連戦・国民党名誉主席と胡錦濤・中共総書記が会談
4月28日から訪中している連戦・中国国民党名誉主席は4月29日午後、北京の釣魚台国賓館で胡錦濤・中国共産党総書記(国家主席)と会談した。
胡総書記は、連名誉主席が中国大陸に贈った台湾の彫刻家の作品は、台湾の人々が北京オリンピックの心からの祝福を示すものだとして、連名誉主席の訪問に熱烈な歓迎の意を示した。
胡総書記は「3年前に初めて連戦氏と会ったことは今も記憶に新しい。あのときの会談は国民党と共産党の両党が60年の時を隔てて行われた初めての会談であり、双方が共同発表した両岸の平和発展の合意は、国共両党が両岸の平和発展を推進する決意を示し、双方が協力する政治的基礎を築き、両岸関係の発展する方向性を示すものだった。事実が証明するように、両岸関係進展の重要なタイミングで、国共両党が共にこの歴史的な一歩を歩みだしたことは十分に正確であった。当時、連戦氏は数々の困難を克服して、毅然と代表団を率いて(大陸を)訪問し、3年間で両岸関係の改善と発展を推進し、両岸の交流協力を促進するなど、大きな仕事を果たしたその重要な貢献に深い敬意を感じる」と語った。
さらに胡総書記は、「今日、連戦氏と再びお会いできたのは、特別な意義があった。現在、台湾では政局の積極的な変化が起こっており、両岸関係は良好な発展の流れが表れている。この新たな形勢の下で、両岸の人々は両岸関係の新たな進展を期待している。国共両党はさらに協力を強化し、引き続き両岸関係の平和発展を推進しなければならない」との考えを示した。
これに対し、連名誉主席は、「2005年、国共両党は現実を直視し、未来を共に創造する基礎の上に、平和発展5項目の合意を達成し、両岸関係発展の指導方針となった。その後、国民党は十七全(中国国民党第17回全国代表大会)において政策綱領に盛り込み、胡錦濤氏は中共十七大(中国共産党第17回全国代表大会)において両岸の平和協定の締結を提案した。これはいずれも両岸関係の一里塚であり、その意義はきわめて大きい」と述べた。
そのうえで、連名誉主席は「2005年以来、国共両党は数回にわたるフォーラム開催を経て、いくつかのコンセンサスが得られた。それを一つ一つ実行することで、多くの人々の両岸関係の見方が変わった。良性的な協力が、知らず知らずのうちに理性的、実務的な考えとして台頭してきたのである」との認識を示した。
さらに連名誉主席は、「この流れの下で、国民党は立法委員(国会議員)選挙および台湾大選(総統選挙)を勝利した。それは、一方では人民の真摯な付託を受けたことであり、もう一方では国民党が完全に政権を担当することで、完全な責任を負うことを意味する。今後、両岸関係の平和的発展の公約を全力で実現させることは、両岸の人々の共通願望であるだけでなく、国際的な期待にも合致するものである」と指摘し、「平和発展は一つの時代の理念を描いたものである。平和は発展の基礎であり、発展によって平和を強化できる。平和発展は、お互いの生活スタイルや、考え方、路線の違いを徐々に小さくできるだろう」と強調した。
胡総書記は「3年前に国共両党が得た平和発展5項目合意は、両党の両岸の人々への荘厳な約束である。台湾海峡の平和と、両岸の人々の福祉を増進するため、『92年のコンセンサス』を基礎として、両岸協議を速やかに実現し、各種問題の解決をはかりたい」と述べ、「両岸が『相互信頼を構築し、小異を残して大同を求め、争議を棚上げし、ウィンウィンを創造する」という原則を堅持すれば、問題解決の方法を見つけ出すことができ、道は進めば進むほど広がっていく」と呼びかけた。
会見後、胡総書記は連戦夫妻を宴会に招き、林豊正・国民党副主席、徐立徳・元行政院副院長、蔡勲雄・次期行政院政務委員らも同席した。
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連戦・中国国民党名誉主席は4月29日午前、北京オリンピック公園において、台湾の彫刻家・楊英風氏の作品「水袖」の除幕式に出席した。
同作品は連名誉主席が2006年の訪中時に胡総書記に贈ったもので、胡総書記はこの作品を大きくして、北京オリンピックのモニュメントとするよう建議していた。新たに大きく作られた「水袖」は、「鳥の巣」(北京五輪メインスタジアム)と「水立方」(国家水泳センター)の間の北京オリンピック公園に置かれた。
同除幕式に出席した郭金龍・北京市長は、挨拶の中で、連戦夫妻を北京オリンピックに招待したいと語った。
中国国務院台湾事務弁公室(国台弁)の李維一・報道官は4月30日に記者会見し、連名誉主席を北京オリンピックに正式に招待することを明らかにした。
《2008年5月1日》