中国の国際社会を欺く手口を批難する

　中国の駐ジュネーブ代表団がさきごろわが国の友好国代表団に対し、台湾の世界保健機関（ＷＨＯ）年次総会へのオブザーバー参加を求める議案の提出と、台湾に対する支持を行わないよう働きかけたことは、台湾の加盟を支援するという中国の発言が信用できないことを示している。われわれは中国が真に台湾の民意を尊重するなら大局に立ち、具体的な行動をもって、台湾を矮小化しないやり方で台湾のＷＨＯへの平等な参加に協力してくれることを呼びかける。

　中国の代表団は年次総会の１０日前に台湾の友好国のジュネーブ代表団に対し、従来と同じ調子で虚言を弄し、台湾のオブザーバー参加と国際保健規則（ＩＨＲ）の台湾への適用の正当性を捻じ曲げた。これは国連の２７５８号決議とＷＨＯ年次総会の２５．１決議内容に借りて、台湾が中国の一部であり、台湾にはＷＨＯ加盟も年次総会のオブザーバー資格もないと公言したものである。また中国は台湾国民の健康と福祉を重視していると偽り、両岸の衛生分野の交流促進のさまざまな措置を打ち出しているが、一方で中国の代表団は昨年のＷＨＯ年次総会において四項目を主張し、わが国の友好国に台湾を支持しないよう求めた。

　中国は台湾がＷＨＯに参加できる活動を技術的なものに限定し、さらに参加者を「医療専門家」に限定したうえ、事前に中国に通知しなければならない、と高言している。これは完全に「中央政府」の「地方政府」に対する態度で、台湾を地位を貶めるものであり、そこには善意のかけらもない。中国は善意を示すと喧伝しながら、一方でわれわれに対する圧力の手を緩めてはいないため、台湾の医療専門家はいまだにＷＨＯの活動に参加できないでいる。これは５月４日～６日にプーケット島で行われた南インド洋大津波災害後の医療衛生問題について話し合うＷＨＯ会議や、台湾の記者に対するＷＨＯ年次総会取材許可証の発行拒否の事例からも伺える。こうした例はこの一年間に数多く見受けられ、中国の圧力のもとにＷＨＯは台湾の代表団を技術的な活動にも参加させなかった。

　現在中国は台湾の加盟に関し、ＷＨＯ事務局と「備忘録」の調印に向けて調整していると公言している。その内容は、われわれを「Taiwan,China」として扱い、ＷＨＯに対し台湾との協力やＩＨＲの適用には事前に中国に通知することを強要するものとなっている。台湾の二千三百万国民は他国の国民と同等の医療保護を受ける権利がある。われわれのＷＨＯ加盟について、中国はＷＨＯ事務局と一方的に協議を行う権利はなく、まして台湾政府の承認なしにそれらを実現させることなどできない。われわれはすでにルートを通じＷＨＯに対し、台湾を矮小化するいかなる行為も断固受け入れられないとの厳正な立場を表明した。

【外交部　２００５年５月１２日】