台湾週報2176号(2005.2.3)
週間ニュースフラッシュ
◆七大銀行の不良債権率徐々に改善
七大銀行(第一銀行、台湾銀行、華南銀行、合作金庫、土地銀行、彰化銀行、台湾企銀)は一月十二日、昨年の平均不良債権率は前年の四・三七%から二・八九%に改善したと発表した。金額にして二千八百六億元(約八千五百億円)から二千四十八億元(約六千二百億円)に減じた。
《台北『経済日報』1月13日》
◆親民党はどの党とも連携せず連立内閣にも参加せず
米国訪問中の宋楚瑜・親民党主席は一月十五日、ワシントンで記者会見し、「親民党はどの党とも連携せず連立内閣にも参加する意思はない」と語り、国民党との合併や民進党内閣への入閣を否定した。兵器購入問題では「反対ではないが押し付け購入には反対だ」と述べた。
《台北『中国時報』1月16日》
◆陸委会が趙紫陽の死去に哀悼の意
行政院大陸委員会は一月十七日、趙紫陽・元中国総書記の死去に際し、「趙紫陽氏は天安門事件で学生に理解を示し、国際的にも評価された」とその姿勢を称え、中国政府に対し「こうした人物が失脚するのではなく、中国は民主化と社会の多元化を進めるべきだ」と北京当局に呼びかけた。
【行政院大陸委員会 1月17日】
◆兵器購入特別予算案がまた野党の反対で頓挫
防衛強化のため政府が提出している兵器購入特別予算案が一月十八日、立法院準備委員会で野党の反対により立法院院会(国会)に送付することがまた否決された。準備会での否決はこれで十六度目である。陳水扁総統は同日「宋楚瑜・親民党主席はワシントンと意思疎通した後、考えも変わるはずだ」と語り、同案通過への意欲を示した。
《台北『中国時報』1月19日》
◆海外の華僑学校で台湾正名を推進
教育部は一月十九日、「台湾海外学校設立と指導弁法」を審議通過し、タイ、ベトナム、インドネシアなどに開設している在留子女のための「台北学校」もしくは「中華台北学校」を、正名運動の一環として「台湾海外学校」に改名することに決定した。今回の改名は六校に及ぶ。
【教育部 1月19日】
◆ソウルの漢字表記を「漢城」から「首爾」に
中国語ではこれまで韓国の首都は「漢城」と表記してきたが、このほど李明伝・ソウル市長は「中国語もハングルの原音に近い『首爾』に改めるべきだ」と語った。台湾ではこれを受け、韓国の正名運動として今後論議を呼びそうだ。
《台北『中央社』1月19日》
◆EUが対中武器禁輸措置解除の可能性大
王予元・外交部欧州司長(局長)は一月二十日、「欧州連合(EU)が本年中に対中武器禁輸措置を解除する可能性は高い。今後とも引き続きEUへの説得活動を強化する」と語った。日本の町村外相も一月二十日、ストロー英外相にEUは対中武器禁輸措置を解除しないようにと要請した。
《台北『中央社』1月20日》
◆グレナダと外交関係停止
グレナダが中国との外交関係締結文書にサインしたため、外交部は一月二十日、同国との外交関係を停止すると発表した。グレナダはまだ台湾との断交を宣言していないが、同国が中国の「一つの中国」政策の強要に抗し得ないと見ての措置である。
【外交部 1月20日】
◆中国の「反国家分裂法」には「反中国併呑法」で対抗
陳水扁総統は一月二十日、中国の「反国家分裂法」制定に対し、台湾国民の声を反映して「反中国併呑法」で対抗する可能性もあるとの認識を示した。
《台北『自由時報』1月21日》
中国の侵略法に国際圧力を アジア太平洋の平和を崩す動きを制御
中国が今年3月の全人代で制定しようとしている「反国家分裂法」は、一定のバランスを保ち長期間安定してきた台湾海峡の現状を一方的に否定し、侵略戦争を発動する口実を設けるためのものである。このため政府は以下のコメントを発表し、国際社会に中国の危険な動きに厳重抗議するよう呼びかけた。同時に、中国の侵略措置に反対する国際世論を形成するため、日米欧などに宣伝チームを派遣することを決定した。
●中国の侵略法に国際的圧力を
昨年十二月十七日に中国は第十期第十回「全国人民代表大会常務委員会議」において「反国家分裂法」草案を審議し、同二十九日に今年三月に開催予定の全人代に送付することを決定した。
中国は法律の形式によって台湾海峡の現状を変更しようとしているのであり、これは両岸情勢を見誤っているばかりか、台湾の民心を離反させる間違った方策であり、両岸関係に不測の事態をも招きかねないものである。わが国政府は、この台湾海峡の安定を破壊し、台湾国民の人権を無視する暴力的手法に厳重に抗議するとともに、以下の通り認識するものである。
一、中国が「反国家分裂法」を制定するのは、一方的に台湾海峡の現状変更を宣言するのに等しいものである。中国が「反分裂」を法律の名称とするのは、台湾海峡両岸の現状が「統一」されており「分裂」していないと対外的に宣告するものであって、この主張は「両岸は互いに隷属していない」という現状にまったく反するものである。「反国家分裂法」が施行されたなら、それは両岸の現状がすでに変更されたことを表明することになる。
二、中国が「反国家分裂法」を制定するのは、脅迫的な「統一」を唯一の選択肢とするものである。「反国家分裂法」は「統一」を両岸間の唯一の選択肢と設定し、その他のあらゆる選択には法をもって罰するというものであり、実質的に中国が武力をもって台湾を併呑することに法的根拠を与えるものである。これは人権および民主主義という世界普遍の価値観に対し、最も悪意を持った蹂躙となる。
三、中国が「反国家分裂法」を制定するのは、台湾海峡情勢において唯一の主導者になろうと意図するものであって、中国政府当局者が「反国家分裂法」の立法者、法執行者、仲裁者、制裁者のすべてを兼ね、中国が一方的に台湾海峡情勢の行方を主導しようとするものである。これは台湾海峡の不確実性を大幅に増大させることになり、アジア太平洋地域の安定に最大の不安定要素を形成することになる。
四、中国が「反国家分裂法」を制定するのは、国際政治の現実に対する挑発となる。「反国家分裂法」は国際社会の台湾海峡情勢に対する認識をまったく軽視するものであり、国際社会の関与を徹底的に排除しようとするものである。もしこれが制定されたなら、それはアジア太平洋地域の平和と現状に対する重大な破壊行為となり、世界各国がこの地域に有している権益に直接損害を与えるものとなる。
五、中国が「反国家分裂法」を制定するのは、台湾国民の中国当局に対する嫌悪感を高め、両岸間が交流をさらに一歩進め、双方の対話を再開しようとする基礎を徹底的に破壊するものとなる。
このような台湾を侵略併呑しアジア太平洋地域の平和を破壊しようとする中国の意図ならびに悪辣な行為 に対し、台湾は国際社会が共同で強烈な譴責と厳重な抗議をするように希望する。
