ」と呼びかけた。
●国台弁は制裁論を否定
中国が台湾に経済制裁を実施するとの噂について、侯貞雄・台湾工業総会理事長が中国の国務院台湾事務弁公室の何世忠・経済局長に直接内容の真偽について問い合わせたところ、「事実ではない」との返答があり、さらに中国側は「両岸の正常な経済交流への影響を避けるため、緑の台湾企業の大陸投資を歓迎しないなどの言論は今後行わない」と強調したという。
《台北『自由時報』6月5・6日》
●新興市場は中国に引けをとらず
陳水扁総統はさきの総統就任演説で、両岸の平和構造の確立を強調し、中国に対し融和の姿勢を示した。しかし中国は依然台湾への恫喝を止めず、最近はとくに台湾企業への圧力を強め、中国自身も「加熱した国内投資の抑制」に乗り出しており、中国市場のリスクはますます高まっている。
こうした状況について尹啓銘・経済部政務次長は六月五日、「中国の最近の圧力は短期的なもので、長期的な台湾政策に影響するものとは受け取っていない」としながらも、「台湾企業の過度の中国投資リスクが顕わになった」と指摘した。また「中国は『同文同種』の気安さから投資先の筆頭に挙げられるが、他の新興市場も中国に引けをとらない。東欧の労働力は中国と同じくらい安く、しかも労働者の質は中国よりはるかによい」と述べ、企業のリスク分散を奨励するため、今後インド、東欧、ベトナムなどの新興市場への投資を積極的に支援し、今年それらの地域へ数回に分けて投資開拓視察団を派遣する考えを明らかにした。
●ベトナム:外資企業に対する支持と安定度が高い
こうした「市場リスクの分散、世界視野での投資」は実は以前から叫ばれてきたことである。多くの台湾企業が中国にばかり目を向けるなか、早くから別の新興市場に積極的に投資を行い、成功を収めている台湾企業も少なくない。とくにベトナムは外資のなかで台湾企業が最も多く、また成果の著しい地域の一つだ。
「毎日増産、増産。もうかったらまた増産。忙しいったらありゃしない」と、ベトナムで車輪の免振装置を製造している越南開発工業公司の社長・陳福村さんは自慢気に話す。九三年に現地に工場を建てたが、目標の生産量にはおぼつかず、当時の生産台数は月二千台に過ぎなかった。場所も辺鄙な場所にあったため外部との接触が少なく、また企業経営という圧力もあり、三年間は苦難の日々が続いた。しかし二〇〇〇年を境にベトナム経済が上向き、オートバイ市場が開放されてから利益が出るようになった。ここ数年はニーズに応えるため毎年増産を繰り返しており、現在生産台数は月五万台だが、年末にはさらに八万台に拡大する予定だという。
同社は中国に三カ所、インドネシアにも一カ所工場を持つが、ベトナムの成績が一番いいという。中国とベトナムとの違いを尋ねると「とにかくベトナムは政府も人びとも台湾企業を大切に遇する。中国も儲かるが、利益がすべて自分たちの手に入るとは限らない。ベトナムは中国に比べてビジネス条件や環境が安定している」と話す。
また、同じベトナムでわずか三年間に好成績をあげた中誉精密圧鋳公司社長の張琇梅さんは「ベトナムは原料の加工から輸出まで二百七十日以内であればすべて免税となるが、中国は先に一七%の関税を払い、製品を輸出したあと戻るのは九%に過ぎない。しかも期日通りに戻されることはなく、ほとんど延期。それも『黄河の大洪水に伴う人びとの救済』などという、都合のいい大義名分を付けられて、一方的に寄付扱いされてしまう」と指摘する。
ここ三年間の台湾のベトナムへの投資総額は六十億ドルに上っており、東南アジアで上位を占めている。慶豊銀行ホーチミン市支店の呉豊昌マネージャーによると、ベトナムはサービス業が開放されていないため、現在投資の多くは製造業で、それも労働集約型の伝統産業だという。製造業の八割が黒字経営で、最初二年間は赤字だが、三年目から黒字に転換できるという。
●インド:人口の一、二割が対象でも充分
友訊科技公司の無線LAN製品はインドにおいてシェアとブランドともにナンバーワンを誇る。インドに進出したのは十年前。世界視野での投資を実践している同社は、いまや世界四十二カ国に八十七の生産拠点を持っている。ここ十年間はインドや中東、中南米、東欧、ロシアなどに投資してきた。「インド市場の潜在力は中国に引けをとらないが、貧富の差が激しい社会であるため、電子製品を購入する人口は少ない。それでも全体の一、二割を掌握できれば充分」という。
世界視野で投資を行えば、たとえ一国の政治や経済情勢が変わっても、経営が大きく左右されることはない。つまり、中国に集中的に投資している他の台湾企業のように、中国が威嚇的な言論を発表するたびに株価が下落し、経営が圧迫される心配もなく、しかも各地の資源を相互に融通、利用できるメリットもある。同社は早くからこのメリットを生かし、幅広く効果的な投資を行ってきた結果、現在台湾と欧州でも無線LAN製品のトップブランドに位置するまでに成長した。
●ポーランド:EU加盟で市場拡大に大きな期待
翰福科技公司会長の林春福さんは十年前ポーランドに進出し、現地でコンピュータ周辺機器の一大ブランドを確立した。「海外投資で一番恐いのは政策が予測できないこと。中国は台湾にとって他の外国企業よりリスクが高い。ポーランドの国内総生産は東南アジアや中南米よりはるかに高く、教育水準も高く、しかも労働者の質がよい。二十~三十代の若者は英語を話せるため、コミュニケーションも問題ない」と話す。ポーランドは今年五月、欧州連合(EU)への加盟を果たし、今後市場の拡大が大きく期待できる。
《台北『中国時報』6月7日》
ニュース
行政院が国土計画法を通過
国土改造の将来像を示す
