「安全保障の最初の防衛ライン」、コミュニケーション及びサイバーセキュリティセンターが発足

　「国家コミュニケーション及びサイバーセキュリティセンター（国家通訊及網際安全中心　National Communications and Cyber Security Center, NCCSC）」が15日に発足。蔡英文総統はプレートの除幕式に出席し、国家通訊伝播委員会（NCC）インフラ施設事務処の羅金賢処長よりNCCSCの環境と設備に関する説明を受けた。蔡総統は、総統就任後、自分は「情報セキュリティは国の安全保障に等しい」という重要なコンセプトを打ち出したと指摘、「今日のプレート除幕式はこのコンセプトを具体的に実現するものだ」とすると共に、政府が国の共同防衛体制を築く上で再び大きな一歩を記したことを意味すると強調した。

　安全でスムーズ、かつ強力なブロードバンドネットワークを整えることはデジタル国家を推進するためのカギだとする蔡総統は、台湾は今、情報セキュリティの面で複雑かつ次々と姿を変える世界の脅威にさらされており、その脅威には情報システムを麻痺させようとする悪意の攻撃さえあると警戒した。蔡総統はそして、ブロードバンドネットワークを通じた様々な活動に関する情報の安全性を確保すると共に国家の正常な運営を維持し、さらには持続可能なデジタル経済を促進するため、国家レベルの共同防衛体制を確立して情報を保護していくことは最重要任務であるとの考えを示した。

　「国家コミュニケーション及びサイバーセキュリティセンター」が正式に運営を始めることで、政府はネットワークの安全性に対するリアルタイムの把握、並びに効果的な管理が可能になる。蔡総統は、情報セキュリティに関する事件の自動的な収集、分析、通報、対応、並びに共有を一つにし、そこに世界の通信ネットワークとの相互防衛体制を加えることで情報通信の安全性を大幅に高め、さらには各国が力を合わせて情報の安全性確保に取り組む効果を生み出せると期待した。

　「情報通信安全旗艦プロジェクト」に直接関わる各省庁は共同防衛体制構築に積極的に取り組まねばならない。そしてそれぞれが管轄する分野での防衛体制整備を加速、情報通信の安全性確保に向けた体制をより充実させる。蔡総統はこのため、「情報の安全トライアングル」として、国家安全会議、行政院（内閣）情報通信安全処、NCCに改めて期待すると強調した。

　蔡総統は、関連の政府機関が縦横の連携を強め、情報セキュリティの「防衛ライン」はライフラインに求められるものと同レベルの高品質な維持運営を行っていくよう求めた。蔡総統は、「これは国の安全保障のための最初の防衛ラインだ」と述べ、国家運営と安全保障の上で最も重要な取り組みであり、全力で整備し、より安全で競争力のある台湾を実現せよと呼びかけた。

Taiwan Today：２０１８年１１月１６日
　
写真提供：中央社
　「国家コミュニケーション及びサイバーセキュリティセンター」が15日に発足。蔡英文総統（左から2人目）は、情報セキュリティは国の安全保障の最初の防衛ラインだと強調した。右から3人目は国家通訊伝播委員会（NCC）の詹婷怡主任委員。