一、国際社会は、中国が軍事力拡張と台湾を侵略しようとしている意図を直視すべきである。近年来、中国は台湾に対する軍事配備を増強しつづけ、台湾海峡情勢の緊張を高め、すでにアジア太平洋地域の平和と安定に対して脅威を形成している。中国が「反国家分裂法」を制定するのは、さらに進んだ軍事拡張に合法的な口実を設けるものであり、台湾海峡の対立情勢を激化させるものである。
国際社会はさまざまな機会や経路を通して影響力を発揮し、中国当局がさらに一歩進んでアジア太平洋地域の平和と安定を破壊しようとする行為を停止させるべきである。もし国際社会の中国に対する強い反対の意志表示が遅れたなら、それは潜在的侵略者に対し寛容となるばかりでなく、中国がアジア太平洋地域問題を主導することを容認する先例ともなる。
二、国際社会は、中国に台湾国民の現状維持の選択権を尊重するよう促すべきである。台湾の絶対多数の国民は、両岸関係の現状維持を望んでおり、現状を変えようとする如何なる行為にも反対している。国際社会は、普遍的かつ一致した民主主義および人権思想の基準をもって、中国が制定しようとしている「反国家分裂法」のもたらす重大な結果を推測すべきである。台湾はアジア太平洋の一メンバーとして、この地域の平和と安定の維持における責任を忠実に果たそうとしており、国際社会は地域の安全に努力している台湾を全面的に支持し、自由と民主主義を追求している台湾国民に確たる力を与えるべきである。
台湾の将来は決して一個人や他の国が決定してよいものではなく、それはその土地に暮らす国民全体によって決定されるべきものである。もし中国政府が誤った立法化という措置で両岸関係の発展に制限を加えようとするなら、台湾国民はそうした脅威に決して屈服するものではなく、北京はこれによって生じる結果にすべての責任を負わなければならない。
三、国際社会は、わが国政府が両岸関係を改善しようとしている努力と配慮に理解を示すべきである。近年来、わが国政府はさまざまな場において両岸関係における善意を表明している。現段階では台湾与野党ならびに各界の代表が参加した「両岸平和発展委員会」を設立し、わが国内部の一致した意見をまとめ、これにより具体的に両岸平和安定のための相互連動メカニズムを構築し、台湾海峡の長期的安定の現状を維持しようとしている。われわれは国際社会が中国に覚醒を促し、「平和」と「発展」を両岸関係の最も重要な目標とするよう奨励し、台湾が提示している建設的な意見に理解と支持を示し、両岸双方が平和的な対話を再開するのを支援するよう希望する。
【外交部 1月】
●台湾は国際宣伝活動を開始
中国が「反国家分裂法」制定を具体的日程に乗せたことに対し、政府はこれに反対する国際世論を形成するため、米国東部、米国西部、日本、東南アジア、西欧、東欧に六チームの宣伝隊を派遣することになった。各チームはそれぞれの地域において当該政府、マスコミ、シンクタンクなどを対象に、中国が意図している「反国家分裂法」の本質は「戦争促進法」であり、それが台湾海峡の現状を一方的に変えようとするものであり、アジア太平洋地域の平和と安定に重大な危機をもたらすものであることを説明する。各チームの団長は次の通りである。
▽米国東部=呉釗燮・行政院大陸委員会主任委員
▽米国西部=葉俊栄・行政院研究発展考核委員会主任委員
▽日本=羅福全・亜東関係協会会長
▽東南アジア=田弘茂・前外交部長
▽西欧と東欧=高英茂・外交部次長
《台北『中国時報』1月15日》
●日本で中国の危険性を強調
羅福全・亜東関係協会会長(前駐日代表)を団長とする対日宣伝チームは一月十九日に東京を訪問した。同チームのメンバーは羅団長以下、林成蔚・国家安全会議諮問委員、陳培元・国家安全会議副研究員、李明俊・国立政治大学国際関係センター研究員の四人である。
同チームは二十日、東京財団が主催した「日米台中と両岸関係」シンポジウムに出席し、羅団長と林委員が「両岸関係と東アジアの戦略的環境」と題して「反国家分裂法」の危険性を説明した。この中で羅団長は「東アジアは現在安定した状況と一定のバランスを維持している」と語り「台湾は主権独立国であり、中国が『反国家分裂法』を制定し、一方的に台湾を中国の一部分とするなら重大な危機を招く」と強調した。
《台北『聯合報』1月21日》
何経済部長らミッションが日本を訪問 台日の技術提携や台湾への投資、買付強化を訴える
何美?・経済部長を団長とする経済ミッションが一月十七日~二十二日、日本を訪れ、SONYやNEC、NAMCOなど大手IT、通信、ゲームソフト企業を含む十社を訪問し、台湾への投資と台日技術提携の強化を訴えた。
何経済部長の訪日は今回が初めてで、日本滞在の最終日、東京都内で記者会見を行い、日本に対する期待や今後の台日経済の展望などについて語った。以下はその要旨である。
○ ○ ○
日本にとって台湾は米国、中国、韓国に次ぐ四番目の貿易相手国であり、貿易総額の五・三%を占めている。昨年日本企業の台湾からの買付額は百十一億ドルとなり、前年より二〇・二%も増加した一方で、台湾の対日貿易赤字は昨年初めて三百億ドルの大台に達し、三百四億ドル(前年比四六・八%増)となった。台日貿易のアンバランスが拡大した原因は、おもに台湾がハイテク製品の生産と輸出を拡大するため、日本から設備と部品、材料を大量に輸入したためである。今回のわれわれの訪問は、日本企業に台湾への投資と買付を積極的に働きかけ、貿易格差の是正に務めたいとの思いからだ。
台日の技術提携、および貿易はこれまでハード面に偏っていたが、今後は通信やデジタルコンテンツなどソフト面での技術提携を強化していきたい。とくにLCDやデジタルテレビなどデジタル家電の分野で台日が共同開発すれば、大きなビジネスチャンスが創造できる。
現在推進している「M台湾計画」(Mはモバイル、すなわち携帯を表す)で、われわれは第二世代携帯電話と無線LANの両者のネットワークを結合させた新しい携帯電話を考えている。これは世界初の試みであり、これに日本が参加してくれることを期待している。日本の優れた技術と台湾の開発能力が加われば、経済の新たな推進力になるに違いない。
私は昨年五月に経済部長に就任して以来、台日の提携強化に最も力を入れてきた。将来世界で求められる製品には、無線、エンターテインメント、安全の三要素が必要だ。これらにおいて日本企業には実績があり、もし台湾が九〇年代に米国との間で培ってきたノートブックPCの生産ノウハウを生かし、これらの分野で日本と共同開発できれば大きな成果が期待できる。
今回の訪問では、携帯用チップ、環境保護製品、精密機械、ソフト開発、安全認識システム、ゲームソフトなどの分野で日本に提携を呼びかけた。日本企業は台湾の投資環境や知的財産権保護の取り組みを評価しており、携帯電話のゲームコンテンツでは日本から共同開発への強い意欲が見られた。貿易赤字は台湾だけの努力では改善できない。今後も機会を見て日本を訪問し、台湾からの買付を積極的に働きかけ、台日の提携強化を図りたい。
