馬英九総統が「聯合号」事件の平和解決を強調

　馬英九総統は６月１８日、総統府で開かれた中国国民党および無党団結連盟所属の立法委員との座談会に出席した。

　このなかで馬総統は、先日発生した釣魚台事件（『聯合号』沈没事故）に関して「いま、どのようにすれば最速で情報の全貌を把握できるか、徹底的に外交および国家安全体制の運用方式を検討すべきである。本来の管轄である外交部亜太司（アジア太平洋局）がまったく対日本外交を所管しなかったり、またある部署が部長（大臣）の裁定を経ずに対外的に意見を述べたりするなどについては、必ず調整しなければならない」と指摘し、外交部日本事務会を廃止して亜太局に編入する考えを示唆した。

　事故後の処理について馬総統は「状況を把握後、行政院、国家安全会議、総統府を問わず、処理上においては本来あるべきやり方で進めなければならず、現時点までにおいては、平和方式による争議の解決を大前提とする下で、政府は日本側と協議を進め、日本が乗員・乗客を釈放し、賠償問題の処理に応じるなど、一定の成果が得られた。（日本側の）『遺憾』という表現について、日本のメディアは『謝罪』と解釈したが、日本側が本当に『謝罪』の言葉を述べたのかは、まだ調査中である。いずれにしても、１，０００トンの巡視船が２７トンの漁船を追って、沈没させたことは、過失なのかその他の要因があったのかは、さらなる理解が必要であるが、筋が通らないことははっきりしており、さらに日本側も一定程度の誠意を表明した」との認識を示した。

　そのうえで、馬総統は「『全家福号』が（釣魚台へ）出航した際に、海岸巡防署が全行程を護衛したことは、長期にわたって漁民または外界から海岸巡防署はあまり積極的でないと思われてきたその印象を一掃した。わが国の領土、わが国の領海であれば、われわれが行くべきときには行くのであり、その立場はきわめてはっきりしている」と強調した。

　一方で、馬総統は、立法委員が外交部門の要望に協力する形で、国軍による軍艦派遣の延期など適切なタイミングで弾力的な方法をとったことにより、外交部門が大きな協議の空間が得られたことに対して感謝の意を示した。

【総統府　２００８年６月１９日】

馬英九総統が「聯合号」事件の平和解決を強調

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