行政院院会(閣議)は六月九日、「国土計画法」草案を通過した。このなかで游錫堃・行政院長は「国土計画法草案の立法化は、わが国将来の国土発展に重大改革をもたらすものである。過去数十年来、台湾は世界が羨望する経済奇跡を創造したが、他方においては自然環境を犠牲にしてきた。このため国土の自然保護と育成の強化と具体的実施は、今日の重点的政策としなければならない。また、今世紀はハイレベルな生活環境の競争の時代でもあり、国際的にも国内的にも、都市と都市、地域と地域が競って地球に優しい環境を追求するようになった。近隣の日本や韓国、それに国土面積がわが国とほぼ同じのオランダなどは、早くから国土計画法を制定し、それに沿った国土計画を推進している。秩序ある開発、自然保護と保育の実施、さらに国際競争のためにも、『国土計画法』の制定が当面の急務となっている」と強調した。
同草案は行政院通過後、ただちに立法院に送付されたが、同法の目的は以下の五項目に要約される。
一、都市部と農村部の土地管理制度ならびに水、土地、森林保育の各行政権の分散を改善し、公開、公平、高効率な国土利用と管理を行う。
二、土地資源の管理、景観保護、防災に関する行政の一本化を進め、公共施設の建設と土地利用、ならびに都市再開発を整合する構造を確立し、国際競争力を高める。
三、地域総合計画の自主性を強め、農業に不適切な土地については、市町村総合発展計画、都市経済の規模、および公共施設管理の機関を通じた有効活用を推進する。
四、自然保護と利用、および管理の必要性に基づき、自然保護地区、農業発展地区、住宅地発展地区に分類し、将来的な土地の保育と利用を指導する。
五、個人の土地所有権を保護し、緊急的な自然保護と育成の必要がある場合は、権利制限に補償をするとともに、現有の土地、建物、施設の合法的使用を認め、国土計画法に合致した使用をするよう指導する。
【行政院 6月9日】
北投士林「科技園区」建設へ
台北にハイテクエリア形成
ハイテク産業の振興が盛んになるなか、内湖科学技術園区、南港ソフトウェア園区に続き、「北投・士林科学技術園区」の建設が五月二十五日、内政部の都市計画審議を通過し、建設用地確保の作業に入った。同部によれば、本園区は建設用地百九十四・二九ヘクタール、ハイテク企業の工場を誘致するほか、従業員の住宅や福祉施設を建設し、近隣に流れる基隆河の河川敷に住民の憩いの場を設けるなど、職住・文化複合型の科学園区を建設する予定だ。同園区が完成すれば、基隆河沿いに内湖、南港園区と連結し、およそ二十キロに及ぶ一大ハイテクエリアが形成されることとなる。
《台北『中国時報』5月26日》
●労委会職訓局が「展翼計画」
企業の求人が集中するハイテク産業に対し、若者に人気の職業がレジャー産業だ。労務委員会職業訓練局は国内のレジャー産業振興のため、十八~二十四歳の高卒以上の就職待機者および大学、専門学校生を対象に、企業と連動した職業訓練策「展翼計画」を推進中だ。昨二〇〇三年には六十九人がリゾート施設などで研修を受け、四十九人が実際に就職した。〇四年は募集数を二百五十名に増やし、七割の雇用率を目指している。
《台北『中国時報』5月12日》
陳総統は両岸対話再開に努力
ケリー米国務次官補が評価
ケリー米国務次官補は六月四日、国会において、米下院国際関係委員会アジア太平洋小委員会での質疑応答に応えて東南アジア情勢について語り、「米国は、陳水扁総統の就任演説を歓迎する。陳総統は台湾海峡の両岸対話再開に努力している」とコメントした。ケリー次官補は陳総統がその演説のなかで、「今政権下においては一方的な行動で現状を変化させることはない」と明言したことに歓迎の意を表し、こうした陳総統の談話は両岸の対話再開にプラスとなる」と述べた一方で、中国が陳総統就任前の五月十七日に発表した声明については「台湾の指導者個人に対する攻撃であり、提案の域を超えている」と指摘した。
ケリー次官補はさらに、「米国は台湾と中国の対話再会を支持するが、台湾海峡問題は平和的に解決されるべきである。中国が武力で台湾を威嚇し、このために軍備拡大することを米国は歓迎しない」と強調した。
《台北『自由時報』6月4日》
環境保護に国家的動員計画
子孫に美しい国土を残す
六月五日は「世界環境デー」だが、台湾でもこの日を「環境デー」と定め、行政院環境保護署は台北市、台北県、台中市、台中県、高雄市、高雄県の海岸、公園などで市民参加による一斉清掃を実施し、全国で三万人を越すボランティアが参加した。
また環境保護署はこの日、「環境保護は世界の願いであり、その活動は子孫に美しい国土を残す良心の工作である」と強調し、「環境保護三年行動計画」を発表した。この計画は本年を起点に二〇〇六年十二月まで実施される。行動内容は「環境基本法」と「国家環境保護計画」を法的根拠とし、「環境保護の啓蒙」「情報の公開と市民参加促進」「環境汚染物の減量」「家庭ゴミの分別徹底」「産業廃棄物の管理徹底」「環境保護国際活動への積極的参加」の六項目が中心となる。環境保護署は「これらの実施は台湾を環境保護先進国に仲間入りさせるものでもある」と述べ、国民に積極参加を呼びかけた。
《台北『青年日報』6月6日》
五月輸出入額が過去最高に
昨年八月以来連続で増加
六月七日に財政部が発表した貿易統計によれば、五月の輸出額は約百五十七億ドルで、昨年同月比三九・五%増、輸入額は百四十五億ドルで同五二・五%増となり、ともに単月では過去最高を記録した。主に香港、中国、米国、韓国、アセアンなどへの輸出入額がすべて二割以上増加したことが要因となった。このうち台湾から香港、中国に対する輸出は、中国の景気過熱抑止策の対象となった鋼鉄、セメント、車部品、不動産などの輸出への影響が少なかったため、マクロコントロールの影響をさほど受けず、五十九億五千万ドルで過去最高となった。また、一~五月までの累計では、輸出額は約六百九十五億ドルで、昨年同期比二五・九%増、輸入額は約六百五十四億ドルで三四・二%増となった。これは主に国際原油価格と原材料の高騰により、輸入額が相対的に高くなったためと見られている。輸出入とも昨年八月以来、連続して増加となっている。