○ ○ ○
このあと質疑応答が行われ、「東アジア共同体」構想に台湾が含まれていないことへの影響や、FTA(自由貿易協定)締結について質問がなされた。これについて何経済部長は「『ASEAN(東南アジア諸国連合)プラス3(日本、中国、韓国)』が実現すれば、台湾の経済成長率は毎年〇・八~〇・九%減少すると予想される。台湾はFTA締結を各国と二国間協議で行う可能性を探っている。日本とも交渉を行うルートを探っているが、成功させるにはぜひとも民間の支持をお願いしたい。日本にとって台湾は大きな貿易相手国であり、日本からの輸出が多い現状にあって、台湾とのFTA締結は日本にとっても有利となるはずだ」と強調した。
《取材:本誌編集部》
チャーター便の合意は両岸正常化のステップ 中国の対応に注目「分裂法は両岸関係を損なう」
一月十五日、両岸の代表団がマカオで春節(旧正月)チャーター便に関する会談を行い、第三地を経由せず両岸を直接飛行し、台湾、中国双方の航空機が乗り入れることなどで合意した。両岸のチャーター便は二年前の春節に初めて就航したが、当時は香港またはマカオを経由し、台湾の航空機しか乗り入れないなど大幅に制限されていた。昨年は台湾の総統選挙への影響から、両岸協議そのものが行われなかった。
今回の両岸の合意について陳水扁総統は一月十七日「両岸関係の正常化に向けたステップだ。今年は両岸交渉再開の扉を開くよい時機にあり、双方が善意をもって相異の中に共通点を見出せば、双方が和解、協力できないことは何もない」と語った。
●チャーター便の日常化も検討
呉釗燮・行政院大陸委員会主任委員は一月十六日、立法院内政委員会で、今年の春節チャーター便の就航について説明を行った。このなかで今回の合意の最大の意義について「争議を棚上げし、前提を設けなかったこと。つまり、相互に尊重し、実務を求め、政府が主導し民間がこれに協力することにより、両岸に互恵と相互利益が生まれ、相互信頼の基礎を築くことができた」と評価した。
また「われわれは両岸の経済や法律問題、密航者の引渡し、犯罪防止に向けた両岸協力などの議題について、すでに中国側と協議する準備が整っている。われわれは今後両岸のチャーター便を春節に限らず主な祭日にも拡大し、貨物チャーター便の就航や両岸チャーター便の日常化も排除しない」と語った。
しかし一方で中国が現在制定を進めている「反国家分裂法」については「両岸関係を損なうものであり、中国の対応を注視しなければならない」と述べ、今後の成り行きは中国の対応によるとの見方を強調した。
●対象者に不満も
行政院は一月十八日、今年の春節チャーター便の適用範囲と作業手順を承認した。今回の春節チャーター便は、中国に進出している台湾企業のビジネスマンとその家族が対象となっており、中国に留学している台湾の学生は含まれていない。このため、さきの立法院内政委員会では委員の間から不満が出された。
これについて邱太三・大陸委員会副主任委員は「政府の両岸政策は段階的に行っており、今年の春節チャーター便が台湾企業関係者を対象とすることは、昨年の十月の段階ですでに決定されていた。もし、学生や観光客にも範囲を拡大すれば、小三通などその他の通航にも影響が出る」と述べ、理解を求めた。
また中国の航空機が直行で台湾へ飛行することの安全性について李界佳・国防部連合作戦処長は「民間航空機の速度は知れており、われわれはその動きを完全に掌握できる。たとえ中国が民航機に軍人を乗せて襲撃したとしても、成功率はほとんどない」と指摘した。
●台北―上海間往復一万三千元
今回の春節チャーター便で一九四九年の両岸断絶後、初めて台湾に中国の航空機が乗り入れることになった。
内訳は中国国際航空、東方航空、南方航空、上海航空、厦門航空、海南航空の六社で、このうち東方航空は今回のチャーター便就航に特に意欲的で、乗務員を優秀な人材に絞り、十四名の客室乗務員全員に特製のチャイナドレスを着用させ、しかも「?南語」を特訓中という。また台湾人の口に合う郷土料理も準備中で、乗客一人ひとりにプレゼントも用意しているという。
台湾の乗客の便宜を図るため、中国政府は今回、上海以外に北京と広州でもランディングビザの発行を行うことにしている。
飛行機の就航時間や航空運賃はまだ確定していないが、長栄航空によると台北―北京往復が一万三千百元(約三万九千円)、台北―上海往復が一万三千元(約三万九千円)を予定しており、市場相場の二割以上低めに設定されている。一方大陸の上海航空は、上海―台北往復を一万二千元(約三万六千円)に設定しており、両岸の航空会社による競争となっている。
《台北『中国時報』1月20日ほか》
ニュース
台湾経済の中国傾倒は危険 香港の地位下落は他山の石
台湾企業の対中国投資は一千億ドルを越え、対中国輸出は台湾の輸出総額の三分の一以上を占めるまでになった。これについて顔慶章・駐WTO常任代表は最近「企業は経営戦略に国家の安全保障を考慮する必要がある。中国といかに経済的に緊密になろうとも、中国の台湾に対する政治的圧力は弱まらず、台湾の主権的地位を否定し、国際活動の場をますます抹殺しようとしている。さらに六百基を越すミサイルを台湾に向けている事実も忘れてはならない」と語った。
また顔代表は「香港は一九九七年に主権が中国に移って以来、香港経済の中国における地位は凋落の一途をたどっており、台湾が主権的地位を保持しなければならないことを示している。中国との関係で、経済を第一とし主権争議は据え置くという発想は危険だ。中国はあくまでも台湾を地方政府の地位に貶めようとしているのだ」と指摘した。
《台北『自由時報』1月12日》
対中武器禁輸は継続せよ 欧州議会が欧州連合に要求
フランスをはじめとする一部の欧州連合(EU)構成国に、中国に対する武器輸出禁止措置を解除しようとする動きがあるが、欧州議会は一月十三日、EUに対し対中武器禁輸措置を継続することを要求する決議をした。
これに対し外交部は十四日、「欧州議会はこれまでにも二〇〇三年十二月十八日、二〇〇四年二月十日、同年十一月十七日の三回、EUに対中武器禁輸措置継続を要求する決議をしており、今回で四度目となる。これらの決議は、欧州四億五千万人を代表する声であり、EU各国政府はこうした欧州議会の決議を尊重すべきだ」と表明し、EU各国に対中武器禁輸措置を継続するよう呼びかけた。
なお、今回の議会で対中武器禁輸措置継続をEUに求める議案に対し、賛成九十九票、反対二票、棄権七票であった。また、日本政府もEUが対中武器禁輸措置を解除することに反対の意思を明確に示している。
