沖ノ鳥礁問題、馬英九総統が政府の姿勢を改めて説明

　馬英九総統は５月１３日、宜蘭県亀山島にある４０１高地の周辺施設を視察に訪れ、台湾漁民の公海上の漁業権について改めて表明すると共に、沖ノ鳥礁問題について、日本は国連海洋法条約に調印しているからには、国際公約を守る国際公民であるべきであり、違法行為をリードすべきではないとの見方を示し、台日双方による早期の話し合いを希望した。

　馬総統は亀山島視察に向かう船内で、琉球区漁会（漁業組合）総幹事から、先ごろ沖ノ鳥礁付近の公海へ操業に行ってきた台湾漁船が、従来は出港後７日間かけてようやく漁獲物が満載となっていたが、現在は日本の海上保安庁による妨害がないことから、４日間で満載となったとの報告を受け、「これは、台湾漁船を保護する行政院海岸巡防署の艦船が機能を発揮したことを証明するものであり、また同時に、沖ノ鳥礁付近は本来、各国の漁民に操業を開放すべき公海であることを明らかにした。我々は台湾漁民の権益のみならず、各国漁民の権益をも守った」と述べた。

　さらに、「中華民国（台湾）政府は、台湾漁民の海上における権益をきわめて重視している」と述べ、最近の漁業権争議の問題に対し、台湾は国際法上の道理を根拠として争うと共に、漁獲能力保護を強化し、漁民の安全と権益をも保障していくとの方針を示した。

【総統府　２０１６年５月１３日】

写真提供：中央社