《台北『工商時報』6月8日》
游行政院長が施政方針示す ㊦
行政改革を進め三大建設を鋭意推進
六、科学技術の発展
①国家的科学技術プロジェクトを推進し、刷新能力を高め、民生関連の福祉を増進する。科学技術の人材育成を強化し、科学技術および専門家の裾野を広げ、研究開発の陣容を増強する。
②基礎研究を強化し、ハイレベルな研究チームを育成する。研究成果の商品化を推進し、科学技術産業の新体制を確立する。
③科学工業団地の建設と運営を強化し、北・中・南部のハイテク産業集中地の発展を期す。
④人文社会科学の研究を強化し、社会生活を主軸とした科学技術の発展を進め、社会生活と科学技術の調和を促進する。
⑤積極的に国際科学技術組織に参加し、国際的研究協力を強化し、両岸の科学技術交流を促進する。
⑥核エネルギーと放射能の安全技術を向上させ、核の安全強化を図る。放射能の防護と監視、管制、検査を確実に実施する。放射性物質の安全管理を厳にし、放射性廃棄物の最終廃棄措置を監督する。
七、文化建設
①民間の活力と結合し、文化の内容を充実させる。文化遺産保存意識を啓蒙し、国民の文化遺産に対する保存と活用へのコンセンサスを高める。世界文化遺産保存の動きと共同歩調を取る。
②地域の総合運営を推進し、地方文化産業の振興を図る。特色と創意と永続的経営能力のある地方文化センターの設立を指導し、文化の草の根工作を推進する。
③社会科学技術と経済の結合を促し文化創意産業の発展を期し、関係人材の育成を進め、創意芸術および生活工芸産業の振興を促す。
④演芸の環境を改善し、舞台芸術産業の発展を奨励する。優れた舞台芸術グループを育成し、精緻な演芸活動を奨励し、伝統芸術の復活再生を進める。
⑤ネット文化建設を進め、中央と地方の演芸舞台の連結を図り、文化ネットワークを形成する。
⑥国民の文化的素養を高め、文化芸術活動への市民参加の比率を高め、生涯学習の生活文化を確立する。文化活動の専門的人材の育成を強化し、専業者のレベル向上を図る。
⑦文学、文物、史料の保存を強化し、台湾文化史の国際的研究センターを設置する。映画産業の科学技術化、企業化、国際化を進め、映像音響産業の相乗効果を促す。テレビ電波不良地域を解消する。本土の優良な出版物発刊を奨励し、創意ある人材を育成し、台湾を華文出版産業の中心地となす。
八、法 務
①公的機関の効率を高め、公権力を公正に行使し、個人情報の保護を強化し、人権の侵害を防ぐ。
②暴力組織と金権政治排除のための法整備を貫徹し、暴力組織、贈収賄の排除を徹底する。薬物犯罪、国土破壊、経済犯罪、ネット犯罪、金融犯罪の阻止、知的財産権保護、社会的弱者保護を強化する。
③捜査不公開の原則を護り、強制捜査の審査を厳重に行う。被告の司法人権擁護を強化する。検察官の法廷立会いを全面実施し、公訴制度とともに当事者の訴訟権を確保する。矯正機関の設備と収監人員の医療問題を改善し、収監者の人権を保障する。
④人権立国の理念を具体化し、人権法の研究を促進する。
⑤教戒工作を強化し、教化の効果を高める。仮釈放の審査を公正に行い、再犯の発生を減少させる。犯罪被害者の保護を確実に行う。
⑥議員の財産申告制、利益衝突の回避、政府情報公開などの法整備を進め、健全な機関によって汚職を絶つ。汚職を鋭意捜査し、透明な政府を樹立する。
九、経済建設
①新第一期国家建設四年計画(二〇〇五~〇八)推進を検討し、「挑戦二〇〇八年:国家発展重点計画」の目標を逐次達成する。「新十大建設」の推進を加速し、文化、教育、交通、科学技術、水資源など各領域の充実と発展を促す。
②知識集中度を高めて就業の効果を拡大し、国際競争力を持ったサービス業発展を奨励し、市場と科学技術との結合を進め、知識型サービス業の二〇〇八年における実質成長率八%の目標を達成する。
③国際ネットと連結した研究開発体系を整え、台湾を国際的新研究開発センターへと発展させる。重点産業の発展を推進し、量販ルートを確立し、台湾を国際的高付加価値産業の生産地となす。
④国際経済組織に積極的に参加し、自由貿易協定調印活動を強化する。台湾製品のイメージを高め、国際的な市場開拓を支援する。
⑤対外広報活動を強化して外資の台湾投資を促す。企業の投資リスク分散を積極的に支援する。
⑥優秀な中小企業発展の環境を造成し、中小企業の創業のベースを確立する。中小企業融資保証業務を強化し、地方の特色と地域企業の発展を促し、中小企業の競争力を高める。
⑦対中投資における「積極開放、有効管理」政策を貫徹し、もって台湾に根を下ろし、世界に進出し、互恵の目標を達成する。WTOの構造下に両岸経済交流を促進する。
⑧国営事業の企業化経営を強化し、適切な企業規模に調整する。国営事業の民営化を促進する。
⑨河川の管理と防災、環境保護を強化する。水資源の多元的経営と保全を強化し、水資源の開発を継続し、弾力的な水配分を行い、水資源利用の効率を高める。
⑩知的財産権保護を徹底し、国際知的財産権との情報交換を強化する。
⑪公正取引制度を完備し、公平な競争の環境を確立する。公正な取引への妨害行為を厳密に取り締まり、市場の秩序を維持する。
十、農業建設
①農地取得と使用の制限を緩和し、低金利融資を実施して新型農業の発展を奨励する。農業バイオ園区を設立し、農業科学技術の刷新と成果の商品化を強化し、農業の科学技術化、企業化、国際化を促進する。
