馬英九総統が「日台フォーラム」の日本代表団一行と会見
7月21日、馬英九総統は総統府において、財団法人世界平和研究所の大河原良雄・理事長を代表とする「日台フォーラム」日本代表団一行と会見した。
馬総統は、「代表団各位は東アジアの問題、とりわけ台・日・米・韓関係に精通されており、今回のフォーラムでの意見交換を通して、各問題に対しより一層認識が深まることになるであろう」と期待の意を示した。
また、馬総統は「台日関係はこの6年間に見るべき価値のある大きな進展があり、台日双方の観光ビザ免除措置のほか、自動車免許証の相互承認もあった。前者は、両国における観光客の増加をもたらし、昨年日本から台湾を訪れた旅行客は116万人を超え、台湾から日本を訪れた旅行客も232万人にも達し、いずれもこれまでの記録を更新した。しかも自動車免許証の相互承認も関係改善の一つの象徴でもある」と強調した。
馬総統はさらに「5月20日、私の総統就任後、東アジア情勢、とりわけ台湾海峡両岸の関係は大きな変化があった。すなわち、海峡両岸はこれまでの衝突・対立の状況から平和的和解に向かい発展しており、今後われわれも両岸において平和的共存が達成され、ウィンウィンの局面が創造できることを希望している。この数カ月間、両岸双方の多くの政治指導者が、争議を棚上げし、同意できるものを先に求め異議ある点をひとまず保留とし、ウィンウィンの関係を追求するというコンセンサスを表明した。さらに10年間中断されていた協議も今年6月に再開し、両岸における週末チャーター便の運行、小三通の拡大、中国大陸からの旅行客の台湾観光の開放などといった多項目の協議もすみやかに達成させた。現段階においては、週末の旅客チャーター直行便の運行にすぎないが、多くの国内外の旅行客にとっては、これで十分であると感じている。なぜなら、これにより乗り継ぎの必要はなくなり、飛行時間は半分以上短縮されたからである」と述べた。
続けて「上述の変化は表面的なものだけであり、さらに深層的な変化が国民の感情から見受けられ、多くの人々が平和の追求は双方共通の価値観であると感じるようになったことだ。そのため、両岸で衝突が発生する可能性は軽減されるであろう。この変化は台湾と中国大陸にとり意義のあることのみならず、近隣国である日本にとっても大きな意義がある。日本と台湾が引き続き友好関係を維持できることにより、日本は両岸間において何ら困難な決定をする必要がないからである」と指摘した。
馬総統はさらに一歩進め「東アジア地域諸国および国民にとり、台湾海峡と朝鮮半島は2大『危険地域』である。そのため、台湾海峡の緊張関係を軽減させるのは人々にとり、良いニュースである。私は、日本と中国大陸間の関係が現在継続して発展していることに注目しており、昨年両国のトップによる相互訪問がきわめて緊密に行われ、とりわけ両国の東シナ海におけるガス田開発問題で共同開発の協議が達成したが、これはきわめて評価すべきものであった」と説明した。
また、馬総統は「東アジア地域における平和発展に、多くのきっかけとなる重要な時期が現れている。代表団各位が来台し『日台フォーラム』に出席され、東アジアの問題について深い意見交換を行うことに、再度歓迎の意を示すと共に、大きな成果を残してほしい」と期待の意を示した。
代表団のメンバーは馬総統に対し、台湾が数日前に台風にみまわれ大きな被害を被ったことに対し、慰問の意を示すと共に、先ごろ発生した釣魚台(日本名:尖閣諸島)での台湾の遊漁船と日本の海上保安庁の巡視船による接触、沈没事故の問題に直面し、馬総統が平和的で理性的に衝突を解決するよう明確な指示をされたことに感服の意を示した。
【総統府 2008年7月21日】
写真提供:中央社
(写真右:馬英九総統、写真左:大河原良雄・理事長)