民進党の謝長廷・総統候補、離日に先立ち記者会見を開催

民進党の総統候補である謝長廷・元行政院長は、１２月１６日に来日以来、京都ならびに東京での４日間にわたる日程を終了し、同１９日午前、帰国に先立ち、陳明文・嘉義県長（県知事）および楊秋興・高雄県長（県知事）列席の下、東京都内のホテルで内外の記者を集め会見を行った。

謝氏は「今回の『共生・維新の旅』と位置づけた訪日は、所期の目的を達成し満足している。来年３月、総統に当選したならば、台湾の主権と尊厳を維持しつつ両岸の和平を促進していきたい。私は台湾の価値観と台湾のこれまでの努力の成果を犠牲にすることはない。中国との対話を求めていくにしても、中国の『一つの中国』の原則といったような不平等な条件による道理のない要求を受け入れることはない」と述べた。

また、「対中国の経済政策の面では現在よりもやや開放を進めていくようにし、チャーター便の両岸直行便ならびに中国人旅行客への台湾観光解放にも賛成である。政治上では主体性と開放性の兼備を堅持していくようにする」との意向を示した。

「釣魚台（日本名：尖閣諸島）」の主権問題について謝氏は、「私が行政院長時代にこの問題について立場を表明したことがある。その中で、『釣魚台は台湾の一部ではあるが、主権と漁業権の問題は分けなければならない。主権についての協議は暫定的に棚上げし、同島１２海里の範囲内は生態・環境保護区として線引きし、台湾の漁民にその海域内に入ってはならず、海域外周辺での漁業の操業は許可する』としてきた。このように政府は平和的かつ積極的に処理し、これまで日本との協議を何度も重ねてきた」と述べた。

謝氏は、記者の質問から日本における「暗殺」についてまで話が及び、「日本の歴史を見ると、明治維新や第二次世界大戦前後には多くの人が暗殺され、日本の民主化の前にも多くの犠牲があった。現在これを振り返ると、それらの行為は愚かなことであり、それにより何ら変わるものではなかった。私は脅威を恐れないわけではなく、それは人間であれば誰でも同じである。しかし、真の勇気というのはその脅威を克服することである。改革には死をも顧みない精神が必要である」との考えを明らかにした。

写真右：陳明文・嘉義県長（県知事）、中央：謝長廷・元行政院長、左：楊秋興・高雄県長（県知事）

《２００７年１２月２０日》

民進党の謝長廷・総統候補、離日に先立ち記者会見を開催

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