《台北『青年日報』1月15日》
中国のミサイルを忘れるな 両岸直行に一層必要な警戒
両岸直行の春節(旧正月)チャーター便運行が決定したが、自由時報(1月16日付)は「焦点評論」の欄で要旨次のような文を発表した。
「両岸双方が春節チャーター便交渉のテーブルに着く前、中国の動向に関し驚くべきニュースが報じられていた。一つは中国軍が台湾海峡に面した場所に二つの揚陸機械化師団を配置したというニュースである。この二個師団は台湾を南北から挟む地に配置したものである。もう一つはロシアが中国に核兵器搭載可能の中距離爆撃機『バックファイア』と戦略爆撃機『ベア』を売却する用意があると発表したニュースである。これらが中国軍に配備されたなら、台湾海峡を越えた遠距離爆撃能力が格段に増大することになる。
こうした配備に加え、さらにロシアが中国に空中給油機、空中早期警戒機、空中警戒管制システムなどを売却した場合、西太平洋および東シナ海、南シナ海における中国軍の作戦能力は飛躍的に増大し、周辺諸国の重大な脅威となるばかりか、台湾海峡が中国の内海になることは避けられなくなる。これらは目に見えないが具体的な脅威であることに相違はなく、台湾に及ぼす影響にも深刻なものがある。
春節チャーター便交渉の妥結によって、いま台湾内部には両岸関係に楽観ムードが広がり、軍関係者や国家安全部門の憂慮の声を軽視する傾向がある。だが冷静になって考えれば、中国が六百基を越すミサイルを台湾に向けて配備し、さらに揚陸機械化師団を配置し、ロシアから新型爆撃機を購入しようとしている事実がそこに横たわっているのである。春節チャーター便運行は一部の人には恩恵をもたらすであろうが、国家の安全保障にとってはきわめて危険な要素を含んでいると言わねばならない。
楽観ムードの中に、政府与党が提示している兵器購入特別予算案の正当性まで疑問視されるようになっているが、中国が台湾武力侵攻の準備を着々と整えている中に、そうしたムードは台湾の将来にとってはなはだ危険と言わねばならない」
《台北『自由時報』1月16日》
台湾の奨学金設置に関する計画 文化交流と相互理解の強化を
本計画は、二〇〇三年十月七日の外交部および教育部の合同会議で決定され、二〇〇五年一月十三日に修正が加えられたものである。
一、設置目的:海外の優秀な人材が台湾へ留学し、台湾の風土や国民、経済などへの理解を深め、後の友好関係強化に寄与することを奨励する。またこれにより海外との政治、経済貿易、友好関係を強め、政府、民間団体との教育学術および科学技術交流関係を強化し、さらに台湾の国際競争力を向上させる。
二、奨学金拠出省庁:教育部、外交部、行政院国家科学委員会、経済部。
三、管理および審査機関:奨学金の主要決定事項は、教育部、外交部により「台湾奨学金管理および推進委員会」を設立し共同で処理する。
四、奨学金の種類、待遇、期限、選抜、付与および停止、承認および停止、授与の方法については、「台湾奨学金管理および推進委員会」により別途規定し施行する。
【外交部 1月14日】
二〇〇五年度台湾奨学金 募集要項
台北駐日経済文化代表処
日台両国の文化交流を促進し、相互理解を深めるため、2005年度台湾奨学金制度に基づき、台湾の大学又は大学院において研究を希望する者を以下の通り募集する。
記
一、募集人員(予定)
七名程度。このうち教育部奨学金五名(学部レベル、大学院レベル)、国科会奨学金二名。
二、応募者の資格及び条件
資 格:2005年9月より、台湾の大学、大学院の修士課程又は博士課程に正規生として進学し、学業成績優秀で、かつ人格が優れている日本からの外国人留学生。
(注1)「正規生として」とは、研修生、専攻生及び聴講生等を含まない。
(注2)「外国人留学生」とは、台湾の大学等において教育を受ける目的をもって入国し、大学に入学する予定の者をいう。
国 籍:日本国籍を有する日本在住の者。(申請時に中華民国籍を有する者及び在日華僑僑民は、募集の対象とはならない。)
その他:次の者については、特別の事情がない限り採用しない。
①二〇〇五年九月一日以降、台湾の他の公的機関、団体から奨学金を受給されている者。
②学校の交流協定により、台湾の大学との交換留学生。
③当奨学金の受給資格を取り消されたことがある者。
④当奨学金の同一種類の奨学金を重複して受給している者。
⑤当奨学金を受給した年数合計が五年以上である者。
⑥申請時に既に台湾の大学又は大学付属中国語センタ-に在学している者。
三、支給期間(受給資格行使の延 保留は不可。)
学部レベル:二〇〇五年九月から二〇〇九年八月までの四年以内の期間。
大学院レベル:①修士課程は二〇〇 五年九月から二〇〇七年八月までの二年以内の期間。②博士課程は二〇〇五年九月から二〇〇八年八月までの三年以内の期間。
四、金額(学校より支給する。)
(1)学部レベル:月額二万五千元(約七万五千円)。
(2)大学院レベル:月額三万元(約九万円)。
(注)その他、奨学金支給期間中の学費、雑費、保険及び宿舎等の費用はすべて自己負担とする。
五、選考
台北駐日経済文化代表処において、申請書等提出書類による書類審査及び必要に応じ面接を行い、採用者を決定する。
なお、選考結果については、二〇〇五年六月上旬(予定)全応募者に対し文書で通知する。電話等による問い合わせには一切応じない。
六、応募手続きおよび注意事項
手続き方法、注意事項、留学受け入れ校の連絡先などについては台北駐日代表処理のホームページhttp://www.roc-taiwan.or.jp/内「文教活動」を参照。
●申し込み希望者は、教育部ホームページ(http://www.studyintaiwan.org)、外交部ホームページ(http://www.mofa.gov.tw)に掲載する台湾奨学金情報と申請書を利用してください。或は台北駐日経済文化代表処「台湾奨学金担当」まで、140円切手を貼付けた返信用封筒(A4サイズ)を同封の上、申請書を郵便で請求してください。
七、申請期間
二〇〇五年二月一日~同年三月三十一日まで
八、問い合せ先
教育部奨学金:台北駐日経済文化代表処 文化組
電話03-3280-7837、FAX03-3280-7925
国科会奨学金:台北駐日経済文化代表処 科技組
電話03-3280-7914、FAX03-3280-7933
十、応募書類提出先
教育部奨学金:〒108-0071 東京都港区白金台5-20-2 2F
台北駐日経済文化代表処 文化組 奨学金担当
国科会奨学金:〒108-0071 東京都港区白金台5-20-2 4F
台北駐日経済文化代表処 科技組 奨学金担当
(以上)
戦前台湾在住日本人の遺族を捜しています!
