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  台湾週報2169号(2004.12.2) - 台北駐日経済文化代表処 Taipei Economic and Cultural Representative Office in Japan :::
主要ニュース
:::


台湾週報2169号(2004.12.2)

台湾には選挙後の団結必要 陳水扁総統が僑胞団体に強調

 陳水扁総統は11月16日、一時帰国した米カリフォルニア州とカナダ・バンクーバーの僑胞団体幹部一行と総統府で会見し、両岸関係など政府の施政方針を説明した。この中で陳総統は「台湾の団結」を強調し、米大統領選挙でケリー候補が開票後早い時期に敗北を認め、選挙後の米国民の団結を呼びかけたことを高く評価し、台湾の見習うべき点だと表明した。また15日にはマカウスキ・米アラスカ州知事と会見した。

●米加僑胞団体との会見談話 

 海外僑胞の方々が平素より公益活動を行っておられることに敬意を表するとともに、長期にわたってわが国政府を支援し、台湾の発展に多大な協力をしていただいていることに政府ならびに全国同胞を代表し、心より感謝申し上げます。 

 三月二十日の総統選挙のあと、私は今後四年間の施政の重点として「台湾の団結、両岸の平穏、社会の安定、経済の繁栄」の四大目標を提示しましたが、このうち「台湾の団結」は、すべての基礎となるものです。今回米大統領選挙でブッシュ大統領が再選されましたが、対立候補であったケリー上院議員は開票後早い時期に敗北を宣言し、ブッシュ大統領の勝利を祝福し、国民に向かい国家には団結が必要であり分裂してはならないことを呼びかけました。ワシントンポスト、ニューヨークタイムズ、ロサンゼルスタイムズなど、主要紙の多くがケリー候補を支持していましたが、それらは米国の総合的利益を尊重し、ケリー候補に敗北を認めるよう呼びかけました。これらのメディアは、投票日まではそれぞれの立場を明らかにしていたものの、選挙後は大局重視の立場に戻りました。この姿勢は台湾のマスコミが見習わなければならない所だと思います。米政界の名句に「選挙の終結は団結開始の日」というのがありますが、これは民主政治において最も得がたい貴重な点であって、その理念は毎回の選挙の勝敗を超越するものであり、同時に選挙民に永遠に選択の自由を保証するものでもあります。私は、選挙戦での争いが社会の矛盾を拡大することのないよう心から望んでおります。政治家個人や政党にとって、一時の勝敗は重要ではなく、大事なのは台湾国家内部の一致団結であり、中国の脅威ならびにグローバル化の挑戦に直面している今日、台湾民主主義の発展に共に力を尽くさねばなりません。 

 私は二千三百万台湾国民から選出された総統として、これら国民の人権と尊厳、安全を護り、同時に国民の最大の福祉を図り、台湾海峡の恒久的平和とアジア太平洋地域の安定を追求しなければなりません。私は当選以来、一再ならず誠意と善意を表明し、両岸関係の正常化と交渉再開の大門を開くよう希望してきました。この方向については、五月二十日の就任演説および双十国慶節談話、さらに十一月十日の国家安全会議においても明確に表明しております。私と国民同胞は最大の誠意と忍耐力を持ち、すでにある基礎の上に、北京当局が将来を見据え「機会の窓」を開き、善意ある回答を示すよう呼びかけております。同時に政府は両岸政策において、両岸交流正常化の各関連措置を継続推進し、両岸の相互連動と平和的発展の環境を作り出し、もって国民の最大の福祉を求めようとしています。 

 私は先日の国家安全会議において十項目の結論を提示しましたが、中国は昨日(11月15日)、初期的な回答を示しました。文章には不必要な修飾語はすべて省略され、その中にはわれわれが注目すべき善意も読み取れました。このほか最近の胡錦濤主席の南米訪問における談話にも、善意が見られるのではないかと注目しています。 

 台湾は三度にわたる総統直接選挙の洗礼を受け、国民は確たる民主制度によってすでに国家の主人となりました。しかし、相互尊重と包容、理解の必要性を学び、民主憲政のルール下に理性をもって各種の討論を進め、積極的に各エスニックの文化とアイデンティティーを擁護し、保障しなければなりません。理性と相互理解、相互尊重の中にこそ国家の生命共同体が確立できるのであります。台湾社会は強い団結を維持し、国家の改革と永続的発展の基礎を築かねばなりません。 

 九月十五日の行政院院会(閣議)において、将来外交部と行政院僑務委員会を「外交および僑務部」に統合することなどを含む「行政院組織法修正案」を通過しました。この閣議決定は、海外僑胞の関心を呼んでいるものと思います。ここに私は僑胞の皆様に、外交部と僑務委員会の対等合併は、対僑胞サービスの向上のためであることを明確に宣言いたします。将来のこの合併は、外交と僑務の資源を総合的に活用するのに至便であり、僑務行政の効率向上に有益であり、政府の対僑務サービスのレベル向上が進むものと確信しております。したがって外交部と僑務委員会の対等合併のあと、政府の僑胞対策が縮小されるのではなく拡大されることをここに保証します。もちろん現行の僑務委員、顧問などの組織には、合併後もなんら変更はありません。 

 このほか、政府は国防部と退役軍人輔導(福祉指導)委員会を統合し、退輔会のレベルを部(省)クラスに引き上げ「国防および退役軍人部」に改組することも考慮しております。われわれはこうした統廃合は行政の効率化と競争力向上に有益と見なしております。米国は大きな国なのに省クラスの機関はわずか十五しかなく、台湾は小さいにもかかわらず部(省)と省クラスの委員会が合計三十六もあります。日本はすでに行政改革を進め一府十二省庁に再編しました。中国も大きいのに部(省)は二十五であり、イギリスやフランスも台湾より大きいが十七省です。諸外国のこうした行政組織に比べれば、わが国の体制では国際競争力を高めることはできません。米国、日本、中国、英国、フランスにできたことがわれわれにできないはずはありません。ここに至ってようやくわれわれは行政院のハードルを越え、改革案を立法院に送付するところまで漕ぎつけました。国民ならびに僑胞の皆様の支持を求めます。 

 最後になりましたが、皆様は今回の帰国により台湾の民主主義と経済の発展ぶりを改めて見聞されたことと思います。僑胞の皆様が引き続きわが国政府に最大の支持を与えて下さることを希望します。われわれは一致団結し、中華民国のため、台湾の前途のため、共に努力しなければなりません。私はここに改めて皆様に申し上げます。中華民国は断固として存在し、私は中華民国第十一代総統として、この任期中には「中華民国は存在しない」というような一部の人の主張には与しません。私には断固として国家の主権と尊厳、それに安全を擁護する義務があります。今回の皆様の帰国が快適であることを祈念いたします。 

