国立故宮博物院、商業目的の利用に中低解像度の画像を無償提供

　国立故宮博物院は11日、中低解像度の画像ファイルを商業目的での使用に無償で提供することを発表した。国立故宮博物院が提供するこれらの画像を使用した創作活動や商品の開発が可能になるが、同博物院がライセンスを供与した商品や書籍の複製品を作ったり、内容をコピーしたりすることは権利の侵害行為となる。

　国立故宮博物院では11日より、「故宮Open Data専区（オープンデータコーナー）」内の「文物査詢下載（文物の検索及びダウンロード）」及び「精選図像下載（セレクション画像ダウンロード）」にある画像のダウンロードを無償で認める。申請は不要、用途も制限されない。同博物院は昨年より中低解像度の画像の無償提供を行っていたが、これまでは非商業目的での使用に限っていた。

　国立故宮博物院文化クリエイティブ商品マーケティング処の王耀鋒副処長によると、同博物院は昨年9月より徐々に、非商業目的での使用に中低解像度の画像を提供、その後は博物院内で一般の入場者が写真を撮ることも許可した。そしてさらに今回、中低解像度の画像の商業目的での使用も認めることにした。王副処長は、外部の人々がこれらの画像に自由なアイデアを加えて創作活動を行ったり、商品を開発したりしても権利の侵害にはならないとしている。

　しかし、国立故宮博物院が正式にライセンスを供与した商品、もしくは出版品の複製品や海賊版は権利の侵害にあたる。また、同博物院がライセンスを供与していない商品を博物院内で販売することはできない。

　今回ダウンロードを可能にしたのは書画類及び器物類の低解像度画像ファイルで、その数は7万枚に達する。そのうち国立故宮博物院の「三つの宝」とされる「翠玉白菜」、「肉形石」、「毛公鼎」は中解像度の画像ファイルも提供される。また、王羲之の「快雪時晴帖」、「懐素的自叙帖」、「蓮花温碗」なども画像のダウンロードが可能だとのこと。

Taiwan Today：２０１７年７月１３日

写真提供：国立故宮博物院サイトより
　国立故宮博物院は11日、中低解像度の画像ファイルを商業目的での使用に無償で提供することを発表した。これらの画像ファイルを使用した創作活動や商品開発が可能になる。写真は国立故宮博物院のウェブサイトのうち、画像ファイルのダウンロードが可能なページ。