②良質米と有機栽培を広め、台湾の特色ある優れた農産品を広める。コメの輸出入管理を強化し、コメの等級別分類と検査制度を強め、食料の安全と品質を確保する。
③台湾漁業の国際化を進め、漁業大国に向かって邁進する。沿岸と近海の環境を改善し、漁業資源を確保する。優良な繁殖施設の建設を奨励し、栽培漁業の発展を促す。多機能漁港を建設し、海岸レジャー区を設け、漁業経営の新方向を開拓する。
④畜産の統合経営を進め、高効率で付加価値の高い流通体系を確立する。牧畜による土壌汚染を防止し、農業資源の再利用を増進する。動物愛護の制度を設け、動物保護を進める。
⑤農産品流通の健全化を進め、残留薬品検査を強化し、肉類の衛生検査を確実に実施し、優良商品名の確立を指導し、認定ラベルへの信頼度を高め、安全イメージと国際競争力を高める。輸入農産品検疫と原産地証明の審査を強化し、海外からの疫病流入を防ぎ、国民および国内動植物の安全を確保する。
⑥現代的農産品流通システムを構築し、国際流通を強化し、農産品の輸出入検疫の新技術を開発し、輸出向け産品の発展を期す。輸出向け産品専用区とその拠点を設け、産品への信用を高め、海外市場開拓を奨励し、台湾産品の国際イメージと知名度を高め、農民の収入増加を図る。
⑦健全な農業金融構造を確立し、農業の金融秩序を維持し、農業と農村の発展を促進する。農漁会の連携を指導し、サービス効率の向上を促す。農田水利会の多角的経営を奨励し、財務の自主性向上を促す。
⑧農村新生活圏の建設を推進し、産業と文化の結合した地域発展を促し、生態保護とレジャーなど多機能な生活圏を目指し、レジャー農業の発展が地域農業の発展を誘導する状況をつくり、就業の機会増大と農村経済の振興を図る。
⑨農地の水資源管理を強化し、緑化を推進して水質の汚染を防ぎ、水の利用効率を高める。農業用水の調整を健全化し、給水サービスを拡大し、民生の需要、産業の発展、環境の維持を考慮する。
⑩水と緑による緑地拡大を促進する。遊歩道、林業文化園区、森林レジャー区を整備し、森林健康の旅を奨励する。中央山脈の保護区経営管理を強化し、生物の多様的保護、育成を実現する。
⑪生態工法を応用して山地防災を強化し、土石流と崩落の防止を進め、生育の環境を保護する。防災技術を強化し、流失地の復元を進める。山地の整備を強化し、地質の保護を進め、保安林の管理を強化し、水資源確保と国土の保全を増進する。
十一、交通建設
①地域交通と台鉄のスピード化を推進する。台北都市部の内湖、新荘、松山、蘆洲、信義、空港および環状線、台中都市部の緑線、高雄都市部の紅橘線および臨港環状線など、都市交通システムを完成させる。高速鉄道各駅とバイパスの建設を推進する。
②国道四号線の豊原―大坑間、台中生活圏の四号道路、国道六号線の南投までの延長、国道八号線と西浜公路の連結、東部国道の蘇澳―花蓮間、東西快速公路の八里―五股間の道路を建設する。
③高雄港沿岸コンテナ・センターとバイパス網を建設する。台北港を建設し、自由貿易港区を開設し、域外海運センターの機能を拡大する。
④航空安全検査制度を強化し、空港サービスと機能向上を図る。民間参加による桃園国際空港貨物ターミナルの建設を促進する。国際航路を拡大し、国際航空網の健全化を促す。
⑤通信業務の自由化を推進し、公平な競争の環境を確立する。インターネット活用を加速し、電信技術センターを設立する。通信の有効管理を進め、ラジオ、テレビのデジタル化を推進し、国際通信交流と技術協力を強化する。
⑥中華郵政公司の改革第二弾を進め、経営効率と競争力を高める。郵政資金による公共建設と民間投資への有効活用を図り、郵政の増収を促す。
⑦観光客倍増の目標を達成し、観光地とその周辺地域の整備を強化し、国際観光宣伝を推進する。
十二、公共業務
①発注窓口の一本化と集中発注および事務電子化を継続推進し、事務機能の効率化を進める。公共物購入の公開、透明化を進める。
②公共物購入の制度化、現代化、国際化を促進する。建設産業の国際競争力を高める。
③公共建設への民間参加を拡大し、公共建設計画と予算審議の健全化を図り、公共工事を合理的に配分し、公共建設推進の効率化を図る。
④生態工法と資源の再利用を拡大して資源再利用を促し、生活環境の永続性を維持する。公共工事の市民監督制度を設け、公共工事の全面的レベルアップを図る。
⑤公共工事の技術鑑定と情報サービスを行い、紛争の解決を支援し、工事のスピード化を図る。
十三、先住民問題
①先住民の願望を尊重し、先住民自治を拡大し、先住民との新たな関係を具現する。先住民関連の法体系を健全化し、その権益を保障する。先住民認定の機関を設置し、各エスニックの共栄を実現する。ミクロネシア語系国家との交流ベースを設立し、国際交流を促進する。
②先住民教育を強化し、就学前の教育を普及させる。先住民学校を企画し、先住民教育体系を確立する。先住民地域のデジタル格差を縮小する。先住民言語を振興させ、その歴史文化を再興させ、エスニック文化活動を推進し、地域多元文化の協調を促進する。
③先住民の働く権利を保障し、その技能を向上させ、積極的に就業指導を行う。先住民の保健衛生を啓蒙し健康保険への加入を指導する。先住民家庭の児童、高齢者、女性福祉を強化し、民生問題を改善する。
④先住民地域の自然保護、開発、活用のメカニズムを確立し、先住民の地権を保障する。先住民の伝統的主権を尊重し、その土地調査を推進する。先住民の保留地と土地利用問題を解決する。
⑤先住民の特色ある産業を興す。先住民地区の産業、文化、自然景観を結合させ、地場産業と観光産業の発展を促進する。先住民地域のインフラを改善する。