【総統府 11月16日】

●マカウスキ知事との会見談話 

 マカウスキ知事には上院議員時代に十五回、知事になられてから三度訪台され、総統就任式には祝賀団団長として来ていただき、感謝しております。またアラスカ州議会が今年五月、わが国の世界保健機関(WHO)加盟ならびにWHO年次総会にオブザーバーとして参加することを支持する決議をされ、政府に台湾と自由貿易協定(FTA)を結ぶよう呼びかけて下さったことに感謝いたします。またマカウスキ知事が再選されたことを祝福いたします。アラスカ州とわが国との関係が重視されているものと思います。

 マカウスキ知事が就任以来、アラスカ州のエネルギー産業の発展、経済の振興に多大の貢献をされていることに敬意を表します。今年九月にわが国は康寧祥・総統府資政(上級顧問)、林義夫・行政院政務委員(閣僚クラス)、黄茂雄・工商協進会理事長らを中心とする「アラスカ・ハイレベル経済貿易視察団」を派遣しましたが、訪問期間中十分なご配慮をいただき、感謝しております。このとき「エネルギー購入のメモランダム」と「経済貿易相互協力共同声明」に調印しましたことは、大きな成果であったと思います。今後双方の関係が一層強化されることを確信しております。 

【総統府 11月15日】

陳水扁総統が日本との連携強調 台湾が中国潜水艦の動向を日本に通報

●中国潜水艦動向の資料提供

 陳水扁総統は十一月十九日、日本政府の対台湾窓口である交流協会の服部礼次郎・会長と会見し、近年実質的な日台関係が順調に進展していることを評価するとともに「双方がすでにある基礎の上に努力を続け、今後の交流と協力関係がさらに強化されることを望む」と表明した。さらに貿易関係に触れ「昨年の台日貿易は往復四百四十五億ドルに達し、日本は台湾に対し二百七億ドルの貿易黒字を計上している。台湾から見れば、日本は第一の輸入相手国であるばかりでなく、最大の貿易相手国となっている」と、日本との関係の重要さを強調した。 

 また、最近台湾と札幌、広島、仙台の間に航空路線が開設されたことと、来年三月から開催される愛知万博の期間中、日本が台湾からの来訪者にビザ免除の措置をとることを決定したことに言及し「台日関係の大きな進展である」と高い評価の姿勢を示した。同時に「台湾政府は、日本政府が愛知万博の期間中だけ台湾人観光客にビザ免除の措置をとるのではなく、台湾の観光客に正式にビザ免除を採用することを望んでいる」との希望を表明した。 

 さらに陳総統は国際衛生医療の問題にも触れ「日本政府が、今年五月の世界保健機関(WHO)年次総会への台湾のオブザーバー参加を昨年に引き続き支持してくれたことに感謝している」と述べた。同時に「日本政府が今後とも、台湾がWHOに加盟し、世界の保健医療充実のため加盟各国と共に貢献できるよう支持してくれることをお願いしたい」と今後とも日本の支持が続くよう希望を表明した。 

 また陳総統は安保問題にも言及し「数日前、中国の原子力潜水艦が日本の領海を侵犯したが、台湾は共同で安全を維持するため、関連情報を日本に提供した。実質的に台湾と日本はアジア太平洋地域での安全と安定の目標において共通の利益を有しており、日本が中国の脅威に対し、台湾が受けているのと同様に感じ取っているものと信じる」と語った。 

 さらに総統は一歩進み「日本は主権独立国家であり、現在進んでいる憲法改正への動きは、正常な国家になるための努力である。台湾も日本と同様に主権独立国家である。しかし、一〇〇パーセントの主権を行使できない状況にある。これでは完璧に正常な国とは言えず、したがって台湾には努力が必要な多くの面がある。日本政府が支持激励してくれることを願う」と述べた。 

 最後に綿貫民輔・元衆院議長、石原慎太郎・東京都知事、平沼赳夫・衆院議員、橋本靖男・日華懇事務局長らが五月二十日の総統就任式に参列したことに感謝の念を表明した。

【総統府 11月19日】 

●高まる中国の脅威 

 中国の原子力潜水艦が十一月十日に日本領海を侵犯し、日本海上自衛隊はこれを追跡し、中国に厳重抗議をしたが、これは中国の台湾と日本の水域に対する挑戦と解釈できる。これについて国防部スポークスマンの黄穂生少将は十一月十六日「国防部はこの潜水艦の動向をすべて把握している」と述べた。さらに国民に対しディーゼル潜水艦、パトリオット3型ミサイル、P3C対潜哨戒機などの兵器購入特別予算案を支持するよう呼びかけ「P3Cはわが軍の対潜能力を向上させるものであり、これを装備すれば、将来的に米国、日本との共同防衛、あるいは合同演習が可能となる。アジア太平洋地域の安定と台湾海峡の平穏のためなら、国防部はあらゆる選択肢を考慮する」と表明した。

【国防部 11月16日】

ニュース 

有線TVチャンネルを整理統合 二〇一〇年の全面デジタル化目標

 林佳龍・新聞局長は十一月十六日メディアの取材に応え、視聴者の便宜性を高めるため、来年一月一日からケーブルテレビのチャンネルを整理統合する考えを明らかにした。具体的には幼児番組、教育、知的番組、公益性のあるチャンネルを一つのブロックにまとめ、時間帯にかかわらず親子で視聴できるようにするほか、分野ごとにチャンネルをブロック化し、視聴者により選択しやすいシステムにする予定だ。 

 政府は二〇一〇年までにラジオ・テレビ放送の全面デジタル化を目標としている。ケーブルテレビチャンネルの整理統合もその一環であり、〇六年までに29インチ以上のテレビにはデジタル放送受信機の内蔵を義務付け、〇七年には21インチ以上をその対象とし、さらに〇八年にはデジタルテレビの市場販売を行い、一〇年には台湾全土でデジタル化を普及させたい考えだ。 

 林新聞局長は「ラジオ・テレビ放送は家庭や国民の生活習慣に深く関わっている。昨年の映像、出版、音楽などのメディア産業の生産高は約一千五十二億円(約三千二百億円)で、このうちラジオ・テレビ産業は約五百四億(約一千五百億円)と半数以上を占めている。このことは放送産業の重要性を示しており、デジタルテレビはまさにその牽引役となるものだ。デジタルテレビの推進は情報・番組ソフトや金融サービス、インターネットビジネスなどの関連産業の発展も促す」と指摘した。 

 今年台湾のデジタルテレビ関連製品の生産高はすでに四十億ドルに達している。またデジタルコンテンツ産業も急速に発展しており、〇六年の生産高は三千七百億元(約一兆一千億円)が見込まれている。 

 林新聞局長は「現在多くの産業がデジタル化に参入し、デジタルテレビはその主軸となるものだ。世界的にデジタル産業が拡大するなか、台湾はデジタル化の速度を速め、市場での優位性を確保しなければならない。デジタルテレビこそ台湾が将来世界の富の金字塔を築けるかどうかのカギを握っている」と強調した。
【行政院新聞局 11月16日】