台湾の民主化が進むにつれ、日本時代の歴史研究も大いに進むようになりました。それらは世界史における台湾の位置に関するグローバルなものから、建築、文化、芸能など各分野に至るまで、相当詳しく研究され、資料もつぎつぎと発掘されております。また最近「行政院文化建設委員会」が出版した『台湾歴史辞典』も日本時代に多くの頁を割き、台湾に関係する日本人の人名辞典としての趣きもあるほどです。
こうしたなか、個人の研究者も多くなり、日台関係史研究に関して本誌や「台湾資料センター」への問い合わせも徐々に増えております。
そのなかの一つとして、共立女子大学の張良澤教授より、手持ちの日本時代の写真について、その遺族と写真の背景を研究し、また遺族の方が分かれば返還したいとの連絡がありました。
本ページに掲載のものはほんの一部に過ぎませんが、ご遺族や関係者に関する情報をお持ちの方がおられましたなら、張氏までご一報いただければ幸いに存じます。なお、張氏は今年三月に共立女子大学を退職し、四月より台南県の真理大学台湾文学資料館勤務となります。
▽連絡先
〈本年三月まで〉
八王子市元八王子町一の七一〇
共立女子大学国際文化学部 張良澤宛
TEL 0426-61-9910 FAX 0426-61-9998
〈本年四月以降〉
台湾台南県麻豆鎮 真理大学台湾文学資料館 張良澤宛
TEL 886-6-5700764 FAX 886-2-26235533
立法委員選挙後の台湾政局と日台関係 許駐日代表がアジア問題懇話会で講演
許世楷・駐日代表は一月十五日、アジア問題懇話会の招きに応じ、東京・内幸町の日本プレスセンターにおいて「立法委員選挙後の台湾政局と日台関係」と題した講演をおこなった。
許代表はこのなかで、台湾海峡の安定のため、日本と米国は中国の「反国家分裂法」制定を積極的に阻止するよう呼びかけ、「断交以来の台日交流の基礎を見直すべきだ」と強調した。以下はその要旨である。
○ ○ ○
●立法委員選挙後の政局の変化
台湾では今、旧正月前の慌しさが始まっているが、政界はさらに慌しい状況となっている。昨年十二月に立法委員(国会議員)選挙があり、二月から新しい任期が始まるにあたって、行政院(内閣)の総辞職が一月二十四日に予定されており、新人事についてさまざま取りざたされているからである。
今回の選挙は与党(民進党、台湾団結連盟)陣営が過半数の百十三議席を制することが焦点となっていたが、野党陣営(国民党、親民党、新党)が百十四議席を制し、与党が過半数をとれないという結果となった。陳水扁総統は責任を取り民進党主席を辞任、後任には蘇貞昌・総統府秘書長(前台北県知事)が有力視されている。新内閣の行政院長には、謝長廷・現高雄市長の名前があがっている。
こうした状況のなかで、今後どうすれば政局が安定するのかということが模索されている。
陳水扁総統は新年の挨拶で、「私はこれまで民進党の主席兼総統だったが、これからは全国民の総統になる」と宣言し、さらに今後は政党協調路線をとることを表明し、政党間協力の進展を示唆した。過半数の議席がないと法案がスムーズに通らず、政治的施策、政策を執行するうえで支障が大きい。このため新内閣人事に関しては、各政党との連携が見られると思われる。
ではどの政党と組むかという問題だが、野党最大勢力である国民党との連立は可能性が低いだろう。なぜなら与党側が過半数を得て最初に着手しようとしていた仕事の一つに、国民党の党財産問題があるからだ。双方利害関係が反しているため、連立を組むことは難しい。
一方、親民党は三十四議席あり、取り込めば百三十五議席と安定するため、同党との政党連合形成が検討されている。これには親民党のリーダーである宋楚瑜氏の行動がカギとなるが、台湾では政治において省籍という要素があり、例えば正副総統選挙においては、二人とも外省人のペアでは当選が難しい。国民党には根強い人気の馬英九・台北市長などが育ってきており、四年後の総統選挙では、宋氏はこうした若手に取って代わられる可能性が高くなる。さらに、親民党は国民党の党財産清算について民進党と手を組む姿勢を表明している。こうしたさまざまな理由から、親民党が民進党と組む可能性が出てくる。
●なぜ政党連合が必要か
与党が過半数を超えていない状況では、米国からの防衛兵器購入、憲法修正、正名(名を正す)問題や国民大会存廃問題、国民党の党財産問題など、すべてが通過しにくくなる。二〇〇八年五月までの三年余、陳総統の任期中にやるべきことが進まなくなるということだ。
一例としては、私は総統府人権小組の委員をしていたが、その最大の任務である国家人権委員会設立の草案はすべて完成している。行政院はそれを立法院に送付しようとしているが、ここでも通過には過半数が必要となる。とくに総統選挙の前には、それが陳総統の実績になるから、必要なものであればあるほど通過しなくなる。そうした状況がこれから三年また続くことになる。
防衛兵器購入については立法院で議題にさえ採択されていない。中国が五、六百基のミサイルを台湾に向けている状況のなかで、李傑・国防部長によると「アメリカからパトリオット3型ミサイル、潜水艦やP3C早期警戒機などを購入しなければ、台湾は数年のうちに制空・海権を失う」。ただこれは政党連立が成らなくとも、予算削減はあるものの、いずれ米国が野党に圧力をかけることになり、遅かれ早かれ通過すると思われる。
一番の問題は、憲法修正、制定の問題だろう。台湾では昨年八月、七度目の憲法修正案が全会一致で立法院を通過した。この修正案は、立法委員の定数半減、小選挙区二票制の導入、公民投票法の憲法条文での明記という三つを盛り込んだものだが、現在の憲法の規定では、同方案可決のためには三百人の国民大会代表を召集して国民大会を開き、四分の三の合意を得なければならない。
同方案については、国民からの強い要求により立法院を通過したため、可決されることは間違いない。しかし憲法改正に関してはまず立法院で四分の三の合意を得た後、国民大会で四分の三の合意を得なければならないという現在のシステムでは、政党間で協調したとしてもかなり難しい。また国民大会は旧体制の遺物であり、メディア、交通、国民の教育が進んだ現在の台湾においては存廃が問われている。
