台湾が官民でCOP24に参加、気候変動問題解決への取り組みを世界にアピール
国連気候変動枠組条約第24回締約国会議(UNFCCC COP24)は12月2日から14日まで、ポーランドのカトヴィツェで開催され、15日と16日の会期延長を経て、「パリ協定」を運用する実施指針(ルールブック)を採択した。中華民国(台湾)政府は慣例に則り、財団法人工業技術研究院(ITRI)のNGOオブザーバー名義で代表団を組んでこれに参加した。行政院環境保護署(日本の環境省に相当)の蔡鴻徳代理署長が代表団を率い、「専門的・実務的・貢献」などの原則で関連の任務を果たした。
今年の成果のうち主なものはまず、COP24に合わせて集まった各国の代表らとの二国間会談を38回行ったこと。昨年は31回だった。代表団は中華民国と正式な外交関係を持つ14カ国、並びにイギリス、米国、ドイツ、日本など理念の近い国10カ国の代表と38回に及ぶ二国間会談を実現した。そのうち蔡代理署長が相手側の首相、大臣、副大臣、議員、及び気候変動対策特使らと行った会談は昨年(19回)を上回る20回だった。
また、サイドイベントとして10回の会議を開催。台湾のNGOオブザーバーは合計5回の会議を開いた。外交部(日本の外務省に相当)は今年、ベリーズ、セントクリストファー・ネーヴィス、マーシャル諸島、ソロモン諸島の4つの友好国を通じて、財団法人工業技術研究院や財団法人台湾永続能源研究基金会(TAISE)など台湾の6つのNGOオブザーバーと共同でのサイドイベント開催を申請、いずれもUNFCCC事務局の許可を得ることが出来た。また、デルタ電子財団主催のサイドイベントも開催が許可された。
財団法人国際合作発展基金会(ICDF)はこれらサイドイベントのうち5回で、招きに応じて基調講演と意見交換を行った。同基金会は第14回締約国会議(COP14)以来の参加で、サイドイベントへの参加を通じて、中華民国が友好国の気候変動への適応とCO2削減に協力している具体的な取り組みとその効果を国際社会にアピールした。
中華民国代表団のメンバーは、行政院(内閣)エネルギー及びCO2削減オフィスの林子倫副執行長、及び行政院農業委員会(日本の農水省に相当)、台北市、財団法人国際合作発展基金会、台湾青年気候聯盟(TWYCC)などの代表で、サイドイベントのうち5回に招かれて基調講演を行うかもしくは討論に加わった。
また、台湾からCOP24に参加した各界の代表は中国語メディアと海外メディアの取材に合計14回応じた。昨年は5回。そのうち代表団の団長が受けた独占取材は8回。欧州で大きな影響力を持つ文字媒体の南ドイツ新聞、ポーランド通信社、ワルシャワ・ボイス、インドのエコノミック・タイムズなど重要な海外メディア及びソロモン諸島のソロモン・スターの独占取材に応じた。台湾のメディアでは中央通信社、聯合報、天下雑誌などのインタビューを受けた。
COP24の会場周辺を走るトラムの車両に施したラッピング広告及び駅に設けた電飾看板の広告は効果的だった。今年中華民国は、「Combating Climate Change-Taiwan Can Help(気候変動問題の解決に台湾は貢献できます)」をキャッチフレーズにし、さらに「クリーンエネルギーによる循環型経済」と合わせたオレンジ色のメインビジュアルをデザイン。会場付近のトラムとその駅ではラッピング車輛と電飾看板で台湾の取り組みをアピール、これらの広告は注目を集め、現地の人々やメディアを引き付けた他、台湾でも前向きな報道と大きな反響へとつながった。また、蔡英文総統がフェイスブックにシェアするなど、大きな宣伝効果が生まれた。
Taiwan Today:2018年12月25日
写真提供:外交部
ポーランドで行われたCOP24に台湾がNGOのオブザーバー名義で参加。各国代表との38回にわたる二国間会談、及び10回のサイドイベント参加など、大きな成果を上げた。写真は会場近くを走るトラムのラッピング車輛と駅に設けられた広告看板。
