欧鴻錬・外交部長（外相）がこの一年間の対日関係について語る

　５月６日、欧鴻錬・外交部長（外相）は、「遠見（グローバル・ビュー）人物フォーラム」に出席し、「わが国の活路外交の成果と展望」について基調講演ならびに質疑応答を行った。この講演の中で、欧・外交部長は対日関係についても言及した。以下はその講演内容の抜粋である。

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　対日関係の面では、我々も大きな進展があった。馬英九総統のハーバード大学における博士論文が釣魚台（日本名：尖閣諸島）問題について専門的に研究したものであったことから、嫌日派または日本に対して友好的でないなどと、かつては誤解されていた。しかし実際の上では、馬総統は就任後、積極的に対日友好関係の構築および強化を図ると共に、今年を「対日特別パートナー関係促進年」と定め、短いこの一年の間に、対日関係の安定および増進にとり大きな進展があった。たとえば、わが国の遊漁船「聯号号」が釣魚台海域において、日本の海上保安庁の巡視船により接触し沈没した事件では、台日双方はその処理にいずれもがきわめて理性的に対応し、最終的には日本政府が勾留者の釈放、謝罪、賠償を受け入れ、賠償協議についてはすでに順調に協議が達成され、事件は円満に解決したと言え、台日両国の伝統的な友好関係を損なうことはなかった。そのほか、台湾と日本間の自動車運転免許証の相互承認、青少年の交流計画なども重要な外交成果となった。昨年台湾は、２０名の日本の高校生を台湾に招き、日本側も今年、台湾から１００名の高校生を日本訪問に招いたが、これらは我々の若い世代の人々が相互理解を増進することに対して大きなプラスとなるものである。また、今年２月に台日航空諮問協議が開催され、多項目にわたる重要な協議を達成させ、これにより来年１０月に日本の羽田空港の第４滑走路完成後、台北の松山空港と羽田空港の直行運行がスタートできるようになる。さらには、日本を訪れる台湾からの旅行客に対するさらなるサービスのために、台日双方は、今年７月に駐札幌弁事処を設立することに同意した。

　漁業面では、釣魚台と聯合号事件後、台日双方の政府は相互理解の増進が必要であり、協議により意見不一致の解決を図るべきと認識した。そのため、今年、第１６回台日漁業会談を行い、海上における漁業トラブルの緊急通報システム確立ならびに双方の情報交換強化などのコンセンサスを達成させた。これにより今後は不測の衝突を回避し、危機処理をする上でも大きなプラスとなるであろう。そのほか、今年台湾は日本とも青少年のワーキングホリデー制度を締結したが、これにより両国の若者が、相手国で休暇を過ごすことができるほか、アルバイト方式で旅行滞在中の出費を補填することができると共に、少し長く滞在することにより、同地の人々の心情を深く理解することができることになる。

【外交部　２００９年５月１３日】

欧鴻錬・外交部長（外相）がこの一年間の対日関係について語る

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