十四、客家問題
①台湾南北客家文化園区(苗栗と六堆)を設置する。各地の客家文化センターの連携を強化し、客家文化の振興を図る。
②客家語教育を推進し、客家語が公平に使用できる環境を創造する。客家語のテレビ番組の拡充を継続し、多元的文化交流を促進する。
③客家地域の復興を進め、特色ある文化的付加価値のある産業を発展させ、農家の経営転換を指導し、就業の機会増大を推進する。
④客家地域の人材育成を図り、多元社会の発展を期す。客家関連の基礎資料調査と研究を進め、その知識体系の発展を促進する。
⑤エスニック文化の国際交流を促進し、世界客家文化の結合を主導し、台湾を世界客家の中心地となす。
十五、蒙古、チベットと華僑
①モンゴルおよびモンゴル族居住地域との交流を拡大し、大陸モンゴル族地域との民間往来を推進する。チベット亡命機関との相互連動関係を拡充する。
②海外華僑との連携サービスを拡大し、華僑の団結と政府支持を促進する。華僑の公共行政への参加を奨励し、相互連携を拡大する。
③海外華文教育を推進し、「認識台湾」など郷土文化の教材を充実する。海外青年の帰国修学を指導し、子弟の台湾留学を奨励する。
④華僑の台湾投資を奨励する。華僑組織を強化し、その力を結集する。華僑の貿易人材を育成し、海外での力を拡充する。
十六、両岸関係
①国際および両岸関係の進展を見極め、国内の民主主義の深化および中国の安定と発展を求めることを前提とし、両岸の対等交渉を通し、平和安定の両岸相互連動メカニズムを構築する。
②経済のグローバル化とブロック経済形成の趨勢により、両岸経済関係の正常化を推進する。大陸居民の経済活動、観光などによる来台を拡大する。両岸直航と関連貿易交渉を推進する。
③「尊厳対等、開放管理、台湾優先、平和互恵」の原則を堅持し、両岸の直接通信を主軸とし、文化交流を重点とし、政府と民間が連携して積極的に両岸文化交流のレベルを高め、バランスある発展を期す。
④両岸条例を修正し、両岸交流の新秩序を確立し、両岸交流および人員往来の管理構造を確立する。
⑤香港マカオ各界との交流と協力関係を拡大するとともに深め、わが国の駐香港マカオ機関の機能向上を図り、台湾と香港マカオとの良好な相互連動関係を発展させる。
十七、衛生医療
①国民皆保険の永続的発展を確保し、国民参加の構造を強化し、保険体制と法規の健全化を図る。
②IT化と防疫体系の専門化を進める。感染症医療ネットワークを確立し、検疫レベルを高める。国際防疫協力を強化する。
③公立病院の多元的経営を推進し、医療サービスのレベルを高め、安全な医療環境を確立する。地域医療の整合を進め、その保健サービスを強化する。
④医薬品、食品の安全管理体系を確立する。医薬品の検査機能を強化する。医薬品管理制度を健全化し、医薬品消費者の保護を徹底する。
⑤国際医療を重視し、国際協力を拡充する。積極的に国際衛生問題に参与し、WHO加盟を促進する。
十八、環境保護
①環境整備と公害防止を強化し、環境保護と経済発展のバランスを考慮し、国家の永続的発展を期す。
②空気清浄協力費制度と空気汚染総量規制を継続推進し、空気の改善を図る。空気汚染有害物質の減量措置を強化し、環境にやさしいエネルギーを奨励し、石油の品質を向上させ、老朽車両の淘汰を進める。騒音規制を強化する。
③河川汚染防止工作を継続推進し、産業廃水、生活廃水の処理を強化し、ダム、湖、河川の水質改善を継続する。海洋汚染防止と緊急対応能力を強化する。
④廃棄物管理を強化し、その減量を進め、資源再利用を進め、環境への影響を最小限に食い止める。環境保護科学技術園区を設置し、環境保護科学技術を高め、エコ産業の発展を支援する。ゴミ処理施設の管理監督を強化する。
⑤環境影響評価制度を確立し、環境破壊を防止する。国民環境保護の啓蒙を強化し、環境保護モデル地区を設置する。
⑥環境保護の科学技術研究を強化し、国際環境保護との協力および交流を促進する。
十九、労働問題
①就業と職業訓練ネットワークを確立し、就業促進と就業の機会拡大を図る。
②職業訓練と就業斡旋の連携を進め、多元的訓練を運用し、産学と訓練所の連携機能を発揮させ、労働者のレベルを高める。
③外国人専門技能人材と外国人労働者の活用を適宜検討し、指導メカニズムを確立し、外国人労働者の管理を確実に行う。
④労働組合の自治自律を強化する。労資協調の理念と労働者の経営参加を啓蒙する。労働争議処理の制度を改善する。国際労働組織との交流を推進する。
⑤企業の安全衛生への自主管理を拡大し、職業病予防を強化する。安全衛生の研究を強化する。労働環境検査を強化し、労働災害の発生を低下させる。
⑥労働者の住宅購入と修理への補助政策を継続する。労働者福祉制度を充実し、企業の託児所サービスなどを奨励する。労働弱者ならびに職業被災労働者の生活支援を行う。
⑦退職金制度を実施する。
⑧労働者の老齢年金、障害保障年金、遺族年金の制度を企画する。労災保険の分類と保険金比率確定を企画する。労働保険基金管理制度を完備し、基金の運用収益を高める。
二十、一般行政
①行政院所属機関の業務および組織の調整を検討し、中央機関の弾力性と活性化を図り、行政機能を強化する。行政の業務成績評価を行い、行政サービスの充実を果たし、国家の競争力を向上させる。インターネットによる行政サービスを拡充し、電子化政府の機能を向上させる。
②健全な予算編成構造を確立する。健全な政府財政を確立し、中央から地方への補助に検討を加え、地方自治体の予算編成とその執行のルールを強化する。特殊基金の管理を強化する。予算執行の管理、分析、実施後の評価を強化する。