映画産業の復活を目指して 投資の税金優遇策打ち出す

 行政院新聞局は今年七月十四日、国産映画への投資に伴う税金優遇措置を実施した。これは低迷している国産映画産業の振興策として打ち出されたもので、民間企業が国産映画に三千万元(約九千万円)以上投資した場合、投資額の二〇%を限度に四年以降五年間にわたり営利事業税を優遇するというものだ。実施から三カ月余りが経過し、この間、サービス企業やIC企業が国産映画へ投資を行い、業種を超えてデジタルと創意をミックスしたハイレベルな作品が制作され、一定の成果を挙げている。

 新聞局は同措置を宣伝するため、企業家や投資家、各国の駐在機関の代表、メディア関係者らを対象に各地で説明会を行っている。十一月十七日に台北で行われた説明会には、国内の著名な映画監督をはじめ制作会社の代表らが出席し、国産映画制作への支援を呼びかけた。このなかで林佳龍・新聞局長は「ハイテク産業への投資は数億、数十億元規模の投資が必要で、資金を回収するのにも長い期間を要するが、映画産業はハイテク産業の十分の一、百分の一、ときに千分の一の投資で優れた作品を制作でき、しかも二、三年で投資額を上回る資金を回収できる。欧米を例にとると、映画制作会社の平均収益は投資額の四倍に達している」と述べ、映画産業への投資のメリットを強調した。 

 林新聞局長はさらに「映画産業とその周辺産業の発展は多くの外貨収入と雇用機会を生み出す。政府はこれまで映画産業の振興に対し制作費の助成を重点に行ってきたが、これでは市場で新たな資金を得ることにつながらなかった。このため今後は民間企業による投資を奨励し、国産映画の撮影規模を拡大し、国産映画の市場占有率を高めたい」と語った。 

 新聞局は税金優遇策以外に、国産映画の定義の見直しや補助金制度改革、人材育成、音と映像の情報プラットフォームの設立、外国映画の輸入税の見直しなどを含む具体的な映画政策を十一月末までに打ち出すことにしている。
【行政院新聞局 11月17日】 

両岸チャーター便を直航の契機に 台港航空協定方式で検討

 行政院大陸委員会は十一月十二日、両岸の貨物と春節チャーター便の運行に関し「台港航空協定方式により、ただちに両岸の航空機を双方向で就航させ、第三経由地に着陸せずに運行することについて交渉し、これをもって両岸直航の契機としたい」と語った。

 大陸委員会はさきの游錫堃・行政院長の指示を受け、同日国内の六つの経済団体と台北市航空運輸商業同業組合の代表を招き、両岸チャーター便の運行について協議した。このなかで民間のそれらの団体は、陳水扁総統が示した「台港航空協定」方式による交渉を支持するとともに、チャーター便の速やかな運行を要請した。大陸委員会は、今年十月二十七日の中国国務院台湾事務弁公室スポークスマンが「台港航空協定」方式を参考に春節チャーター便の運行について話し合えると語ったことに触れ、「両岸は共通認識を見出せるはずだ」と強調した。
【行政院大陸委員会 11月12日】 

万博期間中ノービザ適用へ 台湾は制度化を希望

 日本政府は台湾人観光客の日本入国に際し、来年三月二十五日から開催される愛知万博の期間中(九月二十五日まで)に限り、ノービザを適用する方針を決定した。台湾の外交部は、今後日本政府が全面的にビザを免除し、台湾との実質関係を強化するよう積極的に働きかけることにしている。

 日本政府が今回、愛知万博の期間中に限りノービザ適用を決めた背景には、多くの台湾人観光客を呼び込みたいとの期待があるためだ。また日本政府が全面免除に踏み切らない背景には、中国人観光客にノービザを適用していないためとの指摘もある。 

 外交部は「台湾と日本は地理的にも歴史的にも密接な関係があり、交流も緊密である。もし日本政府がビザの全面解除を行えば、両国はさらに実質的な交流を強化することができる。特に観光面で双方の人的交流が深まるだろう」と強調している。
《台北『中央社』11月14日》 

「台湾」名義で国連加盟を模索 過去の外交戦略は間違い

 陳水扁総統は十一月十四日、基隆市で行われた立法委員選挙集会で「今回の選挙は与党連合が過半数を確保してこそ政局は安定する」と訴えるとともに、台湾の国連加盟問題について「今後『台湾』名義での加盟を求めていく」と述べた。 

 陳総統はこのなかで「私は施政において、たとえ政権が替わっても、国家の安全保障と外交は変わらないことを示し、外交関係の維持に務めてきた。過去の外交戦略は間違いだった。以前は『中華民国』の名義で国連加盟を求めてきたが、成功しなかった。これは『一つの中国』の原則に抵触し、中華人民共和国と混同するためだ。われわれが今後『台湾』の名義で国連加盟を求めれば、いつか必ず成功する。世界保健機関(WHO)加盟においても、米国、日本はこれまで反対していたが、今年は支持を表明し、賛成票まで投じてくれた。加盟実現は徐々に近くなっている」と強調した。
 《台北『聯合報』11月15日》

空港のMRT計画が始動 二〇一一年の全面開通目指す

 交通部高速鉄路局は十一月十五日、桃園国際空港新交通システム(MRT)建設工事の入札選考会を開き、中興工程顧問公司の落札が決まった。同社は今後六カ月以内に二百億元(約六百億円)の機電システムの入札も完了させる予定で、これにより七年間滞っていた計画がようやく動き出すことになった。 

 桃園国際空港MRTは、同空港から蘆竹郷、林口郷、亀山郷、泰山郷、新荘市、三重市を経由し、台北駅までを結ぶもので、この間に十一の駅が建設される予定となっている。工事は二段階で進められ、まず二〇〇九年十月に空港―三重間を開通し、二〇一一年四月に全面開通を目指す。 

 同計画はBOT(民間が一定期間経営後、政府に譲渡)方式を採り、七年前に長生グループが落札したが二年前に契約を破棄し、その後中華工程などの共同グループが引き継いだが、同グループも昨年四月に契約を破棄し、計画は頓挫していた。
 《台北『工商時報』11月16日》

立法委員選挙12月11日実施 与党陣営過半数が最大の焦点

 立法委員選挙が十二月十一日に行われ、即日開票される。
現有議席は以下の通り。 

与党陣営
民主進歩党  八〇
台湾団結連盟 一二
(合計 九二議席)

野党陣営
中国国民党  六六
親民党    四四
新 党     一
(合計 一一一議席) 

無所属     一四

欠 員      八 

 定数は二百二十五議席(選挙区百七十六、比例区四十一、海外華僑八)で、選挙区には合計三百八十七名が立候補し、比例区と海外華僑区には各党合計百九人が届け出ており、総計四百九十六人で二百二十五議席を争うことになる。 

