「両岸経済協力枠組み協議(ECFA)」第3回協議で一定のコンセンサスを達成
台湾の対中国大陸協議窓口である「海峡交流基金会(以下、海基会)」と中国大陸の対台湾協議窓口、「海峡両岸関係協会(以下、海協会)は、「両岸経済協力枠組み協定(以下、ECFA)」について、第3回の正式協議を開催した。台湾からは経済部国際貿易局の黄志鵬・局長が団長となり、中国大陸側は、海協会の理事を兼任する「商務部」台港澳司(台湾・香港・マカオ局)の唐煒・司(局)長が代表となり、海基会、海協会の両岸両会、および双方の関連する主管部門の関係者がメンバーとして同協議に出席した。双方は、ECFAの本文およびその5項目の付属文書について、深く掘り下げた意見交換を行い、実質的な進展を得た。
今回の協議において、双方はECFA本文についてのコンセンサスを基本的に達成した。協議文の本文は、序文、総則、貿易と投資、経済協力、アーリーハーベスト(早期段階での実施)、その他など5章にわたり合計16条で構成されており、その内容は、両岸間の主な経済活動を含めたものとなっている。
以下はその説明である:
― 貿易と投資:製品貿易、サービス貿易、投資などについて、双方はさらなる協議の原則と項目を取り決めた。
― 経済協力:知的財産権の保護、金融協力、貿易簡易化、産業協力などを含めた後続的な協力事項を明確に定めた。
― アーリーハーベストの計画:製品貿易およびサービス貿易の各アーリーハーベストの関連条項、アーリーハーベストを実施する製品およびサービス業別の目録を含め、双方がさらに深く確認後、本協議の付属文書に盛り込む。
― その他:主に問題の解決、関連組織の手配、発効(双方が各自のプロセスを終了後、協議方式で通知および発効を行う)、終了(協議終了のプロセスおよび関連する問題を明確に定める)などの条項を含む。
双方は、平等・互利、順序に沿って段階的に進めていく原則に従い、双方の経済条件を考慮し、双方間における貿易・投資の障害を徐々に軽減または排除するようにし、公平な貿易と投資環境を創造していくことを表明した。ECFA調印により、双方の貿易および投資関係を強化し、両岸経済が共に繁栄と発展することにプラスとなる協力メカニズムを確立していくものである。
両岸の人々が、ECFAの恩恵をすみやかに感じられるようにするために、双方の関心事を十分配慮する基礎の下、双方はECFAの中で、アーリーハーベスト計画について、十分な意見交換を行うと共に、重要なコンセンサスを得た。すなわち、協議内容が発効後、一定期間内に、一部の製品に対する関税の減税実行ならびに、一部のサービス貿易の分野におけるより開放された政策措置の実施がスタートすることになる。アーリーハーベスト計画に関連する製品の項目数、金額、割合においては、いずれもかなりの規模に達することになる。関連するサービス業種別の開放は、双方のニーズも十分に考慮したものである。また、双方は、ECFAの発効後、すみやかに後続の製品貿易とサービス貿易協議の話し合いを進めることにも同意した。
その他、双方は臨時の原産地規則、アーリーハーベストが適用されるサービス業の提供者の定義、双方の防御措置など、協議の付属文書の内容について協議を行い、コンセンサスを基本的に達成させた。
ECFAの調印は、両岸の経済および貿易協力の制度化を確立するプラットフォームであり、両岸の特色ある経済協力メカニズムを確立するものでもあり、双方の貿易と投資関係の増進、双方の経済協力分野の拡大の増進、公平で透明性および利便性のある投資環境確立などの面について、いずれも積極的且つ効果的な作用を発揮することになると双方は認識している。
双方は、ECFAの協議実務の進行プロセスを加速させ、それにより第5回「江・陳会談(海基会の江丙坤理事長と海協会の陳雲林会長とのトップ会談)における協議調印を行なうものであると表明する。
【海峡交流基金会 2010年6月13日】