③人事制度を改善し、女性公務員の行政決定への参与を促進する。各行政機関、機構、学校などの身体障害者および先住民の雇用を督促する。公務員の英語能力を全面的に高める。公務員管理制度を実施し、人員の士気を鼓舞する。公務員の合理的な待遇と福祉を充実する。
(完)
【行政院 6月1日】
呂秀蓮副総統プロフィール㊦
台湾を愛し、戦い続ける初の女性副総統
呂秀蓮が立法委員在任中に台湾の外交に貢献したことを、李登輝総統は高く評価し、一九九六年五月二十日に呂秀蓮を総統府の国策顧問に招聘した。その半年後、桃園県の劉邦友知事が殺害される事件が起こり、民進党は呂秀蓮に県知事補欠選挙への出馬を求めた。呂秀蓮は故郷の人々の期待に応えて立候補し、三十二万四千票余りを獲得して圧勝した。こうして国民党による長年の桃園県統治の歴史を書き換え、九カ月後の選挙でも三十七万五千票を獲得して再選を果たした。
呂秀蓮はわずか三十カ月の県知事在任中に、明快なスタイルと決断力をもって、ゴミ問題と黒金(金権政治)で知られていた桃園県を「浄化、美化、国際化」し、「生態、産業、文化、精神」の四項目の改造を進めた。また桃園県を「国の玄関、希望の都市」と位置づけて県政府をこの目標に向わせ、「黄金海岸の建設」、「桃園シリコンバレーの開発」、「観光振興」の三大計画を推進して内外からの投資を誘致した。これは中央政府から重視されたばかりでなく、内外の重要な企業からも注目された。さらに、全国民芸フェスティバル、全国原住民運動会、第一回全国スポーツ大会などの大型イベントの開催権も桃園県が獲得した。これら耳目を一新する新施政によって、それまで全国で下から三番目だった桃園県の施政満足度は一挙に全国第三位に上昇し、桃園県のイメージは大いに高まり、新しい生気と活力が生まれた。
女性として地方首長となった呂秀蓮は、女性への思いやりも忘れなかった。就任後すぐに「婦女子安全センター」を設置して、電話相談、法律サービス、成長研修などの支援をおこなった。続いてスクールバスを導入して子供たちの通学の安全を確保し、親たちの不安を解消した。さらに全国初の多機能女性センター建設のための予算措置を講じた。
民進党が重視する社会福祉政策を推進するために、呂秀蓮は限られた予算の中で多くのケア・プランを実施した。特に桃園県がすでに高齢化社会に入っていることを考慮し、就任後すぐに年三回の伝統的祭日に高齢者に給付金を出すことを決め、また高齢者に声をかける電話ネットワークを設け、精神や身体に障害を持つ高齢者や徘徊する高齢者にICチップをつけた腕輪を配布し、派出所や病院から安全に家に送れるようにした。さらに高齢者のための緊急通報ネットワーク、高齢者大学、高齢者人材バンクなどを設置し、退職した人々が楽しく充実した生活を送れるようにした。
教育部(教育省)の少人数学級政策に合わせ、呂秀蓮は積極的に新校舎を建設し、二十五の小学校をはじめとして合計三十四の学校を増設したほか、国際競争時代の到来に備えて一九九九年から正式に英語を学校カリキュラムに取り入れ、八百余りの学級で英語の授業をスタートさせた。これと同時に河洛語、客家語、原住民言語の教材も編集された。また男女同権の理念を広めるために、教師用の「性別校園」と生徒用の「青春性別快報」も創刊された。
一九九九年十二月十日、呂秀蓮は民進党の総統候補である陳水扁氏から副総統候補に指名されて立候補した。そして二〇〇〇年三月十八日の選挙で五百万票近くを獲得し、陳水扁と呂秀蓮は第十代中華民国総統・副総統に当選した。こうして「政権交代、男女共同施政」の新たな時代が始まったのである。
二〇〇〇年五月二十日に中華民国初の女性副総統となった呂秀蓮は、「人権、民主、平和、愛、ハイテク」というソフトな国力の発揚に力を注いできた。世界を駆け巡って台湾のために「ソフト外交」を展開し、国際社会と世界の指導者に、「ソフトな国力」は従来の「ハードな国力」が中央集権や軍事覇権をもたらすのとは異なることを呼びかけた。こうして国際社会における台湾への注目や関心を呼び起こし、平和と善意と喜びをもって台湾を世界に向かって歩ませ、また世界を台湾に近づけた。
米国の反テロ戦争に応え、アフガニスタン難民を救援するために、呂秀蓮は「グローバル反テロ人道救援活動」を発起するほか、「インドへ愛を送る」「チベットへ愛を送る」といった慈善活動を通して台湾の愛と思いやりを世界各地に届け、台湾のソフトな国力を世界と分かち合った。「徳は孤ならず、必ず隣あり」と言われる。二〇〇一年、呂秀蓮は「二〇〇一年世界平和賞」を受賞、二〇〇三年には、「台湾のノーベル賞」と呼ばれる台米基金会の「特殊貢献栄誉賞」と、米国イリノイ大学法学部の「傑出校友賞」を受賞した。しかし、呂秀蓮はこれを謙虚に受け止め、この成就は全国民の努力に帰するものであり、台湾人民が世界から評価されたことを意味すると述べた。
呂秀蓮は国際社会において台湾の人権、民主、平和、愛を示す努力をしただけではない。その足跡は台湾の隅々までおよび、台湾経済の命脈を握るハイテク産業に関心を寄せ、総統府科学技術諮問委員会の主任委員を務めて、常に台湾への投資を呼びかけてきた。また観光産業の台湾化と国際化について優れた見解を示し、全国観光産業連盟の盟主という重責を担って観光産業の振興に尽力した。台湾大地震被災地への支援も重要な任務の一つだった。呂秀蓮は再建地域を六十回以上視察し、三年連続して震災の日に南投と台中を訪れ、地元の人々とともに平安を祈り、人々の傷ついた心を慰めた。そして各界の力を結集して、実際の行動をもって再建を加速させた。