 各党別の立候補者数は次の通り。なお選挙は一人一票制度で、比例区と海外華僑区は選挙区での各党候補者の得票によって配分される。 

選挙区(定数一七六)
民主進歩党  九二
中国国民党  七四
親民党    四一
台湾団結連盟 三〇
無党団結連盟 二六
無所属・諸派一二四 

比例区(定数四一)
民主進歩党  三一
中国国民党  二四
親民党    一九
台湾団結連盟 一〇
無党団結連盟  五

海外華僑区(定数八)
民主進歩党   六
中国国民党   五
親民党     五
台湾団結連盟  三
無党団結連盟  一

 今回の選挙では与党陣営が過半数を制するかどうかが最大の焦点となっているが、各党が公表している目標議席は次の通りである。 

民主進歩党  九五~一〇〇
中国国民党  六七~七二
親民党    三五~四〇
台湾団結連盟 二五~三〇
無党団結連盟 一五~一七

週間ニュースフラッシュ  

 ◆陳水扁総統がレメンゲサウ・パラオ大統領と会見

 陳水扁総統は十一月十二日、台湾訪問中のレメンゲサウ・パラオ大統領と会見し、パラオが台湾の国連加盟とWHO年次総会オブザーバー参加を支持していることに感謝の意を表明した。レメンゲサウ大統領は陳総統にパラオ訪問を要請し、陳総統は来年前半の適切な時期に訪問すると答えた。
【総統府 11月12日】

 ◆立法委員候補者が「台湾国会正名連線」設立

 「台湾正名(名を正す)運動連盟」は十一月十三日、今回の立法委員選挙に出馬している民進党、台湾団結連盟、建国党の公認候補六十六名による「台湾国会正名連線」が結成されたと発表した。
《台北『自由時報』11月13日》

 ◆国際原油価格上昇の国内物価への影響は僅少

 何美玥・経済部長は十一月十二日、国際原油価格の上昇は、政府のエネルギー効率使用政策により、国内物価への影響は大きくないとの見通しを明らかにした。
《台北『青年日報』11月13日》

 ◆「台湾独立」の世論徐々に上昇

 現在台湾では脱中国化による台湾史論争が高まっているが、現地有力紙「聯合報」が独立か統一かを問う最新(04年11月12日実施)の世論調査結果を発表した。これを前回総統選挙時(00年3月19日実施)と比べた場合、次の結果となった。「即時独立」八%から二一%へ、「将来独立」一六%から一〇%へ、「現状維持」三六%変わらず、「将来統一」一八%から一一%へ、「即時統一」九%から六%へ(今回有効サンプル九百四十二人、誤差±3・2%)
《台北『聯合報』11月13日》

 ◆中国の制空権奪取の目的明白に

 米ワシントンポスト(11月13日付)は軍事専門家筋の情報として、中国がロシア製イリューシュンⅡ型輸送機を改造した空中早期警戒機(AWACS)の開発に成功し、一、二年以内に台湾海峡に配備されると報じた。これについて国防部筋は同日、中国は殲轟七型戦闘機、轟油六型空中給油機、運八型電子戦闘機の研究開発を進める一方、ロシアからスホイ30型戦闘機を導入しようとしていることを明らかにし「中国が台湾海峡の制空権を奪取しようとしていることは明白だ」と表明した。
《台北『自由時報』11月14日》

 ◆中部科学工業園区雲林基地が十二月一日に起工式

 中部科学工業園区のうち台中基地はすでに友達光電など大手企業が進出し稼動しているが、雲林基地は工業用水の供給不足のため開発が遅れていた。このため同園区開発準備処は水利工事を進め、水利問題解決の見通しが立ったとして十一月十五日、雲林県政府とともに十二月一日に起工式を行うと発表した。
《台北『経済日報』11月16日》

 ◆行政院に「反テロ管制弁公室」開設

 行政院は十一月十六日「反テロ行動政策小組会議」を開き、「行政院反テロ行動管制弁公室」を開設することを決定した。同弁公室では今後、テロ情報により緑灯「やや危険」、黄灯「危険」、紅灯「非常に危険」の三段階に分け、その都度「反テロ行動対応センター」を設けて対応策を講じる。
《台北『青年日報』11月17日》

 ◆行政院が中国人ビジネスマンの来台規制緩和

 行政院は十一月十七日、WTOのルールに基づき、両岸経済交流促進の一環として中国人ビジネスマンの来台規制を緩和する措置を発表した。同措置は今年末に公布・実施される予定だが、これにより毎年訪台する中国人ビジネスマンは、現在の十倍の十四万人を越えると見られる。
《台北『経済日報』11月18日》

平和への危機にどう対処すべきか③ 軍事力拡大を続ける中国と台湾の対応策

四、防衛力強化の主要政策

一、兵器購入特別予算案の説明 

(一)ディーゼル潜水艦、P3C対潜哨戒機、パトリオット3型ミサイルなど三種類の兵器を、十五年分割「特別予算」をもって購入する。年間平均にすれば四百億元(約千二百億円)となり、これを年度国防予算平均額二千六百億元(約七千八百億円)に加えてもGDP三%の範囲を越えない。このため総合的安全保障と国家予算全体のバランスから見ても、合理的な数値と言える。たとえばイスラエル八%、シンガポール四・七三%、韓国三%前後という数値に比べても、台湾の国防予算の比率はきわめて低いことが分かる。 

(二)兵器購入特別予算は、安全保障に責任を持つ専門的な立場から、多年にわたる研究と演習による実証等を通して作成し、一九九五年に米国に提示したものである。その後、米国から軍事専門家らが何度も来台して台湾の防衛戦力および能力を実地検分し、台湾の自主防衛には必要な兵器として認定し、さらに「台湾関係法」に照らし、九九年と〇一年に同意を示した。 

(三)今回購入を予定している兵器はいずれも米軍の現役の装備であり、かつ正式ルートを通じて申し込み、政府対政府による交渉によるものであり、一部に伝えられているような裏金などは断じてありえない。 

(四)潜水艦に関し、立法院は適正価格による購入と納期の短縮を決議したが、これを貫徹するため国防部は専門家を米国に派遣し交渉した。米国の立場は台湾の自主建造には反対だが、保守範囲の拡大には協力するというものであった。納期短縮についてはメーカー決定後にレート変動や技術リスクなどを考慮し決定される。これらについては今後ともオープンの形式で交渉を継続し、最善の方法を追求する。 

 対潜哨戒機とパトリオット・ミサイルの数量削減については、現在の予定数は台湾の防衛における最低限の需要を算定したものであり、これ以上削減すれば、軍の作戦任務に大きな影響が出る。 

二、少数精鋭に向け邁進 

 軍の現代化推進と、徴兵制から志願制への移行を踏まえ、国防部は軍の少数精鋭化を推進している。第一段階である部隊の再編はすでに終了し、現在は第二段階に入っている。その一貫として二〇一二年を目標年度としていた総兵力数三十万人への削減は〇九年に達成し、そのほか人材の有効活用、予算の合理的配分、兵器の質的向上、三軍連携の強化などを鋭意進めている。

三、災害救助と即応態勢の強化

 法改正による中央政府と地方自治体の連携強化を求め、災害救助活動に対する軍の即応態勢を強化する。行政院の指導により目下出動態勢強化の具体案を策定中だが、これは一年以内に完成する。 

