「台北動物園」が開園１００周年

　台北市立動物園が今年、開園１００周年を迎えた。動物園では開園から１００年間の資料を集め「台北市立動物園百年史」を発行し、動物園が開園当初あった円山から現在の木柵へ、戦前、戦後の困難時、１９７０年代の折り返し点を経て、現在の現代的な動物園となるまでの発展の歴史を記録し、園内のスター動物たちのエピソードなども記録されている。

　それによると、戦前に円山動物園で最初のアジアゾウとなった「マー」は、１９２６年に台湾へ船で運ばれ基隆港で下船した。当時の動物園の責任者は自ら港まで出迎えに行き、貨車で台北駅まで運んだ。貨車から降ろされた「マー」は、飼育員が餌で釣りながら、円山動物園まで歩いて向かった。台湾でアジアゾウが見られたのはこの時が初めてで、台北駅から円山動物園までの沿道には官民そろってゾウを出迎えたことが記されている。また、１９３３年当時の動物園の年間総予算はわずか３万５，０００円だったが、ゾウ舎のために、その内の３分の１近くの１万円が拠出され、鉄筋コンクリート製で建てられ、戦後まで用いられたことも記録されている。

　１９５８年には多くの動物が新たに購入され、これらの動物たちの名前募集の大規模な活動が行われたことなども記されている。

　同動物園には、北海道の釧路市動物園で飼育されていた日本の特別天然記念物であるタンチョウ２羽「ＢＩＧ」（雄）と「貴華」（雌）が、２０１１年９月に無償貸与されており、台日間の動物園交流が続いている。

«２０１４年１０月２８日»

写真提供：中央社