新世紀の理念を推進するために、呂秀蓮は総統府人権諮問小委員会の幹事長を務め、わが国の人権を世界レベルに高めることに尽力してきた。また民主太平洋連盟の設立を促進し、視野を太平洋地域全体に広げ、民主、海洋、持続可能な発展という共通の三つの価値を通して太平洋周辺の民主国家を結びつけ、一つの運命共同体の形成を推進してきた。
副総統としての四年の任期が終わりに近づいたころ、呂秀蓮は陳水扁総統と民進党から再選を目指すよう求められた。空前の激しい選挙戦のなか、陳水扁総統と呂秀蓮は銃撃に遭ったが幸い大事には至らず、二〇〇四年三月二十日、六百四十七万票余りを獲得して中華民国第十一代総統統・副総統に当選した。将来に目を向けると、非常なる時代がすでに到来している。こうした時代には超越と革新が必要であり、異なるものを受け入れ、多元的に発展することが求められる。呂秀蓮は、台湾を太平洋世紀の東洋の真珠へ、そして世界の宝島へと建設したいと考えている。
(完)
「王俠軍ガラスアート展」が東京で開催
台湾発、風と光の世界――新旧融合の芸術
台湾を代表する世界的ガラスアーティスト、王俠軍氏の作品を紹介する「王俠軍ガラスアート展 台湾・琉園の風と光の世界」が、琉園、中華ガラス芸術協会、産経新聞社主催、台北駐日経済文化代表処、財団法人交流協会、亜東親善協会などの後援により、六月八~十三日、東京の「上野の森美術館」で開催された。
八日のオープニングセレモニーでは、羅福全・台北駐日経済文化代表処代表をはじめ、高橋雅二・交流協会理事長ら来賓が王氏とともにテープカットをおこない、ガラスアート展の盛大な開幕を祝った。羅福全駐日代表は「王氏の作品は、日本の方々にも馴染みの深い故宮博物院などに見られる伝統的芸術作品と、新たな技術を融合させ、ガラスの特質を生かしたすばらしい芸術である。今回の展示会は、それらの作品を世界に向け、改めて発信するきっかけとなるだろう」と挨拶し、王氏の芸術による台日および世界との交流に対し、喜びと激励の意を表した。また主催者である産経新聞の住田良能専務取締役も、「王氏の作品は新しい感覚と透明感に溢れた世界レベルの芸術品である」と東洋ガラスアートの最高峰と言われるその作品を称えた。
王俠軍(ハインリック・ワン)氏はインドネシアで幼年時代を過ごし、台湾に戻って進学した後、映画制作や俳優、広告デザインなどの職業を経験するが、一九八七年、氏が三十四歳の時、自宅に置いてあった年代物のガラスの文鎮がきっかけとなり、米国デトロイトのCollege for Creative Studies(CCS)でガラス創作を学び、自分の一生をかけるべき仕事と巡り合う。帰国後王氏は台湾初のガラスアート工房を設立、西洋のスタジオ・グラス運動を東洋に持ち込み、それまで中華圏では玉器、陶磁器と比べて歴史が浅かったガラスアートの新たな時代を切り開く先駆者となった。
その後十七年間の創作生活のなかで、王氏は精力的な活動を展開してきた。一九九三年には北京の故宮博物館で、近代工芸アーティストとして初めて四十点以上の作品を展示し、うち五点は永久展示されている。九五年には、東京、大阪など日本の五都市で巡回展示をおこない、また九六年には日本政府の依頼を受けて阪神淡路大震災の復興への願いを込め、大型作品「浴火鳳凰」を制作した。また、台湾のガラスアーティストとして初めてシカゴの国際展示会SOFA展やギャラリーに招かれ、その作品は高い評価を受けており、米国ガラスアートソサエティ(G.A.S)からは華人のガラスアートの代表として尊敬を集めている。
王氏の作品は古代技法の「パート・ド・ヴェール法」を用いており、複雑な工程を経て、一つ一つ丁寧に制作されている。今回の展示会には、中国古代の器の文様を巧みな彫刻法で表現した「器魄」、洗練された美しさと現代的なスタイルが特徴的な「佛像」、幻想的な色彩と小動物をあしらった「喜躍」など、東洋の伝統的モチーフを新鮮な視点で蘇らせた繊細な作品群のほか、盆栽や太湖石をテーマにした新作「風光」シリーズも公開された。自然のうねりや生命を大胆に表現した作品や、幾何学的な模様に光の反射を巧みに配した作品など、その堂々とした趣きは、見る者の心を捉える。今回展示されたうち十七作品は、世界で初めての公開となった。
東洋ガラスアートの発信地として設立された王氏の工房「琉園tittot(国語で”透明”の意)」では、ウィスキーグラスやアクセサリー、装飾品など数々の作品が展示されており、ガラスアート制作のワークショップもおこなわれている。
(取材:本誌編集部 葛西)
台湾観光年
台湾でコーヒーを楽しむ
●オリジナル台湾産コーヒー
烏龍茶の産地として知られる台湾で、コーヒーが栽培されていることをご存知だろうか。台湾産のコーヒーを味わうため、わざわざ車で二時間、三時間かけて産地の山奥まで飲みにくるファンもいるという。
そもそも台湾にコーヒーが伝えられたのは十七世紀、入植したオランダ人が雲林県古坑に苗を植えたのが始まりとされる。一帯は北回帰線に近い丘陵地で日照時間が長く、雨量が豊富なうえ、土壌や排水もよく、質のよい豆が採れたという。この山はこうして「咖啡山」と呼ばれるようになった。しかしその後、オランダ人が引き上げると咖啡山はまもなく荒廃し、それから二百年後、イギリス人がやってきてふたたび咖啡山にコーヒーを植え始めた。さらに一八九五年に台湾が日本の植民地になると、今度は日本人が栽培を引き継ぎ、当地のコーヒーは皇室にも献上されたという。戦後になると咖啡山はふたたび手が入らなくなり、七十年代に烏龍茶が人気を呼び始めると今度は茶畑に生まれ変わった。
この古坑にふたたびコーヒーが植えられたのは今から二十年ほど前のこと。親子三代コーヒー農家だった張来恩さん夫婦が荒れ果てていたコーヒー園に生命を吹き込んだ。栽培、採取、焙煎から販売まで、すべてみずから行い、高品質の台湾産コーヒー「巴登珈琲」(BA-TEN)のブランドを確立した。