四、軍施設の有効活用 

 行政院の国土開発計画に合わせ、軍施設の調整を進める。建造物の禁止などを規定した軍事管制地域については、地方自治体が公園、緑地、平面駐車場として活用することを支援する。施設の有効活用は、安全保障、市民の権利、地方の発展などを総合的に勘案し「国防と民生の融合」を中心とした政策を進める。

総 論 

 国防力の充実は、二千三百万同胞の安全と福祉を護るためであり、国家の安全保障を外国に任せることはできない。また中国に台湾への武力使用という誤った発想を持たせないようにするためのものであり、それは決して中国と軍拡競争をしようというものではない。この観念を基礎に、国防部は中国による一切の脅威ならびに挑戦に対し、適切な国防政策と年度計画の実施をもって国家の安全を確保し、将来の脅威に対しても有効に対応していく。 

 国防部は立法院ならびに国民が軍を支持していることに感謝するとともに、各立法委員が国防への意識をさらに高めることを望む。同時に立法院が早急に「兵器購入特別予算案」を可決するよう希望する。(完) 

【行政院新聞局 10月】

台湾海峡の危機高める中国の策動 必要な日米台の軍事協力と均衡維持

●日米が軍事不均衡を警戒 

 日本の防衛庁が台湾海峡における中国と台湾の軍事力比較について、「二〇〇九年になれば軍事バランスは逆転し、中国が制空権、制海権の優位性を確保する」との分析をしたことを、日本政府筋が十一月十三日に明らかにした。これについて国防部関係筋は同十四日、要旨次のようなコメントを発表した。

 日本だけでなく、米国を含め多くの国が、将来台湾海峡の軍事バランスが崩れるかもしれないことに警戒感を表明している。中国の軍事力はますます強大化しており、いかにしてその野心の拡大を牽制するかは、すでに一国が対応する問題ではなく、地域全体が安全保障協力をするのが必然の趨勢となっている。

 国防部はそのための準備をしていないのではなく、すでに立法院に送付し審議を依頼している兵器購入特別予算案は対応に必要な道であり、国民が支持するよう希望する。

 台湾海峡における軍事不均衡の問題については、国防部は十分に掌握している。だが国民が理解しなければならないのは、戦争が発生するのは多くの要素が絡んだ場合であり、軍事バランスが崩れれば即戦争が発生するというものではない。ただし敵側が、もし開戦した場合勝算が十分にあると判断したなら、冒険を試みようとするかもしれない。 

 これについて国防部は早くから検討を進め、台湾海峡の軍事バランスの進展に科学的な研究をおこなってきた。もし特別予算案が通過し実施に移したなら、今後三十年にわたって台湾の安全は確保される。もし否決されたなら、敵側とわが方の軍事バランスは二〇二〇年から三五年までに二・八対一となり、可決実施した場合には一・六七対一に抑えることができる。 

敵側とわが方の軍事バランスがもし三対一に開いた場合、敵側が戦争を発動しても十分に勝てると判断を下す可能性が大幅に増すことになる。兵器購入特別予算案の内容は、台湾海峡の軍事バランスを保つためのものであり、同時に国防部が敵側の軍事力増強に備えるため必要な対応策でもあるのだ。 

東アジアにおいて、日米以外に中国に対し有効な抑止力を持った国は存在しない。このため中国の総合的国力増大に対し、各国が連携して軍事投資を強化しなければならない趨勢にある。米国が冷戦時代の包囲網を再評価し、地域の安全保障協力の体制を強化しようとしているのは、今日すでに明確となっている。

中国海空軍の増強には近年目覚しいものがあり、十数年前の装備と現在のものを比較した場合、飛躍的に発展し隔世の感がある。すでに導入している新型艦などの科学技術水準もきわめて高く、西側の装備に近いものとなっている。さらに中国海軍はロシアの軍事思想を導入し、潜水艦作戦を非常に重視するようになっている。中国海軍は潜水艦作戦を米海軍の空母艦隊を阻止するのに最も有効な手段と位置づけており、新たなものとしては、ロシアに発注したキロ級六三六型潜水艦二隻がまもなく中国に引き渡され、就役する予定である。

 このほか、中国空軍の装備更新と増強も明確なものとなっている。たとえばロシア製スホイ型戦闘機や新型国産の高性能機である殲十型戦闘機を次々と第一線に配備している。さらに第二砲兵隊(ミサイル部隊)の増強は、中国軍が台湾海峡において戦争の主導権を握ろうとしていることを明確に示すものである。 

《台北『自由時報』11月15日》

台湾の主権は台湾国民に属する 考試院長が「地位未定論」否定

 高校の歴史教科書改訂に関し、台湾の主権および領土問題が激しい論議を呼んでいる。こうしたなか、台湾の主権問題について三十年にわたり研究を重ねてきた姚嘉文・考試院長は、台湾の国際法上における帰属先が不明確であるとするいわゆる『台湾の地位未定論』に関し、「誤った主張だ」とこれを否定した。 

 姚院長は「『台湾の地位未定論』とは、サンフランシスコ講和条約締結以前の状態を指すものだ。一九五一年に同条約が締結後、台湾の主権は台湾国民の手に返り、台湾の主権独立の地位はすでに確立した」と述べ、「いまだに『地位未定論』を唱えている人々は、台湾の主権問題を理解していない」と指摘した。 

 第二次世界大戦終結前夜の一九四三年と一九四五年、連合国は前後して「カイロ宣言」と「ポツダム宣言」を公表した。このなかで、台湾と澎湖諸島を『中華民国に返還』するよう主張したというのが歴史上の通説であるが、姚院長はこれに対し「これらは連合国の『立場表明』に過ぎず、国際法における『条約』ではないため、『台湾が某国に帰属する』ことに関する効力はなんら発生していない」と述べた。また、一九四五年に当時の蒋介石統帥が連合軍の委託を受けて台湾を接収し、台湾が中華民国の地図に組み入れられたことについても、「台湾の主権が『中国』を代表する中華民国政府に帰属することを示すものではない」と分析し、「台湾の主権は一九五一年のサンフランシスコ講和条約締結後に初めて変動した」と指摘した。 

 一九五〇年六月二十七日には、トルーマン米大統領が「トルーマン宣言」を発表し、「台湾地位未定論」を提起するとともに、台湾の主権が中国に帰属しているとの主張を否定し、カイロ宣言とポツダム宣言の内容を間接的に否定した。トルーマン宣言には「台湾の未来の地位は、太平洋地域の安全保障体制を構築し、日本に対する平和問題を解決したうえで、国連の検証後決定されるべきだ」との一文が盛り込まれていたが、姚院長は「当時米国には、台湾が中華人民共和国の手に渡ることを防ぎ、台湾がこれにより中国の一部となることを防ごうとする意図があった。同時にこれは、蒋介石政権崩壊の運命を間接的に緩和することとなった」と述べた。 

 ●サンフランシスコ条約は台湾の主権独立を確立させた  

 「トルーマン宣言」に基づき、日本との戦争を早期に終結させるため、米国が主導する連合国の首脳は一九五一年九月八日、米国サンフランシスコで「サンフランシスコ講和条約」を締結した。本条約第二条第二項には、「日本は台湾および澎湖諸島に対する一切の権利、権利名義と要求を放棄する」ことが明記されている。また台湾と日本の間では、サンフランシスコ条約の内容に準じた「日華和平条約」が締結された。 

