馬英九総統が厳秀峯女史と李友邦将軍に抗戦勝利記念章を授与

　馬英九総統は７月１日、新北市の板橋葬儀館を訪れ、今年６月１４日に９５歳で亡くなった厳秀峯・女史への褒揚令（褒章）および抗戦勝利記念章、並びに厳秀峯・女史の夫である李友邦・将軍への抗戦勝利記念章を遺族に授与し、国家および社会への卓越した貢献に感謝の意を表した。

　このなかで馬総統は、「厳女史は杭州（浙江省）の商人の家庭に生まれ、１９３７年に日本による侵攻が始まったとき、ふるさとや国土が荒らされることに耐えかねて１７歳の若さで父母と決別し、無数の愛国青年とともに戦場に向かった」と振り返り、１９３９年３月に発生した浙東防衛戦のなかで、厳女史が日本軍による捜索を避けながら軍事情報を前線に届ける重要任務を果たした功績と勇気を称えた。

　馬総統は、李友邦・将軍について、「新北市蘆洲に生まれ、少年時代から強い民族意識を持ち、日本の植民地統治に深い不満を抱き、林献堂および蒋渭水ら先人たちが設立した『台湾文化協会』に参加した。抗日戦争が始まると、『台湾義勇隊』、『台湾義勇隊少年団』および『台湾医院』を設立し、浙江省一帯で日本軍に対処し、当時部隊とともに浙江省金華に撤退していた厳女史も台湾義勇隊に加入した。そして２年後に李将軍と結ばれた。二人の美しい物語は抗日戦争の苦難の中で花を添えるものとなった」と述べた。

　馬総統は、抗日戦争勝利後に厳女史が李将軍とともに台湾に来たが、白色テロの冤罪事件に巻き込まれ、生まれて間もない子どもを抱きながら入獄し、愛する夫と永遠の別れとなったことを振り返り、「厳女史の一生は、時代の混乱と民族防衛戦争の悲壮さを目撃しただけでなく、女性の柔らかさと芯の強さをもって、国家と社会に貢献したことを末永く心に刻みたい」と述べ、李友邦・厳秀峯夫妻の中華民族と台湾への貢献を表彰し、感謝の念を表した。

【総統府　２０１５年７月１日】
写真提供：総統府