公立収容施設での動物殺処分を全面禁止、アジアで2番目

　行政院農業委員会（日本の農林水産省に相当）は6日、地方自治体及び動物保護団体と共に「告別12夜生命不倒数：台湾全面実施動物収容零撲殺」と題する記者会見を開催し、各地の収容施設で保護される動物の殺処分の全面禁止を発表した。台湾ではこれまで、捨てられたペットなどの収容期間を12日としており、引き取り手がない場合は、ほかの多くの国々と同様に、殺処分していた。

　台湾ではかつて、収容された動物の殺処分が年間10万匹に達することもあった。しかし、農業委員会の黄金城副主任委員（副大臣に相当）によると、政府及び市民による努力の結果、過去10年間（2007年～2016年）で、台湾各地の公立動物収容所で保護された動物の引き取り率は13.45％から74.86％に上昇し、5倍以上も増加している。一方、保護された動物の殺処分率は74.57％から12.38％に低下し、かつての4分の1近くに減っている。農業委員会は、台湾各地の公立動物収容所での殺処分を全面禁止とすることを宣言したが、これはアジアではインドに続く2番目の導入となる。黄副主任委員は、「捨てられるペットを増やさないようしっかりと管理することと、野良犬の生態を把握してコントロールすることが、今後の動物保護政策の重点となる」と指摘している。

　台湾では、野良犬の避妊・去勢手術も積極的に行われている。2015年に避妊・去勢手術を受けた野良犬は台湾全土で10万匹だったが、2016年にはこれが15万匹に増加。2017年はさらに18万匹に達する見込み。

　農業委員会では今後、捨てられたペットの殺処分ゼロを達成するため、（1）飼育放棄をしない、（2）いのちに関する教育の普及、（3）法執行の強化、（4）ペットの登記、（5）繁殖をさせない、の5つを徹底していく考え。

　中央省庁の再編が予定どおり2018年末までに実現した場合、農業部（現在の行政院農業委員会が昇格）の下に「動物保護司」が設置されるため、動物保護行政にこれまで以上に多くのマンパワーと資源が充てられることになる見込み。

Taiwan Today：２０１７年２月７日

写真提供：中央社
　行政院農業委員会（日本の農林水産省に相当）は6日、台湾各地の公立収容施設で保護される動物の殺処分を全面的に禁止すると発表した。アジアでは、インドに次ぐ2番目の導入となる。黄金城副主任委員（右から3人目）は、「捨てられるペットを増やさないことと、野良犬の生態を把握してコントロールすることが、今後の動物保護政策の重点となる」と指摘した。