 姚嘉文院長はこの二つの条約に関し、「これらの締結後、台湾の主権は日本から離れ、台湾国民に帰属した。世界のいかなる国家であれ、いかなる理由があっても、台湾、澎湖諸島の主権を得ることはできず、台湾の『地位未定』の状態はこれにより終結し、台湾の主権独立が始まった」と述べ、「これまで多くの人がこの条文をもとに台湾の『地位未定論』を主張してきたが、これは大きな誤りだ。サンフランシスコ条約の締結によって、台湾はみずからの権利を回復し、自由を得たのである」と強調した。 

 ●カイロ宣言は台湾に不利 

 姚院長はさらに、「中国が台湾の主権所有を主張する時、その根拠としているのは『カイロ宣言』である。中国建国以来、台湾が中国の領土であると明記した条約はないが、カイロ宣言には『台湾、澎湖は中華民国に帰するべき』という主張があるため、中国は国際法上の『国家継承』の概念により、台湾と澎湖諸島に対する所有権を主張している」と述べた。また「台湾にとってのサンフランシスコ条約の重要性は言うまでもない。台湾国民は本条約の意義を再度見直し、誤った解釈により台湾に危険をもたらす可能性を避けなければならない」と強調した。

《台北『自由時報』11月14日》

「地位未定」から「主権独立」国家へ 『自由時報』(11月15日)  

 最近、教育部が発表した高校歴史指導要綱のなかで、台湾史に関する問題が、「台湾の地位未定論」や関連条約の解釈に波及し、国内外の大きな論議を呼んでいる。 

 第二次世界大戦後、台湾の国際法上の地位は暫時「未定」となった時期があった。しかし、六十年近い時を経た現在、台湾は一主権独立国家としてすでに脱皮したと言えるだろう。現在に至る経過とそれに関わる条約、文書について、国際法の観点から、ここで再度検証してみたい。 

 一九五一年に締結されたサンフランシスコ講和条約は、第二次大戦後の敗戦国日本の領土範囲を定めたもっとも権威のある国際条約である。それ以前のカイロ宣言(一九四三年)では、当時の米、英、中三カ国の元首が台湾、澎湖諸島について中国に返還するという意向を確認し、ポツダム宣言(一九四五年)では、その第八条で「カイロ宣言の協議を実施する」と定められていたが、これらはいずれも戦争勝利国の軍事的思惑が絡んだ一方的な宣言であり、領土所有国だった日本は参加していないため、国際法上の拘束力は持っていない。 

 一方、サンフランシスコ条約では、日本が台湾、澎湖諸島における主権と一切の権利、主張を放棄することを明確に承諾した。しかしこの際、台湾がどの国に帰属するかについては規定されず、国際法上の台湾の地位は暫時宙に浮いた状態となった。これが「台湾の地位未定論」の由来であり、一九五二年に中華民国と日本が締結した「日華平和条約」でも、台湾がどこに属するかについては定められず、その地位に変化はなかった。

 つまり、日本が日華平和条約で台湾の主権と一切の権利主張を放棄した後、台湾の主権は「中華民国」にも、「中華人民共和国」にも帰属せず、台湾国民全体のものとなったのである。これは国民自決、主権在民の真理であり、その原則によれば、領土の帰属とは、すべての国民の生存、人権、福祉に関わる問題である。 

 日本が主権を放棄した後、一九八七年に戒厳令が解かれるまで、旧政権による統治がおこなわれたが、その後台湾は政治的変遷を遂げ、本土化と民主化が始まった。そして、国際法上、長い間宙に浮いたままだった台湾の地位は、今すでに一主権独立国として確立された。これは台湾の民主化、中華民国の台湾化、また台湾が独自の政治、経済、社会と文化を育み、台湾国民の自決権を確立した結果である。一九九九年に李登輝前総統が提言した「二国論」、そして二〇〇三年に陳水扁総統が宣言した「一辺一国論」はまさに、台湾が主権独立国家として成長したことを示す大きな証だと言えよう。

 台湾は現代世界において紛れもなく一つの国であり、また国際法が規定する国家としての条件を備えている。台湾は二千三百万の国民を有し、台湾、澎湖、金門、馬祖に対し国際法が定める有効管理と正当な権力を行使しており、有効な決裁力を持つ政府を有し、また国際社会と責任を持って相互連動を推進する能力(主権)を有している。われわれはさらに名実ともに「正常な国」となるために、「中華民国」の看板を外して「台湾国」と名を正し、台湾憲法を制定し、国連の加盟国となるべく努力していかなければならない。

台湾観光年

 士林で「菊祭り」始まる

故蒋介石・宋美齢夫妻の住まいだった台北市の士林官邸で、十一月十日から二十五日まで、菊祭りが開催されている。 

士林官邸は八年前から庭園部分が一般開放されており、ヨーロッパ風のロマンチックな雰囲気から、新婚カップルの記念撮影にも使われている。一般にはバラ園が有名だが、毎年この時期は菊祭りが開催されている。その数およそ七十種類あり、直径が三十センチもある大菊や高さが二メートル以上の丈菊など、専門の職人が丹精込めて育てあげた自慢の花が並んでいる。庭園の開放時間は午前八時半~午後五時まで。期間中は無休で入場は無料だ。 

なお、台北市では十二月十八日~来年一月十四日まで「台北花卉展」を、二月二十五日~三月二十七日まで「陽明山花祭り」を予定している。
《台北『民生報』11月11日》 

「二〇〇四収冬客家祭」が開催

客家人の祭り「二〇〇四収冬客家祭」が十一月六日から台北を皮切りに一カ月間、全国で開催される。 

台北市のなかでも通化街は客家人が多く住む町として知られている。初日、通化街にはさまざまな色の布で飾った燈篭が並び、中央には大太鼓が据えられ、祭壇には客家の伝統茶「擂茶」が供えられた。また、新竹からかけつけた「花鼓隊」が民俗衣装に身を包んで街をパレードし、獅子舞や雑技を披露、鼓笛演奏も加わり、祭りを盛り上げた。 

「二〇〇四収冬客家祭」は台北で幕を開けたあと、桃園、苗栗、花蓮、台東、嘉義、台南、高雄の各地を巡回して行われる。
《台北『民生報』11月8日》

総統府グッズが人気 

総統府は二〇〇〇年以降、館内の参観を一般に開放し、さまざまな文物展を開催している。たとえば、歴代総統の文物展や総統就任祝賀特別展、地方文物展などで、それらの展示には解説ガイドがつき、参観者には総統府建物の歴史や国璽などを紹介した「認識総統府手帳」がプレゼントされている。 

一般に文物展もさることながら参観者にとくに人気なのは、ここでしか手に入らない「総統府グッズ」だ。「総統府記念品中心」で扱っており、いま最も売れているのが一本六百五十元(約二千円)の期間限定の皮のベルトと、憲兵をデザインしたキーホルダー一個六十元(約百八十円)。このほか、陳水扁総統をモチーフにした腕時計や文具、ブローチなども人気がある。
《台北『民生報』10月16日》 

