漢光34号演習の実弾演習が4日にスタート

　中華民国軍による漢光34号演習のうち、「コンピュータ補助指揮所演習」（兵棋演習）が4月30日から5月4日にかけて実施されたのに続いて、実際の兵士たちによる実弾演習が4日から8日まで行われている。国防部（日本の防衛省に相当）によれば、今回の演習は「海軍と空軍による合同作戦」、「台湾北部での上陸阻止作戦」、「同南部での上陸阻止作戦」、「同中部における空からの着上陸侵攻阻止の合同作戦」の4大項目に分かれる。

　「海軍と空軍による合同作戦」では、中共人民解放軍が台湾海峡から様々な方式で台湾に侵攻してくることを想定。しかし、台湾海峡での実弾射撃訓練はややデリケートなため、台湾最南端の屏東県を中心とした両側（南部の高雄市から屏東県、南東部の台東県から屏東県）の外海を演習地点とする。

　「上陸阻止作戦」はまず、台湾本島の西部沿岸での実弾を使わない「戦術対抗訓練」によって、中共人民解放軍の海からの上陸を想定した対応を確認する。その後、台湾北部の新竹県湖口郷にある陸軍部隊訓練北区合同測考センター、及び同南部の屏東県恒春三軍合同作戦訓練基地に分かれて移動し、実弾射撃訓練を実施する。

　「台湾中部における空からの着上陸侵攻阻止の合同作戦」は漢光演習の重点項目。中共人民解放軍が台中市（台湾中部）にある台中清泉崗空港に着陸しようとした場合の対抗能力を確認する他、民間の建設会社や中華電信株式会社などの後方支援を演習に初めて動員し、戦闘による損傷の復旧を訓練する。また、民間の無人機を使った調査も行う。

　今回の実弾演習には5つの特徴がある。それは「リアルな実戦行動」、「全国民の力の統合」、「後方支援力の強化」、「指揮管理通信が途切れた場合の後方支援」、そして「萬安演習との結合」。「萬安演習」とは国防部による「軍民聯合防空演習」のことで、一般の人たちも参加する防空演習。

　「リアルな実戦行動」では戦場での実際の状況に合わせるため、台湾の海、空、そして北部・中部・南部において、「リアル」、「実弾」、「実戦」の原則に基づき、実際の兵士を動員しての24時間にわたる昼夜を通した対抗訓練が行われる。

Taiwan Today：２０１８年６月４日

写真提供：国防部軍事新聞通訊社提供、中央社
　中華民国軍による漢光34号演習のうち、実際の兵士たちによる実弾演習が4日から8日まで行われている。空軍第2戦術戦闘機聯隊は4日、戦備移転の命令を受けてミラージュ2000戦闘機（写真）を別の基地へと移動させる。