馬英九総統が漢光３１号演習軍事パレードに出席、抗日戦争勝利７０周年の意義語る

　馬英九総統は７月４日、新竹県の湖口基地で行われた国軍の漢光３１号演習「国防戦力展示」軍事パレードに出席し、台湾で開催する「抗日戦争勝利および台湾光復（主権回復）７０周年」記念活動の意義を語った。また、この日、中華民国（台湾）政府は、当時実際に参戦した元兵士ら１２７名を招待し、「抗戦勝利記念章」を授与し、国家防衛に対する貢献を表彰した。

　馬総統はあいさつの中で、「歴史に向き合うとき、真相は一つしかない。それは８年間の抗日戦争は中華民国政府が主導したことであり、抗日戦争の勝利は、蒋介石・委員長の指導の下で全国軍民が奮闘した成果であり、これはいかなる改ざんや歪曲もできない」と強調し、「我々が抗日戦争を記念するのは、勝利を強調するためでなく、戦争を防止するためであり、恨みをあおるためではなく、侵略を非難し、平和を追求するためである」との認識を示した。

　馬総統は、７８年前の７月７日の「盧溝橋事件」から８年間の抗日戦争を振り返り、「日本軍は組織、訓練、装備などの面で絶対的に優勢である中、国軍は体当たりで敵軍の軍機や大砲に対抗し、日本軍と２２回の大規模な会戦、１，０００回余りの重要な戦闘、３万回余りの小規模な戦闘を行い、３２２万人もの将兵らが戦死し、そのうち２６８名の将軍が国のために殉じた」と述べた。

　さらに「中国大陸での抗戦だけでなく、台湾においても１８９５年（清・光緒２１年）の中日甲午戦争（日清戦争）で清朝が台湾・澎湖を割譲して以来、台湾の同胞による抗日活動は止むことがなかった。早期には丘逢甲、呉湯興、姜紹祖、簡大獅、余清芳、羅福星、林祖密、モーナ・ルダオ、屏東蕭家父子ら志士による武装行動から、その後も林献堂、蒋渭水、廖進平、翁俊明ら志士による自治、民主を求める活動、さらに抗日戦争の時期には、李友邦将軍による『台湾義勇隊』が福建、浙江沿海で抗日ゲリラ戦を展開し、李萬居ら台湾籍の人々が『国際問題研究所』に参加し、丘念台は広東の『東区服務隊』を指導し、林正亨はビルマ遠征軍に参加した。さらに謝東閔、黄朝琴、連震東ら先達の貢献があり、計５万人余りが共に台湾光復を志したことに感動を覚える」と述べ、深い敬意を表した。

　馬総統は、「フライング・タイガース」のクレア・リー・シェンノート将軍の孫娘であるネル・キャロウェイ（Nell Calloway）さん、「中米空軍混合団」（Chinese-American Composite Wing）のハロルド・ジャビット（Harold Javitt）上校夫妻および中華民国の対日作戦に協力した米国人関係者および遺族らを会場に招待したことを紹介し、感謝の意を表した。

　馬総統は、「侵略の過ちは、許すことができるかもしれないが、血と涙の歴史は忘れることはできない。なぜなら、このような多くの先達の犠牲により、国家の安全が守られたのみならず、不平等条約を破棄し、台湾が祖国に復帰できたのであり、そして初めて今日の台湾の繁栄、進歩、民主主義の成就がある。この成果を大切にしなければならない」と呼びかけた。

【総統府　２０１５年７月４日】
写真提供：総統府