台湾の国産宇宙用観測機器「宇宙キューブ」が来年宇宙へ

　国家実験研究院（国研院）宇宙センターと国立中央大学は１月２７日、中華民国（台湾）の国産である宇宙用観測機器「先進的電離層測定プローブ」（先進電離層探測儀）を発表した。

　同機器は、宇宙天気および地震の前兆を観測するためのものであり、来年打ち上げ予定の地球観測衛星「フォルモサ５号」（FORMOSAT-5）に搭載され、宇宙から観測を行うことになる。

　同機器は、形状が立方体であり、「ルービックキューブ」（魔術方塊）に似ていることから、「宇宙キューブ」（太空魔方）とのニックネームで呼ばれている。

　この機器は、重さがわずか４キログラムで世界最軽量、世界最小であり、なおかつ解像度が世界最高で、３Ｄプリンターで製作した純金の荷電粒子キャッチャーにより、１秒間に８，０００回余りのプラズマのサンプルをキャッチでき、現有の８倍の性能を持っている。

　同センターによると、「宇宙キューブ」はフォルモサ５号に搭載され、大気の上部にある電離層の不均衡な荷電粒子束を捉え、地震発生の前兆となる「プラズマの異常」を観測することを研究目的の一つとしている。これにより、フォルモサ５号は世界２番目の地震予知研究に貢献する人工衛星となる。

《２０１５年１月２９日》
写真提供：中央社