このほか、「正名」(名を正す)運動に関しても、例えば日本の台北代表処を台湾代表処に名称変更する場合、日本が賛成するか否かの以前に、現状では、国内での賛成が取れないのである。
台湾は厳しい独裁政権から無血で奇跡的な民主化を成し遂げた国であり、さらに忍耐強く、少しずつ変わっていく可能性を期待していいと思う。
●「現状維持」には「変化」が必要
しかし一方で、このように台湾が変わろうとしていることに歯止めをかけようとしているのが、中国で昨年十二月に人民代表大会常任委員会で通過した「反国家分裂法」草案である。今年三月の全人代で可決されるだろうと言われているが、これは台湾併合を勝手に規定し、台湾の民意に何の関係もなく進めており、人権無視も甚だしい法律である。
さらに中国の民意とも関係がなく、法としてまったく正当性がない。民意を根拠としていない悪法が領域の外にまで及ぶのは例がなく、まるで中国が「靖国神社参拝禁止法」というのを勝手に通して、小泉首相が参拝して処罰の対象にされるのと同様で、これは脅迫である。
「現状維持」ということには、台湾も賛成している。両岸の安定、ひいては地域の平和と繁栄には「現状維持」が必要である。「現状維持」とは状況の安定であり、アジア情勢が変わり、世界が変化するなかで現状を維持するためには、台湾自身が変化しなければならないのである。そのために懸命に行動しようとしているのだが、台湾が何かしようとすれば日本やアメリカが待ったをかける。 その反面、中国がこのような法律によって現状を変えようとしているのに対しては何も言わない。結果として現状が中国に有利な「統一」の方向に大きく変わる。はたしてこれは、日本と米国にとっていいことなのか。日本政府がこの法律について中国を制止したという話はいまだに聞いていないが、もっと積極的に呼びかけて然るべきである。
●七二年体制を見直し新たな交流を
駐日代表に就任してこの数カ月の間に感じたことだが、現在の台日における交流体制は、一九七二年の断交当時の状況を基礎としたものであり、いまその基礎はすでに変わっている。日本も今や国連の常任理事国になろうとしており、憲法改正が当然のように議論されている。台湾も民主化されて大きく変化した。中国も一九八九年以来毎年軍備費を二ケタ台も拡大し続け、日本の領海侵犯までしている。
こうした状況において、はたして従来の台湾と日本の関係でよいのか。これを見直してはじめて台中の「現状維持」を実現できるのであって、台日の間では、それに対応できる交流体制の見直しを進めなければならない。
《取材:本誌編集部》
文化ニュース
中央社「十大潜力人物」が発表 各分野で期待される十名を選抜
中央通訊社が出版する「世界年鑑」の二〇〇五年最新版の新書発表会および「二〇〇五年十大潜力人物」の授賞式が、一月十七日、台北市内のホテルでおこなわれた。
「世界年鑑」は同社が一九九〇年から毎年出版し、今年で十六年目となる。今年は、初めて年鑑のなかに今後の活躍が期待される十名の人材を紹介した「十大潜力人物」が掲載され、新書発表会とともに授賞式が行われた。中央社によれば「十大潜力人物」の選抜は、各分野の傑出した人材発掘を目的としており、「選ばれた十人は二、三十年後には各分野でトップを極めるだろう」と予測している。
「十大潜力人物」に選ばれたのは、二〇〇四年のアテネ五輪銀メダリスト・男子アーチェリーの王正邦さん、雲門舞集の芸術助監督・李静君さん、ナノテクエレクトロニクス研究の専門家で台湾大学電気学科副教授の呉忠幟さん、曜宇半導体股?公司会長の?嘉晉さん、行政院衛生署駐マラウイ共和国大使館衛生代表の陳志成さん、バイオテクノロジーの若手研究者・張文祥さん、音楽で台湾の民間外交を推進するピアニストの陳瑞斌さん、中央研究院の研究著作賞を受賞した台湾大学数学科の陳榮凱さん、成功大学芸術所助教授の劉瑞琪さん、エコロジー事業に従事する延侖環保服務股?公司会長の謝佳延さんの十名である。
授賞式では呂秀蓮副総統がみずから賞を授与した。また政治大学、台南芸術大学など有名校十校の学長が出席し、選ばれた十名に対しそれぞれ賛辞と激励の言葉を述べた。
《台北『中央社』1月17日》
今年も賑わう旧正月年越し市 伝統市場に量販店も加わる
旧正月も迫り、台湾では街が活気を帯びて来た。年末の風物となっている台北の年貨大街(年越し市)も一月二十五日から始まり、迪化街や台北地下街などの商店街では、例年どおり乾物、菓子、各種食材や衣料品の大売出しで賑わっている。
より多くの客を獲得するため、各商店街は、今年はとくに高品質と低価格に力を入れた。迪化街商店街では、年越し市開催にあたり「例年より良質、新鮮、安く」をモットーに、各商店の商品が不当に高すぎないかどうか事前にチェックし、値下げしない店には最高十五万元(約四十五万円)の罰金も課したという。
一方量販店でも、昔ながらの商店街に負けじと年末商品の売り出しをスタートした。日本産の昆布、カズノコやフカヒレなどの高級食材や、アワビやエビ、地鶏など生鮮食品のコーナーを一段と充実させ、さらに二十八~二十九日、二月四~七日の間は二十四時間営業で年末の買い物客を呼び込んでいる。
《台北『青年日報』1月25日ほか》
●「鶏年」記念硬貨が発行
中央銀行は一月二十日、二〇〇五年の干支、鶏をモチーフにした「乙酉鶏年干支紀念硬貨」を発売した。今年の記念硬貨は、真ん中の一枚が表面に干支の鶏、裏面に台南孔子廟大成殿の図柄を彫り込んだ硬貨で、両側には現在流通している五十元(約百五十円)硬貨と二十元(約六十円)硬貨が一枚ずつ配されている。三枚セットで千二百五十元(約三千八百円)。
干支の記念硬貨は一九九三年から毎年発行され、去年の申年で十二支を一回りした。ふた回り目の今年からは、三枚のうち干支をデザインした一枚が交換価値百元(約三百円)相当の一オンス銀貨に変わった。また、裏面の図柄も毎年変わり、十二年で台湾の南北各地の名所旧跡を一回りすることになっている。
《台北『中国時報』1月19日》
中華郵政が「マイ切手」発売へ 若者に切手文化への興味促す
Eメールの普及で手紙を書く人が少なくなり、郵便切手の利用者やコレクターがますます減っている。
こうしたなか中華郵政公司では、切手文化に親しんでもらおうと、自分の写真を切手にデザインする「マイ切手」を近く発売する予定だ。自分や家族、友達とのスナップ写真を持参すれば、世界に一つしかない自分だけの切手を作ることができる。