古坑一帯のコーヒーはアラビア種が主で、各農家自慢の技術で焙煎されたコーヒーは独特の味わいがある。古坑郷には五十軒ほど喫茶店があるが、そのうちの半数は華山一帯にあり、眺めが素晴らしい。台湾産コーヒーは一杯二百元(約七百円)、豆は一ポンド千元(約三千円)と、ブルーマウンテンの二倍もする。時間も金もつぎこんで手にする一杯のコーヒーには、産地ならではの大自然の中で味わう醍醐味があり、格別なものに違いない。
《『台湾観光月刊』2004年2月号より抜粋》
●台北市内の老舗コーヒー店
生活様式の洋風化につれ、台湾でもコーヒーは人びとの日常にすっかり溶け込んでいる。台北市には新旧、大小、さまざまなコーヒーショップが林立し、今風のオシャレな店が若者の人気を集めている一方で、昔ながらの店も古くからの根強いファンに支えられ、人気は衰えていない。
台北市西門町にある「蜂大咖啡店」も、そんな店の一つだ。食品の貿易を行っていた曹志光さんは外国でコーヒーショップが繁盛しているのを見て、一九五六年にコーヒー豆を輸入し、コーヒーショップを開店した。三年後には豆とマシンの卸しも手がけ、現在に至るまでおよそ半世紀、夫婦二人三脚で店をきりもりしてきた。「六〇年代、公務員の月給が百元だった当時、コーヒー一杯の値段は二元。客はほとんどが華僑で、台湾人は少なかった」と振り返る。
七〇年代になると日本系のサイフォン式コーヒーショップが次々と進出し、その後イタリアのエスプレッソ、アメリカ式のフレーバーコーヒーと、街には現在さまざまな種類のコーヒーがあふれる。経営はいつも順調だったわけではない。コーヒー豆の先物市場が大きく変動し、昔ながらの店はほとんど淘汰されたという。「うちは口コミで若者もやって来る。客はみな本当にコーヒーが好きな人たちばかり。スターバックスが流行っても、うちには影響ない。目指す方向が違うから」と曹さん。「上海に四階建のビルを購入した。一階が販売、二階が訓練室、三階が展示室、四階が事務室、それに焙煎工場も備える」という。時代の荒波の中を生き抜いてきた商売人は、上海でさらなる飛躍を目指す。
《台北『聯合報』6月2日》
お知らせ
中華民国(台湾)電影会
●7月上映会
日 時 7月10日(土)午後6時半~
作 品「 安安 」(監督:林清介)
会 場 大阪市立北市民教養ルーム
会 費 五百円(烏龍茶付)
連絡先:亜細亜電影迷倶楽部
(TEL:0798-67-2300)
http://www2s.biglobe.ne.jp/~asiafilm/
台湾国際放送リスナーの集い
●東京会場
日 時 7月25日(日) 午後1時~
会 場 学士会館 ※事前申込要
連絡先 玉山倶楽部会長
杉山正蔵(TEL:03-3761-3344)
http://www.cbs.org.tw/japanese/index.htm
●大阪会場
日 時 7月31日(土)午後1時~
会 場 ホテルトウコウ新大阪
連絡先 玉山会JAPAN会長
河上聖徳(TEL:06-6864-5217)
http://members.aol.com/cbs99gyokujpn/
春 夏 秋 冬
この6月1日、東京・千代田区の東條会館で、ある総会があった。参会者は200名に近く、陳水扁総統就任式(5月20日)のすぐあとのせいか、会場は活気に満ちていた。「日本李登輝友の会」の第2回総会だ。この総会に李登輝前総統から祝辞が寄せられた。李前総統の発言は著書の他に各種マスコミのインタビューでもよく拝見するが、こうした会の祝辞の中にこそ、李氏の赤誠が現れている気がする。同会に対し李氏は「私が総召集人を務めた昨年9月6日の正名運動にも参加され、また今年2月28日の『百万人 人間の鎖』運動に呼応し、東京で『台湾支持』をアピールするデモ行進を行い、台湾人を励まして下さったことにも感謝します」と述べ、次のような苦言も呈しておられた。
「世界の方々に知ってもらいたいのは、歴史的に見ても国際法的に見ても、台湾は中国の領土ではないということです。そして、台湾がいかなる国家形態を採るかは、台湾人自身が決定するべきということです。ところがこれら自明の理を、なぜ日本政府は理解しようとしないのでしょうか。中国は台湾併合をもくろむ侵略国家です。このような国に日本が配慮し、その言いなりになることは、明らかに台湾侵略に加担することに等しいのです」
陳水扁総統の再選に2月28日の「百万人人間の鎖」運動が大きく貢献したと見られるところから、これを支援した「日本李登輝友の会」や「台湾研究フォーラム」も、貢献の一端を担ったことは確かだ。日本の社会がこのように台湾の心の声を真摯に受けとめ、さらに広く発信されることを切に望みたい。
またこの総会に先立ち、陳水扁総統就任式に同会が招かれ、会の訪台団(黄文雄・団長)が式典に参加したが、その翌日(5月21日)一行は李登輝前総統を訪ね、ざっくばらんな会話が交わされた。李氏は語った。「台湾はこれからね、前よりももっと努力しなければならない。そして台湾の民主化を固めていく。私の希望としてはアイデンティフィケーション(帰属意識・一体化)を、この4年間で75%へ持って行く。その間に憲法を作り直しするとかね。国の名前も変えちゃうんだ」
さらに李氏はこの席で、台湾で近いうちに八田與一の映画が製作されることを明らかにした。総督府技官であった八田氏は石川県の出身だ。李氏が日本で訪れたいところは、芭蕉の「奥の細道」と石川県と聞く。日本にもまた、李氏の肉声でその赤誠を聞きたいと願っている人は多い。それを妨害する雑音が消されるのはいつの日になるだろう。
(K)