「三芝名人館」がオープン

台北県三芝郷に、台湾の発展に貢献した人物の資料を集めた「三芝名人館」が十月二十三日、オープンした。 

同館は唐の時代の建築様式を模して造られ、古い窓や廻廊は重厚でレトロな雰囲気に満ちている。一階はコンサートや芝居などを鑑賞できる芸術シアターになっており、二階の「采風館」には台湾で最初に医学博士となった杜聡明氏、音楽家の江文也氏、布袋戯の大御所である李天禄氏、前立法委員の盧修一氏、李登輝前総統らの文物や書が展示されている。また同じ二階の「開拓館」には台湾近代化の開発史と、三芝の発展の歴史を紹介している。二階からは台湾海峡を望めるほか、建物の周囲は公園になっており、野生植物園区が備わっている。

「三芝名人館」の向かい正面には李登輝前総統の旧居「源興居」がある。台湾の伝統的な三合院造りで、このほど改修工事が終わり、名人館と同じ日にオープンした。

《台北『聯合報』10月22日》

文化ニュース

台湾の豊かな農産品を紹介

農委会が販売促進フェア開催

政府の農業への関心をアピールし、台湾の農産品を消費者に幅広く紹介するため、十一月十三、十四日の二日間、総統府前広場と凱達格蘭大通りで、農業委員会主催の「活力台湾、健康美食―農産品販売促進フェア」が開催された。柿やブドウ、パパイヤ、みかんなど旬の果物のほか、農業振興の成果をテーマとしたさまざまな展示ブースが設けられ、注目を集めた。 

このうち「農村の美食」ブースでは、台湾全国三十カ所の郷土料理が試食でき、また直径四メートルの大鍋で煮込んだ「麻油鶏」が一杯二十元(約六十円)で販売され、人気を呼んだ。また「ブランドフルーツ」のブースでは、農業委員会お墨付きの品質の高いフルーツが展示され、フレッシュジュースの試飲コーナーも設けられた。 

●池上米の特製弁当も販売 

このほか「台湾好米」ブースでは、今年第一回全国米品評会で優良銘柄に認定されたブランド米を使った商品も展示された。最優良銘柄「池上米」を使った「池上弁当」も、特別価格の百五十元(約四百五十円)で限定千個が販売された。 

●台湾農業のグローバル化へ 

この販促フェアには、游錫堃・行政院長も姿を見せ、みずから試食して台湾の農産品の品質をアピールした。游院長は「わが国はWTO加盟後、さらに厳しいグローバル化に直面しており、政府は今後も農産品の品質向上を目標とし、国際市場の開拓をおこなう」と述べ、台湾農業のレベルアップをさらに後押しする意向を示した。
《台北『中国時報』11月17日》  

コンビニ弁当も品質で勝負 日本風味や高級米でひと工夫

 「品質第一」は台湾ではすでに、全ての商売のキーワードになっている。最近はコンビニ弁当も、量が多くて安いものから、多少高くても美味しくてひと工夫あるものが好まれるようになった。 

コンビニ大手の7-11では、日本風味の新シリーズ「日本街町美味」を発売中だ。半年かけて研究した末、丁寧な手作業で手間ひまかけた「ねぎ焼肉弁当」五十五元(約千五百円)や三十一種類のスパイスを使った「カレーチキン弁当」六十五元(約千八百円)などを完成させた。同社では品質管理の担当者を台湾に駐在させており、今後海老天弁当やカツドン弁当も発売する。 

 一方、全家便利商店では台湾の優良米を使用した弁当が好評だ。今年十月に発売した香米香嫩烤鶏弁当、越光米を使った日本式弁当、なかでも台湾一の米ブランド「池上米」を使った池上弁当は一番人気で、発売以来七代目だという。
《台北『民生報』11月9日》

雲門舞集の経験が本に 震災地の子供にダンスを指導 

東洋思想に根ざした独自の舞踊スタイルを持ち世界で活躍する舞踊団、雲門舞集が五年前の大地震で被災した子供たちにダンスを指導した経験が『我在藍天下、跳舞』として一冊の本にまとめられ、このほど出版された。 

 「ダンスの創作・発表以外に、自分たちが社会のためにできることは何か」と自問自答してきたという同舞踊団の創立者・林懐民氏は、一九九九年の中部大地震直後、ただちに舞踊団のメンバーを率い震災地を訪れ、子供たちにダンスを指導した。親兄弟を亡くし、心身ともに大きな傷を受けている子供たちに、ダンスを通して立ち直ってもらいたいとの思いからで、「藍天教室」(青空教室)と名づけられたこのカリキュラムは、三年余り続けられた。 

指導にあたったメンバーは五十八人、訪れた学校・幼稚園は百十五校、指導を受けた児童は三十四万人に上った。 

同書には、メンバーが直面したさまざまな困難や、子供たちがダンスを通じて心身の健康を回復していく過程などが描かれている。
《台北『民生報』11月6日》 

「台北之家」が創立二周年 台湾映画のさらなる発展期す

旧米国大使官邸の建物を改築し、台湾映画の発信地として誕生した「台北之家『光点』」が今年で創立二周年を迎えた。 

「光点」は、侯孝賢監督が理事長を務める台湾電影文化協会が経営し、これまで内外のさまざまな映画を紹介している。さきごろ関係者が集まって行われた二周年記念パーティーには、ここ数年ベネチアや東京の国際映画祭に出品し世界に活躍の場を広げている鄭文堂監督も駆けつけ、台湾映画の将来について熱っぽく語った。 

今夏、日台合作映画『珈琲時光』が話題になった侯孝賢監督は、十二月から舒淇主演の『最好的時光』の撮影に入り、来年九月には念願の武侠映画『曹家八仙女』に取り組むことにしている。一方、鄭文堂監督は故宮博物院を背景にした新作『経過』に続き、早くも次なる作品『深海』の制作に取り掛かっている。
《台北『民生報』11月6日》  

抗がん「華陽複方」認可大詰め 三年内に医薬品として発売も 

 台湾出身の科学者・孫士銧さんが開発した中薬(漢方薬)の「華陽複方」が、米国の食品および医薬品局(FDA)で、臨床試験の最終段階であるフェーズIIIの実施を許可されたことが分かった。試験の結果次第では、早ければ一~三年以内に、抗がん剤として発売が認められる予定だ。 

華陽複方(Selected Vegetable and Herb Mis)は、シイタケ、小豆、棗、サンザシや甘草など、十九種類を主な材料とし、抗がん作用を持つ植物と漢方薬材を合わせたもので、自然の植物を使用しているため、副作用や毒性がないのが特長だ。現在米国、台湾では、すでに健康食品として販売されているが、医薬品としての許可が下りれば、漢方薬では米国で初めての許可取得例となる。