かつて人々の生活が単純で娯楽も少なかったころ、切手収集が趣味という人は多かった。戦後、中華郵政公司の前身「郵局」が台湾に移ってきてからは、毎年二十種類の異なるテーマの切手が発行され、「清明上河図」「飛雁」「孔雀開屏」などの切手は空前の人気を集めた。なかには価格が一枚百万元(約三百万円)まで高騰したものもあったという。
中華郵政の資料によれば、一九六〇~七〇年代の台湾における切手コレクター人口は百万人以上おり、一種類の切手の発行枚数は最高一千万セットに達したこともあった。しかしこの数年、コレクター人口は二十万人前後と大幅に減り、毎回の発行枚数も現在では数百万セットにとどまっている。
同公司では今後「マイ切手」のほかに、全国各地の学校で切手の歴史紹介や展示をおこなう「移動郵便館」を運行し、切手離れしている若い世代の興味を促す計画だ。
《台北『中国時報』1月3日》
今年も「ナルワン・キャンペーン」を推進
外国人観光客三百五十万人、日本人旅行者二十万人を目標
交通部観光局は昨二〇〇四年を「台湾観光年」に位置付け、海外からの観光客誘致を積極的に行ってきた。
別途統計(今週号「2004年台湾への旅客数および海外出国者数」)に見られるように、昨年一年間に台湾を訪れた外国人旅行客は三百万人近い約二百九十五万人に達し、前年より約三一%も増加した。このうち日本人旅行客は約八十九万人で、前年比約三五%の大幅増となった。
昨年は台湾の先住民族の言葉で「こんにちは」を表す「Naruwan(ナルワン)、Welcome to Taiwan」をキャッチフレーズに観光客誘致を行ってきた。観光局は今年も引き続き同じキャッチフレーズで、より積極的に「ナルワン・キャンペーン」を展開する。今年の海外からの旅行客誘致目標は三百五十万人。
昨年十二月三十一日に開幕した世界一のノッポビル「台北一〇一」をはじめ、同十一月に台北市にオープンした大型アミューズメントパーク「美麗華百楽園」、今年十月に開通が予定されている台湾高速鉄道(新幹線)、そして台湾の先住民文化など、台湾のさまざまな観光資源を結び付け、新たな魅力を開拓、紹介していく。
とくに日本からの旅行客は今年百二十万人を目標に掲げており、気候の温暖さと近距離をメリットに台湾のゴルフ場を積極的にPRする。
●鉄道の旅が人気
台湾の観光には飛行機やバスも多く使われるが、最近人気を集めているのが鉄道の旅だ。台湾鉄路管理局が運行している観光列車は座席が広く食堂車やカラオケなどの設備も充実しており、ゆったりと贅沢な旅が味わえると好評だ。
とくに昨年十一月に登場した「宝島の星」号は五つ星クラスのホテル宿泊と組み合わせた豪華な旅を提供している。毎週土曜日出発で、二泊三日と三泊四日のコースがあり、それぞれ一万六千八百元(約五万円)、二万五千元(約七万五千円)となっている。
《台北『民生報』1月3日ほか》
台湾地名ものがたり 15
●屏東は単に山の東
屏東は一面の平野で南は恒春半島につながり、東は中央山脈に突き当たり、北は台南である。漢人による台湾本島の開拓が台南から始まったことを思えば、この屏東も当然早くからの開拓の歴史を持つ。だが「屏東」の名は新しい。
この一帯は旧名を「阿猴」といった。台湾南部には本来シラヤ族が居住しており、そのシラヤ族がこの地をAkauwと呼んでいた。有力蕃社の名前であったという説もある。その発音に漢人居住民が「阿猴」の漢字をあてた。十七世紀にオランダ人が台南に入った頃、そこはまだ先住民の天下で漢人は少数派だった。その先住民がオランダ人に投降し、一帯はオランダ人支配地となった。漢人移住民が増え始めたのは鄭成功の時代になってからであり、同時に「阿猴」の地名も定着した。清の乾隆二十九年(一七六四)の記録に「阿猴街」というのが見られる。
やがて十九世紀となり、日本時代の明治三十年(一八九七)に阿猴庁が置かれ、恒春までの最南部一帯を行政管轄地とした。明治三十八年(一九〇五)に阿猴庁が阿?庁に改名され、さらに大正九年(一九二〇)に阿?庁が屏東、東港、潮州、恒春の四郡に分けられた。「屏東」の地名はこの時からであり、それは単に半屏山の東側という意味からであった。今日の屏東県が開設されたのは一九五〇年のことである。
●いつも春の恒春
台湾最南端の都市恒春は、旧名を「瑯?」あるいは「瑯嬌」といった。パイワン族の発音で蘭の花の一種を指し、それが多く見られたからと言われている。ここが注目されるようになったのは一八七四年に牡丹社事件が発生してからであり、これにより当時の台湾巡撫沈葆楨がここに県を設置し「恒春県」とした。恒(つね)に春のような地という意味からである。
数字で見る台湾
冬のボーナス平均一・五カ月
台湾の一般企業では旧正月前に冬のボーナスが支給されるが、「一〇四人力銀行」が実施した調査結果によると、今冬サラリーマンに支給されるボーナスの平均は一・五一カ月で、昨年の一・四三カ月よりわずかに上昇した。(この調査は昨年十二月二十三日~二十四日、同銀行が顧客に対しネットで実施。有効サンプル千百三十九社。誤差±3%)
支給額が最も高いのは金融・証券・保険業界で平均二・一九カ月となっており、二年連続トップを占めた。第二位は貿易業と伝統製造業で同一・六五カ月、第三位は建設・不動産業、および情報ハイテク産業で同一・四八カ月などとなっている。「一〇四人力銀行」によると、不動産業界は前年には十位内にも入らなかったが、景気回復により今年は第三位に躍進し、支給額の増加率は〇・二八カ月で最高となっている。
またボーナスの支給基準についての質問で「今後個人の実績により調整する」と答えた企業が六三%にも達し、「統一した基準で支給する」は二〇%に止まった。
一方、業績が好調でこうした平均額を大きく上回る額を支給する企業もある。台塩はここ二年、コラーゲン入り基礎化粧品の販売で業績を伸ばしており、昨年の税引前利益は十二億元(約三十六億円)に上ると予想され、今冬のボーナスは十二カ月が見込まれている。また中国鋼鉄や陽明海運もそれぞれ十カ月を予定しており、電子産業の一部では十四カ月としている企業もある。
《台北『民生報』1月5日ほか》
独身者六百万人を超える
行政院主計処の統計によると、昨年十五歳以上の独身者が六百七万人に達し、はじめて六百万人の大台を突破した。このうち女性は二百六十七万人を占め、二十五歳~二十九歳の女性の未婚率が初めて半数を超え、五六・九%に上った。
「SIP科学園区単身倶楽部」がこのほど行った調査結果によると、現代人の晩婚化の要因として、従来の理想、年齢、プライドの高さ(いわゆる三高)に加え、新たに学歴、地位、外国籍女性の増加などの要因が挙げられると分析している。(この調査は昨年十月~十一月、大学以上の学歴を持つ二十五歳~四十五歳の独身男性、および同二十二歳~三十五歳の独身女性、約千二百人を対象にアンケート方式で実施された。)
このうち、男女を問わず年齢が婚姻を阻む最大要因となっているほか、理想に関しても社会で成功している企業家や芸能人に追い求め、周囲の身近な人と付き合うチャンスを逃していると指摘している。また現代の男女は長年付き合ったあと別れるケースが多く、その痛手を癒すのに長い時間がかかり、新しい出会いを難しくしているという。このほか外国籍女性の増加も影響を与えており、一昨年国内で結婚した六組のうち一組が外国籍女性との婚姻となっている。
《台北『民生報』’04・12・23》
平均寿命七十六歳に
行政院主計処の統計によると、二〇〇三年、台湾人の平均寿命は七十六歳となった。十年前に比べて二歳延び、男女別では男性が七十三歳、女性が七十九歳。世界最長寿の日本より五歳低く、世界で第三十九位となっている。
《台北『民生報』’04・12・14》
文化芸能情報
村上春樹の新刊書が人気
『風の歌を聴け』の鮮烈デビューから三十五年。幅広い年齢層に人気のある日本の作家、村上春樹の新刊書『アフターダーク』が台湾でも人気だ。
中国語訳の書名は『黒夜之後』。出版社がインターネットで予約を受付けたところ、二日間だけで三千冊の注文があったという。出版社はこの本のストーリーが夜十一時五十六分から始まるのに合わせ、一月二十一日夜十時~十二時に新刊書の販売を行うことにしている。
村上春樹の著作は台湾でほとんど翻訳、紹介されており、根強い人気がある。
《台北『民生報』1月13日》
お知らせ
さっぽろ雪祭りに台湾の大雪像が登場
二月七日~十三日に札幌で開かれる「第56回さっぽろ雪祭り」に台湾の大雪像が登場する。
祭りのメイン会場である大通り公園(西10丁目・STV広場)に「これが台湾だ! 台湾へ行こう」と銘打ち、高雄市にある名勝「龍虎塔」を両サイドに配し、中央には世界一のノッポビル「台北一〇一」、台湾高速鉄道、台湾観光親善大使「茶さんファミリー」の雪像が並ぶ。また特設ステージでは本物の茶さんによる台湾観光案内や観光クイズ大会などのアトラクションが連日催され、旧正月を祝う獅子舞の生演出(二月十一日~十三日)も予定されている。
このほかSTV広場では「台湾へ行こう! サービスハウス」が設置され、烏龍茶の試飲や台湾グッズが当たる抽選会なども行われる。
●台湾大雪像に関する情報:http://www.stv.ne.jp/event/snowfest/index.html
中華民国(台湾)電影会
●2月上映会
日 時 2月12日(土)午後6時半~
作 品 『恐怖?子』
(一九八六年 109分)
監 督 楊徳昌(エドワード・ヤン)
脚 本 楊徳昌、小野
出 演 李立群、繆騫人、王安ほか
解 説 小さな出来事が思いもよらぬ波紋を広げていく、そんな都会的な日常に潜む恐怖を描いた作品。一九八六年金馬奨最優秀作品賞、ロカルノ映画祭銀豹賞など数々の賞を獲得し、世界的にも高い評価を得た。
※英語・中国語字幕(日本語なし)
会 場 大阪市立市民教養ホール(阪急梅田駅近く阪急イングス裏)
TEL:06-6371-1833
会 費 五百円(烏龍茶付き)
問合せ 亜細亜電影迷倶楽部 前田 (TEL:0798-67-2300)
亜細亜電影迷倶楽部
e-mail:asiafilm@mvc.biglobe.ne.jp
http://www2s.biglobe.ne.jp/~asiafilm
春 夏 秋 冬
春節(旧正月)チャーター便の両岸交渉がようやく3月15日、マカオでの会議で決着した。経由地なしで相互乗り入れするというのだから、まさにチャーター便とはいえ直接三通(通商、通航、通信)の内の「通航」が実現したことになる。日本のメディアはこのニュースを地図入りでかなり大きく報じ、関心の高さを示していたが、ちょいと首をひねる部分があった。
今回のチャーター便交渉は、各紙とも中国が台湾に呼びかけ、譲歩までして妥結に漕ぎ着けたかのように報じていた。だが実際はその逆なのだ。ともかく両岸双方が席について話し合いましょう、と相手側に早くから呼びかけていたのは台湾の方なのだ。それは陳水扁総統の昨年5月の就任演説の中にも10月10日の双十節談話の中にも見られ、行政院大陸委員会ではことあるごとに北京にテーブルに着くよう働きかけてきた。そこでようやく中国側が経由地なしの相互乗り入れと直行地に台中も入れ、台湾海峡の直接横断も認めよと条件を出してきたのだ。ここで台湾側がそれも話し合いましょうと柔軟性を示し、マカオでの会議になった次第なのだ。
日本の報道は、この時点から報じているのだ。なるほどこの部分だけを見れば、中国側が台湾側を話し合いに応じるよう呼びかけたように見える。
ここで台湾が熟慮した部分を見てみよう。妥結した経由地なしと相互乗り入れは、台湾が早くから主張していたことであり、台湾からの呼びかけに中国が腰を上げたのである。では台中の開放と台湾海峡の直接横断はどうか。これは両者一体と見てよい。海峡横断とは大陸から海峡の中間線を直角に飛び越え、台湾に至ることを指す。
ここで考えていただきたい。中国は常に台湾への武力使用を公言し、実際にそのためのミサイルまで配備し、それを年々増強しているのだ。大陸から海峡の中間線を直角に横断してきた場合、その識別の時間は数分しかない。この路線が恒常化し、やがて飛んできたのが旅客機ではなくミサイルだった場合どうなるだろう。まさにそれは「トロイの木馬」となるのだ。
今回妥結したのは、南から高雄、台北へ入る路線である。台中の開放と海峡直接横断は、両岸双方に相当の相互信頼があり、かつ軍事ホットラインがなければできないことなのだ。台湾が望んでいるのはそこなのだが、中国はそのための話し合いに応じようとしない。今回の両岸直行の妥結が、それに向けての第一歩となればよいのだが。(K)