統計によれば、余命八カ月と宣告された肺がんの末期患者のうち、一年以上延命できた率は二割に過ぎないが、本薬品の臨床試験では、同薬品を投与した場合三十三・五カ月まで延命できた例があり、一年以上生きられた率は七割に達した。

開発者の孫さんによれば、華陽複方の効能は病人の免疫系統を増強することで、体内の抗がん作用のある細胞を活性化し、がん細胞の分裂、拡散を阻止する作用があるという。
《台北『中央社』11月2日》 

●淡江大では抗がん新種細菌を発見 

 淡江大学生命科学開発センターではさきごろ、紅麹菌を分解する新種の細菌を発見した。「TKU001淡江一号」と名付けられたこの菌は、コレステロールを下げる働きを持ち食品などに使われている紅麹菌を分解し、将来的には抗がん剤の開発にも利用できると見られている。
《台北『中国時報』10月19日》

スポーツ関連ニュース

世界綱引き選手権で金メダル

 十一月十四日、「第五回アジア綱引き選手権大会二〇〇四」が桃園県のドームスタジアムで開催され、台湾チームは女子が金メダル、男子が銀メダルを獲得した。今年五回目となるこの大会には、日本をはじめ、韓国、モンゴル、インド、香港、マカオ、台湾の七カ国十九チームが出場し、会場は気合の入った掛け声で熱気に包まれた。 

 このうち女子の競技では、実力に定評のある台湾チームが、決勝では二対〇で日本を降し、他を寄せ付けずダントツ優勝を飾った。一方、男子の競技では、今年二月に英国の世界選手権で優勝した国家代表チームを破り、最近、新たに日本最強となった佐川急便チームが日本から出場した。台湾は決勝で日本チームと戦い、双方ともに譲らぬ熱戦となったが、最後には惜しくも一歩及ばず、銀メダルとなった。 

《台北『中央社』11月14日》

台湾地名ものがたり 12

●苗栗に栗はない 

 苗栗といえば、かつて栗がいっぱい獲れた所かと思うと、そうではない。 

 かつてそこには先住民平埔族のうちタカス族という部族の蕃社があった。記録によれば、この地へ最初に漢人が入ったのは鄭氏政権時代とされている。鄭氏政権は北部を天興県とし、そこの行政を任されたのが武官の劉国軒だったというが、実際には鄭氏政権の統治は北部には及んでいなかった。だが、人が入って調査ぐらいは行い、この地にも足を踏み入れたのだろう。そこで、この地にタカス族の蕃社があるのを見つけた。蕃社名を「ミャオリー」といった。カタス族の言葉で「平地」を意味するという。鄭氏政権の武官はそこに発音の似た「猫狸」との漢字を当て、それをこの地の呼称とした。一六七〇年ころの話である。その後鄭氏政権は滅亡し大陸の清朝が台湾を統治することになるが、幾度かの行政改革を経るなか、光緒元年(一八七五)に猫狸は新竹県の管轄下に組み込まれ、この時漢字表記が発音の似通った「苗栗」に改められた。 

●霧峰郷は霧の里

 中部の霧峰郷は、往時「阿罩霧」といった。漢人の入植者が入った時、この地に平埔族の蕃社で「Ataabu」というのがあり、そこに漢字をあてたわけだが、わざわざ「霧」の字を使ったのは霧が常に発生する地だったからと言われている。だが日本統治時代の大正九年(一九二〇)に、そのものずばりの「霧峰」に改められた。 

●豊原市は稲の豊かな町 

 中部の中堅都市・豊原は旧名を「葫蘆墩」といい、これも平埔族の蕃社名「Huluton」の漢訳で、入植者によって稲作が始められ、一帯は米の産地となって稲が豊かに波打つようになった。この情景から大正九年に「豊原」に改められ、現在に至っている。

お知らせ

「家族の記―台湾大地震から五年」写真展

 日本に留学し商業・報道写真の技術を学び、台湾でフォトジャーナリストとして活躍する張蒼松さんによる台湾大地震をテーマにした写真展が東京都内で開催されます。張さんは地震直後に被災地を訪れ取材した三十七組の家族を、地震から五年目の今年ふたたび訪ね、写真に収めました。写真展ではそれらを対比し、人びとの再建の様子と、生きることの尊さが語られています。写真展を開催するにあたり張さんは「阪神淡路大震災、台湾大地震、そして現在全力で復興中の新潟県中越地震の被災者のための祈りと祝福になれば」と語っています。 

開催日時:11月29日(月)~12月11日(土)午前10時~午後7時(日曜日は休館)

会 場:銀座ニコンサロン(東京都中央区銀座5-11-4銀座クレストビル2階 TEL:03-3248-3783)

春 夏 秋 冬 

 11月11、12日付けの新聞は各紙ともトップから2、3面まで同じニュースで埋め尽くされた。もちろん、その後もこのニュースに関しては各紙とも関連記事、解説、社説などを継続し重視の姿勢を示した。それだけ重大な事件だったのだ。中国の攻撃型原子力潜水艦の潜航したままの日本領海侵犯事件のことである。この扱いは台湾でも同様だった。現地紙には「中国漢級潜艦入侵日領海」(自由時報11月11日付)に類似した文字が第1面に躍った。各紙とも写真入り、地図入りのトップニュースとして報じ、その後も日本世論の硬化や政府の対応などを報道し続けた。 

 つまり、台湾にとってもこの事件は他人事ではないのだ。第一報が報じられた10日夕には、国防部筋が重大な関心を払っていることを表明するとともに、日本と情報交換を行っていることも明らかにし「日米ならびに台湾の哨戒能力を試そうとしたもの」とのコメントを発表した。 

 地図を見れば、台湾の憂慮は明白だ。場所は石垣島の東側で日本の領海内とはいえ、距離にすれば沖縄本島よりも台湾本島の方に近いのだ。1996年の台湾近海へのミサイル撃ち込みと同様に、それは明らかに台湾にとっても脅威なのだ。 

 すでに分かる通り、今回の事件はあることを示唆している。それは日米安保条約の重要性と同時に、そこに台湾を加えた日米台の三カ国連携の重要性である。これは教条的な中国追従論者は別として、一般の感覚を持った人なら、地図を見れば容易に理解できよう。日本への脅威は、同時に台湾への脅威でもあり、米国の重大な関心事でもあるのだ。 

 これについては陳水扁総統をはじめ、台湾政府首脳部は以前から異口同音に日米台の「価値同盟」を強調していた。台湾は日米と正式国交はないが、自由経済、民主体制、人権重視の点において、価値観を共有しているのである。そこに今回、軍事的な連携の重要性が加わったことが、一層明確になったのだ。これはすでに国交のあるなしを超越した問題であり、日本の国益はこの中にこそあるのではないか。台湾国防部筋は10日夕のコメントの中で「日台間の関連情報交換のパイプは順調であり、今回の事件は日台合作の重要性をさらに顕著にするものである」と述べていたが、もちろん軍事機密の必要性からか、情報交換の具体的内容は明らかにされなかったが、この方面での交流強化にも、これを機に日本政府が本腰で取り組むようになることを期待したい。 (K)